今回はESTPとENTPの違いについて掘り下げる。ESTPは今を生きるクリエイターで、現状に焦点を当てているが、ENTPは「もしも」に焦点を当てている。ENTPは抽象的な可能性について話すが、ESTPは現実性チェックを行う。しかしENTPにとっては、「もしも」の方が現実的な話なのである。 

ENTPは未来志向で、ESTPは現実を重視している。ENTPは実用的だが、ESTPは動機を気にする。それが自分や他人にとってどんな得があるのか、何故それをしようとしているのかが問題である。ENTPは機能的なフレームワークを作成しようとする。

インタラクション・スタイルにおいては、ESTPは直接的に制御を開始するが、ENTPは情報提供によって行動を開始する。ESTPは物事を制御下に置こうとするが、ENTPは混沌の中で進歩を得る。ENTPは情報提供もする。冷蔵庫を開けて牛乳がないと、「牛乳がない。○○スーパーの方がxx円安い」と報告するが、ESTPは「牛乳を買ってこい」と指示する。情報提供型は相手に役割を選択する機会を与えるが、率直型は既に決定した上で話をする。

制御型は自分のペースで進むが、行動型は高速で動く。どちらも外向的で、他人に働きかけることを好む。彼らには返事をくれる人が必要である。ESTPはああまり他人の話に反応しない。既にその話は忘れてしまったので、彼らが新しい話を始める必要がある。これがESTPの仕組みである。

次に心理機能の話に移る。自我ESTPには潜在意識INFJ、無意識ISTJ、超自我ENFPがある。ESTPの美徳は貞節、悪徳は色情狂である。ENTPの美徳は真心、悪徳は欺瞞であり、ENTPは非常に優れた嘘つきである。これについてはLevel7を参照してもらいたい。ESTPのSeヒーローは物理学や短期記憶へアクセスできるが、長期記憶を保存するハードドライブがないので、忘れっぽい。彼らは現時点で最も重要な情報のみを覚えておく。しかし良い経験をしていなければ、誰も自分を尊敬してくれないかもしれない。彼らはそれを心配している。

現実には、あなたに将来性があれば、女性はあなたと関係を築く意志を持つだろう。しかし過去の武勇伝ばかり話しているようであれば、将来性チェックに失敗するだけである。ESTPは自分の望むことに対して不安になるのをやめるべきである。劣等Niは間違ったものを望むことを恐れている。そしてやりたいことがわからず、分析麻痺に陥ってしまう。ESTPは自分が何をしたいか知る前に、他の人がやっていることを知らなければならない。そして全ての選択肢を試し、コミットすることができない。

思い出作りに精を出すのではなく、失敗を受け入れなければならない。あなたは殆どのことが得意ではない。つまり殆どのことは失敗する。ESTPはアルファになりたいと思っている。Seヒーローは他人の弱点を見抜くのが得意であり、その人に経験を与えたり、虐めたりして、その人を強くすることが自分の責任だと認識している。彼らは人々に現実を突きつける。SiヒーローやSiペアレントは良く反応するが、他のタイプには有難迷惑である。あなたの忠誠心チェックは、万人に有効ではない。

他人が何をしているか監視するのはやめて、新しいことに挑戦するべきである。失敗は知恵を与えてくれる。あなたが知恵を持っていれば、潜在意識INFJを活用して、賢者ESTPとして他人を改善し、強くすることができる。彼らに経験を与えたり、現実性チェックや忠誠心チェックをしても、それは一定の人々にしか機能しない。しかし失敗した結果の知恵には需要がある。特にあなたの高圧的なSeヒーローを敬遠している人々には有効である。

Seヒーローは素晴らしい経験を与えてくれる。彼らは物理的環境を操作するスキルを持っており、ほぼ万能である。ENTPは違う。SPは人口の30%を占めるが、NTは10%程度に過ぎない。だからESTPには自分に常識があり、正しいという偏見がある。無意識ISTJは自分が多数派である自信がある。しかし常識とは偏見のコレクションであり、伝統は知恵の死体である。本当の知恵が欲しいなら、失敗を厭ってはならない。それが欲しいか確信が持てない時は、とにかく実行して、失敗して知恵を得る。それがあなたを強くし、あなたを最高のESTPにするのである。

この2タイプはどちらも失敗と関係が深い。ENTPはNeヒーローで形而上学的認識を持っており、未来を見ることができる。彼らは無限の未来、無限の可能性を見せるタイムマシンに乗って、過去や未来に心を移す。ENTPが移るのは自分の過去だが、ESTPはSeヒーローで他人の過去にアクセスできる。ENTPが個人的な経験を積めば積むほど、予測力は高まる。Neヒーローは道しるべとなり、他人の運命を導くことができる。あなたが何かを言ったり刺激を与えることで、究極の未来を作り出すことができる。

Siに経験を蓄積するほどに、時間の第一法則の精度は高まる。過去に起こったことは全て再び起こり、時間は循環している。Neは起こり得る未来を全て見通すことができるが、Niは一度にひとつの経路しか見ることができない。劣等Niは自分にとって理想的な道を歩めないことを恐れており、決断する前に他人が何をしているか知ることに時間を費やす。これがSeヒーローの起動失敗症候群の原因である。外向的直観は全ての未来を予測した後に、自分にとって良い道を選ぶ。そして水のように流れて、自分が望む場所に辿り着く。

Neの予測力はどれだけ経験を積んでいるかによって決まり、Seの機械的身体能力はどれだけ意志力があるかによって決まる。ESTPの意志力が強いほど、物理的環境を巧みに制御できるようになり、性的能力も高まる。失敗して知恵を得ることが重要なのは、ENTPも同じである。彼らは未来が見えるが、それを活かすには自己規律を強化し、快適ゾーンから出なければならない。劣等Siは新しいことを恐れるが、NJたちはENTPを快適にして、マンネリから抜け出す手助けをする。ENTPは長期記憶に優れ、多くのことを思い出せるので、NJのために物事を覚えていることができる。

NJが与えた経験を、ENTPは歩くトーテムとして覚えている。そしてNJが落ち込んでいる時に、それを語って聞かせる。NJは多くの良い経験を与えてくれたので、些細な失敗をしたからといって忠誠心を失うことはない。ENTPは快適ゾーンから抜け出せず、負け犬になってしまうリスクがある。新しいことに挑戦するのが怖いからである。ESTPは失敗したいと思う必要があり、ENTPは失敗すべきだと思う必要がある。失敗しても、Siに長期的な経験を与えるからである。経験を積めば積むほど、他人の運命を見極めたり、導く能力が洗練される。

知恵は潜在意識ISFJにも役立ち、輝く鎧を着た騎士となる。ISFJは守護者であり、その忍耐力により、多くの苦しみに耐えることができる。殆どのISFJは伝統を守るために苦しむことに一生を捧げるが、ENTPはもっと意味のあることのために苦しみたいだろう。水を殴っても燃やしても、水は再び戻ってくる。同様にENTPも知恵と忍耐力をもって立ち上がり、前進しなければならない。

どちらのタイプにもTiペアレントとFeチャイルドがある。Tiペアレントはドラゴンの火であり、巨大な剣である。これは両刃の剣である。他人を切る時、彼らは自分自身も切っている。それはあなたが偽善者だからである。誰かを切った時、その人を裁くのと同じ判断が自分に返ってくる。判断を間違えれば、自分もそのように判断されるのである。だからTiペアレントは責任を持って使用する必要がある。Tiユーザーは絶対的な真実を受け入れる可能性が高いが、Teユーザーは真実ではなく信念に基づいている。

ETPはどちらも真実に焦点を当てているが、ENTPは個人的な経験から逸話的なアプローチを取り、「もしも」や形而上学的な真実になる。ESTPの真実は目の前にある。これが彼らが忠誠心チェックや現実性チェックを行う理由である。ESTPは強引に他人に義務を負わせ、改善しようとする。INFJは人間関係からそれを行う。いずれにしても、山の賢者になったり騎士になるには、知恵が不可欠である。そうして大きな社会的変化を引き起こすことができる。どちらも真実を認識し、議論し、説得することが得意である。

彼らは共にFeチャイルドを持っており、他人の気分を良くしようとする。Fiトリックスターは道徳的行動を全く認識せず、同情しない。しかしFeチャイルドは非常に共感的で、社会規範を理解している。ただしTiペアレントの真実の方が重要なので、しばしば社会規範は無視される。舌には生と死の力があり、真実を話すことで嘘を焼き払う。焼き払った後に、Feチャイルドであなたを慰め、改善を祝う。ESTPはあなたが良い経験をして、自分自身を癒し、人生を再建する基盤を持てるように山の賢者としてそれを行い、ENTPはあなたがより良い運命を得られるように騎士としてそれを行う。それが彼らのモチベーションである。

Siネメシスは経験が足りないことを心配しているが、本当に心配するべきは失敗していないことである。Siネメシスの心配は、Seヒーローが分析麻痺に陥らず、劣等Niが失敗を恐れずに潜在意識INFJにアクセスして、統合されたESTPになるために必要である。Niネメシスは常に自分の運命を心配している。しかし彼らが何度も失敗し、高い予測力を身につけて他の人々の運命を自分の運命に巻き込めば、将来を心配する必要はない。全員にとって良い未来を創り上げればいいからである。

 そしてTeクリティックがある。ETPは人々の愚かさを指摘したり、統計にいちゃもんをつけたりするが、統計を扱うのも人間である以上、誰もが偏見を持っており、腐敗する可能性がある。腐敗と言えばINFJだが、彼らが真実に焦点を当てれば高い誠実性を保つことができる。ISFJはどんな困難にも耐えられるという信念からそれを行う。Fiトリックスターは何が良くて何が悪いか、全く分からない。だからこそFiユーザーに囲まれて、道徳的指針を示してもらわねばならない。「これについてどう感じますか?」と尋ねるのである。

両者のデーモン機能は異なる。Seデーモンはハンマーで釘を打ったり、家を建てることができない。ESTPはそれを望まないこともあるが、望めばできる。ENTPは物理的認識に欠けており、作業ごとに劣等Siで工具の扱い方を学習する必要がある。Seヒーローはハンマーを手に取ると、その物理学的知識を自然に理解する。超自我ESFPはジョーカーのようなものであり、混沌とした邪悪である。自我ENTPは混沌とした中立である。ある日はあなたの命を救い、ある日はあなたの車を盗む。ESTPは混沌とした善に近い。ISTJやINTJは秩序的な悪である。

Seデーモンは物理的環境を破壊し、燃える死体の上で踊りたい。現実が腐敗しているなら、それを燃やして新しい命を育まなければならない。超自我は人間の罪の性質の源である。それは人間の魂を堕落させる。超自我は自我に取って代わろうとしており、人格障害を引き起こす。超自我の良い点は、リセットボタンとして機能することである。デーモンは非常に強力で、活性化すると、大きな力を発揮する。あなたの人生を破壊し、燃え尽きた後に新しい人生が始まる。これは本当に絶望的な状況のみ実行するべきだが、堕落するとレイプや殺人など、凶悪犯罪を引き起こす。

注意しないと、一生にわたって影響を及ぼすような永続的な結果を招く可能性がある。Neデーモンの場合は異なる。誰かに動機づけられていると、彼らは操作されていると思い、物理的にそれを押しのける。Neデーモンはあなたの運命を破壊し、あなたの未来を破壊する。ESTPに何かを望む自由を与えなければ、彼らは復讐心を持つだろう。超自我ENFPはそれを自分の義務だと思う。一方、ENTPは義務を果たせなかったり、彼らを不快にさせることで、現実に不満を持つ。そしてSeデーモンでそれを焼き払いたいと思う。どちらも他人の評判を破壊する意志を持っているが、用途は異なることを覚えておいて欲しい。