今回は社会的適合性の最終回、INTPの人間関係について取り上げる。毎回説明している免責事項と社会的適合性の意味が登場するのも今回が最後である。

社会的適合性は職業上の関係ではなく、恋愛関係でもない。これは友情であり、認知的シンクロニシティを基にした互換性である。外向機能は内向機能を消費しようとしている。互いの心理機能は最短距離にあることが望ましく、楽観的な機能同士、悲観的な機能同士がペアになることが最善である。

機能同士が組み合わさるのは、パズルのピースが組み合わされるようなものである。一部のピースは他のピースより適合性が高い。機能的な互換性とは、仲間意識ではない。 MBTI脳は何らかの理由でソシオニクスの双対関係が最高の相性だと考えているが、それは間違っている。彼らは仲間意識を持つが、機能的な互換性は低い。仲間意識は共に課題に取り組み、種族を発展させるために存在するものであり、友情を築くためではない。

類似性は互換性と同等ではなく、互換性とは補完性である。Siユーザー同士は互換性がないが、同じ視点から物事を見ているので、仲間意識はある。仲間意識は同じ気質、同じインタラクション・スタイルなどに芽生えるものであり、必ずしも相性が良いわけではない。長期的な友情、恋愛、仕事上の関係では、機能的な互換性が高い方が良い。

互換性の高い人々は多くのことを達成して、有能になることができる。仲間意識は自他の改善、挑戦を提供する。相手から何かを学んだり、劣等機能を発達させるのに役立つ。そしてINTPの基本情報に移るが、彼らは情報提供・応答・制御型のバックグラウンドタイプである。彼らの発言の意味は、文脈に応じて変わる可能性がある。彼らは情報提供するが、相手が自分のところにやって来ることを好む。私はよくINTJと言われるが、INTJは行動型なので物事に時間をかけない。彼らは何かしら考えているような顔をしているが、実際は綿密な計画を立てているわけではなく、電波に導かれて動いているだけである。INTPはそうではない。

INTPと最も互換性が高いのはNJ、二番目はSP、三番目がNP、最下位がSJである。これをズームアウトすると、上からNTJ、SFP、NFJ、STP、STJ、NFP、SFJ、NTPである。これをタイプごとにリスト化すると、1番目がENTJ、2番目がINTJ、3番目がESFP、4番目がISFP、5番目がENFJ、6番目がINFJ、7番目がESTP、8番目がISTP、9番目がESTJ、10番目がISTJ、11位がENFP、12位がINFP、13位がESFJ、14位がISFJ、15位がENTP、16位がINTPである。INTPは内向型なので、まず互換性が低い4タイプを紹介し、次に互換性が高い4タイプに移る。

最下位はINTPとINTPである。彼らは互いの愚かしさとやる気のなさを批判する。INTP同士がまともに関わると、必ずどちらかが間違っている局面がやってくる。その場合、争いが起こることは避けられない。INTPは相手が忠実かどうかわからない。わかるのは、相手のファッションセンスが悪いことと、自分が忠実であることだけである。相手をサポートしても、感謝は返ってこない。INTPは見返りに相手が自分のニーズを満たすことを期待しているのだが、それを口にすることはないので、相手はINTPが自分のニーズに無責任だと見なす。INTPからすると、そんなことは口に出さなくてもわかって当然のことである。そしてINTPは激怒し、相手を抹殺しようとする。

次にINTPとENTPである。NTP同士は機能的互換性は低いが、仲間意識は高い。協力して新しいテクノロジーを発明することはできるが、相性は悪い。ENTPはINTPの愚かさ、忠誠心の欠如、不道徳な上に信頼性が低いことを批判するが、それは全てENTPにも当てはまる。NTP同士は相手が自分より賢いことを決して認めないので、常に競争的な関係になる。しかし賢さで比較するならENTPの方が分が悪い。Seデーモンはそれに気づかないが、互いにTiヒーローとNeヒーローを尊重した方がいいだろう。INTPは意思決定に、ENTPは知覚能力に優れている。彼らは互いに学び合い、スキルを教えたり、ビジョンを構築することはできるが、友情を築くことはできない。

NTP同士が性的関係を築くところを想像できるだろうか?二人が並んで横たわっているだけで、どちらも上になろうとしない。相乗効果はなく、当番制で役割分担するしかないだろう。

次に悪いのはINTPとISFJである。二点間の最短距離は直線である。NeペアレントがNiデーモンを消費するには長い時間がかかるだろう。特にISFJが親でINTPが子供である場合、懲罰的関係が生じるだろう。INTPが不公平を主張すると、ISFJは更に罰したくなる。Tiチャイルドからすると、悪いのがINTPであることは明らかである。証拠はないが、とにかくそうなのである。ISFJはINTPよりも他のSJやSPを信用する。彼らの機能は互いに一致せず、周波数を合わせて情報を送受信することができない。

4番目に悪いのはINTPとESFJである。仲間意識は非常に高い。TiヒーローとTiデーモンはまともに会話することができない。ESFJのSeクリティックはINTPを下層階級の人間と見なすが、INTPからすると劣等Tiごときに見下される覚えはない。ESFJは自分の方が賢いと思い、INTPは自分の方が思いやりがあると思う。潜在意識での競争である。社会的適合性が下位になるほど関係は浅くなり、上位になるほど有意義な友情を築ける可能性が高くなる。

ここからは互換性が高いタイプである。INTPとENTJは最も互換性が高い。しかしこの二タイプが付き合うことは滅多にない。ENTJはINTPよりISFJと付き合う。友達ならば高い互換性を発揮できるだろう。INTPがコンテンツを制作し、ENTJが管理と取引を行う。INTPは自分の考えを知っており、周りの人々が愚かなことを心配している。ENTJは自分の考えが間違っていることや十分に検証されていないことを心配しているので、需要と供給が一致する。ENTJはINTPに「これについてどう思う?」と訊ね、Tiヒーローは何が真実か教えてやる。自分で細々とした真偽の判断をしなくてもいいので、ENTJは良い気分になる。

INTPは自分が何を考えているか認識しており、ENTJは他人が何を考えているか認識している。さらにENTJは自分の欲望を認識しており、将来の計画を立てている。Niが知覚するのは他人ではなく自分の未来である。Niユーザー、特にNiヒーローやNiペアレントは、集中し過ぎて視野が狭くなることがある。INTPはENTJが何を望んでいるか知っているので、悪い未来を警告することができる。

例えば、私が以前「ENTJとは誰か?」で紹介したENTJにはINTPの友人がいた。そのENTJは思慮が浅く、「あれをやるぞ!」と息巻くものの毎回INTPに説得されて断念することになったと言う。「ISTJとISFJは発達障碍者扱いされる!」と発言する前に、そのINTPに相談するべきだっただろう。INTPはENTJの欲求に合わせてガイダンスを提供し、自分がそれについて良い経験をしたこと、安全だったこと、Siチャイルドが成功したことを教えてやる。するとENTJは自分もそれをやりたいと思う。INTPは良い経験を受け取りたいと思っており、ENTJは良い経験を与えたいと思っているので、競合はない。

INTPはENTJに嫌な思いをさせることを恐れており、ENTJは自分が悪者になることを恐れている。その恐怖のおかげで、INTPはENTJを感情的に発達させることができ、ENTJはINTPの道徳的羅針盤になることができる。Niクリティックは自分がやりたいことをやる自由を許可しないので、ENTJはINTPを信頼することができる。ENTJは自分の望みに責任を負っており、他人の無責任を批判しているからである。そしてSeチャイルドはSiチャイルドの忠誠心を必要としており、INTPが自分を裏切らないことを知っている。NJは人々が自分に対する高い評価を気まぐれに覆すことを懸念している。

ENFPを除き、NPはそんなことをしない。ENFPにはステータスを与えておけば、彼らは満足するだろう。INTPは物理的環境を認識していないが、ENTJはINTPから何かを受け取ったり見せてもらうことを望んでいない。そもそもINTPには何かを見せるという発想がない。INTPは自分がどう感じているか気にしていないが、ENTJもINTPの気持ちを気にしていない。心理機能は探しているものを全て最短距離で見つけることができ、素晴らしい関係を構築する。社会的適合性の上位2つは、他の互換性でも同様に機能する。彼らが恋愛関係にある場合、それは爆発的なものになるだろう。彼らは互いの心を読み合い、衝突があっても容易に修正する。

2番目に良いのはINTPとINTJである。ENTJと似ているが、この関係には謙虚さと敬意が組み込まれている。ENTJよりも競合が少ない分だけ、こちらの方が強力かもしれない。この関係はヒーローとペアレントが通信するため、INTJはINTPの賢さを、INTPはINTJの意志の強さを称賛する。あるいはINTJがINTPの忠実さを評価したり、INTPがINTJの道徳性を評価する。INTJはいつも自分の気持ちを頼まなくても教えてくれるので、INTPはINTJの気分を悪くさせることを恐れなくてもいい。

ヒーローはペアレントの話に耳を傾け、世界を救おうとするあまり周囲に巻き添え被害を出さないようにする。INTJは自分が賢いという信念を抱いているが、INTPにその信念を検証してもらうことができる。INTPが快適であるため、INTJは寝室のパフォーマンスを恐れる必要がない。彼らは頭の中で妄想しているだけでなく、実践に移ることができる。そしてINTJが良い経験を与えてファッションセンスを訓練することで、INTPは社交不安を抱える必要がなくなる。パーティーでINTJが「帰りたい」と言えば、INTPもそれを口実にして帰ることができる。これが道徳的羅針盤の効果である。

INTJは常に自分の気持ちや望みを重視するので、INTPがどう行動するべきか大量の情報が得られる。INTJが「あなたの考えを聞きたい」と言えば、INTPは喜んでそれを話す。INTJが「あなたに良い経験を与えたい」と言えば、INTPは喜んでそれを受け取る。

3番目に良いのはINTPとESFPである。3番目の社会的適合性は結婚に多い組み合わせだが、INTPとESFPが結婚するのは稀である。ペアレントは劣等機能を克服することを、責任をもって支援する。INTPは社交不安を克服し、ファッションセンスを向上する。ESFPは分析麻痺を回避し、Tiヒーローを尊敬する。INTPがESFPに忍耐強さを発揮し、ESFPがINTPの話に耳を傾け続ける限り、良好な関係が成立するだろう。Tiヒーローが真実を言えば、ESFPはより良い人間になれる。

4番目に相性が良いのはINTPとISFPである。ESFPと似ているが、違いはヒーローが劣等機能と交流することにある。劣等Teと劣等Feを野心的にすることができるが、どちらかに成熟度が欠けている場合、ヒーローが劣等機能を押しつぶす可能性がある。強力なヒーローは恨みや憎しみを引き起こし、彼らは互いに反発する。Fiヒーローは常にINTPの善悪を判断しており、これはINTPが嫌うところである。この点でISFPから良い評価を受けることはない。ISFPへのサポートは理解されないか、そもそも気づかれない。逆にISFPはINTPに馬鹿にされているように感じる。

この関係では秘密契約を結ぶのではなく、コミュニケーションを十分に取ることである。NTPとSFJは秘密契約がデフォルトである。Feユーザーは総じてその傾向があるが、EFJとINTPは特にそうである。ISTPはそれほどではない。INTPとISFPの関係では、ペアレントがチャイルドを子供っぽいと見なしており、子供は親に反発する可能性がある。コミュニケーションを取り、成熟していればこの関係は上手くいく。お互いに不安や敏感さを説明することで、ヒーローは劣等機能と連携することができる。彼らは物事を計画して目的地に到達することには難があるが、ISFPが作った部品を見せて、INTPが改善案を提供することで、互いを向上させることができる。

 これでINTPの社会的適合性の話は終了である。今後も単発でタイプ関係の記事を投稿することはあるだろうが、シリーズとしてタイプ同士の関係を取り上げるのはしばらく先になるだろう。