今回は非認知的シンクロニシティのもう1つの軸である、判断機能について解説する。仲間意識はあらゆる類型で無視されてきた概念である。ソシオニクスはこの点についてほとんど触れず、MBTIは完全に無視している。

仲間意識の最も重要な活用法は、自分と同じタイプ、つまり自分のアイデンティティタイプに似た人を見つけることである。自分より年上で、自分より成功していて、自分より有能なアイデンティティタイプから学ぶ。あなたはその人に共感しており、その人も人生を通じてあなたと同じ困難や障害に対処してきたはずである。彼らはそれを乗り越えたので、あなたの個人的な成長の為に、最高の知識と知恵を授けてくれるだろう。

個人的な成長は、痛みと仲間意識の喪失なしにはあり得ない。生命の証は成長である。成長がなければ真の人生は存在しないが、成長はそれ自体が苦痛を伴うプロセスである。そして仲間意識とは、痛みを与えることである。人間として、あらゆる形で成長を求め続けることは不可欠であり、そうでなければ世界が恩恵を与えてくれることを期待するしかない。

NF的な共産主義や社会主義、あるいはSJ的な寡頭政治も実際には上手く機能していない。つまり、私たちは自分の人生を自分でコントロールしなければならない。自分と相性の良いタイプは、必ずあなたを助けてくれるだろう。しかし相性の良さと仲間意識には、ある種の違いがある。相性とは、母親が与えるような愛である。仲間意識とは、父親が与えるような愛である。

相性には性的相性と感情的相性がある。しかし仲間意識は兄弟愛や父性愛のようなものである。それは良くも悪くも、人生において非常に大きな力になる。基本的に、人々は母性愛を求めている。そして自分を癒し、酷い現実から目を逸らしたい。しかし、もし社会をより良い方向に変えたいなら、そのために命を捧げる覚悟が必要である。あなたは求めるものの代償に、究極の犠牲を払わなければならない。

ヨハネの黙示録には、バビロンの滅亡が記されている。これが仲間意識の本質である。仲間意識とは、男性を導く父性的な力であり、男性が人生の通過儀礼を迎えるための準備を整える助けになる。女性にとっての通過儀礼は母性である。男性は通過儀礼の中で、1度死ななければならない。映画「エメラルドの森」で、少年は滝に投げ込まれ、試練を生き延びた。そして彼は皆に祝福されて、男として認められた。

彼らを滝に突き落として死なせるのが社会である。救われるためには、相性や母性愛ではなく、自分自身の力に頼らなければならない。社会は通過儀礼と仲間意識に基づく試練を与えていることに気づいた時、あなたは社会がいつでも自分を裏切ることを悟るだろう。だからこそ、特に男性にとって個人の主権は重要であり、自分を他の誰よりも優先する必要がある。

男性が何を持っていようと、現実には失うものなど何もない。女性があなたを父親として不適格だと思えば、あなたは親権を奪われる。そして男性は自らの命を危険に晒すことを厭わなくなる。その覚悟を決めた瞬間、幸福を達成するために必要な個人的成長のレベルに到達する。それが仲間意識の本質である。しかし人々は自我の投資を正当化されることを望んでいる。

人生の厳しい現実を受け入れ、自分自身の成長に責任を持たなければならないこと、私たちを最も憎んでいる人々こそが、私たちを助けてくれることを理解したい人は誰もいない。ロバート・グリーンの「権力に翻弄されないための48の法則」によると、友人を利用することを学ぶ、あるいは友人に用心し敵を利用することが重要である。長期的には、敵こそが自分自身について最も多くを教えてくれる存在だからである。

読者の中には、自分のことを良く知っていると自負する人は大勢いるだろう。INFJなどは自分の事はわからないが、人の気持ちは本人よりよくわかっているらしいので、彼らにあなたのことを聞いてみるといい。INFJが適任かどうかはともかく、人は自分についてある種の妄想を抱いている。あなた方は自分の成長に責任を持つ必要があり、そのためには仲間意識のタイプが必要である。

あなたに自分の命を捧げる覚悟がなく、最後までやり遂げる意志がないなら、あなたは幸せになる資格がない。これがユング分析心理学における仲間意識の主な教訓である。あなたが不幸だとしたら、それはあなたが目的のために命を捧げる覚悟がないからである。実際には多くの人々は幸福になれず、通過儀礼さえ達成できていない。成功とは、その苦しみから生まれる。

この投稿の本題はTi-Fe、つまり論理と共感に仲間意識がどのように影響し、いかに改善するかを検討することである。Ti-Feは、事実と厳しい真実を使用して、社会的に受け入れられるものを決定する。あるいは社会規範をフィルターとして使用し、真実を判断する。これは問題になる可能性がある。FJは社会的に何が許容されるかを常に意識している。特に人生の初期は、何が真実かを判断する基準が、それが社会的に許容されているかに限られている。これがFJの問題の1つである。

そのFJに対して我らTPは、社会規範の限界に挑戦するのが仕事である。FJは認めないだろうが、彼らは社会規範の奴隷である。そして私のようなTPを傲慢だと決めつける。なぜ自分を真実の裁定者だと思い上がっているのか?TPは社会の除け者だが、それが新たな社会規範になることがある。するとFJはそれに基づいて、何が真実かを判断する。これが仲間意識である。FJはTPの傲慢さを指摘し、TPはFJの無知を批判する。FJは社会規範は完全に主観的なものであり、彼らの好みに過ぎないことを理解する必要がある。

FJとTPは反発し合うが、そこから重要な教訓を学ぶことができる。TPは自分の考えを、FJは社会規範を検証する必要性に気づく。だが、FJはTPに比較して、人の意見を聞く耳を持たない。TPにはTeネメシスやTeクリティックがあるが、FJにはTeトリックスターやTeデーモンしかない。FJは滅多に人の話を聞かない。特にTeデーモンは皆が自分の話を聞くことを期待しているが、実際には誰の言うことも聞いていない。これがTPとFJの葛藤である。

だからこそ、互いに挑戦を提供して、お互いから学ぶ仲間意識がある。TPはTP同士でも仲間割れをする。STPはNTPが裏付けになる経験を提示するまでそれを信じない。逸話は論理的誤謬だと主張する人がいるが、STPは最も男性的で、逸話的な証拠を重視するタイプである。TiとFeは対立しているが、この対立は成長をもたらす。教育学が優れているのは、性的な親密さと同時に緊張感があるからである。それが関係を新鮮に保つ。判断機能に互換性がなく、感覚機能に互換性がある関係は非常に重要である。

恩人関係や陰謀関係にも同様のことが言える。素晴らしいセックスを楽しみながら、鋭い感覚も保てる。Tiユーザーは、頭の中にエコーチェンバー現象を作り、無知になることがある。彼らは古い情報や好みの情報に基づいて意思決定をする。Teユーザーが恐れているのは、この手のエコーチェンバー現象である。TeユーザーはTiユーザーをインプットで支援しなければならない。Teユーザーにとって、リサーチは自分の信念を裏付ける作業なので、Tiユーザーほど負担にならない。

通常Tiユーザーは自分自身の知識をアップデートしたり、調査を行うことは殆どない。健全なTiユーザーとは、自分で調査を行い、様々な書籍から事実情報をインプットする。時にはFJの方がTPより熱心に調査を行っていることがある。Ti-Feユーザーは仲間意識のメリットについて考えてみるといい。自分の知識を更新しないと、好みの情報に基づいて意思決定をすることになる。

考えてみて欲しい、Teユーザーがその決定を信じてしまったら、何が起こるか?エコーチェンバー現象に陥りにくいのはTiペアレントだが、TiヒーローとTiチャイルドは容易にその沼に嵌る。劣等Tiはエコーチェンバーという次元ではなく、ただ自分の考えを他の誰よりも優先させる。Tiヒーロー、特にISTPは必要な情報を色々と見落としているが、考えるべきことは全て考えられたと思い込んでいる。システムという文脈において、INTPも同じミスを犯す。

Tiチャイルドは外部からのインプットに大きく影響を受けるため、情報のフィルタリングができない問題がある。INFJが人を裏切るのは、彼らが友人の悪口を言う人の話でも聞いてしまうからである。INFJはその人を信じ、検証することなく、その情報で友人を裁き始める。これが仲間意識が存在する理由である。TPとFJ、STPとNTP、SFJとNFJは互いに対立し、挑戦する。これらのタイプ間では精神的なスクリーニングが行われている。そうすることで、他のTiユーザーが無知を生み出さないように自浄作用が働くのである。

Tiユーザーは新しい情報を求める必要があるが、どの情報に価値があるか理解していない可能性がある。彼らは常に複数の情報を入手し、それをインプットと比較することで、何が論理的に正しいか判断するための前提を確立しなければならない。ここで仲間意識が役に立つ。Tiユーザーは論理を用いて、正確な推測を立てることができるだろう。

これで仲間意識がなぜ重要なのか、どのように活用するのか、ご理解いただけたことと思う。もしあなたが自分の命を捧げる覚悟がないなら、あなたは決して幸せになれないだろう。あなたが人生や世界に対して問題を抱えており、自分の信念や幸福の為に死ぬ覚悟がないなら、あなたは死の果実を享受できないかもしれない。なぜなら、考えなければ何も変わらないからである。実際に投票しないのに、政治について文句を言っても、何も変わらない。これは一種の偽善であり、決して許されるべきではないのである。