今回からは心理機能の認知的態度について共有する。Level16となるとかなり話が進んでいる印象を受けるが、実際にはまだ初級レベルである。次のシリーズからは中級レベルに入る予定である。

認知的態度とは何か?各心理機能には、ヒーロー、ペアレント、チャイルド、アニマ・アニムス、ネメシス、クリティック、トリックスター、デーモンという8つの認知的態度がある。これらの心理機能は機能順列だけでなく、どのような態度を持つかも表している。これらを考案したのはジョン・ビーブ博士である。心理機能には英雄から悪魔まで、異なる8つの態度がある。今回は自我の頂点にあるヒーロー機能に焦点を当てる。

ヒーロー機能はゲートウェイ機能でもあり、心の最初の側面への入り口である。心の4つの側面のうち、自我は最初の側面である。心理機能が実際にどのように形成され、誕生するかは次のシリーズで話す予定だが、まずは認知的態度について理解してもらう。ヒーロー機能は自我へのゲートウェイ機能であり、劣等機能は潜在意識へのゲートウェイ機能である。そしてネメシスが無意識への入り口、デーモンが超自我への入り口となる。

ISTJとISFJにはSiヒーローがあり、ESTPとESFPにはSeヒーローがある。INTJとINFJにはNiヒーローがあり、ENTPとENFPにはNeヒーローがある。ISFPとINFPにはFiヒーローがあり、非常に道徳的であると同時に、非常に自己中心的である。ESFJとENFJには思いやりのあるFeヒーローがあり、INTPとISTPにはTiヒーローがあるので誰よりも賢い。そしてESTJとENTJはTeヒーローによって財務管理を巧みに行い、何らかの理由で組織化を指示する権限があると信じている。これが8つのヒーロー機能である。

内向的感覚は過去の長期記憶にアクセスし、外向的感覚は短期記憶にアクセスする。Siヒーローは信念、名誉、義務、規律、忠誠心を身上とし、断固たる忠誠心を持ち、生き延びて復讐の機会を何十年も待つことを厭わない。このSiの特性を描いた作品が「モンテ・クリスト伯」である。外向的感覚は物理的・身体的認識であり、機械的な力の感覚に由来する。内向的直観は個人の未来であり、最善の道を指し示す。人々の将来に関する形而上学的認識を行うのは外向的直観である。Niは自身の運命を予知するのに対し、Neは他人の運命を予測する。

これらの知覚機能は、情報を収集する。意志決定を行うのは、判断機能である。Fiユーザーは道徳的で、Feユーザーは倫理的である。違いは何か?何が良いか悪いか決定するにあたって、個人主義なのがFi、集団主義なのがFeである。同じことが論理に関しても言える。Teユーザーは理論的根拠をもって何らかの信念を抱くことができる。皆が信じていることを自分も信じる方が、合理的だからである。彼らは皆が何を信じているのか、事実を知りたがる。

ヒーロー機能は、人に英雄的なエネルギーを与える。例えばESTJは自分の信念において、非常に英雄的である。ISTPは論理的思考でリードする。ISTJやISFJは信念、義務、忠誠心においてリーダーシップを発揮し、ESFJやENFJは倫理的に他者への配慮を主導する。ISFPやINFPは道徳原則に基づいて人々を指導する。ヒーロー機能は、その人物が最も能力を発揮できる場所である。それは人が最も自信を持ち、最もスキルを高め、最も快適な場所でもある。この機能を使用するのに、精神的エネルギーは殆ど費やさない。主観的には、1秒あたり100フレームの認識である。

ヒーロー機能は、挑戦するのが最も困難な機能である。特に内向機能の場合、非常に難しい。例えば、外向的直観は他の人々の運命を予測し、彼らの運命を変えることを好む。彼らは必要に応じて、他人の未来を調整することができるが、NeヒーローがNiヒーローに対峙した場合、運命を変えられるのはNiヒーローが許可した時のみである。同様に外向的感覚はSiユーザーに感覚を与え、彼らの魂に消えない印を刻み付ける。こうして周囲の人々の忠誠心を獲得するが、SiヒーローがSeヒーローに忠誠を捧げるかは選択次第である。ソース機能は常に消費機能を上回る。開始と応答の場合、応答する側がソースである。つまり、権力は応答者の手中にある。外向機能が内向機能と対立すると、内向機能が勝利する可能性が高い。内向機能は他の機能に従うかどうか選択できる。

ヒーローは最も自信があり、有能な機能だが、問題を解決するのに十分ではない場合もある。Tiヒーローに膨大な統計分析を処理させようとしても、上手くいかないだろう。彼らは細分化した真偽の判定を好む。これに向いているのはTeヒーローである。彼らは複数の真偽を、多数決のルールを使ってひとつにまとめることができる。同様に、NeヒーローがNiヒーローに膨大な選択肢を提供しても、Niヒーローはうんざりする。SeヒーローがSiヒーローにあまりにも多くの義務を課せば、彼らは耐えきれず忠誠心を失うだろう。

ヒーロー機能は劣等機能とリンクしている。ヒーロー機能に起こることは、軸の反対側にある劣等機能にも必ず起こる。例えば、Siヒーローは劣等Neとリンクしているため、他人の意図を恐れている。したがって、あなたが自分の意図を説明しないと、Siヒーローは不快になり、義務を拒否するだろう。ヒーローは極めて強力で有能なため、時に悪役に立ち向かうが、常に勝利できるわけではない。すると心の別の側面に移行したり、ペアレントに移動することがある。しかし心の別の側面、自我、無意識、潜在意識が問題解決に失敗した場合、超自我が全てを焼き尽くすことになる。いつもデーモンを召喚する必要はないが、それは起こり得る。

ヒーロー機能は仲間のヒーローとチームを組む必要がある。そうすれば皆で力を合わせて、問題を解決することができる。同じ志を持つ人々で団結して共通の目標を目指せば、不可能なことは何もない。人間は全員パズルのピースであり、これらのピースを合わせて巨大なパズルを完成させることができる。潜在的に世界を変える可能性がある。ヒーローたちは問題を解決するために、団結する必要がある。同じ機能のヒーローからは、自分のヒーローをより良く使う方法を学ぶことができる。Tiヒーローは極めて賢く、何でも処理できる巨大なCPUを持っている。Neヒーローは先見の明があり、他者の運命を操作して変化させることができる。Niが低い位置にある人物の運命を読むのは難しいが、以前にそうした人物と接した経験があれば可能である。ヒーローが問題に取り組むために必要な追加情報は、劣等機能に依存する。繰り返すが、ここで話しているのは英雄から悪魔の各心理機能の態度である。「その先」を見たい人は次のシリーズを待ってもらいたい。