今回はISFJとISFPの違いについて解説する。両者共にバックグラウンドタイプ、情報提供・応答・制御型である。彼らは言葉数が多く、文脈に応じて異なる意味合いを持つ。彼らにとってコンテキストは重要であり、内向型なので、そのコンテキストを受動的に提供することを好む。

彼らは双方ともに制御型である。混沌の真っただ中で進歩は起こらない。混乱を取り除き、人生をコントロールする必要がある。それは物理的環境から、内なる世界や個人的関係に至るまで、何にでも適用される。気質的には、どちらも具体的なタイプである。地に足がついていて、現実的に考えることを好む。

ただしISFPは職人で、ISFJは伝統主義者である。前者は瞬間的で機械的思考を持ち、後者は過去に基づいた義務を優先する。ISFPは意志力によって自分が望む道を知っているが、ISFJは将来の可能性について不安を感じている。それを踏まえて心理機能を解釈していく。ISFJにはSiヒーローがいる。彼らは長期的な記憶にアクセスし、それに基づいて何をすべきか決定する。やりたいことではなく、義務や規律が重要である。

Niは「欲しい」という意志力を原動力として、欲しいものに向かってひたすら前進していく。Neは利用できるあらゆる方向に進んで行く。内向的感覚は外向的直観にリンクしており、その人物の過去の経験に基づいて、何をすべきかという義務感を得る場所である。ISFJとISFPの違いは、長期性があるかどうかで判別できる。ISFJは何も忘れないが、ISFPはかなり忘れっぽい。ただしISFPは自分でそれを認めないので、周りの人々の意見が必要である。

SiとNeは同じ軸上にあるため、Siヒーローは将来に不安を覚え、伝統を守りたいと思う。SiとNeは陰陽のようなものである。陰陽は互いに均衡しており、一方に起こったことは他方に影響を及ぼす。ISFPにはFiヒーローがあり、個人が信じる善悪が全てである。ISFJのFeは、他の人々が信じる善悪に焦点を当てる。個人はホロコーストが悪だと感じても、集団は善だと感じたのでユダヤ人は殺害されたのである。ISFJは集団が良いと感じたことをしただけである。ISFPはそれを悪いことだと感じたが、他の人々にどう思われるか不安なので、何もできなかった。

ISFPは全ての考えに良い・悪いの判定を下すが、ISFJは多数決のルールを採用する。彼らは決定を下す前に、複数の情報源から意見を聞く。ISFPにとっては、自分が唯一の情報源である。ISFJは倫理的決定を行うために周囲の人々の意見を意識しているが、ISFPは自分がどう感じるかに従って道徳的行動を取る。

これが何を意味するかと言うと、彼らは合理的に原則を作り出すことができるのである。ISFPはこの原則を彼らの芸術に生かす。彼らがデザインしたり、物理的環境にアプローチする方法は、彼らの良い・悪いの原則に従って実行される。ISFJにとって、それは実に魅力的である。ISFJはISFPを尊敬し、道徳的なISFPを良い気分にさせようとする。そしてISFPが英雄的にISFJを友人と判断すると、ISFJは良い気分になる。

ISFPは「自分は機械いじりなど得意ではない」と言うだろうが、実際はできる。しかし彼らがそれをやるには良い気分になる必要がある。彼らが物理的環境にアプローチするその瞬間に気分を合わせないとならない。Seペアレントは他人に良い経験を与えたり物を見せることが重要であり、自分の望みに基づいて周囲の物理的環境を変化させる。これによってツールを素早く習得することができる。ISFPはこれを積極的にアピールしないが、周囲の人々の弱さを認識しており、経験を与えて強くしようとする。

SPは子供を殴る傾向が最も高いタイプである。Seを悪用して、子供たちを強くするという名目のもと、虐待を行うのである。ISFPはこれを認識しておく必要がある。「私のような道徳的な人間がそんなことをするわけがない」と思うかもしれないが、親から虐待を受けた人々は大勢いて、その親の中にISFPも存在するのである。Seユーザー、特にSPたちはこの現実を認識しておく必要がある。

虐待には様々な種類がある。精神的虐待、身体的虐待、性的虐待。SPは身体的虐待に走る危険性が高い。Niチャイルドは自分が望むことが最重要であり、ここにISFJとISFPの大きな違いがある。ISFJは何もしたくない。彼らは自分がすべきことを考える。ISFPは自分がやりたいことを考える。彼らは無邪気な子供のように、それを実行する。誰かにこの経験を与えたい、物理的環境を操作したい、絵を描きたいなど。ISFJの動機は義務であり、Niデーモンは何かを望むことを許さない。

ISFPに何を望んでいるか訊ねるのはいいが、ISFJに訊ねてはならない。Niデーモンは激怒し、あなたの滅亡を謀るだろう。ISFJを終焉を計画し、それを実行することに優れている。これは通常ISFJに自分の意図を共有していない場合、安全に行動していない場合に起こる。彼らはあなたをリスクと見なし、心の中で緊急時対応計画を練り始める。時が来れば死刑執行を実行するが、それが彼らの綿密な計画の一部であることなど知る由もないだろう。全てはISFJに自分の意図を明かし、安心感を与えなかったためである。特に親密な関係や友情関係にある場合は要注意である。ISFJが女性であれば、愛されていないと感じるだろう。男性であれば、軽蔑されていると感じるだろう。

ISFJは意図が不明な人物に「不気味な人間」というレッテルを貼る。多くの場合、それはENTPである。SJは一般的にこれを行う。SJは安全の為に他人の意図を知ろうとするが、ENTPは意図を共有したくない。ロバート・グリーンは「自分の意図を隠せ」と言っている。必要以上のことを語るべきではない。ISFJを倒す方法は、彼らの情報源を全て遮断し、所属する組織から引き離すことである。彼らがどんな陰謀を企てていても関係ない。ISFJは噂話が好きでお節介なので、Feペアレントのスパイソーシャルネットワークに誤情報を混入すれば、彼らが頭の中で立てた計画は役に立たなくなる。

ISFPの場合は、彼らに良い気分を与え、高く評価してやればいい。問題は、Fiヒーローが利己的になる傾向があることである。ただし、ISFPを軌道修正するのは簡単である。彼らのFeネメシスが他人に悪く思われたくないことを心配すれば、ISFPの変わり身は速い。これは時間がかかり、リターンも少ないINFPとは違う点である。INFPはどん底に落ちるまでどうにもならない。ISFPにはNiチャイルドがあるので、変わることを動機づけられる。

ISFJにはTiチャイルドがあるので、自分が何を考えているか真偽が重要である。ISFPにとって真実はどうでもよく、劣等Teが恐れているのは他人が自分をどう思うかである。彼らが気にするのは真偽ではなく、良いか悪いかである。彼らは信じたいことを信じる。彼らは驚くべき道徳原則を信じており、ISFPに信念を構築する自由を与えなければ、Tiデーモンがあなたの破滅を画策するだろう。

したがって、常に彼らに選択肢を与えなければならない。ISFJに与える必要があるのは、選択肢ではなく義務である。ISFPのSeペアレントはISFJのSiヒーローに義務を課すためにある。SiはSeによって動機づけられるからである。ISFJは義務を果たすが、ISFPは義務など気にしない。彼らのSiクリティックが義務を果たすのは、稀なことである。彼らにとって、義務は自分が果たすものではなく、他人に課すものである。ISFPが気にするのは自分の評判、地位、周りの評価である。Fiヒーローが自分の判断を表明しないのは、他の人々に軽蔑されるリスクを負いたくないからである。自分の気持ちを正直に言って、評判を傷つけることはできない。この恐怖を克服すれば、潜在意識ENTJに移行して、主導権を握り、チームを率いることができる。

他人が自分をどう思っているか不安を克服できれば、あるいは自分の仕事に価値があることを認められて安心できれば、ISFPは他者を指揮して、管理することができる。ISFPが劣等機能を克服すれば、起業して大金持ちになることも夢ではない。ISFJの場合は少し異なる。潜在意識ENTPは革新する能力を持っているが、劣等Neは他人の意図を恐れている。Siヒーローは不滅の耐久力を持っている。彼らは何にでも耐えられるし、どんな逆境でも克服することができる。他人の意図を恐れる必要などない。「何が起こっても、自分なら乗り越えられる」と安心することで、潜在意識ENTPを解放することができる。

「あの人は私を不快にさせるかもしれない」と警戒する前に、人生で今まで耐えてきたことを思い出して欲しい。自分の仕事に集中すれば、イノベーションをもたらすことができる。潜在意識ENTPはテクノロジー、システム、社会的相互作用を革新する。ISFJの革新的アイデアをISFPが実装すれば、言うことなしである。ISFPはISFJの知性を尊敬し、それをやってみたくなる。劣等Neは提案することで、他の人々を通じて革新をもたらすことができる。ISFJの美徳と悪徳は信仰と恐怖だが、恐怖を乗り越える必要がある。恐れずに鎧を着て、世界に尽くさなければならない。そうすれば結果として成功し、悟りに近づき、人々は調和できるだろう。Fiクリティックは自分でも満たせない高い道徳基準を、他の人々にも強制する。彼らには義務があるが、Seネメシスは否定的に他の人々にも義務を負わせる。

意味もない家族行事や、会いたくもない人々に会うことを強いてくるのはISFJである。「行きたくない」と言われることを恐れているので、義務として強制するのである。自らが多大な義務を果たしている自負があるので、他人にも義務を強いる権利があると信じている。ISFPにはSiクリティックがあるので義務を負うことはできるが、彼らは忘れっぽい。新しい情報が入って来ると、古い記憶は削除されてしまう。彼らのハードドライブは小さく、書き込みできる容量は多くない。このため彼らはISFJが課した義務を忘れてしまう。「あなたが義務を課すなら、私は忘れるつもりです」というわけである。

ISFJの課す義務は、教義や信仰と同義である。家族の行事に出席したり、教会に通ったりするのは、彼らの教義や信仰のようなものであり、それらの教義を他の人々にも強制する。ISFJはこれによって人々を疎外するが、ISFPは別である。自分の道徳基準を満たせないISFJとは異なり、ISFPは更に高い自分の道徳基準を満たすことができる。「格が違う」とはこのことであろう。したがって、ISFJが義務を課そうとしても、ISFPは自分のやりたいことを何でもやる自由を確信している。

ISFJはひとりで家族の行事に出席し、このことを覚えておいて、ISFPに義務を課すことを止める。この種の教義や信仰を実践し、他人がやりたくないことを義務付けるのがISFJである。彼らのTiチャイルドは他人も義務を負うことを公平だと思っているが、そんな権利はないことを覚えておいて欲しい。ISFPは潜在意識で自分たちは良い人間なので何かに値すると考えており、何かが手に入れられないと、人々を遠ざけて忠誠心チェックを行い、最終的に無関心になる。これはINTPの無関心に似ているが、ISFPは怠惰で無気力になる。無意識ESFJは、自分が得るべきものを得られないとサポートをやめてしまう。

ISFJは教義に従わない人間にレッテルを貼るが、Teトリックスターなので自分がレッテルを貼っていることに気づかない。彼らが他人を良い気分にするのは、自分が認められるためである。そのためにするべきことをして、信念体系を伝えるが、他の人々が何を考えているか気づいていないので、人々の間で既知のことを繰り返して疎外される。ISFJは自分が悪い人間だと思っているので教会に行って懺悔しなければならないが、同じことを他人に強制する権利はない。意志に反して義務を強制されれば、人々は気を悪くする。特にISFPは間違いなく自分の意志を気にするだろう。

ISFJの正義感は素晴らしいが、その正義感が復讐心に変わることもある。その復讐心が他人の報復を呼ぶ。これが超自我INTJである。超自我とは調和して生きるべきであり、自分自身を解放し、真実を見据えるために人生をリセットする場合を除き、他人にこのオプションを提供するべきではない。ISFJは自分の信仰をTiチャイルドで検証する必要がある。「このように人生を生きるべきだ」と言われるがままに受け入れた義務は、間違っているかもしれない。

ISFJは自分の家族に関する信念も確認するべきである。彼らは自分の子供が他の家族に虐待されていても気づいていない。彼らは嘘を信じ込み、本来やるべきことをやらずに、その嘘を他の人々に押し付ける。ISFPはどうか?彼らを褒めすぎると、思いあがって非常に傲慢になってしまう。自分はもっと高い地位や給料に相応しいと感じ、肥大した自我は勤勉性を失う。彼らは謙虚になるべきである。評価されないから質の低い仕事をしているのではなく、優秀ではないから評価されないだけではないか?

ISFPは他の人々に対して、自分の仕事に対する意見を求めなければならない。ISFJはその役目に打ってつけである。批判するのが怖い?既に人々を疎外しているのに、さらに批判するリスクを負わせるのかと思うだろう。真実は諸刃の剣である。真実は他人を傷つけると同時に、自分をも傷つける。これはISFJが負うべき義務である。

ISFPについて注意すべき点は、他人の意図に気づいていないことである。特にENTPやENFPのようなNeユーザーに操作されやすい。幸いなことに、ISFJはそれらの人々からISFPを守ってくれる。ENTPは不誠実のマスクを被っているが、ISFJは潜在意識ENTPでそれがどのように機能するか知っており、ISFPを守ることができる。SPの意志を利用する人々からSPを守るのが、SJの義務である。SPの責任は、周囲の人々が成長していること、変化していること、強くなっていることを確認することである。自分のスキルを伸ばすと同時に、他人のスキルも伸ばす。ISFJのスキルを伸ばせば、彼らは教えたことを全て覚えていて、協力して物事を達成できる。SJにやり方を教えれば、ISFPが全てを自分でやる必要はない。

しかし、ISFPが教えたことに評価が与えられなければ、Tiデーモンが出現するだろう。劣等Teには評価が必要である。誰もその情報を提供しなければ、ISFPは自分の功績を横取りされたように感じて、爆発するだろう。これは誰にとっても望ましくないことである。

これがISFJとISFPの違いである。タイプ同士の比較は三分の一が終わったが、残りは引き続き投稿していく。その後はタイプグリッドや心理機能の様々な態度について取り上げるが、それらが完了すれば基本的な情報は頭に入るだろう。まずは自分がISFJかISFPか、この記事を参考に突き止めてもらいたい。