今回はLevel16の第二弾である、ペアレント機能の認知的態度について取り上げる。これ以前のシリーズも未完成だが、他にも投稿すべき話は膨大にある。ブログ投稿以外にもソシオニクスの本を作ったり、サイトに実装したいシステムがあるので、完成には程遠いが、1年後には今より進歩しているだろう。

ペアレント機能は謎に満ちている。多くの人々は、この機能が何のためにあり、どんな作用をしているか理解していない。これはヒーローを補助するための機能だと思っているが、実際にはそうではない。ペアレントは、多くの人にとって最も発達が難しい機能である。なぜなら、これは人の成熟度に関わる心理機能だからである。この機能は非常に悲観的で、懐疑的であり、親としての真価を発揮できるのは成熟した時のみである。若い頃は自我にある4つの機能、特に楽観的なヒーローとチャイルドに偏っており、成熟するにつれてペアレントと劣等機能も使用するようになる。何らかの理由でペアレントを発達させる人も多くいるが、特に男性はこの機能の発達に苦労する。悲観的な機能はネガティブなエネルギーを利用しているため、使用するためには楽観的な機能より多くの精神的エネルギーを要する。

ここに合計8つの心理機能がある。長期記憶、信念、規律、過去、義務、名誉、忠誠心などを司る内向的感覚に対して、短期記憶、物理学、機械的認識を担当するのは外向的感覚である。我々には個人の無意識、個人の未来に対する意志の力を発揮する内向的直観がある一方で、集合的無意識、運命、予知、形而上学的認識を行う外向的直観がある。内向的感情は道徳で、外向的感情は倫理である。内向的思考は論理を愛し、外向的思考は理論的根拠に基づいて信念を抱く。

ESTJとESFJにはSiペアレントがある。ISTPとISFPにはSeペアレントがある。ENTJとENFJにはNiペアレントがあり、INTPとINFPにはNeペアレントがある。ENTPとESTPはTiペアレントを持ち、ESFPとENFPはFiペアレントを持つ。INTJとISTJはTeペアレントを持ち、INFJとISFJはFeペアレントを持つ。この機能は個人の責任感の現れである。それが外向機能か内向機能かによって内実は異なるが、いずれにせよ責任ある行動の結果である。他の機能でも責任ある行動は実行できるが、通常それはペアレントが行うことである。人々はこれを補助機能と呼び、他の機能をサポートすると思っているが、実際の動作はそうではない。機能にはスロットごとに異なる態度がある。これを提唱したのはジョン・ビーブ博士である。

例えば、Tiペアレントは誰かが言うことの真偽に非常に懐疑的である。彼らはそれを自分で検証しなければならない。Tiヒーローも真偽を検証し、物事を理解することに多くの時間を費やすが、傲慢さゆえに正確性を欠く場合がある。ヒーローにはプライドがあるので、ドラゴンを倒したことを誇示しなければならない。親にそんなプライドはない。ヒーローは栄光の為にドラゴンを倒し、それを宣言して名声を手に入れるが、戦士であるペアレントはドラゴンが王国に接近しており、安全を脅かす可能性を認識している。そして黙って武器や鎧を準備してドラゴンを倒し、戻ってきてベッドに入るのである。誰も戦士が成し遂げたことを知らない。戦士は義務を果たしただけであり、誰かに喧伝しようとは思わない。成熟した男性の元型である戦士は、ペアレント機能によく似ている。ペアレントは責任を遂行するための機能であり、非常に勤勉である。

ペアレントは合理的で、全ての情報源を調べ上げて、適切なプロセス、適切な手順、適切なルーチンに従わなければならない。それがペアレントの仕事であり、人々がそのプロセスに適合しない場合、大きなストレスを感じる。そのため、STJはペアレントが理解している常識の枠組みに嵌らない人々を非難する。INTJの場合は少し異なる。彼らはシステム全体の問題が何か理解してから、その問題を解決したいと考えている。彼らは何としても先行研究、参考文献、資格情報を見つけ出さなければならない。これは最終的に核となる信念体系を育むことに帰着する。INTJは自分の信念体系に責任があり、この信念を検証するためにTiクリティックを使用する。これを信じるためには、審査を通過しなければならない。

Feペアレントは人々に社会的・倫理的な行動を強制する。エチケット、ルール、マナーを守らせ、相手がそれをどう思うかは気にしない。彼らは思いやりに責任を持っており、もし彼らが世話をしないなら、それは相手がそれに値しないからである。ISFJやINFJは行き過ぎになったり、十分に進めることができなかったりするが、いずれにせよFeペアレントは社会規範を管理することに責任がある。

そしてFiペアレントは道徳に責任を持っている。Teチャイルドは他の人々に高く評価されて気持ちよくなりたいので、そのために高い道徳基準を持たなければならない。勿論これを深刻に受け止めすぎる可能性はある。ペアレントは完璧ではなく、欠陥が存在する。それはどのようなヒーロー機能やチャイルド機能を持っており、意思決定の機能がどの位置にあるかにも依存する。

Neペアレントは他人の意図を把握している。人々がどのような運命になるのか、それが起こる前に知っており、全ての可能性を認識して、他の人々に警告を発することができる。Neペアレントは人々が無責任であることを知っているので、自分の意図に批判的である。彼らのアドバイスや警告には耳を傾けた方がいいだろう。Niペアレントは自分の望みに衝動的になることがあるが、取り返しのつかない事態にはならない。彼らは自分の意図や欲望、望みを責任を持って管理する。ペアレントの目的はチャイルドを保護することである。これはどの機能にも当てはまる。例えば私のNeペアレントは、余計な義務を背負うことからSiチャイルドを保護するためにある。義務を引き受ける前に、それを頼む人間の意図を確認しなければならない。チャイルドペアレントを育てたかったら、逆境に身を置くことである。個人的な責任とは、逆境に対する反応である。逆境で自分の反応を発達させ、人々が自分のチャイルドを虐げないように保護する必要がある。誰かのチャイルド機能を乱用することは、心理的虐待に等しい。

次はSeペアレントである。彼らは物理学に責任があり、他者にネガティブな経験を与えることに責任感がある。Seペアレントはマンネリに嵌り込んだ人間にネガティブな経験を与えることで、相手に学習を促す。物理的環境は彼らが自由に創造活動できるキャンバスである。Seペアレントは相手が望むと望まざるとにかかわらず、経験を強制的に与えて物質的に魂を操作することができる。その意味では、Feペアレントと同様に強制的である。SeペアレントがSiペアレントと対峙すると、彼らはSiペアレントに望まない経験を与えて、快適ゾーンから引き離す。これはSiペアレントが成長するために必要な逆境を提供することになる。こうして人間は成長し、他の人間と関係を築く必要がある。これによって人間関係はひとつ上のレベルに上がり、個人的な成長を引き上げることができる。

そのSiペアレントは長期記憶、義務感、自分の信念に対して非常に責任があり、信仰に対して責任がある。彼らは何をすべきかに責任を負っているが、やる気がないように見えることもある。彼らをやる気にさせるには、まず何を望んでいるか伝えることである。すると彼らは他人を喜ばせるために、動機づけられる。ご存知のように、SiはNeとリンクしている。Siペアレントは忠誠心に責任感があり、誰に対しても忠実なわけではない。したがって、ペアレントの忠誠を勝ち取りたいなら、自分も責任ある行動をする必要がある。誰かをソーシャルエンジニアリングする場合、ペアレントを味方につけられなければ、失敗するだろう。相手の愚行を最初に暴露するのはペアレントである。注意しないと、彼らは対立的になったり暴力的になったりする。ペアレントがあなたを考慮したり何らかの形で交流するには、あなたが責任ある行動をしていること、ペアレントがそうする必要があることを示さなければならない。ソーシャルエンジニアリングを行う場合、ペアレントが幸せであることを確認する必要がある。

ペアレントはヒーローとよく相互作用する。ヒーローは世界を救う存在であり、複雑なプライドを備えている。Tiヒーローは非常にプライドが高いことがある。私が正しいことは世界の真実である。するとペアレントがやって来て、実際にはそうではないことを忠言する。参考文献や統計つきである。ペアレントはヒーローの検閲係のようなものである。ヒーローは世界を救い、ドラゴンを退治することに忙しい。ペアレントはヒーローがチャイルドを傷つけていることを教え、責任感を高めることに役立つ。同時にペアレント自身も、責任感を持つようになる。INTJとINTP、ESFPとESFJなど、ヒーローとペアレントの関係にある人々は、恩恵を受ける。ペアレントは責任ある親なので、それ相応の敬意を与える必要がある。彼らを軽蔑すれば、その報いを受けるだろう。彼らは可能な限り責任を果たそうと、最善を尽くしている。この機能は我々が逆境に直面し、人として成長する時にも役に立つだろう。より責任感を持ち、親としての機能を発達させることで、人生で成功することができる。