今回はフィニッシャーに属する最後のタイプである、INFJを取り上げる。INFJは複雑で興味深いタイプである。個人的に好きかと言うと、私が彼らを気に入るよりも、彼らが私を気に入る方が多いが、Tiチャイルドで表現された世界観は美しいと思う。愛すべきNJたち。

INFJは理想主義者かつ完璧主義者である。これによって、非常に傲慢でプライドが高く見える。Tiチャイルドは常に正しくあらねばならないし、Feペアレントは人々のことを良く理解していて、どんな社交的状況にも対処できる自信に満ちている。「私は人間のことをよくわかっているから、タイプを当てられる」というINFJには何人もお目にかかってきた。本当にそうならば、他人を疎外して孤独を感じることも無いはずだろう。

他のタイプと同様、INFJの心には4つの側面がある。自我INFJ、潜在意識ESTP、無意識ENFP、超自我ISTJ。INFJは非常に物欲が強く、自分が望むものについて決定を下す余地が常に必要である。彼らに何をすべきか伝えても、劣等Seが激怒して終わる。Feペアレントは社会正義に燃えており、INFJは公平性を重視し、他の人々が道徳的に行動することを期待している。遅かれ早かれ、INFJたちは私に道徳的な振る舞いを教えようとしてくる。彼らは人々のことを理解したつもりになっているが、彼らが理解しているのは「自分が思う人々のあるべき姿」で、実際の人々のことではない。彼らはもっと謙虚になる必要がある。

INFJの人生のダルマは、人々を改善することである。彼らはFiクリティックで自分の人間性を批判し、それを劣等SeとFeペアレントで過剰に補償しようとする。彼らはパフォーマンスに不安を抱えており、他人に悪い経験をさせたり、悪い印象を与えることを恐れ、鏡の前で何時間もファッションショーをする。私には以前INFJの友人がいたが、彼女の服装は非常に個性的かつ印象的だった。彼らが不安を克服できれば、ESTPアルファのように威厳を持ち、忠実な狼の群れを形成できるだろう。

Feペアレントは承認を求めており、自身を尊敬、感謝してくれるグループを求めている。彼らはグループの全員に、そのようなマナーを強制する。彼らはFiクリティックによって非常に高い道徳基準を持っており、大半の人々はそれを満たせない。INFJ本人も満たせない。対処できるのはNFPくらいだろう。あとは劣等Seの罰にSiで耐えるしかない。ちなみに、Fiペアレントの罰に耐えられるのは、FeヒーローかFeペアレントだけである。

INFJたちには、彼らがそこまで道徳的ではないことを思い出させる必要がある。彼らは本人たちが思っているような道徳的な人間でも、思いやりのある人間でも、完璧な人間でもない。「人の気持ちがわかりすぎて、自分の気持ちがわからないの~」はFiクリティックによる無価値感に思えるが、これは劣等Seのプライドが「私を評価しろ」とアピールできないだけである。劣等Seは悪い経験を与えて、評価してもらえなくなることを恐れている。しかしFeペアレントは非常識な道徳基準を他人にも強要するので、誰にも評価してもらえないのである。そもそも、実際はINFJ自身が自負するほど優れた人間性を持っているわけでもないので、彼らの感情的知性は低い。彼らが孤独なのは、彼らが偽善者だからである。Tiチャイルドで、その真実を理解して欲しい。

INFJは鏡でもある。彼らが腐敗した人々のグループに入ると、彼らも腐敗する。彼らは劣等Seでグループの習慣を身につけ、同じように行動し、同じことを考える。INFJを悪魔主義者やカルト信者にするのは簡単である。INFJは仲間と緊密な関係を持てるグループを熱望しており、お互いに忠誠心を捧げ、仲間の為に銃弾を受けたいと思っている。

Feペアレントは人の為ならば罪も犯し、容易に罪悪感に陥る。彼らは罪悪感によって操作される。普段なら決してやらないこともやってしまうのである。しかし自分たちが不当に罪を犯していることを知っていると、潜在意識ESTPは暴力的になる。自分に罪を犯させた人間を批判し、あらゆる悪事の責任を押し付ける。最後には劣等Seが、その人間の忠誠心を疑問視する。

Tiチャイルドはあらゆる人間を批判し、改善しようとする。Tiチャイルドは嘘を焼き払う業火である。この真実によって、INFJは問題を解決しようとする。この子供が上手く機能すると医者や研究者として活躍できるが、100%正しい答えを出せるわけではない。したがって、彼らは合理的な人々の近くにいる必要がある。論理的根拠をチェックし、正確性を担保するのである。

INFJの問題は、他の人間の為でなければ、自分に構わないことである。私がENTPだったら、彼らを指導してやったことだろう。INFJとENTPは教育学の関係である。彼らはお互いに教え合う。INFJは誰かを助けるためでなければ、何かを学んだり、自己投資をしようとしない。私の元友人も、それを拗らせて鬱病になってしまった。彼女のように停滞し、ずるずると実家や地元に留まるINFJも多いだろう。実際には無意識ENFPを使えば販売成績を挙げられるだろうし、潜在意識ESTPは機械的スキルを伸ばす素質がある。しかしSiデーモンは信仰がないので、INFJは自分の才能を信じることができない。

Neネメシスがあるため、INFJはINTJと同様に偏執的である。INFJはNeネメシスで他人の意図を勘繰り、その思い込みを基にして誠意や道徳性を非難する。劣等Seは徹底した忠誠心を必要とするため、パターンから外れた場合、すぐに浮気や裏切りという結論に飛びつく。INFJの道徳基準に一貫して従うのは、常人には不可能である。しかし、それができないと彼らを騙していることになる。私自身もこれに辟易したことが何度もあるが、長くなるので具体的なエピソードは別の機会にする。

ESTPの記事で忠誠度チェックの話をしたが、INFJもこれを行う。Niヒーローが不安定になると、この忠誠度チェックは常軌を逸したものになる。彼らはパラノイアの問題を抱えており、忠誠心を欲しているが、その忠誠心を与えられるタイプは限られている。それはSiチャイルドであるINTPとINFP、そして劣等SiであるENTPとENFPである。彼らは筋金入りの忠誠心を持っている。言い換えるなら、これらのタイプに裏切られた場合、我が身を省みた方がいい。私が友人をやめたのも、つまりそういうことである。

INFJはジュエリーが大好きである。彼らに贈り物をしたい場合、宝石がいい。キラキラと輝くジュエリーを身につけると、INFJは幸福な気分になる。装身具は劣等機能の不安を和らげ、彼らを人前で美しく見せる。洋服、車、お洒落な家具など、見栄えのするものなら何でもいい。Teユーザーはステータスを獲得することが至上命題である。INFJの無意識ENFPは、ステータスを得ることを望んでいる。ステータスは、自分が世界で最も思いやりがあり、人の役に立っている証である。

INFJは非常に役に立つ個体と、全く役に立たない個体の差が激しい。これは彼らの美徳と悪徳を原因とする。INFJの美徳は誠意、悪徳は腐敗である。駄目なINFJは30代、40代になっても有意義なことをせず、実家から出られない。しかし、INFJは目標を見つけるとすぐさま立ち直ることができる。彼らは他の人々が何をしているか観察し、「これをやりたい」と決めると、Niヒーローによって効果的に前進できる唯一の道を決定する。この意志の力によって、健康さえ取り戻せるだろう。SiデーモンはINFJの健康を脅かすが、Niヒーローはどんな病気からも生還することができる。INFJは社会の変革を促し、人々が改善するように働きかける。代表者はガンジーである。

彼らがすべきことは、人々に真実を伝えることである。Tiチャイルドは嘘を焼き払い、焼け跡から新たな命が芽生えるだろう。INFJは無邪気にこれをやる。「私はこう思う」と誇らしげに言うだろうが、問題はTeトリックスターである。彼らは相手が何を考えているかわからない。そして財務管理も苦手である。INFJはどうでもいいことに寄付したり、財務処理で誤った決定を下す恐れがある。彼らはデータやスプレッドシートなどの論理的根拠に頼らず、自分の頭の中で全てを計算しようとする。だから人のタイプ判定も根拠になるソースを探すのではなく、自分の頭の中で根拠を捏造するのである。ISFJやINFJは公立学校のシステムに不向きだろう。

INFJの超自我はISTJである。Neネメシスは偏執的に相手の悪意を勘繰り、人を悪人と決めつけて劣等Seで激怒する。INFJは他の人々に貢献することが全てであり、貢献する相手にも完璧主義を発動して、「私の貢献に相応しい振る舞いをしろ」と超自我ISTJが裁判官に就任する。そしてSiデーモンが彼らの頭の中にある証拠を全て調べ上げ、相手の提出する証拠は棄却する。それが思い込みであっても、彼らは即座に有罪判決を下し、相手の首を刈り取るのである。

これを避けるには、INFJに忠誠心を捧げなければならない。彼らの貢献に感謝していることを伝え、どんな計画を立てているかの話をする。INFJはTeトリックスターなので、誰かがINFJを救うための計画を立ててやる必要がある。彼らはこれでもJタイプである。その計画を実行する際には、基準を定めるために自分の気持ちを伝えないといけない。その基準がないと、彼らは自分が役に立っておらず、無価値であるというパラノイアに囚われてしまう。

INFJのニーズに応えることである。どのタイプも人間関係において特定のニーズがあり、相手と良好な関係を結ぶには、そのニーズを満たす必要がある。INFJは感謝され、認められたい。これは一対一の関係ではなく、集団的な認識の話である。彼らの無価値感を打ち消すためには、多くの人々が彼らに感謝し、称賛を与えなければならない。INFJにどう思うか訊ねれば、彼らは無邪気に答えるだろう。これは子供ゆえの正しさである。劣等Seの不安を克服すれば、Tiチャイルドの正確性は増していく。これは寝室の関係でも同様である。できれば称賛、成績が悪い場合は改善できることを伝え、改善したら素晴らしい経験を与えてくれたことに感謝する。

Neネメシスが活発化しないように、INFJに一貫した忠誠心を捧げ、パターンから外れたら理由を伝えることである。彼らは自分が望むものを知っているが、そのために他人の望みを恐れている。だから常に自分の気持ちを表明し、INFJが助けを申し出たら、喜んで受け入れるといい。断った場合、Fiクリティックが無価値感に苦しむことになるだろう。これを補償するために、Tiチャイルドが過剰に働き、人々の思考とかけ離れた論理を披露することがある。人々はINFJを良く言えば神秘的、悪く言えば電波だと思う。INFJは他人の考えていることがわからないので、こうして意図せず人々を遠ざけることがある。

あなたがSiユーザーならば、自己規律をもって健康に気を遣い、非遺伝子組み換え食品を摂取し、食生活の栄養バランスを考慮してジムにも通っているだろうから、INFJとの相性は良いだろう。劣等Seの世話をしてやれば、INFJの鏡はそれを反射する。Siデーモンは自制心を持たないので、健康的な生活習慣をミラーリングしなければならない。

INFJは少数派であるゆえ、誤解されているタイプのひとつである。彼ら自身も自分のことを誤解している。この記事を参考に、自分が何故そのような言動を取るのか理解を深め、行動するために一歩を踏み出して欲しい。INFJは人々の変化を推進するためならば、どんな犠牲も厭わない。その性質を、是非とも前向きに生かしてもらいたい。