イン・チャージ、スターターの8タイプを紹介したので、今回からはフィニッシャーに属するタイプを解説していく。別名をチャート・ザ・コースとも言う。まず登場してもらうのはISTJ、内向・感覚・思考・判断型の学者である。
ISTJはSJ気質なので、過去、義務、保護、安全を志向している。さらに彼らが重視しているのは、知識を収集することである。これが彼らが学者と呼ばれる所以であり、人生のほぼ全ての領域において、この学術的客観性から物事にアプローチする。
このせいでISTJは社会的な観点から、個人的な関係に問題を抱える可能性がある。彼らは多くの知識や知恵を集めることに意識を集中するので、社会的スキルに割く時間がないのである。多くの場合、ISTJは社会の規範やルールに疎く、社会プログラムに適応できない。ISTJが社交界に投げ込まれると、何らかの形で厄介な存在になること間違いなしである。
幸運なことに、彼らは優れた記憶力を持っているので、そこから学ぶことができる。Siヒーローは16タイプ中で最大のハードドライブを持っており、過去のあらゆる経験を殆どすべて思い出すことができる。ISTJは社会的失敗を覚えているので、それを補うことができるが、INTJは鳥頭なので忘れてしまう。そして同じ失敗を何度も何度も繰り返す運命にある。
ISTJのインタラクション・スタイルは直接・応答・行動である。彼らは物事を終わらせることに執着している。彼らが知識を探求している場合、または特定の質問に対する答えを得ようとしている場合、ISTJは本から本、記事から記事へと移動し、図書館・百科事典・Wikipediaを渡り歩く。
ISTJはWikipediaの間違いを最初に発見するタイプである。出典を引用しない、引用しても十分ではない、参考文献がクソだ、注釈がおかしいなどの批判を繰り出すのは大抵ISTJである。私のフォロワーで、ソシオニクスの詳細な図を作っているISTJがいたが、私が資格なしで収益化を始めたことに腹を立てたのか、消えてしまった。資格とは、自分で調べるのではなく、相手の言うことを額面通りに受け取りたい人間の為にある。性格類型の資格は、その最たるものであろう。
ISTJは怠惰になることがある。これはSiヒーローとFiチャイルドが機能することで、不快な気分になると物事を先延ばしにしてしまうためである。彼らは歩く百科事典であり、非常に知的な人物だが、Tiクリティックで知識を掘り下げて検証することには意欲的ではない。
ISTJは自分の知識に対して非常に批判的である。彼らは自分が知的であることを懸念し、他の人々が知っていることに根拠を求める。だから彼らは常に歴史の話をしており、あの人がこう言った、この本にそう書いてある、などあらゆる出典を引用する。問題は、その知識を実際に検証する気分になることが滅多にない点にある。結局、内なる怠惰のせいで、ISTJは集団に喜んで同調する。我々の文化は集団催眠状態にあり、ISTJは「今はそういう気分ではない」というだけで砂の中に頭を突っこむのである。
成熟したISTJはTeペアレントで集めた基準点を、Tiクリティックによって検証する。Si+Teで集めた知識の城は、基盤が脆い。この基盤をTiクリティックによって検証すると、基盤を強化した知識の塔は知恵の塔に変わる。これはISTJの中核となる哲学にとって非常に重要である。
ISTJが情報を検証しているか確認してみるといい。一般的に、彼らは検証していない。実際には検証せず、怠惰に任せてそれを信じてしまう。ISTJは数が多いため、あり得ないことを鵜呑みにして引用しまくり、デマ情報の発信源となる危険性がある。ISTJたちが真偽を検証する気分になりさえすれば、集団に正しい情報が定着するだろう。
ISTJの潜在意識はENFPである。ENFPは社会に変化をもたらし、適切なアイデアを提唱し、擁護することを目指している。ISTJは真実を擁護し、愚かなことを止めるように人々に伝える必要がある。彼らは知識によって、社会が愚かになることを防ぐために存在している。しかし、彼らは怠け者である。今はそんな気分になれない。ずっとコンフォートゾーンに居たい。そして使うつもりのない情報を集めて、「出典を引用できない」と他人を非難することに時間を費やす。「ISTJさん、あなたこそ情報を検証できていないでしょう」と言われれば、返す言葉もないだろう。
人々が集まると、集団的思考に屈してしまうことがある。ISTJも例外ではない。未熟なISTJは資格情報や、専門家のラベルを信用する。成熟したISTJは自分が知っている知識を全て確認して、その内なる知恵に真実の基盤を構築する。ISTJがマンネリからぬけ出さない限り、世界は変わらない。全ての情報を調べて、何が真実かを明らかにする。そして、潜在意識ENFPがそれを提唱し、何が正しいかを人々に伝えるのである。愚かな政策や愚かな法律が制定されるのを阻まなければならない。
ISTJは客観的になろうとしているが、怠惰によって、その客観的なデータが無用の長物になってしまう。例えば、ISTJが真実の確認を怠り、間違った出典を引用することで彼らの評判が傷つくような事態が起これば、二度とそんな過ちは犯さないだろう。Siヒーローは過去の物事を思い出すことに焦点を当てており、そこに彼らの義務や忠誠心が存在する。SiとTeによって歩く百科事典が完成する。そしてFiチャイルドは道徳的羅針盤となり、ISTJが支援するべき運動、または良くない運動について判断を下す。
Neが劣等機能であるため、ISTJは集団の運命を恐れる。ISTJに世界の運命を尋ねてみると、彼らは「世界は絶対的な破滅の瀬戸際にある」と言うだろう。彼らは第一世界の破滅は避けられないと思っている。何故なら、ISTJは蓄積した膨大な歴史のパターンを分析し、時間の第一法則、以前に起こったことは全て再び起こるであろうことを知っているからである。
ISTJは他のどのタイプよりも、歴史が繰り返されるという事実を認識している。歩くアレクサンドリア図書館は、常に歴史を意識しており、誰よりも正確に歴史のパターンを推し量ることができる。ISTJは歴史愛好家であり、ロバート・グリーンの「権力に翻弄されないための48の法則」のように、歴史から抽出した人生哲学を内部に構築している。彼らは将来への不安を常に感じているので、過去から学び、人々に希望のある未来を見出したいのである。
それには自分の将来も含まれている。それらの問題に対する答えを見つけ、論理的根拠と道徳性をもって、潜在意識ENFPはそれらのアイデアを宣伝し始める。彼らが熱望する未来を人々に伝えることは、道徳的義務である。ブランドを作り、意識を高め、非常識な活動家になり、決定を変えるだけで未来がどのように変化するか、データや統計を使って説明する。こうして我々は薔薇色の未来を手に入れることができるのである。
ISTJにはSeネメシスがある。彼らは自分が他人にどのような印象を与えるのか、常に気にしている。ISTJにとっては、第一印象が全てである。彼らはSiヒーローによって良い経験を記憶しており、他の人々が良い経験を与えてくれることを期待しているので、自分も同様の期待を持たれていることを知っている。だから彼らは、どんな状況でも適切な服装をしている。さらに、家の掃除も欠かさない。物理的な環境が誰かに悪影響を与えるかもしれないので、隅々まで徹底的に掃除する。
ISTJはSPと関係を持つが、彼らは最も綺麗好きな人々ではない。しかし、これがISTJを動かす原動力になる。ISTJは掃除をする気分ではないことがある。そこでSPが動き回って物を壊したり部屋を汚すと、ISTJはそのような環境で生活したくないので、掃除に着手せざるを得なくなる。Seネメシスは他の人々の服装もチェックしており、靴紐が解けていたり、服の前後ろが逆になっていると、鬼の首を取ったように指摘する。これをやるタイプは他にもいるが、ISTJもそのような軍団の一員である。
Feトリックスターは社会的な状況に非常に苦労する。暗黙のルールを読み取り、適切に振る舞うことが苦手なのである。ただし、ISTJにはSiヒーローがあるので、「その行動はKYだ」と誰かに指摘されれば、Seネメシスが人々に悪い経験をさせたことに気づく。そしてSiヒーローがそれをカタログ化して保管し、二度と同じ行動は繰り返さない。このように経験を重ねれば、ISTJはFeトリックスターに対処できるようになる。INTJはいつまで経っても無力である。ISTJはどこにでもいるので、INTJは「何であいつは許されるのに俺は駄目なんだ」と恨みを募らせる。
ISTJの警告を聞かないと、Niデーモンが首をもたげるだろう。彼らの忠告を聞かずに、結果として悪い経験を与えたり、彼らの評判や地位を傷つけた場合、ISTJの警告はあなたを傷つけるためのものに変わる。超自我INFJは、故意に相手を破滅に導くような助言を与える。全ては相手を傷つけたいという願望のためである。ISTJは会計士や弁護士に多い。彼らは経済危機の予兆や、細かな契約事項を見落とさず、悪い未来を回避するための警告を与えるだろう。その警告を無視しないことである。そうでなければ、彼らの助言はあなたの安全を脅かすためのものに変化する。
ISTJは非常に学術的であり、アレクサンドリア図書館なみのデータ量を誇るが、それらの情報は検証されていないことが多い。怠惰ではないISTJを見つけたら、是非この記事を参考に彼らを活用してやって欲しい。
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