タイプ比較を行う際に、シャドウタイプは非常に重要である。テストの結果は、自分の自我ではなく、影にいることが多いためである。だからテスト結果を基にして自分のタイプを考えると、往々にして誤認する。今回はISFJとINFJの比較を行う。どちらも協調的で、周りの目を気にする。ISFJは具体的で、INFJは抽象的である。ISFJはSJ気質なので義務を果たし、INFJは自分のやりたいことをやる。彼らはNF気質なので、人間に焦点を当てており、社会運動に情熱を注ぐ。

NFの理想は人類の為にユートピアを創造することである。INFJは先駆者となって道を切り開き、人類をより良くしたいと思っている。人類を三角形で表すと、基礎がSJで中間がSP、次がNTとNFの混合のようなものである。INFJは社会や対人スキルにアプローチし、ISFJは信仰と伝統を守る。彼らは精神性や宗教に深く関わっている。潜在意識ENTPは独創性や創意工夫に富む。ISFJは人々の安全を守り、INFJは人々に知恵を及ぼそうとする。イエスやガンジーのように、INFJは教師になって人間を向上させたいと思っている。

一方、両者のインタラクション・スタイルは異なる。ISFJはバックグラウンドタイプなので、豊富な情報を提供し、物事を行うのに時間をかける。INFJは動きを重視し、できるだけ早く目的地に辿り着こうとする。彼らは直接的で指示的だが、ISFJは役割を相手に選択させようとする。INFJはフィニッシャーとして物事を終わらせるが、始めることは苦手である。ISFJは裏方で、スポットライトを浴びる立場にならない。

心理機能という観点からは、ISFJのSiヒーローは全てを記憶している。彼らは長期的な記憶アクセスを持っている。ISFJは全てを覚えており、それは彼らの義務感や名誉、信念の源でもある。彼らは自分がやりたいことではなく、すべきことに基づいて決定を下す。INFJのNiヒーローは意志の力に関するものである。彼らはやりたいことを実現するために最善の道を見つける。Niは欲望でもある。Siも「この経験を受け取りたい」という意味では欲望だが、それはより具体的である。Niの欲望は外向的感覚に結びついており、「私はあなたに経験を与えたい」という意志を表す一方、Siは自己規律を意味する。

その自己規律によって、様々なスキルを習得することができる。Niは自分にとって必要なスキルだけを習得する。ISFJは何をすべきか教えてもらい、指示されたことをやる。INFJは指示を好まない。Niはスナイパーライフルのようなもので、レーザーのようにひとつのことに集中する。ISFJが成果を挙げる場合、それは異常な忍耐力を発揮して多くの罰や苦しみに耐えた結果である。誰もISFJより長く生き残ることはできない。

INFJは忍耐力がないが、生き残ることは得意である。意志の力があれば道は開ける。彼らは幸運に恵まれ、窮地を切り抜ける。Siデーモンは常に不快な状況に陥るが、INFJはどうにかその状況から脱出することができるのである。これはINTJも同様である。彼らは直感の力で、自分の運命を切り開く。外向的直観は他人を含めた全ての運命の主である。NeヒーローはNiヒーローに影響を与えることはできるが、最終的にNiヒーローは自分の望むところへ到達する。Niヒーローには常に選択肢がある。

INFJは人類を前進させようとするが、集団で行うわけではない。一人ずつ行い、それが積み重なっていく。これが理想的な方法である。そしてNiはその進路を決める。その結果、INFJの進路を他の人々も辿ることになる。INFJにはサポートが必要である。両タイプともFeペアレントとTiチャイルドを持っているが、この組み合わせは他人の考えを知ることができない。Teトリックスターは他人が既に自分と同じことを考えているのに気づいていないので、Tiチャイルドは上から目線で話しているように見える。しかし相手は既にそれを知っており、IFJは孤独に陥ることになる。

おまけにFeペアレントは非常に高い社会基準を持っており、他人に社会規範や倫理的ルールを押し付けてくる。強制力が強いのはISFJの方である。彼らは義務や正義に基づいており、社会的ルールを破った人間を罰するのは、自分の義務であると心得ている。彼らはSeネメシスを使って、自分たちの伝統や家族の義務を強制する。それが彼らの倫理観に従った正義だからである。INFJのルールには基本的に根拠がないので、意志の力でごり押しするしかない。

FeペアレントがTiチャイルドと組み合わさると、人々を疎外する可能性がある。自分を棚に上げて他人の粗探しばかりする人間とは誰も付き合いたくないだろう。INFJは自分を人の気持ちがわかりすぎると見なしているが、実際には何も理解していない。理解しているなら、Fiデーモンである私に正義のエアリプ攻撃などしてこないだろう。彼らは自分の意志を人に押し付けているだけである。INFJはタイプグリッドと気質マトリックスを学び、人々の本質を理解する必要がある。 

これらのタイプは人々を遠ざける可能性があるが、Feペアレントは育成的で貢献意識が高い。特にINFJは他人に貢献する機会が必要である。どちらのタイプも他人に評価され、貢献に感謝されることを切望している。INFJはFeとSeで「私は人々に良い経験を与えて良い気分にして、感謝されたい。Fiクリティックで自分の価値を批判しているので、常に他人にチヤホヤされてそれを補わないとならない。そして私の素晴らしさを沢山の人に広めて欲しい」と思っている。

劣等Seは忠誠心を切望している。二番目の欲求は、肯定の言葉と質の高い時間である。彼らが劣等Seで経験を共有できない場合、忠誠心を獲得できる見込みはない。INFJの観点からは、彼らがあなたに良い経験を与えて貢献すれば、あなたに忠誠心が生まれるはずである。その恩を魂に刻み付け、永遠に覚えているような人間を、INFJは望んでいる。SiユーザーはINFJがモラルに欠けていても、その恩に免じて彼らを許す。そのような認識と忠誠心が、INFJの必要としているものである。

ISFJも認められたいと思っているが、彼らが恐れているのは人々がISFJと一緒にいたくないと感じることである。どちらのタイプも協調型で、正しいことをすることを重視しているが、実用型は効果的なことをする。協調型は人から正しく見えることを気にするあまり、自分を出すことができない。そして薄々、その問題に気づいており、実用型を羨ましく思っている。IFJは実用型から潜在意識の使い方を学んだ方がいいだろう。ISFJが他人の望みを恐れなくなれば、潜在意識ENTPとして創意工夫に富んだ発明をすることができる。

彼らは家をさらに快適にするのが自分の義務だと信じている。Seネメシスは、人々が彼らの家に来た時に悪い経験をすることを恐れている。家の中が散らかっているせいで気分が悪くなってしまったら、彼らはもうISFJのところに戻ってこない。ISFJは人々に望まれたいのである。実際のISFJは孤独を感じているが、それはINFJと同様に、自ら人々を疎外するからである。Fiクリティックは自分に対して常に嫌な気分になる。彼らは他人に認められなければ、自分に満足できない。彼らに相応しい評価を与えないと、彼らは否定的な反応を示すだろう。

ISFJはあなたの意図を勘繰り、あなたを恐れるようになる。そして舞台裏に引きこもり、頑なに口を閉ざし続ける。INFJもあなたの意図を勘繰るが、それは裏切りを恐れているからである。そして潜在意識ESTPを使って、対立的になる。劣等Seは他の人々に悪い経験を与えることを、異常に恐れている。だから彼らは服装や話し方に気を遣う。Siチャイルドや劣等SiがINFJに忠誠心を抱き、パフォーマンス不安を克服すると、潜在意識ESTPは活性化し、人々と議論して、物事を違った観点で考えるように説得することができる。

彼らは他人の弱点を感知し、強さを築く。INFJは人々の改善を推進し、より良い人間にしようとする。しかし人を改善する前に、まずは自分を改善しなければならない。「汝自身を愛するように隣人を愛せ」というあれである。まずは自分が利己的な人間であることを認め、自分のニーズを満たす責任を負うところから始めるといいだろう。Fiクリティックは非常識な道徳基準を持っているが、INFJ自身にはモラルがなく、自分の欲望が最優先である。自分でも守れない道徳を周りに押し付け、相手がそれに従わないと劣等Seで激怒する。

そして人々に嫌われて、INFJは孤独になる。ISFJも同じことをする。個人的な基準を持ち、境界線を設定することである。そして最終的に、自分が何を望んでいるか知ることができる。詳しくはLevel6を読んでもらいたい。まず自分自身に貢献しなければ、他人に貢献する権利はない。未熟なIFJには、自分の信念を検証しないという問題がある。Tiチャイルドは色々な情報を摂取して自分の考えを構築するが、それを検証しない。

検証はISFJの義務である。INFJにとっては、それがやりたいことに直結する。検証すれば、自分がどう生きるべきか、自分についてどう感じるか、決めてもらわなくていい。Tiチャイルドは検証の為に存在する。もしかすると、検証すると更に多くの人々を遠ざけて、孤独が加速すると思うかもしれない。

この二タイプは他人を疎外するのが得意だが、その能力を使って質の悪い人々を追い払う必要がある。彼らが真実を望まないなら、自分の人生から締め出さなければならない。特にINFJは負け犬を鏡で模倣するので、自分も負け犬として腐敗し始める。人々を先導する前に、まず自分の信念を検証して、模範とならなければならない。ISFJの美徳と悪徳は信仰と恐怖、INFJの美徳と悪徳は誠実と腐敗である。全てを検証すればINFJのパフォーマンスは向上し、人々の忠誠心を得られるようになる。ISFJは人々に望まれるようになり、経験を共有してもらえるので、もう寂しくない。

時には全てを賭ける必要がある。関係を失う覚悟で、真実の為に立ち上がらなければならない。「真実を言いたいが、他人に良く思われていたい」という日和見主義に囚われているから、薄っぺらいモラルで本質を誤魔化さざるを得なくなるのである。人々を解放すると同時に、あなた自身も解放されるだろう。Tiは両刃の剣である。誰かを切りつける時、同時に自分自身も切りつけている。一方的に他人を悪人にするのではなく、自分が善人だという信念を検証するべきである。

INFJは知恵を育み、ISFJはその知恵に基づいて伝統を育む。ただし、その伝統は古くなるので、いずれ更新しなければならない。物事を永遠に保持することはできず、いつか新しいものに置き換える時が来る。それはSPがやってくれるだろう。

Neネメシスは他人の意図を心配し、結論を急ぐ。その結論も検証するべきである。そして自分の考えを他人が既に知っている可能性も、把握しておかねばならない。彼らは本を読んで考えたことに誇りを抱いているが、その本は他の人も読んでいて、誰でも思いつく考えであることには気づいていない。自分の考えを無条件に真実として伝えるのではなく、相手が既に知っていることを確認しなければならない。

Seネメシスは物理的環境を心配しているので、家を清潔に保ち、身だしなみを整える。そして知恵に基づいた伝統を子供たちに受け継ごうとする。これはENTPが潜在意識ISFJを成長させるために役に立つ。INFJは潜在意識ESTPで人を快適ゾーンの外に連れ出す。INTJもこれをする。特にSiチャイルドや劣等Siの周りで、彼らがパフォーマンスに不安を感じる必要はない。

SiデーモンはINFJにとって辛いものである。この機能は人生、特に健康において悪い経験をもたらす。しかしNiヒーローは驚くべき生命力を持っているので、生き延びることができる。一方、Niデーモンに何が欲しいか訊ねるのは危険である。ISFJに意図を伝えないと、彼らは動揺し、あなたを排除するために陰謀を企てる。あなたの評判を台無しにすることが、彼らの道徳的義務だからである。彼らはあなたに悪い経験を与え、積極的に騙そうとする。超自我INTJは執念深く復讐する。彼らに意図を伝え、感謝を表明すれば、ISFJはどのような拷問にも耐えて忠義を貫いてくれるだろう。

Siデーモンには良い経験を与えてくれていることを伝え、常に忠実でいることである。超自我ISTJは裁判官であり、陪審員であり、死刑執行人である。彼らはあなたの頭を切り落とし、形而上学的には死んだも同然に扱う。それを避けるには、言葉だけでなく行動を通じて、彼らに忠実であることを示し続けなければならない。