今回はタイプの基本的な人間関係シリーズ第2弾として、ESTPを取り上げる。互換性のある上位4タイプと、互換性のない下位4タイプを確認し、心理機能が働く仕組みを調査することが目的である。恋愛関係、性的関係、親子関係、職場の関係など、人間関係には様々な相性が存在するが、これは社会的互換性、つまり友人関係の話である。
ESTPはSJ、NP、SP、NJの順に互換性がある。もう少し細かく分類すると、STJ、NFP、SFJ、NTP、NTJ、SFP、NFJ、および同類のSTPが最後に位置する。自分と同じ長所と短所を持つ人間は、ライバルである。考えてみて欲しい、あなたがSeヒーローで観察し、やりたいと思ったことは他のSTPもやりたいのである。すると必然的に、STP同士で場所の取り合いが発生する。最終的に、優れたSTPが最も良い場所を占拠する。それはともかく、ESTPの互換性リストを載せておく。上から順に、ISTJ、ESTJ、INFP、ENFP、ISFJ、ESFJ、INTP、ENTP、INTJ、ENTJ、ISFP、ESFP、INFJ、ENFJ、ISTP、最後にESTPである。
全体を貫く基本ルールは「二点間の最短距離は直線である」ことを覚えておいて欲しい。内向的機能はソース機能であり、外向的機能はそれを消費する機能である。この基準に則り、ESTPの外向的感覚は内向的感覚を消費する。ESTPは他の人々に経験を与えたいと思っており、Siヒーローは経験を受け取りたいと思っている。そしてTeペアレントはTiペアレントを探している。したがって、ESTPと最も互換性があるのはISTJである。ISTJは自分の気持ちを満足させたいと思っているし、ESTPは他人の気分を良くしたい。ISTJは他の人々の願望を、ESTPは自分の願望を重視している。このペアにおいて、機能同士の対立はない。
影同士の関係はどうか?ISTJは他人に悪い経験を与えることを心配しているが、ESTPは既に悪い経験を豊富にしており、心構えができている。ISTJは自分の考えに批判的であり、ESTPは他人の考えに批判的である。ISTJは他人がどう感じているか認識していないが、ESTPはISTJの不手際を認識しない。ESTPは他人の望みなどどうでもいいが、ISTJは自分の望みより義務を優先する。つまり、ここには潜在的な互換性があり、全ての心理機能で二点間の最短距離は直線である。片方が求める心理機能は全て相手の自我にあり、無意識とは交差しない。これが重要な点である。
ESTPとESTJの関係は、ISTJと同様に良好だが、ここにはお互いに謙虚さがある。この関係ではヒーローとペアレント、チャイルドと劣等機能が互いを消費し合う。ESTPとISTJの場合、SeヒーローとSiヒーロー、TiペアレントとTeペアレントは同等の力を持つため、相手に挑戦することがある。ヒーローとペアレント、チャイルドと劣等機能では、この種の拮抗状態は発生しない。
ペアレントはチャイルドを守るために存在する。子供を守るために、親は英雄の暴虐を訴える役目を持つ。ヒーローは楽観的な機能なので、必ずしも仲間のヒーローの言うことは聞かない。障害があっても、自分の力が全てを解決すると信じている。しかし、ペアレントは悲観的な機能なので、これに耳を傾ければ賢明に行動することができる。したがって、この関係には謙虚さが生み出され、ESTPとESTJにとって強力な互換性がある。この関係においても、両者のニーズは自我で全てが満たされる。
次にESTPとINFP。これは非常に興味深い関係である。友情の観点から見ると、ESTPにとって三番目に相性が良い。ペアレントが劣等機能のお世話をし、劣等機能はそのお世話を甘受する。ヒーローはチャイルドを操作し、チャイルドも自分の好きなようにヒーローを操作する。子供がヒーローの肩に乗って、「もっと高く飛んで!」と注文するようなものである。そして劣等機能はペアレントの支援によって、知的に発達する可能性がある。
ESTPには潜在意識INFJがあり、潜在意識INFJは自我INFPと高い互換性がある。INFPが個人的な哲学を発展させると、ESTPはそれを実行し、他の人々に届ける役目を担う。また、INFPの潜在意識ESTJもSTPの役に立つ。オブジェクトを整理整頓したり、物事を組織的に実行したり、ESTPがやりたくない書類の手続きなどをやってくれるからである。機能同士の距離があるが、この関係も影の領域には入り込まない。
ESTPとENFPも、INFPと似たような関係である。違いは、劣等機能に対してヒーローの力が強すぎることにある。ESTPが劣等Siに刺激的な経験を与えてENFPを不快にさせたり、ENFPが膨大な選択肢を提示してESTPのNiを不安にさせることが起こり得る。そうなるとENFPは相手の望みを叶えたくなくなるし、ESTPは何も決断できなくなる。それでも相性は良い方である。この関係は友情に最適だが、恋人にはお勧めしない。近距離でベタベタするには向かないだろう。ある程度の壁がある状態で、節度を持った友情を築くのが望ましい。
ここまでが互換性のある4タイプとなる。ここからは互換性のない4タイプである。この場合、ESTPが求める心理機能は相手の無意識に沈んでいる。暗闇で手探りするようなものである。全ての心理機能は、交流するために非常に多くの精神エネルギーを要し、二点間の距離は果てしなく遠い。自我の向かい側に必要とする心理機能がないと、ESTPは消耗する。そういう人間と会った後は一人でリフレッシュし、また外向的に戻って、もっと親しみやすい人間と付き合うようになるだろう。NFJやSTPと付き合う時は、酒でも飲まないとやっていられない。ただし、仕事など別の関係では、互換性は変化する。友情の観点では、STP同士はライバルである。
INFJとESTPの関係では、ヒーローとデーモンが通信しなければならない。STP同士では、どちらが優れた経験を与えられるかデモンストレーションが発生する。私の弟はESTPだが、彼の幼馴染もESTPだった。しかし成長と共に彼の与える経験は破壊的なものになり、弟は太刀打ちできなくなっていった。NFJたちはESTPが自分よりも賢いと思い、ESTPはそれを彼らに証明しようとする。NFJはESTPのTeクリティックが付け入る隙だらけである。これはお互いの心象に悪影響を及ぼし、周囲にも巻き添え被害を引き起こす可能性がある。
しかし、NFJはESTPに多くのことを教えてくれる。ESTPは潜在意識INFJになりたいので、彼らの行動を観察し、生態を模倣すれば潜在意識を最適化することができる。つまり、あるタイプと互換性がなくても、使い道は他にもある。相容れないタイプを周りに置くことは、自分を研ぎ澄ます。「鉄はまさしく鉄によって研がれる。同じように、一人の人が他人の顔を研ぐ」という格言がある。ESTPはこのことを認識しておくといい。失敗しても新たな経験に向けて踏み出すことを、劣等Niは必要とする。
例えば、スピリチュアルな旅をしていたESTPが、NFJのグルに出会ったとしよう。NFJはESTPに知恵を授ける。NFJとの関係が失敗しても、ネガティブな経験であっても、そこから知恵を得ることができる。INFJの力の証である知恵は、苦しみからしか得られない。誰かの気分を良くしても、相手が知恵を得ることはない。だからこそ、失敗は最大の教師なのである。その失敗で苦しむかもしれないが、その苦しみから知恵が生まれる。
友情という意味では、ESTPはNFJと親しくなりたいと思わないだろう。教祖と友達になりたい信者はいない。彼らはESTPの教師である。相性の悪いタイプは教師として、学ぶことである。フレンドリーな教師もいるが、生徒からすると鬱陶しいものである。繰り返すが、これは友情あるいは社会的な互換性である。必ずしも当てはまるわけではないが、上位4タイプと関係を維持することは重要である。中立的なタイプの重要度は低い。互換性のないタイプは、知人として浅い関係に留めておいた方がいい。
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