今回は提唱者、あるいはチャンピオンとしても知られるENFPの美徳と悪徳である。ENTPにも似たようなところがあるが、彼らは信念に基づいたアイデアを提唱することが目的である。

これまでのタイプと同様に、ENFPは美徳と悪徳を持っており、このシリーズで最後のスタータータイプである。最初に多くのエネルギーを注ぎ、それ以降はそれほど努力しない。それが美徳と悪徳に何の関係があるのか?ENFPの美徳は慈善だが、彼らは全てのタイプの中で最も慈善活動に熱心である。ESFJやENFJにも思いやりはあるが、ENFPは自らの信念体系や哲学を人々に布教する手段として慈善活動を行う。彼らは贈り物を受け取るのが大好きである。これはENFPの愛の言語であり、それゆえに贈り物をすることも好むのである。

贈り物をするのが好きなのはENFJだが、ENFPは贈り物を受け取りたがる。そしてたくさんの贈り物をせしめるので、余った分を慈善活動に使い回すことができるのである。彼らが感謝を表現する方法のひとつが、慈善活動である。ENFPは様々な活動に参加し、無作為に財布を取りだして、どこからともなく大金を渡す。彼らは募金活動に従事するが、その寄付金が何の用途で使用されるかは不明である。

ENFPは教会、コミュニティ、ホームレス保護施設、地元のスポーツクラブ、ボーイスカウトなどに出没し、募金活動を行う。何らかの慈善イベントの背後にはENFPがいる可能性が高い。ただ金を寄付すればいいわけではなく、他人の考えを操作し、頭の中に正しいアイデアを植え付けるところまでが遠足である。全てはポジティブな変化を起こし、人々がより良い未来を手に入れるために行われる。

問題は悪徳である。彼らの悪徳は堕落であり、このために人々はENFPに問題を感じる。彼らが堕落すると、ENFPは慈善から利己主義に一変する。そうなると彼らは人々を利用し、与えた贈り物を取り戻そうとする。要らないから寄付したのに、手元からなくなると急に惜しくなってくるのである。これはENFPの堕落モードを表す一例に過ぎない。

ENFPが堕落すると麻薬の売人に成り下がり、SPのように刑務所に閉じ込められることになる。そこで不快な気分になれば彼らは変わるが、ENFPは非常に自己中心的になるため、他の人々に及ぼした被害に気づいていないことがある。だから彼らには細心の注意を払わなければならない。ENFPは自分たちが堕落することを知っていて、周囲の人々も自分と同じように堕落すると思い込んでいる。したがって、他人の堕落から自分を守るために、自分に有利なデータを用意しようとするが、そのデータに助けられて自分が堕落してしまう。ENFPの最重要事項は自分が快適になり、気分が良くなることである。そして自分たちが慈善活動を行うべきであることを忘れてしまう。

ENFPの慈善活動は恵まれない子供たちの人生を変える。ENFPは自分が特別だと感じたいのである。そしてNFJたちは、相手が特別であることを感じさせたいと思っている。NFJは「ENFPさんはとても賢くて、合理的で、慈善的で、ステータスが高い」とあることないこと吹き込んで持ち上げる。ENFPはその全てを受け入れる。NFJたちはENFPを薔薇色の眼鏡で見ており、堕落するリスクを認識していない。

ENFPはソーシャルエンジニアリングの方法や、特に営業分野で他人の思考を操作する方法について教授することができる。習ったことがない?ENFPの本性はスタヴローギンやマンソンである。彼らが堕落を脱け出す健全な方法のひとつは、セールスマンになることである。そうすれば、彼らは自分が特別だと感じながら取引を終えることができる。ENFPが特別だと感じている限り、彼らが堕落することはない。しかし、この特別感が堕落を促進する面もある。ご存知のように、ENFPは快適であることを好む。彼らは潜在意識ISTJを持っているので、常に変化したくはない。彼らが快適で、特別感を保っていれば、慈善活動を続けられる。その状態を保っていれば彼らのニーズは満たされ、それほど堕落することなく感謝の気持ちを持ち続けることができる。

そうしてやれば、自然と他人にも与えたくなる。通常、彼らが自ら進んで与えることはない。ENFPの慈善活動は、どのように扱われたかに対する反応である。「自分がされて欲しい様に他人に接する」という黄金律は、このようにENFPにも当てはまる。ENFPに寄付をしていれば、彼らが堕落モードに陥った時に、それを思い出させることができる。しかし、依然としてENFPは悪徳に染まる危険性がある。

そういう時は、彼らに罪悪感を抱かせるしかない。FeクリティックでENFPに罪悪感を抱かせて、ENFPの慈善が不十分であることを思い出させる。かくしてENFPはチャリティモードに戻るのであった。このようにチェックしないと、ENFPにとって深刻な問題が発生する。彼らが慈善活動を継続することで、世界に大きな恩恵をもたらすことになる。

可能な限り、彼らを特別な気分にさせなければならない。これは非常に重要である。そうしないとENFPは麻薬王に変貌する。ENFP(複数形)は自分の経験を他者と共有し、どれほど酷い状況にあるかを共有する。しかし、これまで自分たちに起こった幸運や、他人から与えられた経験を思い出すと、彼らは心から感謝する。その思い出を持つことこそが、堕落を防ぎ、慈善活動に集中させることに繋がる。

彼らは自分たちが酷い可能性を秘めていること、悪事を働いてきたことさえ認めるだろう。ENFPが堕落すると極めて快楽主義になる。特にENFPが未熟であればあるほど、その状態は悪化する。まあENFPが成熟していたとしても、彼らが最高の異性を惹きつけるわけではない。しかし未熟な場合、高貴さに欠けていたり、美しさに欠けている人々が寄ってくるので、ENFPは特別感を味わうことができない。そして彼らの堕落は進行し、最も近距離に居る人々の人生を破壊することで、特別感を得ようとする。ENFPが過去の所業を認識し、罪悪感を感じて自己改善と変化を求めれば、彼らは美徳を保ち、悪徳を避けられるようになる。

ENFPの恋人や友人を堕落から守りたいなら、彼らが得た全てを思い出させる必要がある。そして自分がどれほど特別かを感じれば、ENFPは慈善活動をするべきことを思い出すだろう。そして自分が堕落したからといって、他人まで堕落させるのを防ぐことができる。「情けは人の為ならず」とはこのことである。