今回はINTPとINTJの違いについて投稿する。どちらもNT気質、知識人である。気質理論を提唱したのはデビッド・カーシーだが、彼はプラトンから着想を得たことを覚えておく必要がある。
INTPのインタラクション・スタイルは情報提供・応答・制御であり、INTJは直接・応答・行動である。どちらも内向型なので応答するが、両者ともに相手が自分のところにやって来ることを好む。INTJはパフォーマンスに不安を抱えているので、実際にパートナーと性的行為に及ぶよりも、それを妄想している方が心地よい。INTPは他人に嫌な思いをさせることを恐れている。彼らは思いやりがないと非難されがちだが、それを恐れるあまり玄関マットになる可能性がある。これらの不安により、この二タイプは自分から働きかけるより、応答することを選択する。
INTJの自我・無意識・潜在意識は全てムーブメントである。トリプル・ムーブメントなので、INTJは結論に飛びつき、意思決定は速い。トリプル・ムーブメントはINTJとENFPだけである。INTJは自分が良いと思ったことをすぐに実行しようとするが、他の人々はそれを良いと思うとは限らない。Siデーモンに「忍耐強くなれ」と言っても難しいので、彼らはSiユーザーの周りにいる必要がある。NJは総じてその傾向があるが、INTJは非常にせっかちなのに対し、SiチャイルドのINTPは非常に忍耐強い。そういうわけで、NTJはNTPと共にいる必要がある。
ソシオニクスではINTJとESFPを双対関係としており、真逆の相手がベストカップルと定義しているが、これは100%間違いである。勿論、成熟した人間はどのタイプとも人間関係を築くことができるが、理想的ではない。INTJとESFPはお互いに経験を与えようとしている。問題は、INTJのSiデーモンは自分の経験を気にしておらず、ESFPのSiネメシスは自分の経験を心配していることである。そんな関係で本当に幸せになれるだろうか?両者はお互いに経験を与えようと争い合うだろう。これはINTJに不利な戦いである。
INTPはコントロール志向であり、制御下で物事を進行させる。一方、INTJには混沌が必要であり、混乱の中でこそ物事が進歩することを知っている。この混沌と秩序に関するイデオロギーは、両者の関係で大きな問題にはならない。INTPが不快になると、INTJは申し訳なく思う。
心理機能の観点から言うと、INTJはNiヒーローなので、自分が何を望んでいるか常に知っている。INTPはNiクリティックで自分が望むものに批判的である。Neペアレントは他人の望みを見抜き、自分の望みに対して過度な完璧主義と責任感を伴う意志の力を要求する。そして最終的にINTPは何も望まなくなり、停滞した状況で行き詰まってしまうのである。特にSiチャイルドがその状況に慣れ切ってしまうと、INTPは全てを受け入れる。INTJは快適性が物事を停滞させることを知っているので、TeでINTPをどうにかしようとする。
しかし往々にして、INTJはTiヒーローを説得することができない。何故かINTPとINTJを賢いタイプとして並べて扱うことが多いが、論理性でINTPを超えられる可能性があるのはISTPである。INTJの論理は、INTPから見ると穴だらけである。しかし、この二タイプが問題解決に優れているのは確かである。INTJはTeで研究するのが得意である。INTPはそれ自体で問題解決を考え出すが、INTJの研究や戦略を組み合わせると、比類のないパワーを発揮する。NTJとNTP、NFPとNFJが協力すれば、多くのことが可能になるだろう。文字通り、どんなことでも達成できる。
INTPのSiチャイルドは快適になることを好み、色々なことを探索する。彼らは自分が気に入った経験を何度も繰り返し、子供のように嬉しそうに語る。INTJは相手に悪い経験を与えることを恐れているが、Siチャイルドはどんな経験でも無邪気に受け入れる。一方、INTPの劣等Feは他人の気分を悪くさせることを恐れているが、INTJのFiチャイルドは道徳的指針となることができる。INTJは道徳的だが、INTPには道徳が欠如している。INTJがいる間は倫理的に彼らの道徳に合わせるが、別にそれが良いことだと感じているわけではない。パスカルは「真理が支配しているときに平和を乱すことがひとつの犯罪であると同様に、真理が破壊されようとしているときに平和にとどまることも、やはり、ひとつの犯罪である」と言ったが、私の感覚もそれに近い。つまり、真理が支配している時にINTJの道徳に異論を唱えて、平和を乱そうとは思わないのである。それを私に向けなければ、どんな道徳的信念でも抱いてくれて構わない。
Feトリックスターに欠けている社会的認識は、INTPのFeが補う。INTJの劣等SeがダンスでINTPをリードしようとすると、「今ダンスするのは社会的に許されていない」と教えてやるのである。INTPのFeは時と共に向上し、自信も増してくるので、INTJは社会的空間でより快適になる。INTJと付き合うと、自分が社会的規範や暗黙の期待を熟知しているかのような気分になれるので、INTPはINTJを練習台にするといいだろう。INTJは道徳的で、INTPは倫理的である。INTPは論理的で、INTJは合理的である。これが両者の違いとなる。
INTPは過去の記憶と形而上学に重きを置いており、INTJは現在の物理学に重きを置いている。INTJは自分が望むもののことを考えるが、INTPは皆が何を望んでいるか考える。無意識ENTJは皆が愚かであることを心配しており、INTJは自分の論理性について批判的である。実はINTPよりもINTJの方が謙虚なので、自分の考えが正しいことを確信するために、彼らは論理的根拠を探し出し、さらにそれらを検証しなければならない。これによって、INTPの心配は軽減される。INTJの方はNeネメシスで他人が陰謀を企んだり、自分を裏切ることを心配している。人々はいつもINTJに不当な認識を抱き、計画を水の泡と帰すからである。INTJと話すと、誰それがこんな意図を持っているに違いないと言い出すことがあるが、何故そんなことで大騒ぎするのかわからない。INTPはSiチャイルドでINTJがしてくれたことを全て覚えており、Niクリティックは陰謀を望むことを許可しないので、INTJを裏切るリスクは低い。そして、その快適な状態を維持するので、NeネメシスはINTPに対して偏執的にならなくていい。
INTJに過去を訊ねてはならない。INTPのSeトリックスターは他人が何をしているか気づいておらず、INTJの過去に興味がない。彼らは自分がしていることに集中している。INTPは物理的環境を認識しておらず、ファッション・センスも悪い。INTJは劣等Seで見栄えを気にしており、成熟するごとにファッション・センスが向上していく。そのスキルでINTPを訓練してやるといい。INTPはNe-Siでそれを模倣する。
デーモンは超自我にアクセスするために存在する。INTJの超自我ISFJは、自分に不誠実な人間に正義の鉄槌を下す。INTJは自分が与えた経験を思い出し、それを評価して欲しいのである。人々が恩を忘れ、義務を果たしていないことを責めると、Siデーモンはどちらが責められるべきか審判を下す。INTPのFiデーモンは、人々が自分を認識していないと感じた時に発動する。玄関マットにされた怒りから、超自我ISFPは攻撃行動に走る。このような事態を避けるためにも、INTJには彼らが与えてくれた経験に感謝しなければならない。Fiチャイルドは良いことをしたいと思っており、人々に良い経験を提供しようとする。そしてINTPのNeが発する警告に耳を傾け、彼らの話を無視しないことである。
INTPとINTJは、どちらも内向的で知識人であるという以外、共通点が無い。あとは心理機能もインタラクション・スタイルも異なっている。どちらもGoogleが親友で、社会的状況に疲労する。彼らがパーティーに招かれると、INTPがINTJを引きずっていくことになる。それが社会的な義務だからである。INTJは行きたくないが、良い経験をさせてあげたいし、皆も自分を評価してくれるかもしれないので、渋々ついていく。そして、「やっぱりGoogleと話している方が楽しいな」と言い合いながら、帰っていく。
実際には合理主義者であるのはINTJであり、INTPはそうではない。デビッド・カーシーはNTを合理主義者と称したが、それが該当するのはNTの半分だけである。INTJとENTJは合理的で、INTPとENTPは論理的である。そして4文字のタイプコードには実質的に意味がない。「今日はINTJだけど、昨日はPっぽかった」という戯言はやめて、心理機能に着目することである。この4文字が役に立つのは、タイプ名を表現する用途くらいのものだろう。それがわかっていれば、この二タイプ間で迷う必要はない。
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