前回は神聖な男性性について説明したが、今回は「神聖な女性性とは何か」である。人間の相互作用や人間関係のために、男性性が女性性といかに相互作用して極性(ポジティブとネガティブ、陰と陽)を達成するかについても説明する。

そもそも神聖な女性性とは何か?おそらく最も初期の定義は古代エジプトに由来する。神聖な男性性は人生の大事を優先する。ここで言う「大事」とは全体像や大きなこと、仕事、戦争、政治への関与などを指す。男性性はそれを探し求め、その課題に立ち向かい、人生のあらゆる困難に挑戦する。神聖な男性性は課題の最中に成長する。神聖な女性性はその逆である。

神聖な女性性は小さなことを優先する。例えば、男性が買い物に行くのは、目当ての商品を購入するためである。女性も同様に買い物に行くが、色々なものを見て回る。男性は「買い物」という課題を達成したことに満足するが、女性は満足しない。したとしても、その持続時間は長くないだろう。女性性はエネルギーを生み出し続け、直面する課題は増えていく。女性性はエネルギーを維持し、物事を動かすために存在する。

女性を巡ってどれだけの戦争が起こり、どれだけの血が流されたことだろう。トロイのヘレンが良い例である。女性性は物事を継続させるために存在するので、彼女たちは買い物を続ける。これはセックスの時も同様である。勿論、16タイプごとにアプローチは違うし、満たされるべき様々なニーズがある。誰もが異なるプライマリとセカンダリのニーズを持っている。女性を満足させるには優れた資質を持つ男性が必要である。いずれにしても、女性は物事を長引かせることを好む。

それは女性性がまさに宇宙を表しているからである。自然そのものは女性的であり、男性はそこに存在しているだけである。女性は物理的現実の最も美しい要素であり、女性的な現実はその美しさを提供するためにある。男性は男性の主な特徴を持ち、女性は女性の主な特徴を持つ。そして反対の二次的な特徴は、アニマとアニムスを通じて我々の心理に映し出される。

アニマ・アニムスは基本的に我々の潜在意識である。潜在意識は心の4つの側面のひとつであり、常に自我と反対の性別を持っている。潜在意識を探求し開発している時、性別に応じて、男性的になるか女性的になるかのどちらかになる。あなたは自分の魂の中で異性と関わる恐怖を取り除くことができる。4番目の機能は劣等機能と呼ばれるが、熱望すると成熟を通じて、自分の心の領域のロックを解除できるようになる。これは非常に重要である。恐怖は劣等機能の不安に付随して起こる。率直に言うと、女性性は不安をさらけ出すために存在する。女性と関係を持っている場合、彼女はいつでもあなたの不安を暴露する可能性がある。

彼女はどのボタンを押せばいいか常に知っている。不安は恐怖を抑制し、成長を阻害する。それは人が完成に達するのを妨げる。女性は行動や成長を維持しようとするので、男性は動き続けることができなくなる。生命が存在する唯一の証拠は成長である。不死者は成長しないため、生きているとは言えない。アンデッドという概念はここに由来している。もし男性が恐怖のせいで停滞していれば、女性は苛々してそれをどうにかしようとする。男性が成長するため、女性は試練を与える。その課題を達成することで、男らしさが向上するのである。

では女性性はどうやって成長するのか?女性性は賞賛と感謝を通じて成長する。この地球の女性的な構造は素晴らしい。我々が生きているこの現実には、多くの秘密、多くの知恵、多くの隠された真実が存在する。これは女性的な現実において、物理的現実であると認識しているものである。これは賞賛に値するだろう。男性性は挑戦を通じて成長するが、女性性は賞賛を通じて成長する。あなたが女性と付き合っているならば、彼女を褒めてみるといい。Niの意志の力か、Siの自己規律が役に立つだろう。

それができれば、関係は良い方向に変化するはずである。これは親密な関係にだけ当てはまるわけではない。女性に注意を向けることさえ、賞賛の一種である。これは彼女たちを特別な存在にする。魅力的な女性に注意を向けるのは当然のことだが、太った女性や年配の女性に注意を向ければ、彼女たちは便宜を図ってくれるだろう。これは特にINTPが気を付ける必要がある。彼らには無関心になるリスクがあり、時に付き合っている女性すら無視する。Siチャイルドは自制心をもって、何かしら褒めどころを見つける努力をしなければならない。あなたの女友達、あるいは身内の女性の賞賛すべき点を分析して、それを伝える。

「彼女は賞賛に値しない」という反論があるかもしれないが、女性が成長するには褒められる必要がある。王、戦士、魔術師、恋人の元型を覚えているだろうか?あなたが恋人の段階に達すると、女性との関係だけでなく、女性的な世界の全てに感謝することになる。女性はまさに頂点である。彼女たちは時空の一点に集中した自然の美しさ全てを運んでおり、文字通り自然の頂点と言える。結果として、女性はこの宇宙が男性に差し出した最大の宝物である。

同時に最大の課題でもあるが、それが人生を継続させ、生命を成長させ続ける。男性性と女性性が互いにバランスを保たなければ生命は存在できず、未来もない。不毛の荒野に女性性を養うには、植物と同じように水をやり、褒めてやる。男性諸氏は女性を褒めるべきである。自尊心を持つ必要はあるが、女性を褒めることと自尊心を持つことは両立し得る。恐怖はそれを認識するために、挑戦を与える。成長を継続するには、男性が困難に立ち向かい、その挑戦を打ち破らなければならない。それが起こらなければエネルギーはなくなり、女性性は先に進むことになる。

恐怖は親密な関係を破壊する。女性を褒めず、無視すると、彼女たちは反抗的になるか、間違った決定を下すようになる。花が成長するには、太陽からのエネルギー、つまり注目を集めることが必要である。男性性とは太陽のようなものである。男性が光を提供せず、課題に立ち向かわなければ、神聖な女性性を破壊することになる。フェミニズムはある意味で歪んでいる。これは女性の二次的な特徴を強調し、人生の小さなことではなく、大きなことに焦点を当てることを強要する。だから女性も家庭を持つことよりキャリアを優先することが奨励される。

彼らが困難に立ち向かわないのは、両親がその方法を教えなかったからである。父親の不在がさらに事態を悪化させている。その結果、男性性は完全に無能であり、女性性は人生を窒息させる。人生の大きな出来事は依然として誰かが解決しなければならないので、女性はフェミニズム社会でそれらに対処することを強いられる。それはさらに大きな問題を引き起こす。父親の不在がもたらす生殖能力の欠如は、人類の大量絶滅に繋がり得る。

この問題を抑制しなければ、この地球は失われるだろう。男性性は時に行動をまとめることに苦労するが、これは女性性を尊重しないことで起こる可能性もある。これは「親密な関係が機能する方法」でも話したが、女性は男性に敬意を払う必要がある。人生の課題に対処して、それらを乗り越えて成功し、恐怖を克服したとしても、恐れがないことを意味するわけではない。恐怖を克服するということは、恐れているにもかかわらず、物事を実現することである。それが真の男というものだろう。

それは立派なことであり、高貴なことである。女性が送った全ての課題を克服し、女性にとって価値のある男になる。男性は自ら課題を乗り越えたので、自分に価値があることを知っている。だから女性が男性を軽視した場合、自尊心をもって次に進むことができる。

女性にも停滞するリスクがある。自尊心を失い、美しさを失う女性。あるいは美しくても傲慢で無礼な女性である。美しさと謙虚さ、つまり陰と陽のバランスを兼ね備えた女性が理想的である。この両方を持たなければならないのが女性の重荷である。男性の重荷は、停滞せず、恐怖にも負けずに課題に正面から立ち向かうことであり、女性はその恐怖をさらけ出す。男性がその課題に対処できない場合、女性はその男性を捨てて、別の男性を選択する必要がある。これが自然選択である。

女性性はエネルギーを維持し、今この瞬間を生きて、流れ続けようとする。男性性は完全性に到達しようとするが、その探求は女性によってもたらされる課題に直面し、打ち勝つことによってのみ獲得できる。人間と地球の過酷な関係は、男性性と女性性のダンスである。

通常、男性は子育てに参加しない。おまけに、家事もそれほどできない。男性は人生の大きな出来事、つまり女性が自分たちに送り込む課題に対処することに集中しているため、頭のスペースに小さなことが入り込む余地はない。これは優先順位の違いであって、彼らが無能なわけではない。その男性が16タイプのうち何タイプであるかによって、女性性とどの程度相性がいいか決まる。アニマとアニムスは、我々の内なる性別が対立しているため、成功するためには自分自身との平和に到達する必要がある。自分自身の中にある異性との平和である。

神聖な女性性は小さなことに焦点を当てるが、人生の最も小さなことでさえ、最も貴重なことになり得る。子供たちは貴重な宝物である。彼らは未来であり、生命が存在する証拠である。この種族の継承レースが無期限に続いていくことが望ましい。もう一つの例はダイヤモンドである。第一世界の社会では男性が結婚する女性にダイヤモンドを提供する。ダイヤモンドは地球上で最も貴重な物質だが、欠陥もある。人間に喩えるなら「罪の性質」である。しかし、この不完全さの中に美しさがあることを理解しなければならない。

小さなことはとても貴重で、価値がある。子育てしたり、家事をこなしたり、男性性の為にエネルギーを維持し、男性性に挑戦を送ることは重要である。これは人生を保証し、成長を保証し、未来を保証する。ただし、この神聖な女性性は家父長制やフェミニズムによって打ち砕かれる。これは不均衡であり、バランスを欠いている。女性は大きなものを、男性は小さなものを見ざるを得なくなった。

古代エジプト人はこのダンスを理解していた。このため、彼らは社会を創造し、規則を定め、伝統的な性別の役割で社会を組織した。彼らは儀式や宗教を通じてこれを守った。自分自身の中で基準を持ち、外界に対して境界線を設けることで、男性性と女性性の神聖さを保護する必要がある。

男性は女性性を称賛する基準を持つべきである。女性はその恐れを暴露して、挑戦をもたらす。自尊心を持ちながらも、美しさを保つべきである。あらゆる創造物の絶対的な頂点としての自覚を持って欲しい。父親の不在を食い止めて、成熟した男性性を回復できれば、成熟した女性性も回復できる。女性は本物の男に従いたいのである。成熟した男性は深い目的を持ち、贈り物を世界に提供するために自分を犠牲にすることを厭わない。

人類がダンスのバランスを保たなければ、成長の代わりに停滞と死が訪れる。それは誰も望んでいない未来である。だから神聖な女性性を称賛し、注目を集める価値があり、その称賛に値することを確認する。女性は宇宙の頂点である。自尊心を犠牲にして彼女たちを崇拝することを求めているわけではない。しかし、この背後にある知恵を理解するべきである。男性は生成し、女性は消費する。女性は常に満足するとは限らず、これが男性に克服すべき課題を常にもたらすことになる。

以上が神聖な女性性の本質である。これを踏まえて、王、戦士、魔術師、恋人あるいは女王、母、マトロン、恋人の元型について紹介していく。