ユング分析心理学に基づくタイププロファイルも、今回で最終回である。最後はエンジニアと呼ばれるINTPの出番となる。INTPはバックグラウンドタイプ、知識人なので、情報を提供し、応答しながら物事を制御する。
INTPは「オタク」「ニート」のレッテルを貼られることが多い。「無職で引きこもってゲームをしているタイプ」と言われて連想するのはINTPである。ISTPと同様に、彼らもTiヒーローを持っている。これによって驚くべきロジックを習得し、殆どのタイプより賢い。Tiペアレントのロジックは優れているというよりも厄介なものだが、Tiヒーローは論理において絶対的な優位性がある。しかし、そのせいでINTPは傲慢に見える。
INTPが正しくて、他の人々が間違っている。このような状況では、全員を疎外することになってしまう。するとINTPは人々に興味を失い、引きこもってゲームをするしかなくなる。無関心はINTPの防衛メカニズムである。Siチャイルドが何かに興味を持ち、その経験を望んでいる場合なら行動するが、潜在意識ESFJが人々に苦々しい思いを抱いた場合、INTPは無関心になる。ISTPが人々を「迷惑な人ゾーン」に入れるように、INTPも外界をシャットアウトする。彼らはTeネメシスによって他の人々が愚かであることを心配しており、自分と同じくらい賢い人間がいるとは想像だにしない。
だからTiユーザーはINTPの近くにいると、自分が馬鹿になったような気分になる。誰が自分を愚かに感じさせるような人間を好むだろう。INTPは欠陥を見抜き、その人物の可能性を見通すことができる。Neペアレントは何が起こるか分かる前に出来事を予測し、誰かが何をしようとしているかわかる。INTPは既にその人物に慣れ親しんでいるので、周囲の全ての人間は予測可能である。その人物が予測可能であればあるほど、その人に飽きる。そしてINTPは彼らにうんざりして興味を失い、新しいものを探し始める。彼らは新規性を好むが、同時に自分が気に入った経験を何度も繰り返すことも好む。
Siチャイルドは同じ話を何度も繰り返す。Seトリックスターは他の人々が得ている経験に気づかないので、自分の経験をストーリーテリングする。相手がその話を聞くのが100回目であろうと、その話に興味を持っていなかろうと、お構いなしである。するとINTPはその社会的状況に無関心で対処するしかなくなる。へっぽこSeの代わりに、INTPには外向的直観がある。彼らは人々の欲望や、他人の意志力およびレベルを知覚できるので、他の人々の運命をある程度知ることができる。その人々に助言をして危険や問題を回避したり、逆に問題を引き起こすこともできる。それはINTPがその人物を気に入っていたり尊敬しているか、あるいは気にかけているかに依存する。
通常、Neペアレントはネガティブな方法で使用される。ネガティブな感情は警告を伴う。その警告を無視されると、INTPは人々に関わりたくなくなる。無関心は更に助長される。真実を聞くつもりがないのに、そんな話をしても何にもならない。劣等機能は人の不安や願望が存在する場所である。INTPやISTPは他人の感情を恐れている。INTPは罪悪感によって操作される可能性があるが、それが不誠実なものであるとデーモンが発動する。誠実であれば、自分の行動に責任を持ち、謝罪するだろう。
NFJとSFJ、つまりFJはINTPの人間性を非難する急先鋒である。私からすれば、外面が良くて家族に冷酷なのはFJの方だが、INTPの無関心はFiデーモンのせいである。彼らは真実か虚偽かを気にしているので、相手を気にかけていないように見える。INTPがFJのために何かをして、忠実であっても、彼らの目には入っていない。潜在意識ESFJは家族や社会の為に、義務感や忠誠心から人々に協力する。彼らがTiヒーローで人々を批判するのは、それが理由である。人々が間違ったものを欲しがり、間違った判断を下している状況を改善しなければならない。
問題は、人々が知恵よりも無知を好むことである。INTPは問題を認識できるが、誰も彼らの話に耳を傾けようとしない。だから彼らは無関心になる。真実に近づくためには火傷を負わなければならないし、苦しむ必要がある。しかし人々は聞き心地のよい言葉を好むのである。だからINTPが彼らを支援しようとしても、彼らは無視して逃げ出すのである。そしてINTPは自閉症やアスペルガー症候群のレッテルを貼られる。
INTPは自分が興味を持っているものに専門化しようとする。ISTPは集中して何でも屋の達人になるが、INTPは特定分野に特化する。彼らは真剣に取り組めば何でも解決できる。それを学んで人々を助けるのが、自分の義務だとすら思う。もし周りの人々が馬鹿だったら、INTPは無視して自分でそれをやる。さらに、Siチャイルドは心地の良い領域に留まる必要があるため、怠け者になったりマンネリ化する可能性がある。不慣れな場所は、Seトリックスターにとって現実ではないのである。そして何かを求める際に、Niクリティックで責任を負いたくない。間違った決断を下して、悪い経験をすることを恐れているからである。Niクリティックが自分の望みを知る前に、INTPは虐待的な関係に耐える必要がある。
INTPは優秀だが、ある意味で愚かである。INTPがコンフォートゾーン(例えば実家)から脱出すれば、大いに成長し、イノベーションをもたらす能力を持っている。専門分野に関する知識を、彼らはSiチャイルドに保存する。そして、その記憶を用いて、彼らは即座に問題解決することができる。通常、INTPはそれらの問題が起こることを予期しており、常にそれについて考えている。Tiヒーローは何かを考えずにはいられないのである。
Niクリティックをどうにかするためには、INTPを批判して、彼らが望むことができる選択肢を与えることである。しかし、他人を持ち出して比較することは無意味である。彼らは自分の経験しか信用しない。INTPを快適ゾーンから追い出し、変わることを強制する。実家でビデオゲームをしているINTPがいたら、できるだけ早く一人暮らしさせた方がいい。そうすれば社会にとってもプラスになるだろうし、INTPも後で感謝することだろう。INTPはESTP、ISTJ、INFP、INFJに似ている。彼らが起動に失敗することを回避するためには、選択の余地を与えないことである。何月何日までに家を出ることを、Siチャイルドに義務付ける。
INTPを動機づける別の方法は、Tiヒーローを煽ることである。彼らを誰かと競争させ、Tiヒーローより賢い誰かがいると思わせる。Teネメシスはそんなことを信じないので、Tiヒーローは動き出し、競争に勝つために生産的になる。劣等Feは他人から「INTPは賢い」という認識を得る必要がある。これがINTPを生産的にする方法である。こうすれば彼らは生産的で、勤勉になれる。INTPは慣れ親しんだものに固執して、何かを欲しがろうとしない。資格を持つ人々が愚かなことを知っているのに、なぜ自分が改めて資格を取らなければならないのか。彼らは無関心になり、マンネリ化する。成長や自己改善のために、苦しみや不快に対処しなければならないこともある。
Seトリックスターは、他の人々が経験している物理的環境に気づいていない。彼らは物を落としたり、ファッションセンスが悪かったりする。これはINTPを慣れ親しんだ環境に保つことに役立つ。そしてFiデーモンは、超自我ISFPに変わる。INTPが激怒すると、彼らはハンマーを相手の頭蓋骨に叩きつける。INTPが忠誠を尽くして、何年も協力してきた人々が、玄関マットのように扱った挙句に、誠実ではないと非難してきた。この謂れのない非難をINTPは忘れない。なぜ自分がこのような人間に忠誠を尽くさなければならないのか。勿論そんな人間と関わり続けるつもりはないが、関係を断つ前に、その人間のために構築したシステムを破壊しなければならない。恩知らずに今後一切の恩恵を与えてはならない。それが超自我ISFPのやることである。
INTPが創り上げた芸術を評価しないのなら、それを焼き払うしかない。そして自分を評価してくれる人間を他で見つける、それがINTPのやり方である。彼らと良い関係を築くには、常にINTPがどう思うか訊ねることである。Tiヒーローを軽蔑すると、彼らはあなたに無関心になる。あなたがINTPより賢いなら彼らを必要とすることはないだろうが、そうではないならTiヒーローの意見に耳を傾けるべきである。
INTPの警告は単なる思い付きに見えるが、彼らは先見性と経験によって何が起こるか予測している。彼らが敢えてあなたに警告するなら、少なくとも何らかの好意はある。INTPはあなたの未来を守ろうとしているのである。INTPが怠け者である時を除き、常に彼らを快適にしなければならない。ただし、何かをやらせたい時は不快にして、動機づける必要がある。そして何をしたいか尋ねるのではなく、何をすべきか指示する。しかしTeネメシスは既に相手が愚かであると仮定している。だからそれをする理由を裏付ける根拠を用意しておく必要がある。
劣等Feを刺激しないように、INTPには常に感謝を伝えるべきである。それを伝えないのならば、INTPを玄関マットのように扱っているに等しい。常に感謝の気持ちを表明し、INTPがしたことでどれだけ気分が良いか伝える。そうしないと、Fiデーモンがあなたの人生を焼き払うだろう。自分の考えを共有する時は十分注意しないとならない。単なる思い付きは、Teネメシスによって「愚か者」に分類されるだけである。そしてINTPは無関心になり、その人間の考えを尊重しなくなる。INTPに対して何らかの主張をする際は、裏付けとなる証拠があるか考えて欲しい。このようにINTPが無関心になるポイントは多岐にわたっており、そのせいで傲慢に見える。
INTPが気にしているのは真実だけである。他人の感情を気にすれば気にするほど、彼らは弱くなる。真実は自分を強くするために必要なものである。そのせいで見た目が疎かになってしまうので、Seトリックスターのために、ファッションの指南を授けるのもいいだろう。社交的な場で何を着るべきかを教え、アニメキャラのTシャツの代わりにスーツを着せる。INTPの多くは、これについて抵抗しない。Siチャイルドが経験を積めば、ある程度は服装のルーチンを理解できるようになる。ただしルーチンを自力で身につけるのは難しい。彼らは他人が何をしているか気づいていないので、直接INTPを指導してやる必要がある。
今回で16タイプのプロファイルが全て完了した。「タイプの特徴」が大好きな読者の為に、今後もバリエーションを投稿していく予定である。まずはタイプの「美徳と悪徳」を掘り下げていくので、楽しみにしてもらいたい。
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