今回からはLevel22、各タイプの認知的移行について紹介していく。第一回は監督者ESTJである。彼らのインタラクション・スタイルはイン・チャージ、つまり構造を提供するか、構造を利用して主導権を握り、中間管理が非常に得意である。彼らは物事を制御下に置き、可能な限り混乱を減らす。
彼らの美徳は静寂、悪徳は混沌である。物事を制御できず、自制心を失うと、彼らは混沌の真っただ中に突き落とされる。中間管理職として励むESTJは優秀である。彼らは何をすべきか指示されることを望んでいる。何をすべきか知るためには、相手の望みを知る必要がある。
ESTJは自分の評判を真剣に受け止めており、人々に高く評価してもらいたいと思っている。しかし自分自身に対する感情には敏感である。時には自分が悪い人間ではないかという不安に襲われる。SJ気質の人々には、何らかの基盤を提供することが重要である。彼らはシステムの観点から正しいことを行うことを好む。その正しさは過去に基づいた義務を基準として決定される。
彼らは非常に具体的なので、現実に焦点を当てている。NeチャイルドはESTJを抽象的に見せることもあるが、実際には状況そのものが焦点である。彼らの心には自我、無意識、潜在意識、超自我の4つの側面があるが、同時に4人の異なる人間が存在しているようなものである。涅槃や悟りに到達するには、4つの側面全てを統合する必要がある。そうすれば完全な調和が得られ、いかなる形の自己葛藤も消滅する。これは自分自身と調和し、内なる平和を得ることである。
これは心の4つの側面が互いに衝突しなくなることである。それはあなた自身が、意志と理由を問わず、心の4つの側面のどれかにアクセスし、その過程で自分や他人に損害を与えることなく、各側面の完全な利益を得る能力を持つことになる。これはどれだけの才能や能力を自分の心から引き出せるかという話である。自我と潜在意識は反対方向への移行である。一方、自我と影は自分と似ているが、やや異なる性質への移行となる。
潜在意識を発達させると、より幸せになり、無意識を発達させると、より成熟する。超自我を発達させれば、罪深さや悪魔らしさが薄れる。神聖になることは、心の中に何も欠けていない状態になるということである。これは常により良い人間であり続ける努力を要するが、完璧であることではない。自分を知り、一貫した成長と改善を求めることが、統合された人間に起こることである。
統合されるには、認知的移行の修練を積む必要がある。常に自我の中にいるのではなく、反対側の心を使う。人々は自分の心を適切に使えていない。SPを見ればわかるが、彼らはスロットマシンの前に座って、何度もボタンを押し続ける。何らかの戦略を立てることはない。ポーカーには戦略と運に加えて、ある種の直感と本能が必要である。SPにはそれが欠けており、スロットマシンのボタンを押す方が快適である。統合された人間なら、そんなことにはならない。
ここからが本題、ESTJの認知的移行である。彼らの潜在意識INFPは非常に哲学的であり、影のISTP、超自我ENFJもある。悪魔モードになると、彼らは絶対に忘れられない教訓を与えようとする。人々、あるいは組織に教訓を植え付け、多くの人々に危害を加えることも厭わない。可能な限り多くの人々を傷つければ、復讐ができたことに自尊心は満足するし、Teとしては数が多ければ多いほど効果的である。
彼らには多くの課題があるが、そのひとつはゲートウェイ機能の開発の結果として、ある時点で発生する。ゲートウェイ機能とは、ヒーロー、劣等機能、ネメシス、デーモンである。最初のヒーロー機能は自我への入り口であり、思春期頃に発達が自然に完了する。ここで自我が固まり、超自我の形成が始まる。だからこの年代に反抗期があるのである。
2番目の劣等機能が発達するにつれて、潜在意識INFPにアクセスできるようになる。ESTJは身体を鍛えてオリンピック選手を目指しつつ、学業に対しても非常に真剣である。これが学校システムがESTJを中心に構築されている理由である。多くの場合、ESTJは理想的な男性と見なされる。しかし彼らは人生を逆さまに生きているという特徴がある。彼らは人生の初めに楽しいことばかり経験するが、中年に差し掛かると全く楽しくなくなる。
彼らは時と共に怠惰になり、見下していた女性的なNTPに使われる立場になる。潜在意識INFPが発達し始めるが、劣等機能の観点から見ると、これは深刻な問題になる可能性がある。劣等機能とは、人の不安感のことである。ESTJは自分の価値に不安を感じ、自分が悪い人間であるように感じ始める。そして自分自身に良いことをするように強いるが、時にやりすぎたり、不十分だったりする。
彼らが成長しなければ中年の危機に陥り、INFPにならざるを得なくなる。そして学問と哲学を重視するようになり、中年期に他分野のトレーニングや職業訓練を受けたり、キャリアを変更したりする。なぜなら、彼らは何をすべきか全くわからないからである。これはESTJにとって一貫した問題である。彼らはどうやってこれに対処し、乗り越えるのだろうか?
ESTJは自分が良い人間であり、多くの人もそう思っている事実を受け入れなければならない。彼らは劣等感を抱きながらも、向上心を持ってINFPの潜在意識にアクセスし、自分の核となる個人的な哲学を発展させる必要性に気づき始める。彼らはソクラテスやプラトン、アリストテレスなどの人文科学の古典を学んでおり、潜在意識INFPの向上心で教授を務める。
もし誰かがESTJを悪人扱いしたら、それは彼らの潜在意識に刻み込まれ、痛みを伴って記憶される。劣等機能を強く攻撃すると、その人の中に憎しみを生み出す。するとその人物は、敵としてあなたの前に立ちふさがることになる。ESTJは自分が良い人であること、人生について十分に知っていること、潜在意識INFPで哲学を構築し受け入れる方法を学んだ後でのみ、認知的移行を進んで行うことができる。
彼らは人々にその哲学を提供することで、有能な学者になり、読んだことに基づいて優秀になれることを知っている。これがTJにとって読書が重要な理由である。問題は、ESTJが全タイプの中で最も怠惰なことである。彼らは自分が怠惰であることを知っている。そのため、周囲の全てが混沌に陥り、何も成し遂げることができない。
そのため彼らの哲学は、人類の成長と変化において有用性を発揮する代わりに、怠惰の言い訳となる。ESTJは人生の初期はスターアスリートであり、後期は素晴らしい哲学者となるが、それ以上のことはできない。都市国家アテネのようなものである。第二のゲートウェイ機能である劣等Fiを発達させれば、人々の考え方を変えるような哲学者となれる。
いずれにせよ、ESTJには別の課題がある。それは第三のゲートウェイ機能であるネメシスから来る心配を克服することである。彼らは自分が十分に賢く、貢献する能力があるかを心配している。このため他の人の考えを調査したり、自分の地位を高めることで心配を補う必要がある。彼らは膨大な出典を見つけなければならないが、それが役に立つとは限らない。
なぜなら、彼らは真実がどうであろうと、一般的な意見に従う可能性が非常に高いからである。10の異なるブログ投稿のうち、同意する人々の数が多い意見を信用する。ESTJでアイン・ランドのオブジェクティビズムを支持する人間は稀であろう。Tiネメシスは何が真実かを心配しているので、膨大な調査を行うが、そこにはリスクもある。しかし、多くのことを学び、多くの情報を吸収して哲学を作り上げていくうちに、彼らは信念を発展させていく。この信念が洗練されていくので、それは真実である可能性が高まる。
そうしてネメシスがヒーローの見方に変わると、彼らは無意識の入り口であるゲートウェイ機能に容易にアクセスできるようになる。これが成熟したESTJと未熟なESTJの違いである。無意識ISTPに健全にアクセスできるESTJは、自分の信念を検証する。彼らは現実を検証し、真実を突き止める。そうすることで核となる対人関係の哲学を発展させることにも貢献する。
何が真実で何が偽りであるかを心配するあまり、彼らは自分の影に囚われてしまうことがある。これは未熟なISTPであり、不正確な行動や潜在的な問題に繋がる。これは間違いなく注意すべきリスクである。ESTJが信念を検証しない場合、それは彼らが未熟なことを意味する。彼らが車いじりをしている時、いくつかの仮定を立てるだろう。それは信念に基づいた修理システムである。それは必ずしも最善でも正確でもない。
このため、彼らは間違いを犯し、多くのタスクを何度もやり直す必要がある。それを避けるには、常に信念や他人の意見を検証することである。そうすれば心配を乗り越えて、TiネメシスはTeヒーローとチームを組んで外部の要因を検証するようになる。誰かが言ったことを額面通り受け取るのではなく、真実だとわかるまで検証するのが、成熟したESTJである。彼らは自分の信念を含め、全てを検証する自己規律を持つ必要がある。それが最初のゲートウェイ機能である。
これは心の他の側面にも相乗効果を生み出す。潜在意識は車の修理や製造にも、優れた哲学を開発できるからである。超自我は全くの別物になる。4番目のゲートウェイ機能はデーモンである。Feデーモンのせいで、人々はESTJを思いやりのない嫌な奴と見なしている。ESTJは部屋の空気を完全に破壊し、居合わせた人々全員にとって深刻な問題を引き起こす。Feデーモンはそんなことを全く気にしない。
劣等Fiを持つタイプは、自分が良いことをしているのに、他人がそれを妨害していると思っている。道徳的な善行を妨げる悪者には、教訓を与えなければならない。これが超自我ENFJの思考パターンである。彼らは詩的な正義の名のもとに、全てを燃やし尽くす。超自我INFJが一対一の制裁を好むのに対し、ESTJが満足するには複数の人間が集団で教訓を学ぶ必要がある。通常、超自我ENFJは集団をターゲットとする。学校システム、教会、組織、ブランドなどを憎しみに任せて破壊し、詩的な正義を実行することで組織のリーダーに教訓を与えたい。
問題はこの正義が行き過ぎており、皆に教訓を与えた結果、誰もいなくなってしまうことである。一夜にして全員が消滅する。超自我ENFJが健全に働くことは歴史上に例が殆どないが、デーモンが天使になると、超自我は自己犠牲的になる。彼らは他人の代わりに詩的な正義を実行する。彼らはこれを意味のある方法で行い、必ずしも便宜的な方法で行うわけではない。これは人々の利益になる方法で実行され、システムや適切な手法に従う。
人が超自我を間違った方法で使用している場合、それは常に便宜的なルートであり、これを適切な方法で機能させなければならない。超自我ENFJの目的は詩的な正義だが、これは思いやりのある方法で行われる。他の誰かの擁護者として、核となる哲学を活用する。それは潜在意識INFPによって提供され、超自我はそれに従って、自分ではなく他人の為に正義を執行する。これは超自我NFJが自己犠牲的になっていることを意味する。
殆どの場合、ESTJは超自我ENFJを他人ではなく自分自身のために使用する。それが違いである。4番目のゲートウェイ機能であるデーモンを開発して、それを天使の機能に変える。これを自分の為ではなく、他人の為に行うことが目標である。これがESTJの認知的移行である。おそらく大半のESTJは自我に留まり、中年の危機を乗り越えられずに、中間管理職として一生を終えるだろう。ぜひ認知的移行を活用して、人生を切り開いてもらいたい。
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