先日セッションに訪れたESTJが「成功したい」と言っていたので、今回はそれをテーマとする。彼女は自分をISFJかINFPだと思っていたが、実際はESTJだった。ESTJは私に利益をもたらしてくれるので、私は彼らを嫌いではない。私が嫌いなのはINFJである。

一般的に、ESTJが社会的な評価を得ることは難しくない。彼らはTeヒーローで合理的にTiユーザーの意見を採用し、資格や学歴を盾に、自分が地位を得るべきだと権威者に信じさせるのが得意である。社会が自分に望むことが、やるべき義務である。Niトリックスターはそれに関して疑問を持たない。社会が自分に税金を納めろと言うなら納めるし、結婚しろと言うなら結婚する。セールスマンが「この車を買え」と言うなら買うだけである。

ESTJは若い頃に有利なタイプである。彼らは年長者の言うことをよく聞き、文武両道で多くのステータスを獲得する。しかし一定の成果を挙げると、彼らは過去の栄光に甘んじて、中間管理職で怠惰を貪る傾向がある。有望な新人に対しても「自分に協調しろ」とSeクリティックで強要し、身だしなみや細かいマナー違反を批判して足を引っ張る。

彼らの問題はFeデーモンである。特に女性は社会的な役割を押し付けられ、これをプレッシャーに感じることが多い。ESTJにとって義務を果たせないことは一大事である。ESTJはNeユーザーなので、ENTJほどではないが、それでも女性は男らしい。その男らしさを封印して、情報提供型の女性のように振舞うことがある。それが自分の義務だと信じているからである。

だが、それをすると相性の良いSTPに見つけてもらえなくなる恐れがある。そしてESTJは相性の悪い男性と義務として結婚する。結婚生活は悲惨なものになるが、ESTJは家事や育児、仕事など全ての義務を背負い込み、それらの苦しみに耐えようとする。離婚せずに添い遂げることこそ、社会が自分に望んでいることだからである。ESTJは構造型かつNeチャイルドなので、「自分ならこれくらいこなせる」「耐え続ければ良い未来が待っている」と楽観的に信じることがある。実際には、夫はESTJを評価していないし、望んでもいない。これがESTJ女性が陥りがちな罠である。成功したいなら、このような結婚に嵌ることは回避しなければならない。

ESTJは評価を得ること、義務を果たすことは得意だが、人生の中盤になると雲行きが怪しくなってくる。Teヒーローで解決できない問題が立ちふさがるからである。それがいわゆる「中年の危機」と呼ばれるものになるが、彼らはアイデンティティの危機に直面する。ステータスを得て良い気分になるのがESTJの通常運転だが、ある時それが自分の本当の満足に繋がらないことに気づく。

例えば、自分独自のビジョンを持ちたい、親のようになりたくない、自分を誇れる生き方がしたい。ESTJはこれらの問題を解決する為のセオリーを探そうとするが、それは彼らの馴染みがある具体的な世界には見当たらない。そして解答を求めて自己啓発に興味を持つ。彼らは思考を外注することが習慣になっているので、探し続ければ誰かが自分に答えを教えてくれるはずだと信じている。しかし自分にぴったりの解決策は見つからず、社会的な評価を獲得することでお茶を濁すが、密かに「ビジョンを持てない自分がダサい」と自己嫌悪に苛まれている。

ESTJにとって本当の成功とはステータスを得ること、社会的に認められることではなく、自分独自の哲学を持ち、それに従って生きることである。そのために必要なのは絶対確実な万人に認められたセオリーを探すことではなく、劣等Fiを願望Fiに変えて、認知的統合を果たすことである。詳しい方法はメンバーシップを閲覧して欲しいが、ひとつヒントを与えるとすれば、カギを握るのはSiペアレントである。

ESTJが自分独自の生き方を見つけるには、過去の経験が材料となる。自分はどんな経験をした時に良い気分になり、どんな経験をした時に悪い気分になったか、多くの経験を積むことで方向性が見えてくる。また、自分の信念を貫くには問題解決能力に加えて、多くの苦しみに耐える力が必要である。そのためにはSiペアレントを発達させなければならないが、ESTJはデフォルトでは自分の義務を果たす力に自信を持っており、「今までの経験で十分やっていける」と過信している。だから新しい経験を目の前にすると気分が悪くなり、やったことがないことをやるよりも、過去にやって上手くいったことをやりたがる。

だから直接Siペアレントを育てるのではなく、認知軌道でSeクリティックに働きかける必要がある。自分のパフォーマンスを厳しくチェックし、「他人に良い経験を与えて高く評価されるには、新しい経験を積まなければならない」と自覚する必要がある。そして他人がやっていることを観察し、自分もそれをやってみる。Seクリティックは他人のパフォーマンスに批判的なので、どこを改善すればもっと良くなるかわかるはずである。実際にやってみたら、思ったほど上手くできないかもしれない。それもまた経験である。