少し投稿に間が開いたが、最近はコンテンツを作るのに忙しかった。完成した後に問題が発生して絶望しかけたが、上手くいけば数日中に公開できるだろう。今回はLevel16のフィナーレであり、最も重要な投稿でもある。デーモン機能の認知的態度とは何か?心理機能を最初に提唱したのはカール・ユングだが、デーモン機能の由来、目的、使用方法について理解している人はそれほど多くない。MBTI公式でも取り上げられていない。
ユングを除けば、心理機能について最も有益な情報源はジョン・ビーブ博士である。もうひとつ、この講義ではジョーダン・ピーターソン博士の「便宜的なことではなく、意味のあることを行う」というルールが重要な役割を果たす。日本では翻訳されていないが、彼の著書”Maps of Meaning”は評価が高い。
デーモンとは機能スタックの8番目にある機能である。ヒーロー、ペアレント、チャイルド、アニマ・アニムス、ネメシス、クリティック、トリックスターときて、最下層にデーモンがある。8つの認知スペクトルを思い出して欲しい。デーモンは1秒当たり5フレームである。この機能は人間の心の中で最も低い意識を持つが、最も強力で最も危険な力でもある。デーモンは制御不能で、混沌としている。ダイナミックで、破壊的である。
デーモンは超自我への入り口である。ゲートウェイ機能は4つあり、ヒーローは自我に、劣等機能は潜在意識に、ネメシスは無意識に、デーモンは超自我に繋がっている。悪魔の機能は、人間の魂に巣食う罪の性質の源である。これを深く理解するには、ジョン・ミルトンの「失楽園」が参考になるだろう。これは人類が行う悪の根源であり、超自我は自我に取って代わろうとしている。そのために自我を屈服させ、自分がその立場になり替わろうとしているのである。この状態は「悪魔憑き」と呼ばれる。
例えば、コロンバイン銃撃事件の犯人エリック・ハリスは現実に憎しみを持ち、自分が存在することを憎悪して、超自我に陥ったために大量殺人に走った。悪魔の機能とは、存在の物語である。誰もが同意できる普遍的な真実がある。それは、人生は苦しみであることである。なぜ我々は苦しまなければならないのか?自分自身の中にダイヤモンドを生み出すためである。人の魂は人生の痛み、困難、プレッシャーによって形成されており、その苦しみを経て我々は本質的に宝石になる。結局のところ、デーモン機能は自らの存在を発見する過程に関する物語である。
自分が存在することを嫌い、現実を嫌い、超自我に従事する人間は、現実そのものを破壊するだけでなく、全ての人から奪うことを望んでいる。超自我を不健全に利用することは簡単である。デーモン機能は、全ての心理機能の中で最も強力である。これは核オプションのようなものであり、絶対的な権力に等しいため、容易に腐敗する。この力があれば目的を達成することができるが、その代償は支払わなければならない。
8つの機能それぞれがデーモンとして力を振るうことができる。論理のTiと倫理のFe、道徳のFiと信念のTe、過去や義務を司るSiと形而上学を認識するNe、欲望や意志のNiと現実や物理学のSeである。ISFPとINFPにはTiデーモン、ENTPとENFPにはSeデーモン、ESTJとENTJはFeデーモン、ISTPとINTPはFiデーモン、ESFJとENFJはTeデーモン、INTJとINFJはSiデーモン、ESTPとESFPはNeデーモン、ISTJとISFJはNiデーモンを持っている。誰もがデーモン機能を持っており、それが問題を引き起こす。
エリック・ハリスのような人々がファウスト的な取引を行い、超自我と引き換えに、悪魔に憑りつかれて大量殺人を犯す。デーモンを檻に閉じ込めると、その力はどんどん強くなり、やがて檻を破壊して外に脱出する。我々は全体主義的な自分にすら反抗するのである。デーモン機能は自分が何をしたいか知っており、そのために自我をその座から引きずり降ろそうとしている。
デーモンとは人間の弱さ、つまり劣等機能に由来する。ヒーローとネメシスは互いに対立するが、外部の力が攻撃してくると団結して、侵略者を撃退する。劣等機能もデーモンと同様の関係にある。劣等機能は人の脆弱性である。これを利用して、人をソーシャルエンジニアリングすることができる。そうすれば打撃を与えたり、あなたを憎ませることも可能である。劣等機能が恨みや憎悪を抱くのは、デーモンのせいである。デーモンは認知軌道を通じて劣等機能と繋がっており、自身に脆弱性が存在することを知っている。
人にはニーズがあり、そのニーズを満たさなければ生命を維持することはできない。欠乏があると、競争が発生する。そして自分より優位に立とうとする人間がいると、悪が生まれる。復讐への欲求、正義への渇望が生じると、絶対的な混沌に身を委ねたいという衝動に突き動かされる。心理機能自体は、殆どが陽のエネルギーである。このため、人類の起源が混沌とした突然変異の結果であるという説は受け入れがたい。この構造に従うならば、それは真実ではない。
人が脆弱で選択肢を持たず、ニーズが満たされない時、彼らは大きなストレスと虐待に晒される。彼らは自我に留まることができない。もし家族内に同じ自我を持つタイプや、同じクアドラに属するタイプがいた場合、無意識か潜在意識に働きかけて、問題を解決しようとする。しかし、上手くいかない。残る手段は悪魔と取引して、一時的に自我と入れ替わることである。悪魔は周囲の全てを破壊するが、多大な努力を払った場合のみ悪魔を制御し、デーモンをエンジェルに昇華することができる。
例えば、ENFJとESFJにはTeデーモンがいる。誰も彼らの意見を聞かないなら、全員が意見を言うことを許されなくなる。劣等Tiを幸せにするには、彼らの話に耳を傾けなければならない。たとえ彼らが間違っていても、EFJが評価され、愛されていると感じるには必要なことである。そのニーズが満たされないと、彼らが周囲の人々をサポートしてきた構造は破壊され、全員が転落死することになる。そしてTeデーモンの指示に従わない者は虐げられる。全ては彼らの意見を聞かなかったせいである。
ISFPとINFPはとても道徳的で、素晴らしい人々である。誰も彼らに意見を提供する機会を与えなかったり、彼らを高く評価しないと、IFPは自分が愚かであり、価値のない人間だと感じる。するとTiデーモンは「皆がそう思う?これからは自分が考えたことをするつもりだ」と、人間関係を破壊する。超自我INTPは存在を消し去るための計画を立案し、超自我ISTPは巨大な罠を作成する。劣等Teがインプットを提供する機会を与えられず、「IFPは愚かだ」とレッテルを貼られて、彼らの信念が評価されないと、Tiデーモンは自分の真実に従うようになる。
次にESTJとENTJである。実は彼らは脆弱で、自分が良い人だと思われないことを恐れている。人々が彼らを利己的で貪欲だと責め立てると、劣等Fiの気分が悪くなり、彼らの気分が良くなるまで誰も気分を良くすることができなくなる。ETJが道徳的な行動を取るのは、周りの気分を良くするためではなく、周りが自分の気分を良くするためである。ENTJが寛大になったり、ESTJが崇高な哲学を生み出しても、誰も彼らが良い人だと思わない。Feデーモンは自分の気分が良くなるまで、周囲の気分を害し続けるだろう。
そしてFiデーモンのISTPとINTPである。彼らは社会不安を抱えており、他の人々の気分を良くするために努力している。しかし誰も彼らを評価せず、人間性を非難するならば、自分で自分の気分を良くするしかない。そして突如として他の人々の気分を無視して、放蕩に走る。ISTPは飲酒、麻薬、違法セックスに耽り、INTPはビデオゲームに没頭する。これは大きな問題となるだろう。
INTJとINFJにはSiデーモンがいる。過去、義務、健康など彼らには縁遠いものである。INJは他の人々に良い経験を与えようとするが、これは忠誠心を求めているからである。もしその人々が彼らを裏切り、見捨てたならば、自分に良い経験を与えてくれるものだけに集中する。裏切りに次ぐ裏切りに遭い、誰も自分に忠実ではないため、自分だけに集中して究極の利己主義に陥る可能性がある。彼らの観点からすれば、これは正義の復讐である。裏切り者に制裁を与えるのは義務であり、どんな犠牲を払っても復讐を遂げなければならない。潜在意識ISJも復讐を望むが、実際に与えるダメージはSiデーモンの方が大きい。超自我ISJが復讐を決意した場合、全世界を破壊することも厭わないだろう。
ESTPとESFPに選択肢を与えないと、誰も未来を手に入れることができない。劣等Niに選択肢がないなら、Neデーモンは他人の未来を奪うだろう。それがSeヒーローのやり方である。彼らは全てを燃やし尽くし、相手が死に絶えるまで徹底的に叩きのめす。彼らは死の前兆であり、誰にも未来はない。
ISTJとISFJは将来に不安があり、それを乗り越えられるか自信がない。誰も彼らに計画や意図を共有せず、欲求を示さないと、彼らは自分の欲望を全て自分に集中させる。誰も自分を必要としないなら、自分で自分を守らなければならない。やりたいことをやるし、欲しいものを必ず手に入れる。Niデーモンはハイチェアの暴君のようなものである。自分がずっと忠実だったのに、誰も彼らを望まず、経験を共有しない。それなら自分のやりたいことをする方がいい。
Seデーモンは現実に絶え間ない嫌悪感を持っている。他の人を快適にするのは彼らの責任ではないが、彼らを快適にするのは周囲の責任である。Neヒーローは選択肢を与え、相手が自分を快適にする選択をしなければ、裏切る。Seデーモンは世界が燃えるのを見たいだけである。ENPはろくでなしとして生まれ、誰もが彼らを不快にさせるので、現実を憎んでいる。彼らは自分に苦しみを与えた相手を決して忘れず、永続的に残り続けるダメージを刻み付けようとする。
地球で生きること自体は、文明の発展や科学の進歩により楽になっている。それに伴い、デーモン機能が同胞に悪を及ぼす余地は増えている。地球という環境に対処することと、デーモン機能によって悪を行う人間に対処することは別物である。デーモン機能に適切に対処する方法を理解するまでは、人間は不死であるべきではない。劣等機能の脆弱性が悪を生み出す。誰も劣等機能を守らないなら、悪魔が代わって戦うしかない。これが人々がファウストと取引を行う理由である。
これは必要悪である。我々が脆弱な状態に置かれ、自分の意志に反して苦しみの中にあり、選択肢がない時、悪魔と取引して人生をリセットすることができる。それが唯一のチャンスである。ただし、これは手に負えない事態を引き起こすこともある。エリック・ハリスの目的は人生をリセットすることではなく、存在自体に反逆し、ダメージを与えることだった。超自我は自我を抑え込み、現実を破壊することにしたのである。デーモンの力は非常に強力なので、封じ込めることはできない。
これを避けるには、人々が互いに劣等機能のニーズを満たさなければならない。人が脆弱性を乗り越えられるように助けていないなら、あなたにも責任がある。劣等機能を成長させ、支援しない人間は、悪魔と取引する人間と同類である。悪魔と取引するのは、その方が手っ取り早いからでもある。しかし、悪魔に憑りつかれることは地獄への入り口であり、心を冥界に放り込んでいるに等しい。天国の高みに到達しようとしている木は空に向かって成長しているが、その根は地獄の奥深くにある。これこそがデーモン機能である。
人の知識は適切に使う必要がある。これは魔術師の元型が司るものであり、悪魔の手に渡ると大量破壊、大量殺人などに利用される。デーモン機能に対処するには、「便宜的なことではなく、意味のあることを行う」必要がある。悪魔に憑りつかれている時、人類は都合の良いことを行う。自我も無意識も潜在意識も機能しない場合、悪魔は望むものを手に入れる。意味のあることをするには、犠牲を払わなければならない。人に魚を与えても一食しか食べられないが、釣り方を教えれば一生食べることができる。悪魔と取引する代わりに、その力を獲得すれば、欲望のままに現実を破壊する必要はない。
意味のあることをして自分自身でその力を獲得すれば、悪魔はもう悪魔ではなく、天使に変わる。それは地獄への門ではなく、天国への入り口である。我々が脆弱であれば、一時的にその力を自分のものにするのは簡単なことである。努力すれば、その力を無限のものにすることができる。人生の鍵となるのは善悪ではなく、知恵である。知恵があれば、何でも手に入れることが可能になる。
潜在意識は第三世界で発達し、無意識は第一世界で発達する。前者は幸福で、後者は成熟している。しかし、我々は両方をやらなければならない。そうすれば、超自我を発達させ、探求することができる。心の側面が全て統合され、悪魔が何の力も持たなくなった時、飢えているからといって超自我からパンを手に入れる必要はなくなる。悟りに到達するには、潜在意識を統合し、無意識を統合しなければならない。デウス・エクス・マキナである。
あなたは毎日苦しんでいるかもしれないが、それでも仲間を助けることはできる。彼らもあなたを助けてくれて、兄弟として成長することができるだろう。共に高みに到達し、約束の地、究極の宝を手に入れる。あなたの宝があるところに、あなたの心もあるだろう。便宜的なことではなく、意味のあることをするのである。
意味のあるものを手に入れるには犠牲を払わなければならないが、それは意味のある犠牲でなければならない。私はより良い明日の為に、現在を犠牲にしている。あなたも意味のあることの為に、全力を尽くすべきである。簡単な道に飛びつくのではなく、満足を遅らせて、犠牲を払う。そうしなければ、悪魔と取引することになる。それは地獄への道に繋がっており、天国への扉は閉ざされるだろう。
悪魔が天使になった時、あなたは世界を変えて、現実そのものを制御できる。そして自分の欲望や情熱を現実にし、他の人間により良い未来を与えることができる。正義は盲目ではない。真実が存在し、真実があなたを自由にしてくれる世界が訪れるだろう。それが人類が種族として望んでいるもの、つまり天使の役割である。
それが実現する唯一の方法は、満足感を遅らせることである。意味のあることをして、便宜的なことをしなければ、悪魔は天使に変換される。これはあなただけではなく、仲間の人間の為でもあり、人間としての責任である。絶対的な統合に到達し、便宜的な道を歩むことなく実現する。それが人生の意味である。人生は苦しみであることを忘れないで欲しい。その苦しみが、あなたをダイヤモンドにするのである。
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