今回からはスタータータイプの美徳と悪徳を紹介する。物事を終わらせるのが難しい、あのスタータータイプである。彼らは情報提供・開始・行動の特性を持つ。最初はESFJである。伝統主義者、保護者に所属しており、過去に基づいた義務を果たす。彼らは思いやりがあるように振る舞い、非常に忠実である。ESFJは女性的なタイプとして知られている。
ESFJの美徳と悪徳は少し複雑である。彼らの美徳は思いやりだが、悪徳は世話焼きである。おそらくESFJは全てのタイプの中で最も思いやりがあり、最も自己犠牲的である。そのせいで、彼らは巨大な玄関マットになる可能性がある。潜在意識ESFJを持つINTPも玄関マットとして扱われがちである。
なぜ思いやりが重要なのか?それは秘密契約と呼ばれるもののせいである。秘密契約とは、「自分が○○したら、あなたも○○してくれる」という期待である。その期待を伝えないことで、潜在的な問題が発生する可能性がある。ロバート・グラバー博士は「ナイスガイ症候群」の中で、この秘密契約の操作性について語っている。女性であっても、この本を読めばナイスガイの対処法を学ぶことができるだろう。
ESFJは非常に献身的で、見返りを期待せずに助けを提供する。たとえ子供がいなくても、彼らは他人の子供の世話をすることができる。あるいは、夕食に招待されたら、言われなくても皿洗いを始めるだろう。ESFJはサポーターとして、過去に焦点を当てた義務として支援を提供する。もし誰かがESFJから他人を支援する役割を奪い、美徳を発揮する機会を与えなかったら、彼らはその人物を憎むだろう。
ENFJがいたら、彼らはESFJに先んじて皿洗いを始めるだろう。ESFJは他人のための善行を通じて自分の価値を引き出すため、その役割を取り上げられると気分が悪くなり、苛々してしまう。皿洗いができないと、彼らは罪悪感を覚える。支援ができなくなると、悪徳の世話焼きが発動する。これはESFJが得るために与える行為である。彼らは見返りとして何かを期待しつつ、それを行っているが、期待していることを口にはしない。そして期待通りの報酬が得られないと激怒する。これは支援ではない。彼らは何かを得るために世話焼きをしているのである。これは問題を引き起こす。
ESFJには要注意である。彼らは支援を提供してくるが、どのような条件が付いているか不明瞭である。それが支援なのか世話焼きなのか、我々には区別がつかない。ESFJの支援を上回り、思いやりゲームで勝利した場合、彼らの意図は白日の下に晒される。ESFJには特有の気遣いがある。ISFJもこれを行うが、ESFJほどではない。ESFJは他人に社会的ルールを強制する。家族の伝統行事に出席することを嫌がる娘がいたとしたら、ESFJは車を買い、「義務を果たすならこれに乗っていいよ」と言うだろう。義務を果たさなければ、車は取り上げられる。文字通りグランド・セフト・オートの世界である。
ESFJの世話焼きは深刻な問題になる可能性がある。彼らの支援が世話焼きであることを察知したら、高い所に逃げて欲しい。次に何が起こるかわからないので、注意を怠ってはならない。ESFJと関係を持っている場合、悪徳の世話焼きを通じてコントロールすることを許すべきではない。彼らは何かを得るために世話を焼いており、実際に世話を焼きたくて焼いているわけではない。それは秘密の契約であり、操作であり、支配である。
ロバート・グラバー博士は「ナイスガイ症候群」の中で、ESFJのような問題を抱えた男性について指摘している。彼らは男性ではなく女性の承認を勝ち取ることを重視しており、結婚した女性を秘密の契約で操作する。これがESFJのやり方である。彼らは他のどのタイプよりも、世話焼きを通じて人々を操作する手管に長けている。これが彼らの悪徳である。
したがって、ESFJには節度を守って支援してもらいたいところである。彼らはSiペアレントであるため、義務を負わせなければならない。彼らにそうしたいと思わせることはほぼ不可能である。それが義務であることを要求する他に術はない。「これが境界線であり、これが基準だ」と伝えなければならない。彼らを快適にさせ、自分が望んでいることを伝え、周りの人々がどうして欲しいか情報を与える必要がある。そうすることで、ESFJはもっと思いやりを持ち、世話焼きではなく支援することに興味を持つだろう。世話焼きには他の理由もある。ESFJがいつも同じ人々の周りにいるのは、彼らが孤独を苦手としており、世話を焼くことで人々を自分の周りに留めておけるからである。
これは彼らが人々をコントロールし、操り人形のように人々を近づけようとする方法のひとつである。ESFJは周囲に人々を必要としており、世話を焼くことで自分の価値を引き出すために、世話焼きの対象を集めなければならない。周りに気にかける人々がいないと、孤独を感じ、自分には価値が無いような気がして、落ち込んでしまう。この悪徳は、彼らが人々を周囲に留めておくための手段である。ESFJはマリオネットのように人を操る。ESFJを悪徳から遠ざけ、美徳を保ちたいと思ったら、常に彼らを膨大な知人の目前に晒す必要がある。家族内の狭い空間にいると、世話焼きで窒息させられる。これがESFPとISFPがESFJとの関係で優れている点である。彼らは非常に社交的である。ISFPはバックグラウンドタイプで内向的だが、エネルギーがあれば社交的になることができる。ESFPは言うまでもなく、新しい人々に定期的に自分を晒している。
ESFJはその波に乗って、気を配ることができる大勢の新しい人々に出会うことができる。彼らにとって、その人物たちがどのような人々であるかは関係ない。彼らがコントロールできる範囲を超えた数の人々に囲まれれば、ESFJは悪徳を発揮する余地がなくなる。くれぐれも彼らの世話焼きの対象にならないように、気を付けて欲しい。
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