今回は気質とインタラクション・スタイルのステップアップ編、の導入である。このシリーズはLevel15に位置しているが、全体としては初級レベルの話である。目的はタイプを判定する際に混乱を防ぐため、タイプグリッドの使用方法に関する定義を提供し、いくつかの点で読者の理解を捕捉することにある。

気質とインタラクション・スタイルの基本的な情報は既にご存知だろうが、このシリーズを併せて読めば、自分のタイプを判別することが容易になるだろう。より正確に使いこなすオプションと捉えてもらいたい。そのために、気質とインタラクション・スタイル、そして自分や他人のタイプを判定する際に問題となる点に踏み込んでいく。未読の方は、Level2のカテゴリにある記事を先に読んで、基礎を頭に入れると良いだろう。このシリーズでは用語の最適な定義を提供し、各要素を詳しく説明していく。直接と情報提供、外向と内向、行動と制御を比較する。外向性と内向性の違いについても触れなければならないだろう。そして抽象と具体、協調と実用、構造と動機を定義する。対比させるべき項目は多い。その後はタイプグリッドについて改めてまとめた上で、心理機能の態度を掘り下げる。心の4つの側面がどのようなもので、それが子供たちにどのように表れるかも説明する。

そして「○○タイプとxxタイプの違い」が大量に残っている。まだ手を付けていないが、Level7はタイプの「美徳と悪徳」、Level13は人間育成シリーズの「神聖な性別と個人の主権」をテーマとする。これはロバート・ムーアとダグラス・ジレットの”King, Warrior, Magician, Lover”シリーズを参考にしている。日本で詳しく取り上げているサイトはないが、海外の発信者には人気がある。これらを掘り下げ、実践例を挙げて、日本人にも拡張する。

ここでは概要を述べるに留めておくが、インタラクション・スタイルとは何か?何故これが重要なのか?これはリンダ・ベルンのモデルで、彼女の著書”Understanding Yourself and Others”シリーズが由来である。インタラクション・スタイルは行動の観点から、人間がどのように相互作用するかを示す。行動心理学的に誰かの対話スタイルを検出することが主旨である。基本的に、16タイプのうち4タイプは同じスタイルになる。誰かのインタラクション・スタイルを特定すれば、候補から12タイプは除外される。次は気質が何かを突き止める。そして16タイプのうち、二つの要素が一致する点が、その人物のタイプである。これがタイプグリッドの仕組みである。構造タイプとも呼ばれるイン・チャージは直接・開始・制御、スターターは情報提供・開始・行動、フィニッシャーは直接・応答・行動、バックグラウンドは情報提供・応答・制御となる。

ここまでは既に分かっているだろうが、これらの用語を定義しておけば、思い違いをする心配もないだろう。気質については深くなる。あなたはSJが伝統主義者であり、過去に基づいた義務を守護することや、SPが今を生きる職人であることはわかっている。プラトンによればNTが未来志向の知識人であること、NFが抽象的な理想主義者であることも知っている。しかし、インタラクション・スタイルを特定し、気質について考えようとすると、抽象と具体の違いに突き当たる。彼らはアイデアを抽象的な方法で理解しているのか、それとも具体的で現実に基づいているのか?この違いを理解したら、その人物が協調的か実用的かを判断するだけで、タイプが分かる。これらの用語を定義し、各気質論の役割を説明することで、タイプグリッドの理解が深まるだろう。このタイプグリッドの使用例として、有名人のタイプ判定に関する記事をいくつか投稿する予定である。これは実在の人物とフィクションの登場人物、両方を対象とする。

気質の属性を理解すれば、タイプ判定の精度が向上し、タイプグリッドも改善されるだろう。これまでのところ、インタラクション・スタイルの特定は概ねスムーズだった。問題は気質である。伝統的に、MBTIにおいて「気質」と言えばカーシーのことである。しかしSiユーザーならばカーシーよりプラトンを尊ぶべきだし、新しさで言えばベルンであろう。体系的に気質を識別する方法としては、ベルン博士の方が優れている。行動上の観点からタイプを判定することを好まない人々もいるだろうが、任意の行動に心理機能をこじつけるよりは妥当な方法であろう。

気質とインタラクション・スタイルを併用すれば、自分自身を含め誰でもタイプを判別することができる。しかし読者の良心も理解力も様々であろうから、確実に理解させるには全てを明確にする必要がある。自分自身のタイプが特定できない、他人のタイプを誤認した、などの問題が起こることを、私のTeネメシスは心配している。「インタラクション・スタイルはソシオニクスの何に対応しているんですか?」といった質問が来ては、たまったものではない。各要素の比較で6投稿、さらに外向内向やタイプ判定に関する記事を投稿していくので、心して読んでもらいたい。