私は常々Niユーザーには自由が必要だと書いているが、自由度が高くなればなるほど、実際にできることは少なくなっていく。これが影響する最も典型的なタイプは、Niヒーローではない。劣等Niは自由を持てば持つほど、実際にやり遂げられることは少なくなる。 

例えば劣等Niが多くの自由を与えられて甘やかされている場合、彼らは常にその自由を守りたいと考える。これはINFPやESTJが力や権威を持った時に、それを握りしめて手中に保ちたくなることと似ている。彼らは人生においてその力を失いたくないが、あまりにもきつく握りしめて指からすり抜けてしまう。ESTPやESFPも自由に関して同じような葛藤を抱えている。彼らが選択をするとそのようになるのである。

コミットメント機能はSiだが、それは彼らのネメシスにあり、心配や懸念という形で非常に感情的な重みを持つ。そのため彼らは決断を下す時には心配に苛まれ、これが大きな問題となる可能性がある。彼らは選択肢のひとつにコミットすることを心配している。自由とは選択肢を与えることである。彼らは直感的に、これらの選択肢の一つを選ぶと、その他の扉は全て閉ざされることを察知する。劣等Niの女性は猶更そうである。彼女は自分がコミットした男性が去ってしまうことを恐れている。

Siネメシスがコミットメントを中心とした心配を与えるため、選択をすると選択肢を失うことを彼らは知っている。そのため、コミットメント自体が劣等Niへの攻撃のように映り、選択を阻害する。その結果、彼らは停滞することになり、何も選択することができなくなる。

彼らが選択をしないと決めると、他の全ての選択肢は消えてしまう。その選択の喪失により、非常識な量の認知的不協和が引き起こされる。その分析麻痺を通して、彼らは自由を失うことになり、選択しないことで選択肢を失うことになる。男女を問わず、ESPは何も決定を下さないまま人生を浪費する恐れがある。

ESTPの男性はアルファ気質だが、女性にコミットしてベータ男性のようになることを恐れている。ひとりの女性を選ぶことで、彼女の枠内に収まり、他の全ての選択肢は閉ざされる。これがロロ・トマッシのような人が、結婚生活を続けるためにドレッド・ゲームを進める理由である。女性にコミットするとセックスの頻度や質が下がり、彼女たちが無礼になる恐れがある。彼らにとってコミットするリスクを負うことは、信念の飛躍が必要なため、非常に困難である。決断を下すには強い信念を要するが、信仰もまたSiネメシスがつかさどる。だから彼らは約束を心配し、以前ほど楽しめなくなることを心配し、過去を懐かしむ。彼らには選択肢があったが、それは彼らを破壊する。

もうひとつの悲観的なNiのペア、つまりENTJとENFJの男性も同様の問題を抱えている。違いは、彼らが意思決定を回避するのではなく、非常に迅速に決断を下すことである。このため、彼らの衝動性はいくつかの問題を引き起こす。そしてSiトリックスターのせいで、間違ったことに手を染めてしまう。彼らは自分が正しいことに取り組んでいると思っているが、実際には全くそうではない。しかし路線変更するには貪欲さやプライドが邪魔するかもしれない。

そこでNeヒーローに連絡して、「これは良い決断ですか?」と訊ねてみる必要がある。忠誠心チェックならぬ衝動性チェックである。少なくともNiペアレントは、この悲観的な決定をしたことに責任がある。ENJも決定を下すと選択肢がなくなることはわかっているが、Niペアレントは追加で新たな選択肢が現れることを知っている。だから次から次へと決断を下したり、複数の約束をすることができる。何度も何度も挑戦しても、成功は得られない。Niペアレントは集中しているつもりだが、実際はただのハイ状態で、長期的には台無しになって嫌な気分になってしまう。

ではNiヒーローはどうか?彼らは確実性の点から意思決定を検討しており、自由が増えれば増えるほど、より多くの選択肢があることを知っている。しかし不確実性が存在する場合、劣等Niのように停滞することになるだろう。劣等Niが潜在意識に移行すると、彼らは英雄になる可能性がある。

ESPが潜在意識INJになる時、彼らは依然としてこの確実性を中心に据えている。もし彼らが確信を持てず、気分が悪くなれば、いかなる決定も下さないだろう。確かなものがない限り、彼らは何もしたくない。NeヒーローはNiヒーローを一定の結果が得られる方向に導くが、Siデーモンには信仰心が欠如しているため、しばしば彼らを信用しない。特にINFJはそうである。ペアレントはトリックスターとリフレクションしているため、これは難しいことである。詳しくはLevel18で取り上げる。

Teペアレントは相手の話を信じる能力が高いが、Tiクリティックが邪魔をすると耳を傾けないことを選択する。そして彼らは停滞して、人生に行き詰る。ESTPにも同じ運命が訪れる。

Niチャイルドはできる限り全ての決定を下す。彼らは前進し続けている限り、常に新しい選択肢が目の前にあることを知っている。不確実性は彼らにとってそれほど重要ではない。それは本当に混沌としたものになる可能性がある。彼らは自分自身の行動の結果に気づいておらず、それに阻害される。しかし、行動と意図は同じである。彼らは最善の意図を持っているが、多くの逆風を受けることになる。

彼らには意思決定の自由があるが、必ずしも健康的ではない。これらをまとめると、どのような結論になるか?結局のところ、Niユーザーの自由度が高くなればなるほど、生活に費やす労力は減る。Niユーザーの生産性が高くなるのは、自由が欠けている時である。その時の課題は、より多くのものを得ることだからである。

人間関係、仕事、コミュニティ、何かに縛り付けられて足枷を嵌められている時こそ、最高レベルの生産性が発揮される。Niユーザーが生活に課す負担が大きいほど、実際の生産性は高くなる。その場合、彼らの意思決定は多くの自由を得て多くの選択肢を得ることが中心となるためである。完全な自由は前進能力を阻害する。そして人生で何も手につかないことになる。結局のところ、最終的には個人の自由と自己規律の間の戦いになる。

特にNiユーザーは自由と規律のバランスを取る必要がある。この両方を活用しなければ、どこにも到達できず、行き詰ってしまうだろう。Niユーザーが成功するには、自由度が低い方が確率が高まる。それがあなたの望むものであるなら、コミットして、何が起こるか確かめることをお勧めする。上手くいかなかったら、やり直せばいい。

人生で経験が多ければ多いほど、やり直すことは早くなり、立ち直ることも早くなる。一歩下がって二歩進む。これがNiユーザーに自由が多くなると努力不足になるリスクを克服する方法である。幸運を祈る。