今回はタイプの比較シリーズ、ISTPとISFPの違いについて解説する。通常のMBTIサイトはN型、特にIN型の記事に力を入れており、S型は箸休めのようなものである。「もっとINFPの記事を増やして欲しい」と利己的なINFPからコメントが来たことがあるが、私はあまりINFPが好きではないので、精力的に彼らの記事に取り組むつもりはない。だからと言ってS型が好きなわけでもないが、義務として全員に順番を回すことを心掛けている。

ISTPとISFPが似ている理由は、二人ともSP気質だからである。両者ともに職人であり、自由をベースにしたクリエイターである。自由がなければ、彼らは創造的なプロセスを実行することはできない。彼らは協調ではなく、独立を重視する。SPは事前に許可を求めるのではなく、事後に許しを求める。彼らは動機型でもあり、自分や他人が状況からどんな利益を得られるのか認識している。

彼らはNeトリックスターなので、特に契約書を通じた操作に弱い。このためENFPのカモになりやすい。Neトリックスターは「自分は他人の動機を認識している。操作などされるものか」と鼻息荒くコメント欄に書き込んでくるが、ENFPの大いなる陰謀には気づかず、全財産を巻き上げられて路頭に迷うことになる。ENFPは慈善家としても知られているので、表面しか見ていないISPはすっかり騙されるのである。

ENTJの寛大さとENFPの慈善の違いは何か?これは質と量の差である。ENFPは頻繁に寄付をするが、額は小さい。主目的は自分の気分が良くなることだからである。ENTJは頻度は低いが、多額で高品質のものを与える。Neトリックスターがこれらの違いを見分けることは困難である。堕落したENFPに壺を売りつけられたり、操作されないように、実績をよく確認しなければならない。保護されていないISPをソーシャルエンジニアリングすることは、ENFPにとって赤子の手を捻るほど容易いことである。

SPは今この瞬間に生きているので、具体的な現実に焦点を当て、物理的環境を操作する。両者のインタラクション・スタイルは異なる。ISTPは物事を終わらせることに重点を置いているが、始めるのは苦手である。これは先延ばしに繋がることがある。自分が何をしたいかわからないので、他の人たちがやっていることを見て、それを改善する。ISFPは芸術的である。ISTPは行動型だが、ISFPは制御型なので、創造的なプロセスを発展することが動機になる。

ISTPは全てに同じプロセスを適用し、全ての行動に同じ思考プロセスを適用することで、目標を達成する。そのプロセスは厳格に洗練されてきたので、迅速に行動に移行できる。ISFPは達成したい結果ごとに個別のプロセスを持っている。行動型はプロセス指向なので、同じプロセスを使用して迅速に行動する。制御型は多数の結果を念頭に置いており、それぞれの目標の為に個別のプロセスを用意する必要がある。プロセスを開発する時間がかかるので、行動に移るのは遅い。彼らは自分のペースで物事を進めなければならない。

ISFPは情報提供するが、ISTPはしない。特に男性は自分の言いたいことを一言、二言いって、それで話は終わりである。彼らとの会話では、間を持たせるために98%は相手が話をする義務を負うことになる。ISFPは「牛乳がない」と情報提供して、相手に役割を選択する機会を与えるふりをするが、ISTPは相手に買ってくる義務を負わせる。ISFPはより平和的で調和のとれたやり方を好む。 

次に心理機能である。知覚機能は共通しているが、意思決定の方法は異なる。Tiヒーローはプロセス、Fiヒーローはフィードバックである。Tiはあらゆる事柄に真偽の判断を下し、Fiは多数決でどちらを信じるか決める。Teは集合的データだが、Tiは具体的なデータである。彼らに同意するかに関係なく、Tiユーザーの話には耳を傾ける必要がある。これは劣等Tiにとって特に重要である。彼らの話を無視すると、デーモンTeに懲罰を下されるだろう。Tiヒーローの問題は劣等Feなので、話を聞かなくても逆上することはない。

Tiヒーローは部屋の中で最も賢い人である。問題は、Tiがプロセス担当なので、Teで間違ったインプットをすると、間違ったFeアウトプットが発生し、それに応じたFiフィードバックが返ってくる。この2タイプ間で情報交換が行われる場合、ISTPのアウトプットにISFPが「これは良いアウトプットだ」と感じる。ISFPの気分が悪くなった場合、ISTPはインプットを調整する。我々の脳は文字通り機械であり、意思決定の為に情報を送受信する。

Tiヒーローはかなり賢いが、インプットが間違っていた場合は、最初からやり直さなければならない。Teは信念、あるいはデータセットとして知られる。それをCPUであるTiが取り込み、Feからアウトプットする。良い結果を得るには、良いデータが必要である。最後にフィードバックを提供するのがFiヒーローである。INFPは人類の社会的展望について、ISFPは物理的環境について自分がどう感じるかフィードバックする。しかし現実は基本的に嘘で成立しているので、ISFPはアート制作を通じて自分の信念を表現する必要がある。

ISTPは機械のように思考プロセスに時間を費やすが、ISFPは自分をどう評価するかで頭が一杯である。価値観はFiから、伝統はSiから生じる。Fiは自分の気分に基づいて判断を下し、他人が自分をどう思うかによって気分が良くなったり悪くなったりする。ISFPは自分の評判を重視しているが、ISTPは評判をあまり気にしない。彼らが気にしているのは、他人が自分の考えを評価しているか、Tiヒーローに感謝しているか、である。ISFPは他人が自分を良い人だと思っているか、高く評価しているかを気にする。

ISFPには大切なものがあるが、ISTPにはない。それはFiデーモンの役割であり、彼らにとって重要ではない。この2タイプが似ているのは、知覚機能が共通しているからである。どちらもSeペアレントがあり、他の人が何をしているか常に認識している。他の人がやっていることを見て、自分が何をしたいか理解するのである。Seユーザーは共有経験を求めている。Siユーザーは新しい経験を求めているが、Seユーザーは誰かと経験を共有しないと、不健全になる。この2タイプは薬物やアルコールの依存症になりやすい。Niチャイルドは自分が望むものを何でも手に入れようとする。

 「あの女性が欲しい!」と思うが、選択肢が沢山あって、どの女性にコミットしたらいいのかわからない。そして女性を循環して、いつまでも結婚しない。コミットすることで、選択肢が制限されることを恐れるのである。彼らは自分のやりたいことに対して、非常に子供っぽい。Seペアレントは周囲の人々に良い経験を与えて、忠誠心を吸収する。そのためには、自由を活用しなければならない。真実はあなたを自由にする。ISTPが人々を批判し、改善することで、彼らは自由になるだろう。

そしてISTPが溝に落ち、憂鬱でいっぱいになっている時、その人々が助けに現れる。ISTPはしばしば自ら穴に落ちるような選択をする。その時に誰かに助けてもらわなければならない。ISTPが真実を話し、鎖から解放して忠誠心を持った誰かに。ISTPは他者を解放し、強化するために存在している。そのためには、自分の自由に対して利己的になることをやめる必要がある。無意識ESTJは周囲の人々を全てコントロールしなければ気が済まない。Niチャイルドが全能の自由を行使するために、他人の自由を奪うのである。これは偽善であろう。自分の自由を守るために影を利用する代わりに、潜在意識ENFJを使って他者を助け、教え、解放する。そうすればコントロールしなくても、彼らはあなたに選択の自由を与えてくれるだろう。

ISTPは家父長制の罠に陥る危険があるが、ISFPは無意識ESFJで秘密契約を結ぶ。ISFPは素晴らしいアートを制作するが、見返りにISFPが自由を得られるように、便宜を図らなければならない。それは暗黙の了解ではなく、公開契約にするべきである。Fiヒーローは黙って全員を裁いているが、隠蔽はやめて、コミュニケーションを取って欲しい。

この2タイプのSeペアレントの使い方は異なる。ISTPは劣等Feで人を助けたり、他者を解放し、強くすることで忠誠心を獲得するが、ISFPは地位や評判、ブランドを築き上げる。ISFPが作り上げた芸術を楽しむことで、人々は彼らに忠実になる。人々が自分のアートを自由に表現することで、世界はより良い場所になるだろう。それがISFPの力である。芸術を通じて真実を伝え、人々をより良くする。Tiユーザーも真実を伝えるが、それは両刃の剣である。その剣は偽善者だけでなく、本人も切り捨てる。

Niチャイルドは自分が望むものに非常に熱心である。あなたが逃げようとすると、ISFPは秘密契約を結び、ISTPはコントロールしようとする。願わくばISFPが責任を負ってプロセスを作成し、リーダーとして皆を導いてくれるのが良い。ISFPがバンドを運営している場合、彼らがリーダーシップを取って楽曲作成を主導するか、ボーカルとして最高の経験を伝えるのがベストである。金や女だけでなく、音楽に焦点を当てる。それがISFPの務めである。

ISTPの劣等Feには注意が必要であり、Niチャイルドを世話したいと思わなければならない。一方、ISFPには人々を知的にして組織化するために劣等Teが存在する。現実について適切に考えるために、ISFPは芸術を通じて人々を刺激し、アートギャラリーでインプットを行う。そのアートにはISFPが込めた意味が隠されており、それが鑑賞者に様々な反応を引き起こす。そして人々は物理的環境を変えなければならないと感じる。

Fiは意味のあるフィードバックだが、Tiは真実に関するものである。劣等Feは社交不安を抱えており、罪悪感を覚えるが、劣等Teも恥をかくことを恐れている。必要があれば、ISFPには恥をかかせなければならないし、不健全な行為を正すために公の場で評判を傷つけるべきである。それは正しいことである。社交不安を抱えるISTPに必要なのは、他の人たちが自分を評価してくれることである。他者がISTPに好意を持ち、彼らの努力や技術を認める必要がある。

ISTPにとって、女性に「愛している」と伝えるのは難しい。もしNiチャイルドが望んでいる女性に告白されたら、有頂天になるだろう。彼らはSeペアレントの行動でそれを示す。タイヤを交換したり、水漏れを直すことで、「愛している」と表現するのである。Siクリティックはコミットメントを恐れている。相手が常に自分を評価してくれるとは限らないし、忠実であるかもわからない。自分は本当にそんな相手を望んでいるのだろうか?相手は常に自分の話を聞いて、自分の意見なしに決断を下すことはないだろうか?これらの疑問がISTPを悩ませており、それが解決するまでコミットしたり劣等Feに目を向けることは困難である。

一方、劣等Teには恥をかかせて行動させることができる。ISFPは評判を重視しており、皆に自分を高く評価して欲しいと思っている。最終的に彼らは劣等Teを使って創造的プロセスを複製し、他の人も同じような芸術を生み出せるようにする。劣等Feは他者を改善し、より良くする。ISTPは人に教えることで賢くなるが、ISFPは創造的プロセスを共有することで、より善良で道徳的な人間になる。彼らは他人が気まぐれにISFPに対する意見を変えることを恐れている。あなたは彼らを皆の前で高く評価しなければならない。

劣等Feの場合、あなたがISTPを大切にしていることを示すことで、彼らの社交不安を取り除くことができる。彼らの問題解決能力を称賛することで、ISTPの気分は良くなるだろう。彼らは総じて伝達能力が低いので、良い仕事をしても気づかれないことがある。あるいは劣等Teは地位が上がると気分が良くなる。ISFPはバックグラウンドタイプなので、舞台裏で黙っているが、それは人々が自分の意見を取るに足りないものとして扱うことを恐れているからである。したがって、ISFPが正直に自分の気持ちを打ち明けることを、促す必要がある。

ネメシス機能は少し異なる。通常ISFPが人の気持ちを気にするのは、相手が自分を気遣っているかどうかという文脈である。Fiヒーローは一貫して自分の気分を中心としているので、利己的になるあまり、ISFPは自分が思いやりを持っていないことを心配し始める。ISTPの場合は違う。Tiヒーローは非常に賢いので、他の人々が賢くないことを心配している。これが「自分自身で正しくやる症候群」に繋がる。彼らは誰かが失敗しているのを見ると、その人の邪魔をして、自分で正しくやり直す。その人は気分が悪くなり、ISTPに感謝しない。劣等Feはこれに腹を立てるが、まずはその人に許可を求めるべきである。その人が拒むなら、放っておけばいい。

潜在意識ENFJは、教師が生徒を求めるのではなく、生徒が教師を求めることを認識するべきである。ISTPは助けを強制して人を疎外するのではなく、自分も間違ったインプットをして愚か者になる「もしも」を想定した方がいい。人間に知性がないことを心配する気持ちはわかるが、失敗する機会を与えなければならない。弱さを自覚して、初めて強さを求めるのである。

両タイプともNeトリックスターとSiクリティックを持っているが、彼らは他人の悪意に気づかないので、攻撃から守ってくれる誰かを必要としている。「良い人そうだけど裏があるかも」とは思わない。ISPは見たまま「良い人」だと思う。NeユーザーはISPが損害を受けた場合、彼らに代わって正義の鉄槌を下すために存在する。勿論、それまでに良い経験を与えられていればの話だが。

そしてSiクリティックは非常に忘れっぽい。2タイプとも物忘れが激しいが、自分ではそれを認めようとしない。Seペアレントの短期記憶は素晴らしいが、ここでは長期記憶について話している。彼らは何らかの理由で素晴らしい記憶力を持っていると思っているので、全ての発言の日時とタイムスタンプを記録し、忘れっぽいことを証明してやらねばならない。彼らは物事を思い出すために記憶媒体を必要としている。それでもNJよりはマシである。Siクリティックは親密な相手に断固たる忠誠心を抱くが、それは相手が忠実であることを先に確認してからである。

ISTPの超自我INFPは、他の人々の評判を破壊し、自分が築いてきたもの全てを焼き払う。悪魔を退けたいなら、ISTPに感謝し、彼らの功績を認めなければならない。Seペアレントには、具体的な何かを示す必要がある。それがなければ、彼らは何かをやりたいとは思わないだろう。

TiデーモンはISFPの評判を傷つけたり、彼らのステータスや名声に無関心だと発動する。彼らは他人の意見に従うのではなく、自分が思ったことをする。驚くべき発明を考案して、あなたに復讐するだろう。それを回避するには、彼らの名声を高めるために協力しなければならない。彼らのブランドを広め、繁栄させるのである。

この素晴らしいISPたちがいなければ、人類は生きていけない。彼らにステータスや称賛を与えるのである。もしISTPが今この瞬間にクソだったとしても、20年前にやってくれたことを思い出すべきである。あなたがSeユーザーでも、ひとつくらいは思い出せるはずである。そうすれば関係は好転し、困難は消えていくだろう。あなたが一貫した行動を取れば、彼らがそれを忘れることはない。彼らが穴に落ちた場合でも、あなたが引き上げてくれると信頼してくれる。そこが良い関係を築くための正念場である。