今回はISTPの社会的適合性を取り上げる。「類型脳」といえばIN型が代表として挙げられるが、ISTPもなかなかのものである。彼らの名誉のために言っておくと、ISTPは非常に美しい魂を持っている。私が言うと薄気味悪く感じられるかもしれないが、これは真実である。しかし残念ながら、余人にはそれが見えないのである。

ISTPは通称職人、自由を求めるクリエイターである。インタラクション・スタイルはフィニッシャー、率直・応答・行動タイプであり、人々が自分のところに情報提供しに来ることを好む。彼らはどんな時でも行動によって混沌を乗りこなすことができるが、影のESTJが他人を制御しようとすることがある。これは一種の偽善であろう。自分は自由を求めるのに、他人をコントロールしようとするのである。

社会的適合性とは、仲間意識ではない。ISTPは他のSPやTPたちと仲間意識を持つが、これは互換性とは別物である。ソシオニクスは両者を同じものとして考えているが、完全な二元論は自分を破滅に導くことになる。しかし、この認知的冗長性によって、仲間のタイプと協力して物事を達成することができる。この冗長性が存在するのは、進化的に必要な為である。

さて、ISTPと相性の良いタイプは上からSJ、NP、SP、NJである。より詳しく言うと、STJ、NFP、SFJ、NTP、NTJ、SFP、NFJ、STPの順となる。これを16タイプのリスト化すると1位ESTJ、2位ISTJ、3位ENFP、4位INFP、5位ESFJ、6位ISFJ、7位ENTP、8位INTP、9位ENTJ、10位INTJ、11位ESFP、12位ISFP、13位ENFJ、14位INFJ、15位ESTP、16位ISTPである。今回は下位4つのタイプから紹介する。外向型は上位のタイプから、内向型は下位のタイプからという規則である。

ISTP同士は、お互いに自分の方が賢いと思っている。あるいは、自分の方が上手く機械を扱えると思っている。彼らは自由を求めるが、相手の自由はESTJの影が制御しようとするので、この矛盾を発端として紛争が発生する。Neトリックスターは相手の望みを感知できないため、お互いに自分の望みを妨害されているような感覚を覚える。そして、相手が愚かだと思い込む。元々ISTPはデフォルトで他人が愚かだと思っているので、これは自然な流れである。ISTPの物忘れの激しさもこれを助長する。自我が必要な機能は全て相手の無意識にある。機能同士は長距離を移動しなければならず、全ての機能で渋滞が発生することは避けられない。

そしてISTPとESTPも似たような関係である。ISTPはESTPに経験を与えようとするが、ESTPはその経験を心配している。彼らはお互いに相手が与える経験を信用しておらず、主導権を得ようとする。STPは互いの知性を批判し合い、互いを「愚かな人間ゾーン」に置く。さらに相手が忠実であることを期待するが、そんなことは絶対に起こらない。彼らはその時やりたいことをやるだけである。しかし相手の望みには無関心なので、SPの必要とする自由を提供することができない。

ISTPとINFJも問題である。INFJはNiヒーローにより、自分の欲しいものに対して貪欲だが、ISTPのNeトリックスターはその望みを叶えることができない。ISTPの美徳と悪徳は喜びと憂鬱だが、ESTPの美徳と悪徳も二次的に持ち合わせている。つまり彼らは非常に貞節なパートナーになることもできる。動物的に異性と付き合ったり別れたりしているのは、仮の姿である。しかしINFJは彼らの表面だけを見て、ISTPの人間性を治そうとする。INFJの方は劣等Seでパフォーマンス不安を抱えており、車の運転やお絵描き、機械いじりに苦手意識を持っている。ISTPは彼らを押しのけ、賢い自分が代わりにやってやろうとする。その結果、両者は互いに憎しみ合う。

ISTPとENFJも似た関係である。ENFJは常にISTPが厳しすぎること、社交スキルに劣ること、人々に良い経験を与えていないこと、忠誠心に欠けることを小うるさく指摘する。互換性の低い人々とは、深い関係になることをお勧めしない。知人や距離を置いた関係に留めておくのが良いだろう。

次に上位4つの関係に移るが、ISTPと互換性が最も高いのはESTJである。ISTPはESTJに良い経験や感覚を与えようとしている。ESTJは常にISTPに忠実であり、ISTPが自由にやりたいことをできるように、物事を制御する。ESTJは自分が悪い人間だと思われることを恐れているが、ISTPはその気持ちを身をもって味わっているので、ESTJを安心させることができる。そう見えないかもしれないが、ISTPは非常に優しい人々である。Tiで人々を批判するのは、Feが相手を良くしたいと思っているためである。そしてTeユーザーは最終的にそれを受け入れる。確かに気分は良くないが、改善する必要があることを認めるのである。

ESTJは常に自分が愚かなことを心配しており、ISTPは他人が愚かなことを心配している。ISTPは潜在意識ENFJで、ESTJを指導することで愚か者ゾーンから彼らを救ってやることができる。ESTJはISTPの服装を批判するが、ISTPはそれを取り入れて改善することができる。ISTPはESTJの望みがわからないし、ESTJもわからないので、これが問題を引き起こすことはない。互いが必要なものは自我の中に全て揃っている。この二人は優れた犯罪パートナーになる。ISTPが開発したガジェットやツールを用いてESTJが計画を立て、その経験を基に改善を重ねる。年を取るごとにESTJは自己表現に目覚め、ISTPは指導的になる。ISTPは自動的に他人を馬鹿ゾーンに置くので、受け入れるのは難しいかもしれないが、彼らが見せようとしていることや教えようとしていることは、真実である。

ISTPとISTJも良い関係である。ISTJは歩くアレクサンドリア図書館であり、機能的に謙虚さと相互尊重がある。ESTJの影はISTPであり、ISTPの影はESTJである。このため競争が発生し、相手が自分の上位互換に思えることもあるが、ISTPとISTJにその心配はない。ISTJはISTPの望みを恐れているが、ISTPは無邪気にそれを行い、そこに悪意はない。ISTPはISTJの気分を悪くすることを恐れているが、Fiチャイルドは強い気持ちを持っているので、ISTPは自信を得ることができる。そしてISTJはISTPの忠誠心を心配しているが、ISTPは自身の忠誠心に対して批判的である。Siヒーローは何をしたいかではなく、何をするべきか義務に基づいて行動する。したがって、ISTPの欠点であるNeトリックスターは問題とならない。

三番目に良い関係はISTPとENFPである。ヒーローとチャイルドの交流は非常に興味深いものであり、大いに成長をもたらすだろう。ISTPは薔薇色の眼鏡をかけてENFPを見ることになる。ENFPの美徳と悪徳は慈善と堕落だが、ISTPのNeトリックスターに堕落した姿は見えない。この関係は結婚に至ることが多い。一緒にビジネスを始めたら、いつの間にか結婚していたということも起こり得る。ISTPのTiヒーローはTeチャイルドを高く評価し、ENFPは良い気分になる。ISTPが劣等Feで人の気分を悪くすることを恐れているのも、ENFPにとっては良いことである。「自分は気を遣うに値する存在だ」と満足できるからである。そしてENFPはISTPが利用されないように守ることができる。ENFP自身も人を操作することは得意なので、他人がISTPにどのような意図を持っているか把握している。友人のISTPを利用しようとする人間から、守ってやらなければならない。このようにENFPが堕落する暇もなく慈善活動をするのは、ISTPの影響である。

最後にISTPとINFPである。この関係の注意点は劣等機能にある。ISTPが過度に批判を繰り返すと、INFPの劣等Teは傷つき、憎悪が生じる。Tiヒーローに「過度」な批判などというものはないのだが、大抵の場合それは理解されない。お互いが未熟だと憎しみ合うかもしれないが、成熟していて忍耐強く接すれば、実りある関係となるだろう。常に積極的に行動する必要がある。劣等FeはFiヒーローの気分を良くしたいが、ISTPは勤勉なので、INFPを怠け者と判断する可能性があり、それが問題を引き起こす可能性がある。INFPの方はISTPの批判に耐えきれず、人間性を非難するかもしれない。しかしINFPはISTPに自由を与えてくれたり忠誠心を捧げてくれたりするので、なかなか居心地はよいはずである。それというのも、ISTPの提供する経験が好きだからである。この関係で重要なのは、よくコミュニケーションを取ることである。

ISTPは感情表現に苦手意識を持っていることが多い。しかし、それが誰かを救うこともあるのである。あなたの宝石を誰かが見出してくれることを祈っている。