今回は久しぶりにタイプグリッドの話をする。これまで気質とインタラクション・スタイルの用語を定義してきたが、この講義ではその使い方を説明する。これで自分や他人のタイプを特定できるだろう。

気質とインタラクション・スタイルにはそれぞれ三つの二分法がある。インタラクション・スタイルは率直と情報提供、開始と応答、行動と制御に分かれ、気質は具体と抽象、実用と協調、構造と動機に分かれる。16タイプは心に4つの側面があるので、潜在的には全てに当てはまる。自我、影、潜在意識、超自我の中で焦点を当てているのは、主に自我である。誰もが率直に話すことも情報提供することもあるが、好みには一次と二次がある。人は状況に応じてどんな行動も取るが、それでも優先順位がある。

ストレスの多い状況、トラウマ的な状況、気分が高揚した状況は、人を潜在意識に移行させる可能性がある。16タイプそれぞれには独自の気質とインタラクション・スタイルがあり、自我・無意識・潜在意識・超自我には異なる相互作用のスタイルがある。私はINTPなので、心の二つの側面は同じ知識人である。潜在意識は守護者で、超自我は職人になる。私には三つの気質が同居していることになるが、主に自我の中にいる。ただし、トラウマや人生のストレスに対処している時は、無意識や潜在意識に囚われることもある。

そのような場合は性格が不均衡に見えるので、結果が歪められる可能性がある。最終的には、気質とインタラクション・スタイルで何を優先し、何が一次的で何が二次的かが重要になる。これは陰陽の均衡である。陰は柔軟で、陽は堅固である。男性と女性は陰陽の均衡にある。二次的特性は陽の黒い点、または陰の白い点である。人間は二次的特性を通して、全ての他の特性を使用することができる。彼らの主な特性を見つけるのに役立つのがタイプグリッドである。気質にはSJ、SP、NF、NTの4種類があり、インタラクション・スタイルにもイン・チャージ、スターター、フィニッシャー、バックグラウンドの4タイプがある。

これらを4x4のグリッドに分類すると、16のグリッドになる。気質とインタラクション・スタイルを特定すれば、自動的にタイプもわかる。このタイプグリッドはリンダ・ベルン博士の理論に基づいているが、NTの構造志向の気質が見て取れるだろう。わざわざこれを使用しなければならないのは、MBTI二分法のシステムに欠陥があるからである。INFPとINFJの違いでも話したが、INFJはTiチャイルドを持っているので、思考の源はあるが感情の源はない。感情の源はFiである。

INFPはFiヒーローという判断機能を持っているが、テストではINFJと判定されることが多い。そのため彼らは混乱し、自分はINFJだという信念を抱くに至る。MBTIは二分法を通じて人をタイプミスする。実際にはMBTIは心理機能を識別しておらず、テストで判別することもできない。気質とインタラクション・スタイルを使用することで、体系的にタイプを特定することができる。タイプがわかれば、自動的に心の4つの側面もわかる。

相手の心理機能がわかるので、彼らの弱点がどこにあり、痛みや恐怖は何で、幸せにする方法が何かもわかる。人の性質を知ることで、彼らに影響を与えることができるだろう。タイプグリッドは人の育成については教えてくれない。育成はビッグ5かHexacoを用いて、自分がどれだけナルシストか判定してみるといい。NTは実利的なので、ナルシズムのスコアが高い傾向にある。NTは少数派なので、ADDやADHDとして診断される可能性も高い。薬によってS型に似せようとする国家の試みである。

ここ100年ほどで男性の精子数は大幅に減少しており、男らしさは低下している。男性を野放しにしておくと、自分たちを尊重するように要求したり、権力を奪取して社会変革を行おうとするからだが、既に権力の座にある者はそれを好まない。だから男性を女性らしくして、コントロールしやすく、体制に異議を唱えないようにするのである。この問題を解決するひとつの方法は、タイプグリッドを学習して、人を適切にタイプすることだろう。そうすれば教育、子育て、人間関係、性的スキルも身につけることができる。

このシステムについて、特に先進国の人々に教育する必要がある。そうすることで、彼らは自分や他人を認識し、自分を愛して受け入れることで、他人もに同じように接することができる。しかし人々は変化を恐れる。S型に見えないタイプは何らかの診断を下され、薬を与えられて無力化される。子供たちを守るためにも、自分が何者であるかを知り、成熟した男らしさや女らしさを手に入れて、社会を変える努力をするべきである。

イン・チャージとフィニッシャーは率直なタイプである。イン・チャージは物事を制御し、自分のペースで行うが、フィニッシャーは動きを重視する。前者は進歩の為に混沌を排除し、秩序をもたらすが、後者は進歩の為に混沌をもたらす。

イン・チャージとスターターは、どちらも開始型である。開始型は誰かに情報を提供してもらうのを待つのではなく、自分から他人に聞きに行く。開始型は人々の周りにいなければならないので、独房監禁を恐れている。フィニッシャーとバックグラウンドも人との交流を求めるが、彼らは応答型なので、1対1の関係を好む。あまり大勢の人々に囲まれると、適切に反応することができない。力は常に開始型ではなく応答型にあることを忘れないで欲しい。

スターターとバックグラウンドは情報を提供する。私は読者を教育するために情報を提供しているわけだが、牛乳の例を思い出して欲しい。冷蔵庫に牛乳がなかったら、率直型は「牛乳を取ってきて」と言うだろう。情報提供型は「牛乳がない」と言う。彼らは相手が牛乳に対してどのようなアプローチを取るか、選択肢を与えている。率直型は言いたいことを言うので偉そうに見えるが、情報提供型は文脈を読む必要がある。

相手が情報提供型であることがわかれば、タイプの半分を除外できる。常に一人でいることが好きであれば、応答型である。物事を行うのに時間をかけるようであれば、コントロール型なのでインタラクション・スタイルはバックグラウンドである。次は気質を突き止めなければならない。相手はISFJ、ISFP、INFP、INTPのどれかである。彼らを射撃に誘った場合、「何で自分を誘うの?」と聞いてきたら、それは動機に基づいている。つまり、相手はSPかNFである。そして銃を貸してやることを申し出ると、「自分の銃を使いたい」と言う。この場合、相手は職人、つまりISFPである。相手と調和するのではなく、独立してやりたいことをする。

これは単なる私の酷い例だが、SJは具体性においてSPと、調和性においてNFと、構造においてNTと共通点がある。全てのタイプは他の気質と共通点があり、だからこそ互いに均衡している。人々が同じ目標に向かって協力することで、物事は成功する。それが人類の仕組みである。全ての心理機能を活用して社会を根本的に変えられれば素晴らしいだろうが、それは人々が望むことではない。彼らは拝金主義であり、後世に影響があろうと自分の子供でなければどうでもいいと思っている。

気質にしろインタラクション・スタイルにしろ、三つ全てを特定する必要はない。実際に特定する必要があるのは二つだけである。三つ目のピースは、自分が正しく判定していることを確認するためにある。例えば、相手は率直・制御に見えるので、開始型のはずである。しかしどうも応答型にも見える。そこでタイピングを見直してみると、制御ではなく行動型の方が当てはまる。つまりイン・チャージではなくフィニッシャーである。例えばINFJとENFPのように影のタイプである場合、間違いやすくなる。

ポイントは二つの特性でタイプを判定することができるが、三つ目を検証することである。そうすれば結論を急ぎ、自分や他人のタイプを誤認するリスクは低下する。もしあなたが相手のタイプを誤認すれば、相手はあなたや理論を拒否するだろう。これがINFJが孤独に陥る一因である。彼らは「自分は人を理解しているから相手のタイプを当てられる」と思い込み、Tiチャイルドでこしらえた何かで人のタイプを判定する。このグリッドを使用する方が理に適っている。Teユーザーでも理解できるだろう。

自分や友達のタイプがわかったと思っても、一度はそれを検証してみる必要がある。タイプグリッドを使用して、それが間違っている可能性を消去する。このグリッドを習得すると、彼らとの交流で良い結果を得るために、自分の行動を調整する方法がわかる。たとえ彼らとの相性が非常に悪いとしても、ソーシャルエンジニアリングを行い、操作することができる。全ての社会的交流は操作である。そのためには、まず自分自身を受け入れ、相手を理解して、相手が必要としているものを与える。例えば、ESTPは同じ率直型といることを好むが、私のようなINTPは情報提供型ではなく、やはり率直型といることを好む。

このようにタイプグリッドを活用する。その応用方法は無限にある。優れたソーシャルエンジニアリングを行い、優れた友人を獲得して、人々に影響を与えるだけでなく、後世の子供たちの為に社会を変えることもできるだろう。