今回は16タイプのうち7タイプ目にあたるENTPに関する記事である。これはスタータータイプのひとつであり、率先して新たな物事を開始することを信条とする人々である。N型は全て「革新」「独創」などの形容詞が付けられるのでどのタイプが最も独創的なのかわからないが、ENTPも独創的である。ENTPはイノベーターであり、革新的な思考や、物事を行う新しい方法、自由思考を必要とする新たな考え方を提案する。
ENTPは独裁国家の犠牲者になりやすい。反抗的な考えを持っているという理由で射殺されるタイプである。場合によってはESTPもそうかもしれない。彼らのTeクリティックは、あらゆる規範やルールに挑戦しないと気が済まない。
ENTPは知識人なので、常に未来のことを考えている。彼らはスタータータイプであり、進歩に全てを集中する。物事を管理下に置かれることを嫌う。彼らは混沌の中でも行動し、動いてさえいれば目標を達成できると思っている。だから物事を動かすために、混乱を引き起こすことも厭わない。
目的は手段を正当化する。それは彼らの個人的な目標かもしれないし、働いている組織、家族、宗教団体などコミュニティの目標かもしれない。それらの目標を実現するためならば、ENTPはどんなルールでも破る用意がある。
ENTPの自我を統率しているのはNeヒーローである。これによって、ENTPは形而上学的領域に生息する。彼らは物理学については意識していない。つまり、ENTPたちは実際に釘を打つことが苦手である。彼らが自分で釘を打とうとすると、手元が狂って怪我をしてしまうかもしれないので、ENTPは形而上学的な発明で稼いだ金で、誰かを雇って代わりに釘を打ってもらう必要がある。
Neヒーローには予知能力があるので、物事が起こる前に何が起こるか予測することができる。外向的直観は時間の第一法則に従うので、これまでに起こったことは全て再び起こるだろう。過去に何かを経験した場合、それは再びどこかで起こる。予知能力とは魔法のように未来がわかることではなく、劣等Siに経験を蓄積したゆえにわかるようになるのである。これは必ずしも自分で経験する必要はなく、大量の本を読み、人類の歴史を脳内のハードドライブにインプットすることでも代用可能である。
予測能力が高いことはENFPにも共通している。ENPはパスファインダータイプとして知られており、Neヒーローは正しい道を見つけることに執着しており、進むべき道を全て把握することで、これを実現する。例えば、恋人の家族に会わなければならない場合、ENTPは遭遇するあらゆる可能性について戦略を立てる。特に恋人の父親が問いかけてくるであろうあらゆる質問に対して、全ての可能性、全ての戦略を検討した上で実戦に臨むだろう。そして予測のうちのひとつが現実となる。
ENTPは常に緊急時対応計画を用意している。Feチャイルドは人を失望させることに罪悪感を感じるので、会話に責任を負っている。ENTPが土壇場になってから消え去るのは、その状況に個人的な責任を負いたくないか、将来的に危険が現れる可能性を認識しているからである。バーに行ったら喧嘩が起きるかもしれない。「喧嘩を起こしそうなのはあの男だから、そうなったらこっちの出口から脱出する」と予想しておけば、逃走がスムーズである。彼らは常に危険の可能性を認識している。場合によっては他人にそれを伝えて、相手の考えを変えようとする。未来を変えるには、他人の考えを変えなければならない。
つまり、外向的直観は人々の生活に立ち入って、知識や知恵、あるいは洞察を与えることで、彼らの道筋を正しい方向にガイドする。Neヒーローは他人の意志を知ることで、その人物が何を望んでおり、何をしようとしているのか認識している。彼らには他人の将来が見えるので、Neヒーローの言うことを聞けば、より良い未来が約束されるだろう。ただし、彼らは人々を悪い方向に誘導することもできる。大体は良い方向に導こうとするが、それはFeチャイルドがあるためである。
ENTPの評判は悪い。それはTiペアレントが真実に対して責任を負おうとするからなのだが、同時に彼らはFeチャイルドなので人々の価値観をより良いものに変えようともする。ENTPが気にしないのは人の気持ちではなく、人の考えである。彼らはTeクリティックなので、人が定めた規範やルールは意に介さない。真実に基づかない信念、ルール、定説、ルーチンに従うのはナンセンスである。しかし、それが他の人々を良い気分にするとしたら?ENTPは嘘をつかなければならない。これについては後述する。ENTPの美徳は誠実さであり、Tiの厳しさにより誠実すぎるほどの誠実さを持っている。ENTPは嘘を焼き払い、真実の炎が燃え盛る。地獄の業火もかくやと言わんばかりである。
ESTPは現実性チェックを行いルールや境界をテストするが、ENTPも同じことをする。彼らは社会規範や伝統をチェックする。ESTPと違うのは、彼らには劣等Siがある点である。ENTPは伝統を試してみると、それを大好きになるか、大嫌いになって見向きもしなくなるかのどちらかである。SJやSPの人々は、クリスマスになると七面鳥を食べる。ENTPも喜んで食べるが、Siが快適である必要がある。劣等SiにはENTPの恐怖と不安が存在する。彼らは新しいことに挑戦することを恐れている。
ENTPが新しいことを始めると、劣等Siが不安を感じ始める。自分がやっていることは正しい経験なのか、これを続けていいのか、間違った経験をしているのではないか、という不安である。Ni劣等であるESTPやESFPが望むものを恐れて行動できないのと同様に、ENTPは自分が経験していることを長く続けることができない。
恐怖とは心を殺すものである。クリシュナムルティの「既知からの自由」には心理的恐怖の言及があるが、恐怖にも色々ある。職を失う恐怖、支配に対する恐怖、周りの人がどう思うかの恐怖。それらの恐怖を感じていることを察知されることへの恐怖もある。ENTPが恐怖を克服して向上心を持ち、潜在意識ISFJに移行すると彼らは痛みや苦しみに耐えられるようになる。SFJは苦しみに耐えられるように作られている。失敗から受ける苦痛により、ENTPはより賢く、強く、有能な人間になっていく。Siが失敗の経験を積めば積むほど、Neヒーローは成功の可能性を認識できるようになる。全ての失敗パターンを経験したので、あとは成功するしかない。だからENTPが失敗の痛みを厭わなければ、彼らは科学的手法によって失敗を積み重ね、いずれ成功するだろう。
ENTPの心配は、彼ら自身の将来にもある。Si劣等なので、彼らは自分の健康や体調にも強い不安を覚える。心気症のようになり、自分は死ぬのではないかと不安で仕方なくなって病院に駆け込むのである。彼らは信仰を持たなければならない。ENTPはあらゆる意味で自分の将来を心配しているので、常に革新的な計画を(スタータータイプだけに)開始している。しかし、その計画が失敗するのではないかというNi-Siの恐怖により、最終的に無気力に陥る危険性がある。彼らは信仰心を培い、その恐怖を克服しなければならない。信仰心が強ければ強いほど、人生で多くの罰を受け、打撃に耐えて経験値を増やすことができる。
つまり、ENTPは無意識INTJによって将来のビジョンを獲得する。そして、そのビジョンを発展させるために潜在意識で人生経験を積む。こうしてNiネメシスに煩わされることなく、ビジョンを実行することができる。ENTPは信仰を通して、この一連のプロセスを経験する。全てのSiユーザーは信仰を受け入れる必要がある。
ESTJやESFJのようなSiペアレントは、信仰をそれほど重視していない。重視しているとしても、それは伝統の観点からである。彼らは自分たちの信念に責任を持とうとしているので、独断や盲目的な信仰に囚われることを避けようとする。ENTPやENFPの弱点は盲信することである。彼らは詐欺師と呼ばれるが、本人たちも簡単に騙されてしまう。ベンジャミン・フランクリンは前半生では人間関係のトラブルが多く、知事に騙されて酷い目に遭った。しかし、彼の劣等Siは教訓を学び、潜在意識ISFJを使って良い人間に成長した。そして理想的な未来を築くことができたのである。
Teクリティックにより、ENTPは他の人々が愚かだと思っている。他の人々は自分の考えに対して無責任である。彼らがFeチャイルドによって他人の感情に耳を傾け、Teクリティックを抑えて他人の意見にも耳を傾ければ、それらの経験によって予測能力は高まるだろう。ESTPにも同じ問題があるが、彼らにはアクティブ・リスニングが必要である。そもそも彼らは最も賢いタイプではない。それに気づくきっかけとして、類型論や心理機能を学ぶことは有用であろう。
ある意味では、人々の話を聞くのにFiトリックスターが役に立つ。ENTPには道徳心が欠けているので、何事にも中立を保っている。それについて判断ができないからである。○○についてどう思う、この経験が好き、この人がどんな気持ちであるか、はわかるが、道徳的に何が正しいかはわからない。しかし、ENTPにはFeチャイルドがあるので、人の認識や感謝を求めている。Fiトリックスターのせいで非人間的に思われることは、ENTPにとって痛手である。だから口では「お気持ちとかわかりません」と言いながら、多動系メンヘラのようになっているENTPは多い。彼らはFiユーザーの近くにいる必要がある。FeチャイルドによってFiユーザーの道徳を吸収すれば、倫理的に行動できるようになる。
ENTPが一人でいると、彼らは非倫理的な行動で注目を集めようとし始める。ENTPは非常に操作的で、評判の悪いタイプのひとつである。彼らの美徳は真心だが、悪徳は欺瞞である。ENTPは社会で受け入れられるように仮面を被る。社会は彼らの誠実さではなく、嘘を求めている。Feチャイルドは受け入れられたい。だから嘘を吐く。そして劣等Siが問題を引き起こし、そのマスクは外せなくなる。彼らは嘘を吐き続ける。最終的に、ENTPは嘘そのものになる。真実を語るには強さが要る。彼らは自分の弱さに負けたのである。しかし勿論、ENTPは最も賢いタイプではないので、間違っていることもある。彼らはTe的な統計やデータを偏執的に疑うので、説得することが難しい。説得以前に、その態度を薄気味悪く思われることもある。
ENTPが誠実でない場合、彼らにそうするように要求する必要がある。それが本当の自分なのか、誠実に対応しているか、真実を語っているか問いたださなければならない。例えばNTJの女性がいて、彼女たちの側にいて快適であれば、ENTPはマスクを外すだろう。そして彼女たちが与える経験に報いて、騎士さながらに忠誠心を捧げ、気分を良くして、望むものを与えようとする。社会はENTPを好まないが、NTJも似たり寄ったりの立ち位置である。嫌われ者同士、理解し合えるだろう。
もしENTPを快適にせず、彼らがなすべき義務を果たし名誉ある振る舞いをする余地を与えなければ、問題が起こるだろう。彼らはSeデーモンによって全てを焼き尽くそうとする。世界は混沌とした悪に支配される。劣等Siと潜在意識ISFJが苦しみに耐えられないと、超自我ESFPは全てを破壊して、より良い明日が来ることを望む。それが最後の希望だからである。Seデーモンの起動を避けるためには、ENTPを快適に保つことである。そして彼らの考えに耳を傾け、何を望んでいるか伝えて彼らが何をすべきか理解できるようにする。ENTPは自身の意志で何かをすることに本当の満足はない。彼らは奉仕志向のISFJという騎士になりたいと思っており、恋人、友人、家族、社会に奉仕し、その輝かしい名誉によって感謝されたいのである。
ENTPと素晴らしい関係を築くことができれば、彼らは忠実になり、全てが変わるだろう。彼らが力を得ることができれば、世界を変えることもできる。「世界なんて変えられない」と思うだろうか。誰もが世界を変えることができる。
信仰心とはどういうことですか?niのマイナス影響に押し潰されないように成功を信じ抜くという意味ですか?私の理解力の問題で不明瞭に感じるので教えてほしいです。一度同じ質問を書きましたが消えていたので書きます。
信仰をもって未来を意識すると、その未来が確定するという意味です。
何を信じるかによって現実は変わりますからね。
一度同じコメントをしたのですが、消えているのでもう一度質問させていただきます
信仰心というのは人ではなくなにかものやことにも当てはまりますか?
消えているのではなく、私が承認するまで反映されないだけです。
錬金術では無生物に精神が宿る「物質精神」と言う考え方がありますね。
物には一般的な側面と霊的な側面があって、後者が信仰心を含むこともあると思います。