前回は愛と尊敬について話した。人間関係は複雑なので、個々の構成要素を理解することが重要である。そこで理解力の乏しい読者の為に、人間の魅力ダイナミクスというモデルを用意した。まず男性と女性の関係において、愛と尊敬がどのように機能するか概説した。男性が主に好むのは敬意であり、愛は二次的な要素である。女性が必要とするのは愛であり、尊敬は愛ほど必要ではない。これが人間の魅力ダイナミクスの核である。外側には別の陰陽の層があるが、中心では愛と尊敬が陰陽の均衡を保っている。

今回はその外側にある層、別の陰と陽の話である。これは男性が女性に惹かれる理由、女性が男性に惹かれる理由になるが、まずは女性が男性に惹かれる理由である。殆どの人はその質問の答えさえ知らないので、筋肉だとか自信だと思っている。これらは女性が惹きつけられる結果であり、本質的な原因ではない。

社会的地位は、女性が男性に惹かれる理由となるか?答えはYesである。女性は男性を尊敬しない限り、彼を愛することができない。敬意があるから、関係を持つ。女性が尊敬できない男性と居ても、まず間違いなく幸せになれない。裏で友達や家族に愚痴を言いまくる姿が目に浮かぶだろう。男性の魅力は、どれだけ敬意を得られるかで決まる。

ここで言う貴族性とは多くのことを意味している。神聖な男性性、つまり成熟した男性性がこれに大きく関係している。神聖な男らしさとは、男性が人生の重要なことに集中している時に発揮される。神聖な女性らしさ人生の小さなことに発揮されるが、重要であることに変わりはない。時には最も小さなことが重要なこともある。例えば、ダイヤモンドは小さいが貴重なものである。ブログも一記事で収益は発生しないが、pvを集めるには小さな作業を積み重ねる必要がある。

高貴さは男性の男らしさの尺度であるが、そもそも貴族とは何を意味するのかぴんとこない読者も多いだろう。いくつか基準を挙げると、彼は生産的であるか?健康で経済的責任を負っているか?女遊びばかりせず、他の男性と良好な関係を築いているか?仕事に夢中になるだけでなく、人生を楽しんでいるか?これらは貴族の側面であり、男らしさの側面である。したがって、魅力的な男性になりたいなら、まず女性の尻を追いかけ回すことをやめて、自分の貴族性を育むことが重要である。自分の仕事を持ち、定住先を見つけ、城の王となることである。これはユング派の深層心理学者であるロバート・ムーアの”King, Warrior, Magician, Lover”という四つの元型モデルに由来している。

このシリーズとロバート・グラバー博士の「ナイスガイ症候群」は、成熟した男性としてどのように生きるべきかの知啓を得ることができる。魅力的な男性になるには、成熟した男性の四つの役割をマスターすればいい。高貴であればあるほど、あなたは魅力的になる。太った禿げ頭でも、何らかの分野でステータスを得て、高級車を運転すれば、ENFPやESFPのようなステータスを渇望する女性が群がって来る。別に大金持ちになる必要はない。貴族は王、戦士、魔術師、恋人の四つに分類される。

女性を追いかけ回す小さなオス犬になっている暇があるなら、女性に尊敬されるような男になることに集中するべきであろう。尊敬されるには、王にならなくてはならない。男性の高貴さを形作る四つの役割、男性の魅力を支える四つの柱を紹介しよう。王、戦士、魔術師、恋人のうち、王とは消費する以上に生産し、自分の城を持っている状態である。王は仲間の王たちと関係を持っており、前向きな変化をもたらすために協力する。無職で家族に子供部屋をあてがわれ、一日中ゲームをしているようでは王にはなれない。しかも、自分のタイプを好まない家族ときたのでは、真の男への道は閉ざされている。

あなたが本物の王になれば、女性はすぐにそれを察知する。日本で本物の男性を見つけることは、本当に美しい女性を見つけるのと同じくらい稀なことである。女性の若さが貴重なことは誰もが知っているが、男らしさは若さを失っても維持することができる。次に戦士の元型を紹介するが、戦士とは何か?戦士とは、王国を守るために必要なスキルを持っていること、つまり財務会計を適切にこなせることである。予算を作成し、その予算を維持する。

戦士のもうひとつの側面は、健康管理である。遺伝子組み換え食品や添加物を避け、三食きちんと食べる。生活習慣によって、リアルタイムで遺伝子が変化する。これをエピジェネティクスという。学生時代「寝てない」自慢をしていた人間は、戦士失格である。さらに戦士は自分の身を守るスキルを持っていなければならない。ナイフや銃を持ち歩いていたら捕まってしまうが、少なくとも潜在的な危険は認識しておく必要がある。自分や家族の身を守るために、ジムに行って身体を鍛え、暴漢に成すすべもなく袋叩きにされる事態を回避しなければならない。

あなたが王で、消費する以上に生産していれば、自分の城や移動手段を持っているだろう。その城に居る女性や子供を守るのは、戦士の責任である。サバイバルキット、応急処置手段、災害脱出計画の用意が求められる。自分が遭遇する可能性のある問題を常に意識し、それらを克服するために必要な道具や設備、スキルを持っておくことである。

魔術師を用いて貴族性を高める方法は、読書することである。通勤時間があるなら、その時間にオーディオブックを聴くといい。あるいは、ポッドキャストで教養系の番組を聴くという方法もある。Kindleアプリがあれば、どこでも電子書籍が読める。テレビやゲームも封印する。私はSteamライブラリに350以上のゲームを所持しているが、ここ4年ほどは起動していない。王、戦士、魔術師によって常に自分を向上させ、専門性を発達させることで、物事に熟練することができる。

常に研究し、常に読書する。知識を増やすことに多大な努力を費やしても、失敗することはある。魔術師には失敗がつきものである。ナポレオン・ヒルによると、大抵の人間は0.8回の失敗で諦める。つまり、挑戦する前に諦めている。しかし何かを得るためには、失敗という代償を払わなければならない。男として、失敗はデフォルトであることを覚悟しておくべきであろう。失敗は真実を学ぶ方法であり、失敗から得た知恵を他の人々に共有して、王や戦士を育てることができる。

自分が王や戦士として成功したら、他の人々に知識や技術を授け、彼らが王や戦士になれるように導いてやる。マーリンのような魔術師は、知識や知恵を身につけ、自分のやっていることを更に効果的にできるようにする。そして子供たちを大人へと成長させる。これが魔術師の本質であり、役割である。そして成熟した男性の四番目の元型は恋人であるが、これは自分に手の届きそうな女性と片っ端から付き合うことではない。

恋人の本質は人生を楽しむことである。大人になれない男の子たちは、これを逆向きに辿っていく。つまり、恋人、魔術師、戦士、王の順番である。彼らは仕事さえせず、目先の快楽を追求し、女性のヒモになる方法を魔術師で模索する。そして戦士として自分を守るために、自分の行動を擁護し、愚かさを正当化し、何かの言い訳を考え出す。彼らは王と共に生産するのではなく、生産する以上に消費する。これは伝染病のようなものであり、社会に蔓延している。このように王、戦士、魔術師、恋人を逆にすると、男性は男児になる。

一人でいたくないなら、鏡を見て、自分が女性なら目の前の男と付き合いたいか考えてみる必要がある。「自分は希少種だ」とかそういう問題ではない。勿論あなたは希少な製品だが、市場に出す前に品質基準をクリアする必要があることはご理解いただけるだろう。なぜクリアできないのか?あなたが魅力的でも高貴でもないからである。あなたは王ではなく、生産的でもない。しかし、これからそうなることはできる。たとえ現時点で仕事が無くても、チャンスは沢山あるし、正しいことをしていれば助けられる。王になることは難しいので、これが最大の障害である。だからこそ、人々は恋人に逆行して、服や食べ物が目当ての女性と一生を共にする。

王、戦士、魔術師、恋人になり、貴族性を築くことに適切な時間を費やしているなら、その時点で最高の境地に達することができる。人生の大きなことに焦点を当てることは神聖な男らしさであり、女性が望むものである。彼女たちは高貴な男性に惹かれる。そうなれば、あなたが選ぶ側になれる。

次回は女性の魅力について取り上げるが、男性や女性の成熟について語らず、「F型の男性は生きにくい」などと言っても片手落ちである。F型だろうと、男性は男性であろう。その痛みから学んだ知恵を還元できればいいが、大抵は愚痴って終わりである。私は魔術師を使って、読者が成長し、より良い社会を構築できるように情報を伝達している。これは自分自身や未来のためである。社会に無能な乞食ばかりが溢れているようでは、未来はない。読者が高貴さを獲得し、成熟した男性として、消費する以上に生産した上で、自分のニーズに責任を持てることを期待している。