今回のテーマは「ESFPと社会的に適合性があるタイプ」である。ESFJほどではないが、ESFPも人気が無い。次からは直観型に移れるだろう。いずれにしても、社会適合性は数多くある関係の基本に過ぎないので、話を先に進めることが重要である。
ESFPがどんな人間かというダイジェストを紹介しておくと、彼らはエンターテイナーで、外向的感覚と内向的感情が優位な知覚型である。ESFPは自由をベースとしたクリエイターである職人気質で、インタラクション・スタイルはスターターである。つまり、多くのことを始めるが、終わらせることができない。ESFPは何を望んでいるかわからないので、これは厄介な問題になる。
ここで紹介する相性は社会的適合性であって、仲間意識ではない。ついでに言うと、必ずしも親密さに関するものでもない。社会的適合性とは、仲間意識と親密な関係を組み合わせて、平均化したものである。「ESFPはISFPと相性が良い」という思い込みは、この仲間意識からきている。二人ともSFPなので相性が良さそうに思えるが、実際にはISFPは社会的適合性のリストで最後から二番目である。彼らは両者ともに職人であり、今この瞬間を生きている。お互いに相性は悪いが、仲間意識はある。
ESFPと最も互換性があるのはSJであり、次にNP、三番目にSPがきて、最後にNJである。更にズームインすると、最も相性が良いのはSFJ、次にNTP、そしてSTJが続く。NFP、NFJ、STP、NTJ、および同類のSFPである。仕事の相性、性的な相性、親密な相性には別のリストがある。将来的には、タイプ別の性的反応についても取り上げるかもしれないが、それはまた別の話である。
社会的適合性とは、親密さに関する話ではない。いつものようにESFPのリストを掲載していくと、トップがISFJ、2位がESFJ、3位がINTP、4位がENTP、5位がISTJ、6位がESTJ、7位がINFP、8位がENFP、9位がINFJ、10位がENFJ、11位がISTP、12位がESTP、13位がINTJ、14位がENTJ、15位がISFP、最下位がESFPとなる。よほどの自分大好き人間でもない限り、自分と同じような人間と付き合っても辟易するだけであろう。
誰もが誰とでも相性が良いわけではなく、誰もが誰とでも友情を築けるわけではない。進化論的に言えば、これは人間に冗長性を与えるためである。互換性と仲間意識の間にある、この冗長性のおかげで、我々は殆どのタイプと適切な関係を築くことができる。10人中6人とは仲良くやっていけるし、10人中4人とは付き合いたくない。もし互換性しか存在しなかったら、上手くやっていけるのは10人中2,3人になってしまう。これが互換性と仲間意識を区別する理由である。そういうわけで、ESFPと最高の互換性があるのは、ISFJである。ISFJはバックグラウンドタイプであり、過去に焦点を当てており、義務に基づいている。彼らは他の人を良い気分にさせ、自分が何を考えているか知っており、他人の望みに恐怖を抱いている。ISFJはどんな罰にも耐え、生き残ることができる。ISFJは罰を受けるために作られており、ESFPは罰を与えるために作られている。
ESFPにはSeヒーローがあり、彼らは誰かに感覚を与えようとする。現実を確認すること、物理的なことを後押しすること、それらを含めて生成された全ての経験を、ISFJは受け取ることができる。戦闘になった場合、ISFJは最高の耐久力を誇る。彼らは輝く鎧を装着した騎士である。男女関係なく、彼らは公平と正義に重きを置いている。ISFJはどんなことにも耐えることができるので、最高の信仰心を育み、何でも乗り越えられるという信念を持つようになる。
ESFPは自分たちがどのように感じているか認識しており、ISFJはESFPがどのように感じているか認識している。ISFJは自分が何を考えているか認識しており、ESFPはISFJが何を考えているか認識している。ISFJは相手の望みを恐れているが、ESFPは既に自分の望みを恐れている。これらの機能に衝突はない。ESFPは自分の過去や経験がそれほど良くなかったことを心配しており、ISFJもそれを懸念している。そしてISFJは自分の価値について批判的であり、ESFPは既に他人の価値について批判している。
Feクリティックは、常に人々に「あなたはこれに値するか?」と問いかけている。Fiペアレントは、自分の価値を信じている。「Fiペアレントの罰とは何か?」という質問があったので例を挙げる。ESFPが子供たちと遊んだり、家族や親しい人たちと話している時に、その子が何か悪いことをしたり、相手にその資格がないと思うと、良い経験を与えなくなる。ENFPはもっとタチが悪い。しかしISFJのFeが「これこれの理由で、その人たちは良い経験に値します」と説明すると、ESFPは「私のTeチャイルドは、あなたが真実を述べていると信じることにします」という道徳的信念を抱く。
ESFPは何も考えず、実際に学び、訓練し、読む能力を持っている。読書はTeチャイルドに力を与える。Tiトリックスターは、ESFPが愚かだという評判を与えるが、参考文献を読んだり情報を入手すれば、潜在意識INTJのようなエンジニアになれるだろう。パーティー以外にも、ESFPの使い道はある。ESFPが何かを始める時の基準やポイントを提供してくれるので、ISFJは嬉しく思い、ESFPを高く評価している。ISFJは他人が何を考えているのか知らない。ESFPには自分の思考がない。ISFJは自分の望みを知らないが、ESFPも他人の望みなど興味がない。全ての機能に衝突はなく、二人は仲良しである。Seヒーローには影響力があるため、それよりも低いレベルからの影響は望ましくない。SiヒーローはSeヒーローの影響を感じられることに、感謝している。
彼らは常に何かを見せて欲しいと思っている。ISFJはESFPの友人から常にその経験を得られるので、友人に対して思いやりを持ち、彼らが満足できるようにサポートする。ESFPはサポートしてもらえると、ISFJが自分を高く評価していることを感じられるので、それは非常に素晴らしいことである。ESFPは自分が望むものを恐れており、決断できなくなる可能性があるので、自分のニーズに集中する必要がある。自分自身のニーズを満たし続けるために、個人的な境界線を設定するのである。ESFPの子供に「将来は何になりたい?」と訊ねると、彼らは仰天して、将来を恐れるようになる。彼らのニーズを考慮して、何をすべきか議論する必要がある。
ISFJの影と話すことで、ESFPは他の人々が何をしているか観察するようになり、ニーズを満たすために経験を積むようになる。そして25歳か30歳までには、自分が望んでいるものを知り始め、個人的な目標を立てるようになる。彼らは自分自身のことをよく理解できるようになり、将来に対する不安は消え失せ、自分が望むものを追求する。それに基づいて彼らが良い人間になるのを、ISFJは助ける。劣等NeはESFPに選択肢を与えることを好む。Seヒーローは自分で新しい機会や選択肢を探すが、通常はひとつかふたつしか見つけることができない。そして間違った決断を下してしまうことを恐れるが、ISFJは恐ろしい未来からESFPを守ってやることができる。Seユーザーには自分に忠実な人間が必要である。ISFJは忠誠心と義務感をもって、ESFPが日常生活を送るために必要な自由を提供する。
次に良い関係は、ESFPとESFJである。彼らはどちらも外向的で、非常に似ている。ESFPとISFJの関係は、エネルギーのバランスが良い。ポジティブなものは優れており、ネガティブなものは荒い。それぞれの機能で最高の花火と最低の火花が発生する。彼らはお互いを読み合い、全てを理解することができるし、痛みのある場所を攻撃する方法も知っている。だから自分の影と上手くいかない人々もいるが、これは本質の問題ではない。育成を修正する必要がある。自分に責任を持っており、成熟しているか?貴族性や美しさはあるか?自尊心はあるか?これらの基準をクリアしていなければ、どれだけ互換性があっても失敗するだろう。まずは自分自身を構築しなければならない。
ESFPとESFJの関係は、それぞれのペアレントが相手のヒーローを尊敬しているので、謙虚な関係である。ペアレントはヒーローが世界を救おうとしていることを尊敬し、ヒーローはペアレントがチャイルドを守ろうとしていることを尊重する。謙虚さはあるが、外向機能は常に探している内向機能を見つけることができる。Feの倫理は道徳を探しているし、物理学は過去を探索している。Neユーザーは外部の「もしも」を探し、Niユーザーは「もし私だったらどうなるだろう」と言って、「もしも」の情報源となる。
とにかく、これらのタイプの自我は、両者の自我が探しているものを見つけることができる。ESFPとSFJの組み合わせは、結婚生活で非常に一般的である。ESFPとENTPもよく見られる。ESFPとINTPの組み合わせは稀である。ESFPは外に出ていて、INTPは引きこもっている。ESFPが外にいても家に居ても、INTPを引きずり出さない限り両者が出会うことはない。彼らは自分がやっていることに慣れ切ってしまい、魅力的なESFPに出会うことができない。ENTPは外向的なので、ESFPに遭遇する可能性がある。
ESFPのSeヒーローは、INTPのSiチャイルドに良い経験を与えようとする。子供もそれが好きである。それはチャイルドの成長にも、ヒーローの成長にも役立つ。ペアレントは劣等機能と連携するが、これはそれ自体で興味深いものである。なぜなら、悲観的な機能を発達させるには、それを願望する必要があるからである。あるいは、ペアレントが悲観的に劣等機能を発達させる。この関係にはポジティブな面もネガティブな面もあるが、自己啓発に繋がるだろう。
同じことがESFPとENTPにも当てはまる。ヒーローは劣等機能を発達させようとしており、それによって劣等機能は不安から願望に移行できる。問題はヒーローの力が非常に大きいため、その力が劣等機能を圧倒することで、さらに恐怖を与える可能性がある。この関係においては互いにそれほど責任を負っていないので、問題が起こるリスクは高い。
以上が互換性のある4タイプである。次に互換性のない4タイプの話をする。ESFPとINTJは正反対である。ヒーローからデーモンへの距離は果てしなく遠いため、なかなか目的地に辿り着けない。競合する他の全ての機能から、多くの干渉を受ける。同様にESFPとENTJにも機能同士の渋滞が発生する。ENTJにとって、ESFPはこれまで出会った中で最も愚かな人間である。TeヒーローはTiトリックスターの中にひとつの考えしか見つけられない。これはESFPを不快にさせる。ENTJは自分を評価していない。ENTJは自分を愚かだと思っているが、自分が良い経験を与えようとしているのに、ENTJは子供じみた経験に夢中になっている。ENTJはESFPが馬鹿なことに不満を抱くし、ESFPはENTJに義務感や忠誠心がないことに不満を抱く。そしてNeデーモンはENTJの未来を破壊しようとするだろう。
これはINTJに対しても起こる。ESFPとINTJは、お互いに何かを望むことを許さない。彼らはお互いに自由を認めず、義務を課そうとしている。劣等SeがSeヒーローに義務を負わせることはできないし、SeヒーローがSiトリックスターやSiデーモンに義務を負わせることもできない。義務付けられるのは、上位四つの機能にSiを持つタイプである。ESFPは常にISFJやESFJに義務を負わせる。INTPやENTPも義務付けることができる。しかし、そうはできない人々もいるし、そのような人々と友人になっても彼らは義務を果たさない。
ESFPが彼らに何をすべきか示しても、彼らはそれを理解するつもりはない。これらのタイプはESFPにやりたいことをする自由を与えず、ESFPの気持ちを気にしない。FeデーモンはESFPの気持ちなど目に入っていない。INTJは「自分」がどう感じるかだけを知っている。NTJはどちらも自分の内なる道徳、自分の価値観に集中するあまり、他人が感情を持つという概念を知らない。しかし他人にもそれぞれの価値観があり、それらは最終的に衝突する。そこで登場するのがソシオニクスである。ESFPとINTJが双対関係?そんなことは嘘っぱちである。
「私はTeユーザーなので、Teユーザーと一緒にいる必要があります」。これは仲間意識である。ソシオニクスが実際に教えているのは仲間意識であり、互換性ではない。そしてESFPとISFPである。彼らの心理機能は互いに大きく交差している。ESFPがISFPを悪人だと批判しても、盛り上がりに欠けるだろう。ISFPはFiヒーローである。ESFPはISFPが自由でいる資格があるか、良い経験を受け取る資格があるか、義務を果たしているか知覚する。
ESFPとISFPがこの関係にある場合、ISFPは非常にアイドル状態になり、ESFPはISFPが起動することを待つのではなく、目の前の快楽に飛びつく。ESFPはISFPが何かを提供してくれることを信じられないので、この瞬間的な満足のサイクルに嵌り込んでしまう。文字通り、この関係は美徳ではなく悪徳をもたらす。トップ4の関係は人々の美徳を引き出すが、下位の関係は悪徳を引き出す。そんな関係に何の意味があろうか?
ESFPとESFPはどうか?よく創作物で「自分がもうひとり居たらいいのに」という台詞があるが、実際にいたら苛つくだろう。例えばENTPが同じENTPとつるむのは、他のタイプに嫌われているからで、ENTPを好んでいるわけではない。同じタイプが友人同士になるのは望ましくない。ESFP同士は「自分の方が面白い」「お前は本当に酷い声だ」と思っている。二人のESFP男性が居合わせたら、キャットファイトが始まるだろう。そんなことをしている暇があったら、SFJやNTPと関係を築いた方がいい。妥協してもSJとNPである。NJやSPの仲間は推奨できない。
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