今回はENTPの美徳と悪徳、真心と欺瞞である。ある意味で、彼らの美徳と悪徳は厳しさと優しさとも言えるかもしれないが、基本的にENTPは優しくない。確かに彼らは潜在意識ISFJを持っているが、誰かに良い経験を与えるのではなく、自分が良い経験をすることが重要である。自分がどう評価されるかを気にするENTJと違い、ENTPは人の気持ちを気にする。人の気分が良くなければ、自分が良い経験を得られないからである。

ENTPの美徳は真心、悪徳は欺瞞である。ENTPは非常に不誠実であることで有名である。ENFPもカルト教祖として有名だが、ENTPは意図的にそれを行うのに対し、ENFPはそうではない。TiトリックスターはENFPから自分の思考を奪い、道徳に集中せざるを得なくなる。彼らは他の人々の考えや出典に頼り、自分で考える余裕がない。これが教祖のような雰囲気を醸し出すのだが、ENTPに関しては意図的にやっている。他人についた嘘を自分で信じ始めることもある。ENTPは全てを誇張し、装飾して拡散する。

なぜENTPはこのようなことをするのか?理由は色々ある。ENTPが「多分」や「かもしれない」などの婉曲表現で話し始めたら、警戒しなければならない。彼らは嘘を吐いている。彼らは感情的な操作を行う。ENFPは他人の思考を操作するが、ENTPは他人の感情を操作する。「ENTPは思考型だから感情を操作することはできない」と思うのは、心理機能ではなく文字コードに乗っ取られている人間である。

例えば、INFJはTiチャイルドなので、思想家と言える。自我の上位にある4つの機能にTiがあれば、FかTかは問題ではない。重要なのは心理機能やインタラクション・スタイルであり、気質である。若い頃のENTPは誰に対しても、自分が信じていることだけを話すという問題を抱えている。最終的に、ENTPは人々を疎外し始める。そして劣等Siは、ENTPが真実を語ると人々が良い気分にならないことを思い出すようになる。

しかし、知恵を得る唯一の方法は苦しむことである。ただ慰めたり気分を良くすることで知恵を与えたり悟りに導くことはできない。悟りは炎に焼かれたり、浄化されることで得られる。これはENTPにとって問題である。彼らは人々に真心をもって接するが、それを評価する人間は殆どいない。TeヒーローやTeペアレントは少ない。ENTPは良い社会的関係を築くことは難しいが、仕事ではできる。仕事上の関係や性的な関係については今後に期待してもらいたい。

ENTPが真実を語れないことを悟ると、マスクを着用し、遭遇する人々を異なる方法で扱うことを学ぶ。彼らは潜在意識ISFJで人々のデータを収集し、誰にどのようなマスクを着用するべきかを知る。ENTPは社会や、自分自身の利己的な欲求によって動機づけられて、これを行う。多くの場合、ENTPはこの欺瞞によって損害を受けても、それほど気にしない。彼らは自分が良い経験を得るために、人々を利用しようとしているだけである。ENTPは劣等Siにより、堕落モードに陥る場合がある。この堕落モードに陥ると、Tiペアレントは欺瞞によって人々を操作しようとする。ENTPが真実を伝えると、人々が感情を害することを知っているからである。

ENTPが大人になるにつれて、ペアレントが誠実になると人々を疎外することに気づいてしまう。だからマスクによって人々を欺く必要がある。問題は真実を和らげるために仮面を被ると、嘘と一体化してしまうことである。これがENTPの評判が悪い理由である。ENTPは混沌とした中立なので、いかようにも転ぶ立場である。ある日は人命を救い、次の日には自動車泥棒になる。

ENTPは嘘を吐くのが上手い。彼らは自分がついた嘘を覚えており、長期的に辻褄を合わせることができる。ENTP、ENFP、INTJ、INFJはソーシャルエンジニアリングが得意である。ENTPはNeヒーローによって真実と嘘の入り混じった未来を知覚し、それを誇張したり嘘を交えて真実味のある話をする。最高の嘘とは実現できる嘘である。INTJのシャドウは戦略的に嘘を吐き、ターゲットに自分を信用させる。

そして彼らは万が一に備えて、緊急時対応計画を心の中で練っている。ENTPは全てのタイプの中で最も嘘つきである。彼らは一貫して、定期的に嘘を吐く。これが彼らと関わる場合の問題である。これに対処するには、ENTPを追い詰め、彼らに率直に話すように強要しなければならない。辻褄が合わなかったり、婉曲表現を使い始めたところが狙い目である。彼らは特定の行動パターンを持たないため、判断するのは難しい。これがENTPの邪悪さである。そこまでしてENTPと関わる必要があるかは、各自で判断して欲しい。

NJは物事を覚えるのが苦手なので、ENTPに対処するのに難がある。だからENTPとはテキストチャットでやり取りするのがいい。いつでも過去の発言を参照することができる。何が真実であるかをENTPに突きつける。ENTPがそれを認めるかどうかは、どれほど彼らが堕落しているかによる。その場で責任を負うか、嘘を重ねるかのどちらかである。ただし、あなたが間違っている場合、ENTPは忠誠心を失うことになる。社会は人々が真の自分であることを許さないので、ENTPは95%の人間に対してマスクを着用しなければならない。

日本はNT国家なので、ENTPにも評価される機会があるが、世界的にはSJが多数派である。ENTPは情報提供型なので、いずれにしても率直ではないが、婉曲表現には注意しなければならない。大抵の場合、それは嘘である。しかし生き残る為には、それしか選択肢がないと思うのかもしれない。目的は常に手段を正当化するので、人の気分を良くするためには嘘を吐く必要がある。ただしENTPのFiトリックスターは、何が良いことなのか区別することに苦労する。彼らが良いと思ったことは、本当に良いことではない。

この欺瞞に対処する別の方法は、ENTPを快適にすることである。彼らを快適にすることで、ENTPはマスクを外して本来の自分に戻る。問題は、ENTPは誰も信用していないため、その状態に至るまで時間がかかることである。これが彼らがNTJと上手くいく理由である。NTJは事実と真実を望んでおり、ENTPは彼らにそれを提供できる。ENTJはENTPの考えを知った上で自分の望みを伝え、二人は友達になる。そしてNTJはENTPの話を喜んで聞くため、ENTPは永遠に彼らに忠実であることができる。ENTPはNTJから受け取る経験を愛している。ENTPが真実を語れるタイプは、基本的にNTだけである。

INTPは他人が自分についてどう感じるかを気にしないので、マスクを着用しない。成長するにつれてやることもあるが、通常は遅い。ENTPは他の人と居る時にはそうしなければならないことを学ぶ。公共の場では、ENTPは欺瞞のマスクを被っている。彼らは真実を語ることで、他の人々に疎外されて、孤独に陥ることを恐れている。そしてマスクを被ることに慣れて、その欺瞞と一体化する。劣等Siはそれを蓄積した末に堕落して、嘘そのものとして生きていくことになる。だからこそ、ENTPはNTJを人生に受け入れる必要がある。ENTPは自由に真実を語るスペースを手に入れ、NTJはそれに喜んで耳を傾ける。互いの存在に感謝する、そんな美しい関係がどこかにあるかもしれない。