前回で気質の有する三つの特性が理解できたと思われるので、今回からはインタラクション・スタイルについて解説していく。率直と情報提供が意味するものは何か?イン・チャージとフィニッシャーは率直なタイプで、スターターとバックグラウンドは情報提供するタイプである。

重要なのはインタラクション・スタイルを知る前に、自分または相手が率直なのか情報提供なのか知ることである。情報提供型が率直型を検出するよりも、率直型が情報提供型を検出する方が複雑だろう。例えば、ESTPは直接的だが、彼らと相性が良いのはESTJとISTJである。STJは率直なので、ESTPは自身が率直であるだけでなく、近しい人々にも率直であることを望む。各タイプはコミュニケーションをする際に好みのバイアスがある。どのタイプにもこの好みがある。ESTPは相手にも率直であることを求めるが、その反対であるINFJは情報を与えられることを好む。同様にINTJも、自分自身は率直に話すが、情報を受け取ることを期待する。それぞれのタイプに、このような細かなバイアスがある。通常、これらのバイアスは、上位二つの社会的適合性、あるいは潜在意識に影響を受ける。

このように親は子供を通して代理的に生き、子供は親を通して代理的に生きる。ENFJの父親はISTPになりたいと思っているので、後年はISTP寄りになり、バランスの取れた状態になる。もし子供がENTPだったら、子供が機械いじりに興味を持たないことに父親は不満を持つだろう。おまけに、彼らのインタラクション・スタイルにはバイアスがかかっている。

さて、率直に話す人々をどのように定義すればいいだろうか?極端に言えば、偉そうな人間が率直な人々である。被害者意識まるだしにするのが情報提供型の人々である。リンダ・ベルン博士は我々が自分や他人を理解できるように、インタラクション・スタイルを開発した。その違いのひとつが、率直か情報提供かである。人々はインタラクション・スタイルやコミュニケーションの方法に異なるバイアスを持っている。このバイアスについても別の講義が必要かもしれない。

率直な人々は指示的で、物事を命令する。ESTPやENFJが冷蔵庫を開けて、牛乳が無いことに気づく。するとESTPは「店に行って牛乳を買ってきて欲しい」とINFPに命令する。では逆にINFPが冷蔵庫を開けたとしたら?INFPはESTPが店の近くに出かけることを知っている。そこでINFPはESTPに「牛乳がなくなってしまった」と報告する。これが率直と情報提供の違いである。率直なタイプは行動を求める。情報提供するタイプは、どう行動するかを相手に任せる。

情報提供するタイプは、相手が牛乳を買いに行ってくれることを申し出ることを期待している。その相手が牛乳について有益な情報を提供したINFPに、買ってくるように指示する可能性は低い。その可能性を認識しているから、INFPは先手を打って情報提供したのである。もしINFPが率直に「牛乳を買ってこい」と言ったら、ESTPは自由を奪われたように感じるだろう。偉そうにするのはESTPの役目である。ESTPとINFPは率直と情報提供だが、これがESTPとESTJとなると、話が違ってくる。ESTJは冷蔵庫を開けて、牛乳がなくなっていることに気づく。ESTPに率直に買って来るように頼むが、追加情報を付け加える。INFPは率直に頼んだり、自分で牛乳を買いに行く気分ではない。上手くいけばESTPはナイスガイ症候群のナイスガイのように、牛乳を買いに行きたくなるだろう。

情報提供するタイプは、基本的に状況について声明を発表し、聴衆や話し相手に役割を選択する機会を提供する。彼らは直接命令したり、威圧しているわけでも、指示しているわけでもない。情報を受け取っている相手には、会話の文脈を読んだり認識する責任が課せられる。だから情報提供型は、自分について過剰に説明する傾向にある。彼らはできるだけ多くのコンテキストを提供しようとする。例えばESFJに「道端に犬がいる」と言うと、彼らは「道端に犬がいる」と繰り返す。ESFJにはSeが欠けているので、彼らは自分で経験を積んで、それを改めて情報提供する習性を持つ。この習性には苛つくが、同じクアドラ内にいる人々と友情や親密な関係を結ぼうとすると、このような苛立ちが発生する。同クアドラの人々は、既に何が起こっているかわかっているからである。もしESFJとESFPが何らかの関係にある場合、彼らは両者共に情報提供型なので、発言の文脈や裏の意味を100%理解している。同じ文でも、その意味は会話に応じて何通りにも拡大する。情報提供者同士がこれを解読するのは簡単だが、率直な人々はこれをストレスに感じ、相手が被害者として振る舞っているように感じる。確かに、インフォマティブは情報を操作に利用できる。しかし彼らは自分が監督の席に座って指示を出し、聴衆に失礼だと思われないように情報を提供しているのである。これゆえに情報提供型は女性的と見なされ、率直型は男性的と見なされる。それは単なる偏見であり、全く真実ではない。

例えば情報提供型が「ENTPの男性は女性的だ」を率直に言う場合、「社会は情報提供型に偏見を持っているので、ENTPの男性は女性的に見られている」という言い方になる。背景を説明することが重要である。本当に率直な言い方は、「たとえ社会が女性的だと思っていても、ENTP男性は女性ではない」である。率直な人々は、必要最小限の言葉でコミュニケーションを取る。彼らは自分の主張を述べるだけ、あるいは「あれをやってくれ」と指示する。あるいは、自分自身について一般的でない話をする。情報提供型は一般的だが、具体的ではない。率直な人々は具体的であり、これによって誠実だと思われやすい。情報提供型は不誠実のレッテルを貼られがちである。

MBTIにはこの点でも欠陥がある。MBTIはJを決断力としているが、それは真実ではない。INTPはTiヒーローを持っているため、意思決定が最優先事項である。INFJの最も重要な心理機能はNiだが、これは情報を知覚し、収集することが目的である。これがMBTIでタイプミスする要因のひとつである。MBTIは単なるテストであり、率直と情報提供を適切に認識していない。「類型は役に立たなかった」という人々は、おそらく自分を含め知人の半数をタイプミスしているに違いない。彼らの話に出てくるINTPは、実際にはINTPではない。

率直な人々は、できるだけ具体的に話し、何かを言う前に聴き手の役割を選択し、言うべきことを必要最小限の言葉で述べる。失礼だと思われるリスクを負って、タスクを完了しようとする。率直な人々はタスク志向である。情報提供する人々は、必ずしも自分の言いたいことを言っているわけではない。彼らは聴き手に役割を選択する機会を与えようとする。ここで陰陽を持ち出すなら、ダイレクトは陽、インフォマティブは陰になるだろう。陰は柔軟なので、バランスが取れていなければならない。情報提供者のスピーチは柔軟で、失礼だと思われたくない場合に取りがちな態度である。率直な人々は偉そうだと思われる。例えばENTJの女性やESTPの男性はかなり偉そうだが、実際に偉くなるかは別である。

ESFPとESFJはお互いに情報提供するが、場合によっては決定を下して他の人々に指示を与えようとする。ESFPは潜在意識INTJに切り替わり、突如として直接的になることがある。トリプル・インフォマティブのESFJは、その指示に応えて牛乳を取りに行くだろう。これが極端になると、偉そうになるか被害者的になるかの二択になる。インフォマティブは情報が大好きなので、彼らの情報源を潰し、知識を削ることで弱体化させることができる。だからこそ彼らは常に情報を得ようとしており、噂話を好む。

率直な人々は物事を指示し、実現させる。情報提供者は必要に応じて物事を行うように指導するが、率直になるには無意識や潜在意識に切り替える必要がある。自分や他人がダイレクトかインフォマティブかを知れば、タイプの半分を排除することができる。ただし、心の別の側面に移行する場合、それらは直接的である場合もあれば、情報提供する場合もある。だから瞬間ではなく、彼らが自我にある時にどのようにコミュニケーションしているかに注目するといい。率直ならイン・チャージかフィニッシャー、情報提供ならスターターかフィニッシャーである。投稿の順番は逆になったが、気質より先にインタラクション・スタイルを決めた方がいいだろう。