先日のセッションでENTPとINTPで迷っていた方がいらしたので、今回は彼女への補足も兼ねて、ENTPとINTPの違いを説明していく。私はINTPなので、これは自分語りでもある。

ENTPとINTPはどちらもNT気質だが、インタラクション・スタイルは異なる。ENTPは情報提供・開始・行動のスターター、INTPは情報提供・応答・制御のバックグラウンドタイプである。ENTPは即興で行動することを好み、高速道路でスピード狂になる。INTPは事前に計画を立て、高齢者のようにゆっくりと運転する。するとENTPは苛立ち、クラクションを鳴らす。彼らは行かなければならないところがある。スピードを出し過ぎて他の人が危険な目に遭っても、彼ら自身が安全なら問題ない。

ENTPのNeヒーローは、他人の望みに焦点を当てている。彼らは他人の未来を知覚して、全てのパターンを認識する。そしてTiペアレントで、論理的に真偽の判定を行う。彼らは形而上的に「もしも」を認識しており、出来事を分析して、何が起こるかを予測する。例えば、付き合っている恋人の母親がISFJで、ENTPを好きではなく、あらゆる手段で関係をコントロールしようとしてくる場合、彼らは起こり得るシナリオと、それに対抗する方法を思い描く。INTJシャドウは戦略を立て、母親と対面した時に起こり得る「もしも」に緊急時対応計画を作成する。

Neヒーローは将来を見通して、「あなたはこれがしたいかもしれない」と選択肢を与える。INTPのTiヒーローは論理が第一で、他人の未来を知覚することもできるが、それは悲観的な観点から行われる。ENTPは楽観的なので、自ら「あなたならこれができる」「あなたはこれをやりたいに違いない」と猛烈に攻めてくるが、INTPはそんなことはしない。彼らがそうするのは、自分の話を聞いてくれる一人だけである。Tiヒーローは、常に「私は頭がいい」と思っている。頭がいいのだから、他人が自分の話を聞くのは当然である。彼らは真偽の判定に全力を注いでおり、人々もそれに興味を持っているはずである。

ENTPは全員に可能性のある未来を与えようとするが、INTPは自分の話を聞いてくれる一人にだけそうする。彼らは一度に一人、あるいはひとつのグループに焦点を当てるが、規模は小さい。彼らは非常に悲観的であり、物事が上手くいかないこともあると認識している。彼らは予測にやや疑問があり、予想外の人が成功して驚きを感じることがある。ENTPは楽観的で、予測能力が強いが、楽観的すぎることがある。INTPは悲観主義に圧倒されることがあるが、Tiヒーローは論理に集中しており、予測はそれほど重要ではない。Tiペアレントは論理に対して悲観的で、多くの疑問を抱いており、常に真実を疑っている。

Teクリティックは統計に対して非常に批判的である。なぜなら、統計を取った人間は愚かである可能性が高い。そして人々が賢いか否か、個別に真偽の判定を下す。彼らは他人の考えに悲観的なので、自分の中に引きこもってしまうことがある。しかし成長するにつれて、心を開き、賢い人間もいることに気づいて、彼らにチャンスを与える余地が生まれてくる。

INTPは周りの人間が馬鹿であることを心配しているが、少なくとも意見を聞く用意はある。ENTPはそうではない。彼らは他人の考えに悲観的な上に、Teクリティックは批判的である。INTPのTeネメシスは、他人を馬鹿ゾーンに入れる前に、そうではないことを証明する機会を与える。ISTPも同じことをするが、INTPは人々に対してより忍耐強く、知性において劣ることを許容する。Tiヒーローは批判を共有して、その人の知性を自分と同じレベルまで引き上げようとする。彼らは人を育てているだけである。しかし、殆どの人はそれを馬鹿にされているだけだと受け取り、嫌な気分になり、INTPを疎外する。そしてINTPも人に対して無関心になる。

INTPは人々を助け、知性を高めようとしているだけである。ENTPはそれほど乗り気ではなく、知性の発達よりも何ができるか・できないかに興味がある。意志があれば道は開ける。だからNeヒーローは「これをやれば、良い未来が手に入る」と人を動機づけようとする。ENTPは他の人をやる気にさせ、INTPは人を賢くするソリューションを提供する。彼らは自分と同レベルの誰かと成長することができるが、ENTPは実際にはそうしない。ENTPは全体のビジョンを提供し、INTPは部分的なビジョンを提供する。前者はシステムの全体像、後者は特定部分の全体像を気にする。

だからINTPは他人の考えを心配しながらも、その人を改善するために自分の考えを共有しようとする。劣等Feは他人の気持ちを非常に恐れているが、人々が自分自身に対して良い気分になれるように、利他的にサポートする。無意識ENTJは寛大になることができるが、そのせいで玄関マットになることも多い。Fiデーモンは人間性を非難されるが、それは不公平である。おまけにSeトリックスターはアスペルガーや自閉症と間違われることがある。彼らは物理的認識がなく、いつも物を落としたり、おかしな服を着ていたりする。

子供たちに間違ったレッテルを貼り、薬漬けにする前に、心理機能を学ぶべきである。そうしないと、子供たちは自分自身を見つけて、幸せになることができない。彼らは自分が誰であるか知らず、何かを成し遂げることもなく一生を終える。

ENTPのSeデーモンは他人の経験に対して無関心である。彼らは自分の経験に集中しているので、他人と経験を共有する場合も自分の快適さのみを気にしている。Teユーザーはアスペルガー、Tiユーザーは自閉症というレッテルを貼られがちだが、子供たちの人生を台無しにする前に、彼らのタイプを知り、アスペルガーあるいは自閉症の真偽を検証するべきである。そうしないと、超自我ESFPが世界を燃やし尽くし、それをエンターテイメントとして見世物にするだろう。世界を燃やせば、そこから新しい生命が生まれてくる。それがSeデーモンの目的である。

ENTPは常に人々と議論し、口論し、何でも自分で解決できると思っている。Fiトリックスターはサイコパス予備軍として扱われることが多いが、Feチャイルドが他人の感情を優先していて、自分の感情を生み出すことができないだけである。NTPにはどう感じているかではなく、どう考えているかを尋ねるべきである。だから彼らはFiユーザー、特にNTJの周りにいるのが理に適っている。NTJは他人がどう感じているか気にしないからである。その代わり、彼らは意見を聞いてくるので、全てが丸く収まる。それが心理機能の仕組みである。NTPは相手を良い気分にして、大切にされていると感じてもらいたい。これは良い体験を提供したり、素晴らしいショーマンシップを持つこととは異なる。私がブログやポッドキャストで情報発信しているのは、あなた方を賢くして、より良い未来を与えるためである。

知恵があれば、世界で何でも手に入れることができる。知恵は失敗と苦しみを通してのみ手に入る。INTPのSiチャイルドは何でも体験し、快適であることが重要である。彼らは安心できる場所から離れたくない。彼らがマンネリに陥っている場合、人生で快適になり過ぎている可能性がある。間違った相手と何十年も結婚生活を送り、子供たちの気分を悪くすることを恐れて、離婚しない。ENTPも潜在意識ISFJで罪悪感を感じるが、それは劣等Siでこれまでしたことのない経験を恐れるからである。

これまで離婚したことがないので、離婚するのが怖い。一方、INTPは相手と別れたら子供たちを傷つけることに罪悪感を感じるので、離婚したくない。そして虐待的な生活を続け、玄関マットになり、子供たちにも尊敬されない。あなただけではなく、自分自身も尊敬しない。あなたはNeペアレントを利用して、子供たちの将来を破壊することになる。子供たちから見たあなたは、男らしさに欠ける弱い男、あるいは男に踏みつけにされる弱い女である。そう思われることを望んでいないなら、勇気を出して別れることがあなたの義務である。

INTPは経験不足から虐待的な人間関係に陥ることが多い。Siチャイルドは悪いものを含めて、提供されるものは全て経験しようとする。そして相手が望むものを与えて気分を良くしてしまうが、その前に自制心が必要である。あなたには自分自身に対する義務がある。責任ある利己主義である。まず自分を愛していないのに、他人を愛することはできない。利己主義と利他主義のバランスが取れていないならば、あなたは悪い人である。自分のニーズを満たし、個人的な基準を持ち、境界線を強制して、自分の目標を知るには、利己主義が必要である。自尊心を持つこと、これが人生の第一ルールである。

そうすれば、自分を大切にできているので、人々もあなたと友達になりたいと思う。あまりにも利他的になると、ただの踏み台になってしまう。ENTPの美徳と悪徳、真心と欺瞞はINTPにも当てはまるが、これは二次的なものである。人々は真実を受け入れることができない。彼らの信念を打ち砕くと、彼らの気分は悪くなり、真実に耐えることができない。そしてあなたを嫌ったり憎んだりする。だからロゴスで信念を打ち砕く時は、気を付けないといけない。劣等Feで相手の気分が良くなることを言っておけば、彼らはあなたに応えてくれる可能性が高くなる。

踏み台にされないようにしないといけない。ENTPのFeチャイルドにもその問題がある。彼らはただただ人を良い気分にしたいばかりに、利用されてしまう。ベンジャミン・フランクリンは見知らぬ人を信じたばかりに、騙されて地球の反対側で立ち往生することになった。しかし一度騙されると、劣等Siは二度と騙されることを許さない。INTPは何度でも許す。Seトリックスターは他の人に何が起こったか気づいていないので、自分の身にそれが起こるまで問題を理解できない。彼らをやる気にさせたいなら、不快にさせることである。境界線を強制すれば、彼らは立ち去らなければならないことに気づくだろう。

なぜなら、INTPは彼らがやりたいことではなく、すべきことに基づいて決定を下すからである。Niクリティックは何かを望むことを許さない。結婚生活で虐げられているなら、別れてもっと良い女性と付き合えばいいのだが、彼らはそうしない。Neペアレントは他の人々が自分の望みに無責任なのを知っているし、自分自身も許さないからである。一方、ENTPのNiネメシスは自分の将来を心配しているが、楽観的である。自分が良い将来を迎えるには、他の人の未来を助けなければならない。そうすれば彼らはENTPに感謝して、良い経験をさせてくれるだろう。

ただし、それが秘密契約にならないことを確認しなければならない。事前にコミュニケーションを取って、協定を結んでおくべきである。誤った期待の下に動くと、潜在意識ISFJは正義志向になり、恨みから復讐したくなる。それは最初に自分の条件を述べず、条件を述べることに罪悪感を感じていたからである。例えば、ENTPとINTJはゴールデン・ペアである。INTJはENTPが何でも他人に喋ってしまうことに腹を立てた。「プライベートで話したことを合意なしで他人に言われると、気分が悪い」と言っておけば、ENTPは劣等Siでそれを覚えておき、無期限にその約束に忠実になるので、関係は繁栄する。

 しかしENTPに何かを約束させない限り、何でも起こり得るし、何でも流動的である。形而上学は非常に流動的であり、Neは水だからである。彼らは過去に劣等感を抱いており、今までやったことのないことに不安を感じる。だから自分の意志に反して、常に新しいことをするように自分に強いている。だからENTPはプレッシャーがあっても機能することができる。「私はスタータータイプだから、始めたことを終わらせられない」とほざくENTPがいたら、彼らの頭に銃を突き付けて、劣等Siにプレッシャーと不快感を与えることである。すると突然、彼らは生産的になり、素晴らしい作品を発明する。ENTPは次から次へと奇跡を起こすだろう。

INTPと関係を持つ場合は、常に彼らの考えを尋ね、自分の望みを述べ、Siチャイルドを安心させて、認識を与えることである。ENTPについても同様である。彼らが気遣ってくれていることを認めて、感謝するべきである。特にFeユーザーは相手が感謝することを期待しているが、感謝し返す必要がある。そうすれば真のFeループが起こるだろう。ENTPを不快にさせると、彼らは恨みを抱き、復讐心を抱くようになる。だからENTPを快適にしなければならない。時には不快にさせてもいいが、それには限度がある。やり過ぎると彼らは恐れを抱き、あなたに忠実ではなくなるだろう。INTPは人々に対して忠実であろうとするが、ENTPは誰に対しても忠実であるわけではなく、それは獲得しなければならない。

Fiトリックスターには道徳観念がなく、何が良いか悪いか判断できない。しかしそれを正直に言うと皆の気分が悪くなってしまうので、特に他のFeユーザーには道徳観念があるふりをする必要がある。NTPはマスクを被って、不誠実にならなければ存在することを許されない。よく「私は人のありのままを受け入れたい」というモラル(?)を掲げている人間がいるが、そういう人間に限って許容範囲は激狭で、ちょっとしたことで顔色を変える。「人のありのままを受け入れる」には大きな器と人生経験が必要であり、あなたのような村人に容易くできることではない。話が逸れたが、そんなNTPでもNTJやSFPは理解してくれるだろう。

超自我ESFPは世界を焼き尽くす願望があるが、超自我ISFPにも同様の願望はある。ただし、それはより局所的で、その瞬間に気に入らない問題のみがターゲットとなる。INTPの無関心を責めると、超自我ISFPは巨大な怒り狂った猿に変身する。犯罪者として扱われるなら、実際に犯罪を犯した方がいい。それが公平というものである。彼らがサポートしてくれているのに、お礼を言わず、恩知らずならば、劣等Feはあなたを憎み始め、Fiデーモンは自分の感情のままに火をつけて、破壊活動に走り始める。

これがENTPとINTPの違いである。MBTIでは、テストを実施してもタイプが分からない人はENTPだという話がある。ENTPは何でも疑うので、自分のテスト結果も疑うのである。この記事を読んで疑念を抱いたあなたは、ENTPかもしれない。