今回はESTPとISTPの比較をしていく。ESTPは率直・開始・制御のイン・チャージ、ISTPは率直・応答・行動のフィニッシャーである。どちらも職人、つまりSPであり、自由に重点を置いたクリエイターとして知られている。非常に似たタイプでありながら、本質的に非常に異なっている。

自我ESTPの無意識はISTJ、潜在意識INFJ、超自我はENFPである。一方、自我ISTPは無意識ESTJ、潜在意識ENFJ、超自我はINFPである。どちらも論理的で、今を生きている。どちらも自分のしたいことを何でもする。どちらも人々に現実を直視させ、忠誠心をチェックし、良い経験を与えたいと思っており、人を良い気分にさせることを望んでいる。ISTPはESTPと比較して人間性に対する評判が悪いが、思いやりのある人に見られたいと思っている。

Fiデーモンを持つタイプは、頼んでもいないのに道徳的指導を受けることが多い。残念ながらISTPの意思決定は道徳に基づいたものではない。彼らは他の人々の道徳は気にするが、自分の道徳は気にしない。他人の気分を良くするには、道徳など気にしてはいられないからである。その結果、不道徳という評判を得ることになる。ISTPに道徳的に行動してもらいたいなら、Fiユーザーで彼らを囲む必要がある。するとFeユーザーは、Fiを持っているかのように振舞い始める。FeはFiの力を吸収して、それがISTPの中で倫理となって、道徳的な行動として反映されるようになる。それが物事の仕組みである。

ESTPはSeヒーローを持っているので、身体的な認識、短期記憶、今この瞬間に関心がある。短期記憶の問題は、新しい情報が入ってくると、古い情報を忘れてしまうことである。Siネメシスには長期記憶のための小さなハードドライブがあるが、容量はそれほど大きくない。そのため、彼らは常に過去について心配している。一方、ISTPは過去について批判的だが、やはり記憶力は悪い。STPは何かを批判する時に、いかにも自分が過去のことを覚えているように振舞うが、それは真実ではない。彼らの発言を全て書き留めて、失敗を突きつけることによって、忘れっぽさを証明することができる。

勿論そんなことをすれば、彼らはあなたを憎むだろうが、TiヒーローとTiペアレントはその真実を無視することはできない。彼らは今を生きることに集中し過ぎて、過去のことを忘れてしまうのである。短期記憶は、長期記憶を犠牲にして成立している。Seにとっては今が重要だが、Siにとってはそうではない。Neにとっては形而上学が重要だが、Niにとって「もしも」は関係がない。彼らが考えているのは、もし私がこれをしたらどうなるか、ということである。一般的な「もしも」、つまり理論などの話は好きではない。

ご存じのように、S型主流の社会はN型にADHDの薬を処方する。彼らは「普通」ではないからである。しかし同時にSPもそのことで非難される。境界例というやつである。彼らは多動行動により、リタリンを与えて落ち着かせる必要がある。すると彼らはSJに似てくる。SPの自我は無意識SJなので、薬によって穏やかになる。これは身体的・精神的ダメージに繋がるだろう。それでも人々はそれが良いことだと考える。全てのタイプに対して寛容になり、彼らを薬で治療するのではなく、ありのままに受け入れることが理想である。しかし先進国では人々を救うよりも破壊する構造になっている。

Seヒーローは今を生きる。Tiヒーローの優先事項は論理である。ISTPは論理的正しさを優先すると、嫌な奴に思われる。ESTPも多少その気はあるが、ISTPほどではない。Tiヒーローは自分の真偽が絶対であり、他の誰にもその問題に関与させない。Teネメシスは周囲の人々が全員馬鹿だと思っている。接触する人間は全てが愚か者であり、誰とも関りを持つことができない。ISTPの馬鹿ゾーンに閉じ込められると、そこから脱け出すのは容易ではない。ESTPのTeクリティックはそれよりマシである。彼らは他の人々の考えを批判するが、それを強制しようとはしない。

シャドウISTJは自我ISTJより若干オープンである。シャドウESTJは自我ESTJより若干心が狭い。認知的移行によってタイプの態度は変わり、性別によって更に複雑になる。ESTPのTiペアレントは悲観的なので、真実だと信じていないことには反発し、容易に納得しない。ISTPに知らないことを納得させるのも面倒だが、ESTPの場合は更に困難である。彼らが真実を受け入れるのは、他の人がそれを信じているのを見たり、あなたがそれを実行している場合である。

ISTPは他の人がそれを既にやっているかどうかは気にしない。このため、ISTPに売り込むのはESTPに売り込むより難しい。ISTPにはNiチャイルドがあり、これは幸運の子供である。ISTPとISFPは危機一髪の状況を上手く切り抜ける。彼らは常に自分が何を望んでいるか知っており、最終的には欲しいものを手に入れる。

一方、ESTPは自分の望みに対して恐れを抱いている。それは起動失敗症候群に繋がることがある。ISTPはそうはならない。自分が何を望んでいるかわからず、不作為と支離滅裂な行動に繋がる場合はESTP、わかっていてそれに基づいて決断を下す場合はISTPである。劣等Niは行き詰ってしまう可能性がある。だからこそ、これらのことを経験したNeチャイルドや劣等Neの周りにいる必要がある。彼らはESTPに様々な選択肢を与えてくれる。すると劣等Niと軸で繋がったSeヒーローは良い気分になる。

ESTPのFeチャイルドは他の人の気分を良くしたいので、良い経験を与えたがる。ISTPは他人の気持ちに不安を抱いている。他人の感情はISTPを操作する方法のひとつである。気分が悪いふりをすると、ISTPはSeペアレントと劣等Feで相手を慰めようとする。これによって彼らに何かを売り込んだり、意思決定に影響を与えることが可能になる。ESTPにその問題はない。彼らに安全な選択肢を与えて、「私はこの経験をして上手くいった」と主張するが、実際にはそうではない。ESTPは崖から突き落とされても気づかない。ISTPにそんなことは起こらないが、彼らの心の琴線に触れる必要がある。

ESTPの場合は、私もこれを経験して素晴らしかったからあなたも試してみるべきだ、と誘導する。過去どのように操られたか考えてみれば、自分がESTPであることがわかるだろう。ESTPのシャドウにはSiネメシスがある。ESTPが落ち込むと、過去を懐かしみ、将来は子供時代ほど良くないだろうと悲嘆にくれる。Teネメシスは自分が最も賢い人間だと信じているので、何かが証明されるまでは周りが馬鹿だという設定で生きている。そのため、彼らは他のTiユーザーと関わるのが難しい。

ISTPは何かを正しくやるには自分で実行しなければならないと信じているが、ESTPはそこまで徹底していない。ISTPがそのタスクをやらねばならないのは、他の人がそれを正しくできるほど賢くないからである。ESTPは現場の責任者になり、作業を委任する。ESTPも作業を行うことはできるが、ISTPほど正確ではない。ISTPは強力な労働者で、エース労働者のようなものである。ESTPは労働者を管理する現場監督である。

ESTPの方が記憶力が良いが、ISTPはそんなことを決して信じないだろう。残念ながら、あなたは忘れっぽいのである。彼らが覚えているのは、自分にとって重要なことだけである。Siクリティックに許されるハードドライブの容量は決して大きくない。その瞬間には重要ではないが、後から意味を持ってくることは色々あるが、STPはその瞬間に自分にとって関係あることしか覚えられない。その瞬間が過ぎ去ってしまえば、データは何の意味もなくなる。

 ISTPのもうひとつの弱点は、Neトリックスターである。ISTPはENFPのセールスに弱い。ENFPがフォーマルなスーツ姿で現れると、Teチャイルドは凄そうな肩書と共にNeヒーローと連携して、相手に影響を与える。するとISTPはENFPの靴底に貼りついていたガムを買っていることに気づくのである。ISTPは他人が何を望んでいるか全く分かっていない。他人が悪意を持っていたり、自分を操作しようとしていること、自分がそれに弱いことにも気づかない。確かにTiヒーローはいるが、目の前のことしか見えないので、騙されて大金を失うリスクがある。

ESTPのNeデーモンは他人の意図を全く気にせず、他人が何かを押し付けようとする兆候を察知すると、Seヒーローの鉄拳で相手の顔面を殴りつける。彼らは自動的にそれが悪い意図だと想定する。そのため、ESTPを利用するのは困難である。しかしISTPはENFPの気分を悪くすることを恐れているので、そこを突くことができる。ESTPのトリックスターは内向的感情である。彼らは道徳的になろうとするが、それは上手くいかない。彼らは倫理的なので、周りに道徳的な人々がいない限り、道徳的に行動することはない。Neデーモンは他人の意図を気にしないし、ISTPは自分が道徳的かを気にしない。ISTPを指導して罪悪感を抱かせようとすると、彼らはあなたを殴りつけるだろう。潜在意識ENFJは指導されるのではなく、他者を指導したいのである。

ISTPは色々なものを見せたり、スキルを教えて人々をより良くしたいのである。ESTPの潜在意識INFJも同じことをするが、ESTPは1対多数の関係を好む。ISTPは1対1で相手を改善しようとする。ESTPの超自我はENFPである。彼らは堕落して、酒に溺れたり薬物中毒になったりする。ESTPが最も好む薬物はコカインだろう。Siネメシスはヘロインを好まない。コカインはSe指向の薬物である。彼らは堕落し、放蕩モードになり、派手に散る。一方、超自我INFPは新たな個人的哲学を開発し、これまでに構築してきた全てのものを破壊する。まるで何も存在しなかったかのように、それは瓦礫の山になる。

これがタイプ間の違いである。どちらもSTPだが、人生に対するアプローチは大きく異なり、長所も短所も違う。そして心の4つの側面も異なる。このタイプは「どれも当てはまる」となる可能性は低いだろうが、この記事を参考に自分がどちらのタイプか考えてもらいたい。