先日セッションに訪れたINTJの方がこの2タイプの間で迷っていたので、今回はISTPとINTJの違いについて投稿する。彼には進路の相談も受けていたので、どちらを投稿するか迷ったが、それは同じ悩みを抱えたINTJが現れたら考えることにする。
ISTPとINTJは指標で見るとSとN、PとJで異なるが、このタイプで迷う人々は一定数いる。それは彼らのインタラクション・スタイルが共通しているからである。ISTPとINTJは両者ともフィニッシャーで、率直・応答・行動型である。彼らは自分が言いたいことを言い、相手から話を切り出してもらうことを好み、結果よりもプロセスを重視する。
ISTPとINTJはどちらも率直に話すが、INTJは無意識ENTPで情報提供することができるので、ISTPよりお喋りである。大抵の場合、その「情報」とは自分や自分の信念に関するものであることが多い。通常INTJには友達がおらず、居たとしても最大で3人程度である。彼らは自分語りに飢えている。一度話し始めると、Feトリックスターはどれだけでも自分の話をしていることができる。この状態になると、相手はINTJの話に相槌を打ち、聞いていることしかできない。ISTPも親しくなれば口数は増えるが、INTJのようにぺらぺら喋ることはない。ISTPの場合は、喋り過ぎよりも喋らないことが問題である。彼らは相手がどんな話題を望んでいるかわからず、茫然と相手を見つめることしかできない。
INTJは結果重視に見えるが、それは彼らがNiヒーローで欲しいものを確実に手に入れたい、確実に手に入るものが欲しいと思っているからである。INTJは魚を釣る方法が知りたいのではなく、魚が欲しいタイプである。これが行き過ぎると手抜きして結果を得ることばかり考えて、知恵やスキルが身に付かない。INTJの行動を観察すると、その時々で何かを決断しているように見えるが、実際は大した結果が手に入っていないことが多い。ISTPも行動志向だが、自我以外は制御型なので、INTJより自制心がある。
ISTPとINTJの違いは気質にある。ISTPは自由を愛する職人であり、INTJは知識人である。両者ともに実用型なので、独立して行動したい。彼らはやってしまった後に許しを求めるタイプだが、実際は許しを求めることすらしないことが多い。
ISTPは具体的な現実を気にするが、INTJは「もしも」を気にする。どちらも自分の望むものに楽観的で、他人がやっていることを見て自分の望むものを知る。ISTPは現実の世界に生きているので、彼らが望める選択肢はそれほど多くない。せいぜい2択である。だから不満があっても、無意識ESTJで現状維持せざるを得ないことがある。選択肢がないからである。INTJは「もしも」がちらついて、望むものが頻繁に変わる。Siデーモンは不快な経験をすると、同じものを望み続けられなくなり、次の何かに飛びつく。その繰り返しである。
ISTPは動機型なので、状況から自分や他人が何を得られるかを気にする。仮に問題解決に役立つことであっても、自分が損するなら着手しようとはしない。彼らを働かせたい場合、Niチャイルドが欲しいものを報酬として与えなければならない。INTJは構造型なので、それが機能するかどうかが重要である。動機型の面々が「自分が損するなら問題は解決しなくていい」とうだうだ言うと、INTJは苛々する。彼らはデフォルトで効率的に動くことが至上命題なので、それを妨げられることに我慢できない。あなたが日常的に効率を気にしているならINTJ、そうでないならISTPである。
心理機能において、ISTPとINTJは異なる。どちらもNi-Seユーザーだが、ISTPはTiユーザー、INTJはTeユーザーである。ISTPはTiヒーローなので、自分の考えが最優先される。彼らは非常に頑固である。「自分はそれほど賢くない」と思っているISTPもいるが、それでも自分の考えが全てを決める。INTJは自分の考えに批判的なので、外部からの承認を得たい。そうすれば、安心して信じられる。彼らが私の周りに集まってくるのは、私の近くにいることで、自分も賢くなれることを望んでいるからである。ISTPは他人に自分の考えを正されることを好まない。彼らは他人が馬鹿であることを心配しているが、かといって相手が自分より賢いことも望ましくない。自分の考えを理解する程度の賢さがあれば、十分である。
大きな違いは劣等機能にある。ISTPの劣等Feは社会不安を抱えており、他人が悪い気分になること、他人に受け入れられないことを恐れている。INTJの劣等Seはパフォーマンス不安、見捨てられ不安を抱えているが、他人の気持ちには気づかない。彼らにとって重要なのは自分の気持ちである。このため、相手の気分を害した場合はFiチャイルドに全力を注いで、自分の気分を守ろうとする。彼らは自分に道徳的落ち度がないと信じているが、Feトリックスターはそれを他人に納得させることができない。ISTPの自尊心は他人の気分に影響されやすく、人間性を非難されると、Fiデーモンで激怒する。そして超自我INFPでメンヘラモードが発動し、アルコール、ギャンブル、薬物などに走る。
Seペアレントは悲観的な機能だが、パフォーマンスに対する不安はなく、出たとこ勝負も得意である。劣等Seはパフォーマンスへの不安から、行動を開始することができない。彼らが最短で成功する道筋を求めるのは、結果に至るまでに失敗を繰り返すことに耐えられないからである。もしINTJのパフォーマンスを馬鹿にすると、超自我ISFJはあなたに正義の復讐を果たすだろう。
ISTPの人生の目的は教師としてスキルを人々に教えることだが、INTJの人生の目的は様々なスキルを習得することである。もし、あなたが生徒としてISTPに教えを請えば、彼らは喜んで教えてくれるだろう。多少の批判に耐える必要はあるが、教えることは潜在意識ENFJを活性化させる。INTJは無能に手取り足取り教えることは好まない。そもそも彼らは物事をそれほど正確に理解していないので、教えることでそれが露呈するのは避けたい。生徒には彼らの不正確な説明を自力で補い、学習する自主性が求められる。潜在意識ESFPはマンツーマンで教えるより、自分がパフォーマンスして注目されることを好むのである。
これがISTPとINTJの違いである。彼らは一見すると似ているが、気質や心理機能は異なる。あなたが自分の知性に自信がなく、教えを請いたいならISTP、他人の知性を高めたいならINTJと付き合うのがいいだろう。いずれにしろ、気分を良くしてもらうことは期待しない方がいい。
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