今回はバックグラウンドタイプの理想主義者、INFPの出番である。彼らは内向・感情・直観・知覚型の夢想家として知られる。通称ドリーマーである。INFPはとても神秘的なタイプである。彼らはINTPと同様、ファッションセンスがない。これはSeトリックスターの仕業である。彼らは年月を経て経験を積むと共に、ファッションセンスを獲得することができる。INFPには全体的に可愛らしさがある。そして、素晴らしい哲学者である。彼らが成長すれば、集団思考の奴隷から脱し、新しい哲学を生み出せるようになるだろう。

しかしINFPは劣等Teという弱点の為に、他人が自分をどう思うか不安である。多くの場合、その不安のせいで彼らは自尊心を失う。彼らは人々に高く評価してもらいたいし、ステータスを得たい。この願望を叶えるために、INFPは潜在意識ESTJを活用して何かの博士号を獲得し、卒業証書を見せて、自分を尊敬する根拠を掲げる。そして論理的根拠をかき集めて、オリジナルの作品を作り出す。例えばロバート・グリーンは「権力に翻弄されないための48の法則」「マスタリー」などの本を執筆した。

SiチャイルドもSiヒーローと同様に、基準点を集めることができる。INFPもISTJに近い存在になることはできるが、彼らは知恵を集めるために知識を求めるのではなく、自分の哲学を発展させるための素材として知識を収集する。人々がそれを拒否すると、潜在意識ESTJは無理やり口に詰め込もうとするが、これは善意からの行動である。INFPはそれが自分の道徳的義務だと感じている。Fiヒーローは全てを良いか悪いかに従って判断する。彼らはバックグラウンドタイプなので、非常に静かである。通常は自分の判断をけたたましく喧伝することはないが、自分の周りの人々は多かれ少なかれ悪人だという信念を抱いている。FeペアレントのIxFJを除いて、誰もFiヒーローの能力を正しく判断することはできない。Fiクリティックの高い道徳基準は、どうにかしてFeネメシスの審査を通過する。INFPは彼らが「私の完璧な道徳基準に近づこうと努力している」ことに満足する。IxFJたちは、INFPの感情を利用して境界線を設定する。そういう次第で、FiクリティックはIxFPを必要とするのである。

Neクリティックは形而上学的なので、INFPはエーテルに手を伸ばすことができる。集合的無意識や他の人々の未来、彼らは何を望んでいるのか、私たちの運命について形而上学的な会話をして、他人の運命を予測する。劣等Teはシステムが人類の未来を破壊することを恐れている。そのため、彼らは自分の哲学を開発し、潜在意識ESTJで他の人々に教えることで、社会変化が起こるように努力する。INFPは理想主義者として、社会に変化をもたらす義務がある。

しかし彼らは気分によって怠け者になり、快適ではないからやりたくないモードに陥る傾向がある。INFPはINTPやISTJと同様に、マンネリの轍に嵌ってしまう可能性がある。ISFJは他人の感情を認識しているので、この罠に嵌る危険性はない。彼らはコンフォートゾーンの外に出なければならない。INFPが甘やかされて育つと、彼らは世界が自分に何かを与えてくれるという信念を抱くだろう。彼らは夢の国に住んでおり、常に空想している。彼らの理想世界では、誰もがINFPを高く評価しており、常に良い経験をしている。問題は、その理想が現実と何の関係もないことである。彼らがそれに気づくと、もう何もしたくない気分になり、Siチャイルドのトラップから脱出することができなくなる。そしてINFPは何もしない。外部の物理的環境で何が起こっても、Seトリックスターは気づかない。

INFPにとって、怠惰は大きな問題である。そして、問題はこれだけではない。彼らには潜在的に不誠実だという問題もある。一見すると、INFPは忠実そうに見える。彼らは相手の思考を整理し、未来について警告するが、ここには秘密の契約がある。その代わり、相手はINFPが怠惰でいることを許さなければならない。成熟した人間は、自分の義務や忠誠心を理解し、それを実行する。INFPにはTiがないので、物事を検証することができない。劣等Teは物事を文字通りに受け取るため、彼らは自分で「責任を負わなければならない」という結論に達することが難しい。さらに外部からの評価に不安を感じるので、個人的な責任を負うことはINFPにとって恐ろしいことである。だからINFPを育てる場合は、人としての責任を教える必要がある。

もし親から教わっていなくても、自己親密性の4つの柱を学ぶことができる。自尊心を持ち、自分を適切に愛することができれば、他の人もINFPを愛することができる。そしてINFPも他人を愛することができるだろう。これは人間育成シリーズに関わる話である。とにかく、INFPは快適であることを重視する。だから何かを予測できない場合、彼らはそれを避ける。Siチャイルドが経験していない状況では、彼らは恥ずかしがり屋である。ただし、あまりにも平凡であると、Niクリティックは興味を失い、INFPはマンネリ化し始める。

INFPをマンネリから脱出させたい場合、恋人や配偶者がどう思っているか伝えるだけでは、十分ではない。外部の人々から、多くの評価を持ち込む必要がある。なぜなら、潜在意識ESTJは情報源を引用しようとするからである。STJにとっては、引用が全てである。だからINFPに対処するには、それを彼らの義務にする必要がある。多くの人々がINFPを評価していない出典を引用し、サポートする意志があることを表明すれば、INFPは変わり始める。彼らは突如として個人的な基準を持ち、個人的な境界線を設定し、個人的な目標を掲げるようになる。それが彼らの義務だからである。ただし、それは複数の情報源からの引用が全て同じ結論を示している場合のみである。INFPは自分の意見を最重視している。それを裏付ける出典が無い限り、彼らの意見を変えることはできない。

劣等Teは評判を失うことを非常に恐れている。INFPはオタク的に思われるが、実際にはそうではない。彼らはオタクというよりもミステリーサークルに近い。INFPは特定の芸術を学び、習得することに優れている。NeペアレントとSiチャイルドは、パターン認識に個人的な経験や感じ方を加えて、オリジナルティを編み出すことができる。マンネリに陥っていない時、Siチャイルドは驚くべき自己規律を発揮して、楽器や絵画をマスターする。マンネリに陥らないように自制心を持つことが重要になる。これがINFPの自我である。

無意識ENFJ、あるいはFeネメシスは他の人々が悪人であることを心配している。むしろ社会全体が悪である。彼らは哲学を発展させ、それを他人に教えることで社会を改善しようとする。ただし、INFPは改革の実行者ではない。彼らは社会変革のためのビジョンを提供し、NFJがそれを実行する。NFPが利己的でなければ、彼らは協力し合えるだろう。INFPが利己的に見えるのは、経験が足りていないからである。INFPは社交的な人々が悪人であると信じており、そのように振る舞うことに抵抗がある。適切な社会規範を教えれば問題は解決するが、劣等Teは集団思考に屈し、多数決に同意する。彼らは他人の思考に同調し、誤情報に騙される。

NFJのTiは嘘を切り捨て、INFPのシステムを論理的に破壊することによって、道徳的立場を改善する手助けをする。INFPは全てを単独で行うことはできない。INFPは自分を善良な人間だと信じており、さらに良くなるために学習する必要はないと思っているが、それは集団思考に基づいた善良さを、Siチャイルドで維持しているだけである。Niクリティックは自己改善に時間がかかる。彼らは人々が間違ったことを望むことを知っているので、自分に何かを望むことを許さない。INFPは忠実なタイプだが、不誠実な場合もある。彼らの美徳と悪徳は忠実と不誠実である。

無意識ENFJは他の人々を悪人だと信じている。自分ほどの善人は誰もいないので、誰かにコミットしたくない。このような理由から、彼らはNFJに辿り着き、忠誠を捧げることがある。それでもINFPは彼らに疑念を抱くことがある。しかし忠実なINFPは相手を愛しているので、彼らと感情的に絡み合って、快適になる。INFJの愛の言語はクオリティ・タイムである。ENFPはスタータータイプなので、充実した時間を脱線させてしまうことがあるが、INFPはSiチャイルドでそれをやり遂げる。そしてNFJのパートナーはINFPが何をしているかに興味がある。

そしてSeトリックスターである。INFPは物理的環境を意識していないので、物を落としたり、ファッションセンスが悪いという問題があるが、他人がどう思うかを恐れているので、Siチャイルドを使って服装を改善しようとする。INTPの場合、そんなことは起こらないだろう。彼らは誰かに管理される必要がある。INFPはそのうち自分で対処できるようになる。そして可愛らしいINFPが出来上がる。

INFPが成熟して洗練されていくにつれて、地位と知識が伴っていく。彼らはこれまで学んだ全ての情報源とデータを自分の哲学に取り入れ、さらにそれを夢の世界と混ぜ合わせる。そして作り上げた新しい哲学を世界と共有し、社会変革をもたらすのである。彼らは時間の第一法則の中に生きているので、以前に起こったことは全て再び繰り返される。彼らの普遍的な哲学は、全ての人々の未来を守るだろう。彼らは素晴らしい教師になる。INFPは潜在意識ESTJがあるので教授のような雰囲気を持つが、無意識ENFJも持つので指導者にもなれる。INFPは理想とアイデアに特化しており、専門性を高めればそれを誰にでも教えることができる。そして自分の哲学を確実に相手に植え付け、維持させる。

Tiデーモンには気を付けた方がいいだろう。もしINFPと自分の考えを共有しなかったり、彼らを不快にさせるなら、非難されることは避けられない。INFPはあなたを破壊する解決策を考え出す。INFPに別れ話など持ちかけたら、持ち物を破壊される恐れがある。どうやってそれを回避し、彼らと良い関係を築いたらいいか?チャイルドに、彼らがどう感じているか尋ねるのである。そうすると彼らは愛されている、あるいは尊敬されていると感じるだろう。そして望むものを常にINFPに伝える。そうしないとINFPは推測するしかなくなるが、物事を彼らの解釈に任せるのはお勧めしない。Siチャイルドは過去に上手くいったことに逆戻りしてしまうからである。劣等Teには自分の考えを伝える必要があるが、過度に批判的になってはならない。そうすると、特にNFJに対して、INFPは不誠実になる。

INFPは攻撃に耐えることはできるが、Siチャイルドは敏感なので、不誠実になる可能性がある。ただし、INFPとの関係を終わらせたい場合、批判は有効である。彼らは静かな湖の上に浮いている仙人のようなものである。あなたが石を投げても、彼らには当たらない。仙人は瞑想を続けており、それについて出来ることは何もない。常に彼らを積極的に批判する必要があるが、やり過ぎてはならない。ESTJの正義感が反撃を許可すると、彼らは超自我ISTPに移行する。そして近くにある武器を手に取り、物理的環境を破壊するだろう。INFPと別れる時は細心の注意を払わなければならない。

しかしNeペアレントが誠実さを感じ取れば、相手の言うことを聞くべきだと彼らは知っている。基本的に、彼らは変わりたくない。INFPは自分が何をしたいかではなく、何をすべきかという義務で動く。Feネメシスには自分が良い人であることを教える必要があるが、あなたがFeユーザーであれば、彼らの道徳を吸収し、倫理的に行動することを志向しているだろうから、通常は問題ない。とにかくINFPには変わらなければ結果が生まれないことを教えなければならない。これは最後までやり遂げる必要がある。そうしなければ、INFPはあなたより長生きするだけだろう。彼らは常軌を逸した耐久力と持続力を持っている。

INFPにとって、物理的環境は何の意味もない。彼らにとっては形而上的な環境が全てである。このため、INFPの部屋は散らかっていることがある。掃除することを彼らの義務にしなければならない。彼らは夢の国に住んでおり、現実は何の意味も持たない。また、Teが願望と組み合わさると、優れた財務管理の能力を発揮する。外国為替取引やビジネスで優れた手腕を振るうかもしれない。ただし、それらの分野について本を読み、経験を積めばの話である。全ての準備が済めば、Siチャイルドは20年たってもそれらを思い出すだろう。

あなたがINFPと関係があるのなら、彼らが哲学を形成・発展させることを手助けし、その哲学を世界と共有することを支援して欲しい。そのように世界をより良い場所にすることが彼らの目的である。結局のところ、INFPは夢想家なのだから。