今回は自己親密性の4番目の柱について話し、次の投稿で結論と要約、そして4つの柱に隠された真実を説明する予定である。自己親密さの最後の柱は、個人の目標である。これは人々がどのように成長するかという議論に辿り着く。成人前に「大人になったら何になりたい?」という質問をされるだろう。しかし、これは適切な聞き方ではない。

重要なのは、子供のニーズを聞き出し、自分のニーズを満たすことに責任を持ち、個人的な基準を確立することを教えることである。他人が自分のニーズを満たすことを妨げないように成熟する必要がある。最後の柱である個人的な目標は、3つの柱が順番に開発および維持され、自己親密さの為に構築された後に開発される。人々は常に自分自身が何者であるか知ろうとしたり、自分が何を望んでいるか発見しようとしている。自分が何を望んでいるかわからない理由は、自分のニーズを満たしていないからである。

同様に、自分自身を知り、自己愛を持たなければならない。他人に愛されるには、自分自身のように隣人を愛すことである。つまり、まず自分自身を愛する必要がある。そのために自己親密さの4つの柱があるのである。4番目の柱である個人の目標を達成するには、自分のニーズを満たすこと、そのための基準を持つこと、他の人々に対する境界線を設定することが不可欠である。基準やニーズが開発されると、欲望が心に生まれる。

そして「何が欲しいのか?」という質問に答えることができるようになる。社会は「最初に目標を決め、次に境界線を設けて、個人の基準を構築する」ことを求めてくるが、実際はそれに逆行する必要がある。人々は何が欲しいのかという核心に集中し過ぎて、何が必要なのかさえわからない。その結果、自分のニーズを満たすことができず、他人に尊敬されることもなく、人と関係を持つこともできない。そして人生で何の成果も得られず、孤独感や虚無感に苦しむのである。

社会に鬱病が多いのは、間違った順序で間違った柱に注目しているからである。まずニーズに焦点を当てる必要があり、欲求はその後に生じる。ニーズとウォンツ、どちらが重要かと言えば、ニーズの方である。自分のニーズを満たし、個人的な基準を作り上げる必要がある。付き合っている相手がそれをしてくれることを期待してはならない。

勿論、恋人が助けてくれるのは嬉しいことである。しかし、そもそも自分のニーズを満たせなければ、彼らはあなたと一緒にいられないだろう。男女ともに自分のニーズを満たす責任を負い、誰もが個人的な基準を持つ必要がある。誰もが境界線を設定し、目標を定めなければならない。それが人生の目的である。我々は幸福を追求しようとしている。個人的な目標を立てるまで、幸福の追求に踏み出すことはできない。

境界線は国境に似ている。もし境界線が無ければ、誰もが自分の国の中に自由に入ってこれることになる。いわゆる開かれた国境である。誰もが土足で入り込み、略奪し放題である。そんな状態で、どうやって幸福を追求できるだろうか?それは個人というミクロレベルでも重要だが、国家という集団にとっても大切な概念である。あらゆる国が境界線を守る必要がある。

しかし成熟した人間は少ないため、人々は境界線を気にしていない。大多数の人は未熟なので、国境開放は良いことだと思っている。社会として個人レベルでこの問題に対処せず、個人の主権を気にせず、境界線を設定しないならば、行き着く先は地獄であろう。幸せになりたいなら、個人の境界戦を強化する必要がある。誰もが自尊心を持ち、お互いを尊重し始めたら、皆が幸せになれる。

日本の幸福度が低いのは、成熟度が低いからである。誰も自分のニーズを満たしていない。誰かがやってくれることを期待して、生活保護を受けたり、推し活で気を紛らわせたりしている。「私には基準がなく、他の誰かがニーズを満たしてくれます」という状態である。自分のニーズさえ満たせないのに、個人的な目標など夢のまた夢であろう。そしてなぜ自分が不幸なのか不思議に思っている。

最初の三つの柱を開発すれば、自分の望みがわかるだろう。自分が何者か知り、どんな相手と関係を築きたいかわかる。肉体的に、精神的に、霊的に境界線が設定される。個人的な目標を持つことは、自分が何者であるか知り、何を期待し、何を望んでいるか知ることである。幸福を追求するには、個人的な目標を知る必要がある。それ以前にニーズを満たしたり、基準を確立したり、境界線を設定するのは、ストレスなく幸福の追求を行うためである。

あなたが不幸なことの責任は、あなた自身にある。自分のニーズを満たしていない、基準が無い、境界線がない、その結果として個人的な目標を達成することができない。幸福になりたかったら、自分自身と親密にならなければならない。自分自身が誰で、どのように行動するか知らなければならない。ユング深層心理学は人間の性質の一部を表現している。このシリーズは育成に関するものだが、本質と育成が合わさることで人間が成立する。

その人間は主権者である。全ての人間は奪うことができない個人の主権を持つ。自分のニーズを満たし、個人の基準を持ち、境界線を設定する権利である。誰かが代わりにやってくれることを期待するのではなく、自分自身でそれを行う能力を持ち、幸福を追求する自由を確保する。それが主権というものである。それなくして自尊心を持つことはできない。

目標がわからない場合は、ニーズを満たすことに集中するといい。基準を決めて、境界線を他人に守らせるようになったら、突如として自分が何を望んでいるか、何を経験したいか閃くだろう。そしてあなたは主権のある人間になることができる。それは人々が愛し、尊敬し、共に居たいと思う人間である。

自己親密さの4つの柱を満たしていなければ、そうはなれない。女性が男性といるのは、彼の個人的な目的を知っているからである。我々は自分を愛するように隣人を愛するので、適切な関係を築くには、自己親密さの4つの柱を実践する必要がある。自分自身を愛するようになれば、他の人々を愛せるようになり、人々もあなたを愛するようになるだろう。

これが「隣人を自分のように愛する」の本当の意味であり、4つの柱の本当の目的である。「人の気持ちがわかりすぎて、自分の気持ちがわからない」?まあそれでもいい。それでいいから、とにかく私が言ったことを実践してみるといい。そうすれば自分が何者であるか知り、どこへ向かっているか確信し、自尊心を持てるだろう。主権を持ち、自分がその主権を侵すことも、他人がその主権を侵害することも許してはならない。

重要なのは個人的な目標である。私の今の目標はソシオニクスの本を完成させることだが、これは複数ある目標のひとつに過ぎない。具体的な目標がない場合、成熟した男性になることを目指してはどうだろうか。フェミニズムが存在するのは、家父長制が失敗したからである。男性がニーズを満たし、基準を確立し、境界線を定めることができていれば、フェミニズムは存在しないし、家父長制も必要ないだろう。そうすれば人生にバランスがもたらされ、人類は幸福を追求できるようになる。そのためには各々が4つの柱を習得し、個人的な目標を達成する必要がある。

個人的な目標を持つことで、人生が面白くなる。これが無い場合、自分自身を本当に理解していない。あなたは自分の基準がなく、限界も超えていない。最も後悔することは何か。それは遠慮ばかりしていたこと、自分の本当の欲求に耳を貸さなかったこと、己を取り違えること、己を卑しめること、己の本能を聞き分ける繊細な耳を失うことである。