今回はESFJの認知的移行について解説していくが、簡単にESFJがどんなタイプかおさらいすると、彼らは間接的、または遠回しに情報提供することを好む。彼らは常に人々に何が欲しいか話しかけており、率先して行動するが、必ずしも具体的な成果を挙げられるわけではない。
ESFJはSJ気質で、常に過去に基づいて義務を果たす。彼らに何を望んでいるか訊ねると、ヘッドライトに照らされた鹿のような顔をする。ESFJの多くは消防救助に興味があり、非常に伝統的なので、性別の役割に固執する。SJ気質はとても具体的で地に足がついているが、現状が気に入らないと文句を言う。ISTJは率直に文句を言うのに対し、ESFJは遠回しな小言になる。ESFJは全てのタイプの中で、最も口うるさい。
この小言を必要とするのがSFPである。率直にやるべきことを伝えられても、SFPは忘れてしまう。絶え間なく小言で追い立てられることで、彼らは常に何をやればいいか教えてもらうことができる。
ESFJは非常に協力的で、義務感に溢れ、思いやりがある。彼らの美徳は支援、悪徳は世話焼きである。彼らはあなたに支援したこと全てを記憶しており、その借りを返してもらうことを期待している。これは秘密契約であり、操作である。十字軍タイプは全てこれを行うが、ESFJに対してできることはあまりない。秘密契約は玄関マットになることを防ぐ、防衛メカニズムのようなものである。
FJは与えすぎてしまうことがあり、特にESFJは自分の話を聞いてもらえない時に、その苦々しさが表に出る。彼らは他の人に自分の話を聞かせるが、自分は誰の話も聞かないので、学習することができない。話を聞いてもらうことは、あなたがESFJを気にかけている具体的な証拠である。場合によっては、Seクリティックが相手の意志に反して、彼らの話を聞くように強制する。そしてSiペアレントは、皆が自分の話を聞くことを当然だと思うようになる。それが習慣になってしまうからである。
これが家庭内にESFJと社会的互換性が高いタイプがいるといい理由である。なぜなら、そのタイプはデフォルトでESFJの言うことを聞かないからである。それはESFJを鋭敏に保ち、快適ゾーンに陥ることを防ぐ。相手が常にESFJの話を聞いていると、ESFJの言うことに従う以外に、選択の余地がなくなる。ESFJは学ぶことをやめ、自分が部屋の中で最も賢い人間だと信じ始める。多くの人はそれを理解していない。
ESFJは具体的で、常に正しいことをしようとする。これは家族中心主義として現れる。正直なところ、彼らが正しいことに集中し過ぎると、何も成し遂げられない。潜在意識INTPで実用的になろうとすれば上手くいくが、彼らはそのために正しいことを犠牲にしたくない。大抵の人間は周りの人々にとって正しいことが最も重要である。
Feヒーローが望んでいるのは、話を聞いてもらうことだけである。そうすれば、部屋の中で最も賢い人間だと感じられる。問題は、そのために他の全員が犠牲になることである。ENFJもそのニーズがあるが、ESFJは長期記憶にアクセスして、過去の全てを思い出すことができる。ESFJは全てのタイプの中で最も長命である。彼らはあなたが話を聞かなかったことも覚えている。
ここで話しているのは心の4つの側面であり、MBTIではない。心には自我、潜在意識、影、超自我がある。自我は意思決定における主な思考と感情、潜在意識はなりたいと願う姿、無意識は知恵を得て成熟する方法、超自我は邪悪な人間状態の源である。まずヒーローが形成され、次にチャイルド、劣等機能が続く。最後にペアレントが発達する。これは思春期までに形成されるはずだが、多くの人は認知ループと呼ばれるものに陥ってしまう。
これについてはObjective Personalityが詳しく話している。ここでの認知ループとは、ペアレントが未発達の場合、ヒーローとチャイルドも未発達になることである。これらは楽観的な機能なので、ペアレントに由来する悲観主義や皮肉を得られない。そしてFeヒーローとNeチャイルドが玄関マットになり、世界で最も優れたESFJが誕生する。ESFJにはSiペアレントの自己規律が必要である。
自制心がなければ、ESFJはただただ相手が望むものを与え、満足させることに集中する。ESFJは見返りに何も得られない。彼らは構造型でもあり、物事を最善の方法で行いたがる。動機型は自分の利益にならないことはしないが、ESFJは自己規律を身につけないと玄関マットになってしまう。ESFJは劣等Tiを使って、恐れずに真実を伝えなければならない。情報提供型で構造型の彼らにとっては、難しいことである。
ESFJは人生を通じて試行錯誤を繰り返し、何度も利用され、SJバイアスを乗り越えて変化を遂げなければならない。自我には大きな課題があるが、心の他の側面にも課題がある。それについてはLevel19を参照してもらいたい。ESFJが潜在意識や無意識に移行するには、様々な方法がある。どの側面にも、混沌とした移行と秩序ある移行がある。
心には4つのゲートウェイがあり、ヒーローはデフォルトで自我に移行する。劣等Tiは潜在意識、Fiネメシスは無意識、Teデーモンは超自我へのゲートウェイである。ストレス、恐怖、心配などは混沌とした移行を引き起こす。Feヒーローが貢献を称賛されると、ポジティブな移行が起こる。MBTIでは1つのタイプしか許されないが、それは真実ではない。一人格で全ての問題を解決することはできず、したがって二次的、三次的プロセスが存在する。これは問題解決だけではなく、個人の成長にも使われる。
ESFJが幸せになるには、潜在意識INTPに移行しなければならない。その場合、彼らは聡明さで一、二を争う。ライバルはINFPである。INFPは情報を吸収し、パターンを作成して、アレクサンドリア図書館として吐き出す。ESFJは優秀な物理学者やエンジニアになれるが、軍隊や消防士に適性がなかったので、その道に進むことが多い。そうすれば人々は自分の話に耳を傾けてくれるだろうと期待している。
その役に打ってつけなのがISFPである。劣等Teは誰の話にも熱心に耳を傾けるが、常に自分の意見を述べるわけではない。ESFJはISFPの意見を聞き、より良い決定を下す。ESFJが人の話を聞こうとするのは、健全な状態である。しかし時には、誰も自分の話を聞かず、誰もが自分を馬鹿だと感じているように思い込み、Siで苦々しい思いをする。そこでSJの協調性と強引さを利用して、他人に自分の言うことを聞かせようとする。彼らが間違っていても、ESFJは気にしない。フィードバックの機会すら与えないだろう。
話を聞いてもらえないことを恐れるあまり、Seクリティックは強硬手段に出る。ESFJに「お前は馬鹿だ」と言うことはお勧めしない。不健全なESFJは自分の快適さだけを重視し、自分の考えを押し付けるが、他人の話は聞かない。健全な場合、彼らはオープンである。INTPは自分が賢いことをわかっているので、話を聞くことを強制しない。Siが未発達だと、既知の情報しかインプットを受け付けないが、潜在意識INTPは好奇心旺盛で、新しいアイデアにオープンである。
ESFJは現実から目を背けず、心を開かなければならない。馴染みのあるものは、軽蔑を生む。あなたは他人を軽蔑し、あなたと結婚したSPを軽蔑するだろう。快適ゾーンから出て、馴染みのないアイデアを受け入れることが、潜在意識INTPを発達させるカギである。ESFJ自身がINTPと結婚することは、最悪の結果を生む。彼らは協調的に学士号を取得し、自分が世界で一番賢いと思って、学ぶことをやめる。劣等Tiは無知になり、その無知を周囲の人々に強制し始める。
馴染みのない考えは、安全や快適を脅かす。ESFJに新しい考えを披露し続けると、無意識ISFPは激怒して、Seクリティックで暴力に走るだろう。INTPがESFJと結婚した場合、正常性バイアスでそれに慣れてしまう。十字軍の正常性バイアスと馴れ合いコンプレックスは、玄関マット効果を生み出す。ESFJは甲羅の中に閉じこもった亀よろしく、馴染みのない考えに屈服せず、既知のものに固執した結果、軽蔑と共に一生を生きる。
それがESFJの人生である。彼らは苦々しい思いをしているが、それに気づいていない。だから彼らを見捨て、誰もESFJの考えを評価しておらず、誰もESFJを望んでいないことを知らせる必要がある。そこで初めて、彼らは自分の考え方を変える必要がある事実に思い至る。優秀なESFJなら、新しい考えを話し、実験をして、素晴らしい物理学者になるので、その問題はない。
Fiネメシスは無意識へ移行するゲートウェイである。ESFJは自分の価値について心配している。自分が知的に貢献できないことも恐れているが、自分の価値について心配するあまり、玄関マットになるリスクがある。彼らがテレビの話ばかりするのは、そうするのが良いことだからである。一人だけネットの話をするのは悪い人である。そして馴染みのあるテレビ番組の話でエコーチェンバー現象を作り上げる。
このためFeヒーローは家族の一員として、常に期待以上の働きをしてくれる。家族に別のFeヒーローがいると、二人は鋭敏な状態を保ち、お互いに家族に貢献する機会を奪い合う。片方が貢献すればするほど、もう片方は悪い人になる。ESFJは罪悪感を覚え、無価値観に苦しむだろう。その仕返しに、Seクリティックは無知を強制する。彼らはN型の意志に反して、具体的な世界を強要することができる。
それは良い前兆ではないが、無意識ISFPには起こり得る。ESFJは以前の貢献を思い出すことができるが、ENFJは忘れてしまうので、心配は酷くなる。いずれにしろ、彼らが十分に認められなければ、ESFJは過去の貢献を武器として使う。秘密契約の出番である。ESFJは自分が特別だと感じる機会を持ちたいのである。Fiネメシスは人から認められたり、感謝された時に、自分が特別だという具体的な証拠を得て、不安を乗り越える助けとなる。
ESFJが十分に感謝され、自分の価値について心配しなくなると、彼らは賢くなる。自分に感謝してくれる人が沢山いるので、そのことについて心配する必要はない。すると彼らは健全に影に移行して、芸術的になり、有意義な方法で貢献できるようになる。人を救うことで、彼らの身体能力は飛躍的に向上する。もし周囲の人々が恩知らずだと、ESFJは自分が悪い人間だと心配して、成長が妨げられる。ESFJが物を溜め込んだり、自分の世話をしないのは、これが原因である。感謝の気持ちを表明することは、ESFJの健康にとって非常に重要である。
ESFJが人に感謝させようとするのは、個人的な成長の為である。しかし、これは秘密契約ではなく、公然と契約しなければならない。「私があなたを支援する代わりに、これをして欲しい」と伝えれば、見返りに何かを得られる。ところがESFJはこれをすることを申し訳なく感じる。十字軍はプライドが高い。言わなくても、自分の貢献は明白だと思っている。ESFJは遠回しに不満を言うのではなく、率直に要求を伝えるべきである。そうすれば何かを成し遂げられる。
劣等Tiの恐怖に圧倒されるのではなく、Siペアレントの自制心でそれを抑制しなければならない。無意識ISFPは非常に強力で、自分の面倒を見て、安全な環境を作り出す。彼らは家事、周囲の人々が義務を果たしていることを確認すること、支援することに熟練している。ESFJに気にかけて欲しくない場合、彼らに感謝を示さなければいい。INTPの人間性を非難すると本当に復讐してくるが、ESFJに感謝しないと人間扱いしてもらえなくなる。
感謝すれば、彼らの影はあなたを世話する。それは誰にとっても芸術的な経験になるだろう。ESFJが自分の価値を心配せず、秘密契約をやめれば、彼らは自分の期待を知らせることになる。そうすれば彼らは自分のニーズを満たすことができる。ただし、周りの人がいつも感謝してくれるわけではないことを認識するべきである。その場合、彼らに忠実であることをやめて、その人を見捨てる義務がある。罪悪感を覚える必要はない。
その人が自分より優れていて、自分は十分に支援していないと思い込むと、支援と苦しみのループに陥る。ESFJは共依存を理解する必要がある。あなたを繋ぎとめておくために、感謝するフリが上手い人間を見抜かなければならない。Niトリックスターは間違った人間に貢献したがる。ESFJはINTPと同じくらいストックホルム症候群に陥る可能性があるので、介入して間違った人間に忠誠を誓うことを批判しなければならない。
ESFJは常に何かに忠誠を誓う必要がある。これがESFJが教会に多い理由である。問題は、信仰システムが腐敗すると、指導者も腐敗することにある。ESFJも同時に腐敗し、そのシステムの無知を人々に強制して、家族にも損害を与えることになる。
最後はTeデーモンの超自我への移行である。これはESFJが話を聞いてもらえない時に発生し、彼らはあなたの評判を破壊し、主導権を握る。彼らのせいで、あなたは村八分にされ、故郷を追われることになる。あなたが話を聞かないか、感謝しないと、それは起こる。しかしそれをすれば、ESFJは周囲の人々の評判や地位を高めるだろう。この天使の姿については、Level19で説明したいと思う。今回は以上である。
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