ユング分析心理学を題材に、16タイプの美徳と悪徳を紹介しているが、今回は若干下品な話になるかもしれない。多くの人はESTPの美徳を知らない。悪徳は何となく知っているだろうが、美徳は言われてもピンとこないだろう。しかし、これは現実の話である。

なぜ美徳と悪徳が重要なのか?16タイプの互換性を詳しく調べるには、タイプが何によって構成されているか知るために、美徳と悪徳を理解する必要がある。これを理解した結果、我々は実際に人々と関係を持つことができる。心理機能そのものを知るだけでなく、それがどのように生き方に繋がるかを知ることが重要である。少なくとも対外的な人間関係において、彼らが取るアプローチは、最終的に人間の育成となるものである。つまり、人間の本質に美徳と悪徳があり、それら全てが揃うとその美徳と悪徳が育成を生み出し、その育成が他人に影響を与えることができるようになる。したがって、彼らを理解するには、美徳と悪徳を理解する必要がある。

これは互換性の基盤の一部に過ぎない。全体的な理解のためには、細部を理解することが重要である。ESTPの全体像、つまり彼らの特徴とは何か?厳しいとか、いじめっ子というイメージがある。あるいはアルファと言う人もいるだろう。彼らは究極の現実主義者である。そのリアリズムが美徳だろうか?残念ながら、そうではない。

ESTPは黒い本を持っている。非常に分厚い本である。色は黒ではないかもしれないが、とにかくその本には数百名以上の異性がリストされている。彼らはこれまでデートした女性の名前と電話番号を全て保存している。これがESTPの悪徳、色情症である。男性ならサチリアジス、女性ならニンフォマニアと呼ばれる。

ESTPは全てのタイプの中で最も下品である。彼らはFiトリックスターがあるので、自分の気持ちや価値観がわからず、自分自身を大切にすることが難しい。したがって、彼らはその自己価値を外部ソースに求めなければならない。ひとつの方法は、誰かと性的に親密になることである。寝室で最高傑作である究極の体験を恋人に届けることは、Seヒーローにとって神聖で重要である。もしESTPがそれを禁止されると、彼らは激怒する。彼らは肉体的な接触を誰かと持つことで、他人にポジティブな感覚を与える。これによって自分の価値を確認し、彼らは満足する。Feチャイルドは人々の気分を良くして、評価されたい。ESTPの例なら、リストの女性たちを性的に満足させることである。これはESTPの女性にも該当する。

「私が彼にベッドで最高の体験を提供したのだから、彼は私と一緒に居たいと思うだろう。あの女には飽きて私のところに戻ってくるに違いない」とESTPは思っている。これはESTPにとって極めて一般的なことである。世のESTPの大多数には膨大な恋人がいるが、彼らがふしだらだったり売春婦だからではない。彼らは感覚を与えることで、その人に忠実になってもらい、どこまでもついて来て欲しいだけなのである。文字通り片時も離れず、ESTPを見捨てない人間。ESTPは見捨てられたくないので、相手を繋ぎ止めるために、セックスをする。それが彼らの悪徳である。それは相手に良い気分になってもらいたいからでもある。性的経験を通じてその人が良い気分になると、その人を向上させたように感じる。

それは性的なものである必要はないが、ESTPは良い経験を与えまくり、他の人々を良い気分にさせる。また、自分の考えを共有して、他の人が物事を考える手助けをすることもできる。Tiペアレントは非常に知的であり、彼らはそれを知っている。それがESTPを厳しくさせる。彼らの悪徳は色情症だが、美徳は貞節である。ESTPは尻軽であると同時に、全てのタイプの中で最も貞淑になる可能性もある。

彼らは膨大な数の恋人と付き合ううちに、その経験を受け取ることを楽しむ、忠実な一人の恋人を見つけ出す。するとESTPは生涯を通じてその女性と付き合い、完全に献身的になる。ESTPは色情症の悪徳のせいで、膨大な数の恋人を抱えており、立ち回りが上手いと思われがちである。それが彼らの評判を傷つける。実際は男遊びがしたいのではなく、自分に忠実なひとりを見つけたいだけである。

性的親密さはESTPにとって最重要事項なので、彼らは相手を見つけようとしている。その行為から、ESTPは自身の価値を引き出す。この記事を読んでいるあなたは高潔なESTPか下品なESTPか、それが問題である。多くの異性遍歴があるからといって、彼らが信用できない人間だというわけではない。この人だと思える人を見つけたら、ESTPは結婚して献身的になることができる。ただし、その相手がESTPに自由を与え、忠実で、彼らを管理してくれればの話だが。これはSTJがSTPに行うことである。前回はESTJの美徳と悪徳、静寂と混沌について話したが、ESTPはESTJが快適になるように、常に良い経験を与えることに集中するだろう。

ESTPの外向的感覚が、ESTJの魂に忠誠心を刻み付ける。ESTJは死ぬまで全ての性行為を覚えている。ESTPは彼らとの永久的な思い出を相手に植え付け、いつまでも彼らの元へ戻って来てくれることを期待している。これは男女関係なくESTPに当てはまる。寝室で主導権を握らせてくれる男性もいれば、主導権を握りたい男性もいる。通常、後者はSeユーザーである。Siユーザーは主導権を握って欲しい。美徳と悪徳は表裏一体である。ESTPは理想的な恋人、つまり彼らが与える経験を好み、ずっと忠実でいてくれる誰かを見つけて、結婚する。全てにおいてESTPを大切にできる人間に彼らは献身的であり、いつまでもその人物に執着する。

ESTPは人生のかなり早い段階で、その人に出会うことがある。すると彼らはその人を決して裏切らない。ESTPは鏡のようなものである。INFJが鏡であるのと似ている。彼らは行動を反映する。STPとNFJは鏡である。ESTPは行動を反映する。その人がESTPに忠実であればあるほど、ESTPも貞節を誓うようになる。だからこそ、ESTPが若い頃に恋愛をすると、彼らは異性を渡り歩くことをやめるのである。最初の一人と、無期限に一緒に居る可能性もある。

驚くべきことに、ESTPは全てのタイプの中で最も貞淑である可能性すらある。彼らがそのような相手を見つけて、関係を構築することができれば、それが叶う。ESTPはとても厳しく、いつも騒ぎを起こそうとしているように見える。それは彼らが現実性チェックを行ったり、現実を見失った人間の目を覚まそうとしているからである。彼らは全てが現実に存在することを望んでいる。Neヒーローにとっては最悪である。ESTPはNeヒーローが現実に存在すると思っていない。

これらの関係で、互換性についてできることはあまりない。最終的に互換性が問題になるかもしれないが、ESTPが悪いわけではない。彼らが現時点で下品だからと言って、今後も貞淑にならないとは限らない。だからESTPを理解する必要がある。彼らはルーズであることを好んでいるわけではなく、性的親密さが重要であり、その繋がりからポジティブな結果を得たいだけである。彼らの自我は、そのように自分たちの価値を描き出す。その繋がりを持ち、その繋がりを保ち続けたいと思う人を見つけて、シンクロニシティを確立すると、ESTPは全てをその人に捧げるだろう。

そうならなければ、ESTPは本にリストを書き込み続けることになる。それでも彼らは悪人ではないし、必ずしも無責任なわけでもない。彼らは一夫一妻制に従うが、その相手が日替わりであるだけである。しかしひとたび彼らが運命の相手に出会えば、貞淑になり、その相手に非常に献身的になる。そうではなく、自分を構築することに集中している場合、ESTPの女性が謙虚さを学べば、彼女は美しさを増す。ESTPの男性が自身を尊重し、高貴さを築くことに集中していれば、「今はデートしない」と決めていることもある。本当に探している人を引き寄せるために、自分自身を磨くことに忙しいのである。これがESTPの美徳と悪徳、貞節と色情症である。