今回はエンターテイナーとして知られるESFPについて解説する。なおINTJ解説のリクエストが来たが、彼らはフィニッシャーに属すタイプなので、登場はもう少し先である。ESFPのインタラクション・スタイルはスターター、SP気質の職人である。彼らは自由を愛するので、密室に閉じこめられるとSeヒーローを行使して、扉を破壊してでも脱出するだろう。

ESFPはパーティーアニマルとして名高いが、同様にENFJもその名に相応しい。ESFPは周囲の人々の注目を浴びることを好む。それは他の人々が自分をどう思うか、不安の裏返しである。彼らは自分を賢いと思って欲しい。Teチャイルドは「数が多ければ多いほど良い」ので、大勢が自分に注目してくれるならば、それは自分が賢いということになり、ESFPは良い気分になる。このため、彼らはデフォルトで騒々しい。とりわけ、これはパーティーになると顕著になる。また、彼らの服装はカラフルで目立つので、人混みの中でもすぐに見つけることができる。これはESFPのSeヒーローが最高の感覚を放ちたいと思っている故である。だから着こなしにも刺激を求めるし、時に超音波のような奇声を発することも厭わない。

彼らの無意識はISFJなので、子育てや家庭の身の回りのことに非常に甲斐甲斐しく取り組むことができる。残念なのは、すぐに飽きてしまうことである。しかし、精神的エネルギーが続く限り、彼らは非常に有用である。ESFPは良い父親、良い母親になることができる。彼らは退屈な状況にも楽しみを作り出す。子供たちが良い体験をできるように、楽しい遊びを考え出す。そして体験にかこつけて、子供たちが正しい認識を持つように、誘導することさえする。

ESFPは他人の思考を導くことができる。このため、彼らはイベントコーディネーターに最適である。ESFPは正しい体験を提供し、適切な刺激を導く。そうして体験の中で、人々が新しいアイデアを受け入れられるようにお膳立てするのである。

彼らは今の瞬間を生きている。彼らはSeヒーローなので、優れた機械的な認識を持っており、車の整備工やエンジニアとして活躍する。ESFPは潜在意識INTJとして、知的な領域に携わることができる。このため、彼らは物理学や数学を得意とする可能性がある。ESFPは「頭の悪いタイプ」として分類されがちだが、彼らは資料を明晰に理解し、Seヒーローの機械的適性によって、物理的な環境を制御することができる。

これは物理学に実践を加えたようなものである。Seヒーローは非常に実践的なので、他の人を巻き込んで、その経験について相手に考えさせようとする。彼らは他人の学習意欲を刺激して、相手を賢くさせようとするのである。ESFPのTeチャイルドにとって、数学や物理学などは愛すべきものである。ESFPは素晴らしいセールスマンになれる。「本当に適職は存在するのか」?今は「存在する」という設定で書いている。例え彼らが製品の技術的な知識に乏しかったとしても、感覚的な刺激を効果的に用いて、メッセージを人の頭の中に植え付けることができる。顧客は良い気分になって商品を購入する。

しかし、ESTPと同様に、ESFPは自分が望むものに対して自信が持てない。劣等Niは間違ったものを望むことを恐れている。だから他の人々がやっていることを自分もやりたくなるが、始めたことをやり遂げるのが難しい。「営業をやってみたけど、大学に入り直した方がいいかな」という衝動に襲われて、次々と新たな体験に着手する。ESFPには選択の自由が必要である。自分が何をしたいか理解するためには、身をもって試さなければならない。

Fiペアレントによって、ESFPは自分の価値観について非常に責任がある。Fiペアレントは自分にとって何が良いか悪いか道徳的意思決定を行い、それを相手に伝えるだろう。それがESFPと何の関係もなかったとしても、である。これを回避するためにはTeチャイルドと対話して、「ESFPさんはいつも私に良い経験を与えてくれたり、パーティーの主役であったり、上手く取引していることが素晴らしいと思います」と言ってやれば、彼らのFiペアレントは良い気分になる。彼らは自分の気分に対して極めて責任感が強いので、良い気分を与えてくれた相手と良好な人間関係を築こうとするだろう。

人生は光の速さで過ぎ去ってしまう。ESFPは将来について明確に目的意識を持って考えることが難しい。現在、人々が何をしているか情報収集することに忙しすぎて、将来の為に何をすればいいかわからなくなってしまう。そして気づいた時には40歳になっている。こうしてESFPは中年の危機に陥るのである。「40歳になったのに、自分が何をしたいかわからない」。

ある調査によると、80%の人は自分の仕事を嫌っている。40歳のESFPのためにアドバイスするなら、得意なことは動詞の中にヒントがある。「飲み会を『企画する』のが好き」なら企画することにヒントがある。ただし、短期間だけ、あるいはプレッシャーのない時だけ楽しめることは只の逃避行為である。他の人にとっては苦痛なことで自分は苦にならないこと、あるいは苦痛でも耐えられることに優先して取り組むと良い。Teチャイルドにとって他人の評価は重要なので、ESFPはこの問題を解決するために情報収集のループに嵌り込む危険性がある。彼らは将来どうするべきか、選択肢を与えてくれる人間を求めている。

ESFPはサポーターを必要とする。ここで「待ってました」とばかりに登場するのが、ESFJである。彼らはESFPをサポートし、良い気分にする達人である。ESFPが「あれ欲しい」と言えば、すかさず買いに走る。そしてSeヒーローが必要としている忠誠心を捧げる。ESFPが怠惰モードになると、彼らは人々の注目を集められなくなる。その場合、彼らは自分が最高の存在だと感じられなくなる。最高の自分でなくとも忠誠を捧げてくれる存在がESFJである。芸能人とマネージャーの関係に近い。ESFPは自分に忠実な人間のエネルギーを増強して、自分が活動するエネルギーに転換する。

ESTPと同様、ESFPにはSiネメシスがある。彼らは活動に伴う身の安全を心配している。ESFPは過去に囚われると、子供時代の嫌な経験に苛まれる。今までの経験は大したことのないもので、もっとやるべきことがあるのではないかという思いに襲われる。ESFPは世界中を旅して色々な経験をしたいと思っているが、それができない場合、過去に抱いた夢を達成できないことで落ち込んでしまう。だから彼らは過去の痛みを忘れるために、Seヒーローによってパーティーの中心であり続けなければならない。さらに、彼らには衝動性の問題がある。しばしばESFPは約束を守れないことで、人の信用を失う。だから忠実なSiユーザーが、やるべきことを思い出させてやらなければならない。Siユーザーが「あの経験をしたい」と主導することで、ESFPは落ち込む暇なく、次の経験に向かうことができる。

Feクリティックは他人が何を感じているかに批判的である。彼らは他の人々がどう感じているかに興味がない。このため、自制心が欠如した行動に走ることがある。誰かが「ESFPさんの無責任な行動が他の人の迷惑になっていますよ」と教えてやらなければならない。ESFPを生産的にするには、Feに罪悪感を与えればいい。これは彼らが怠惰モードになるたびに、やり続ける必要がある。SFJは罪悪感を武器のように行使して、SFPを行動に駆り立てる。SFJたちはその罪悪感を利用して、SFPが進むことのできる道筋を提供するので、ESFPは劣等Niの不安を払いのけて前に進むことができる。

自分のやりたいことを見つけられれば、彼らは行動を躊躇わない。これは電光石火の速さである。彼らは自分を制御することなく行動する。ただし、ESFPはスタータータイプなので、常に失速するリスクがある。開始したことで満足してしまうのである。その場合、Feクリティックに働きかけて、「ESFPさんの無気力が自分の人生を台無しにしていることで、あなたの家族や友人を傷つけていますよ」と言わなければならない。そうすればESFPは自分の行動が他の人々にどのような影響を与えているか理解し、他人の気持ちを気にかけるように努めるだろう。

人々がESFPを愚かだと思うのは、Tiトリックスターに原因がある。ESFPは「何も考えていない」ように見える。彼らは論理的思考をすることができない。これが真実ならあれも真実、これが間違いならあれも間違いである。しかし、ESFPにはTeチャイルドがあるので、外部のソースや他の人々から合理的思考を拝借することで、まるで自分でそれを考えたように偽装することができる。彼らが賢くなるためには、賢い人々の近くにいる必要がある。ESFPを賢い人々で囲めば、ESFPも賢くなる。彼らはそれをデータや統計として纏めて、得意満面で新たな経験に実装するだろう。彼らは誰かから聞いた話を喋っているだけなので、詳細について突っ込んではならない。

最後に、Neデーモンについて知っておかなければならない。Neデーモンは家族や友人を含め、全員の未来を台無しにする。彼らがESFPに選択の自由を認めず、何かを望む自由を得られないと、ESFPは自分を縛り付ける人間を憎むだろう。そしてNeデーモンは超自我ENTPにアクセスし、その人間の将来を破壊することを決定する。ESFPが潜在意識INTJにアクセスできれば、彼らは知的領域を開発できるが、超自我ENTPは他の人々との関係を破壊する。自分に自由を与えない人間、忠実ではない人間は他の人にとっても悪い人間である。悪人を野放しにしておくわけにはいかない。彼らは好機を待ち、報復として敵の人間関係を破壊した上で、コミュニティから追放する。

ESFPは信頼できる人物を求めている。彼らが何かを選択して、望む自由を与える人物、それが間違った選択だったとしても許すことができる人物である。ESFPは実際に経験してみて、それが間違っていることを確かめる必要がある。Seヒーローの現実性チェックである。それが酷い経験で、「こんなことをしなければよかった」と後悔したとしても、彼らには選択の自由が必要である。「可愛い子には旅をさせよ」と言うように、敢えてESFPに失敗させるのである。ただし、大事に至らないようにSFJをスタンバイさせておくことを忘れてはならない。ESFPがSFJに守られていて十分に安全を感じることができれば、やりたいことを何でもやって、他の人々に最高の体験を与えることができる。自分の望みに対するESFPの繊細さを理解して、彼らを輝かせてやって欲しい。