今回は色々な意味で面倒な二つのタイプ、ENTPとENFPの違いである。これまでも言及しているように、MBTIテストは人の本質を突き止めることができないので、人々は検査結果に疑問を抱き、この二タイプの間で混乱する。

両者の違いを見分けるのが難しい理由は、インタラクション・スタイルが同じスタータータイプであり、情報を提供し、動きを開始することを好むからである。最初に多くのエネルギーを注ぐので、最後は余力が残っていない。これがENxPの典型例である。ただし、一点に力を集中できた場合は別である。彼らにはINxJの無意識があり、Niネメシスに全ての力を集中することができる。そのためにはひとりになり、内向的になれる時間を確保しなければならない。もし彼らが誰かを深く愛していたり、尊敬していれば、エネルギーは最後まで維持されるだろう。しかし、あまりにも気を散らすものが多すぎると、エネルギーが分散し、始めたことをやり遂げることができない。

彼らはあまり直接的ではないので、話を解読してやらなければならない。ENTPはTiペアレントがあるので、ENFPより直接的である。論理には真実か虚偽しかないので、必然的に直接的にならざるを得ない。Teは情報提供的である。Level18で心理機能の力学について取り上げるが、現時点ではタイプの基本的な違いを理解してもらいたい。Level17、Level18は理論の中核として、重要なシリーズとなるだろう。ENTPとENFPは同じインタラクション・スタイルを持つが、気質は異なる。彼らはとても恥ずかしがり屋で、内気である。しかし、その内実は異なる。ENFPが恥ずかしがっている時、彼らは堕落していて利己的になっている。ENTPの場合、内気は正義感の結果である。

ENTPは潜在意識ISFJの秘密契約が発動し、この契約を果たさなかった者に正義の裁きとして復讐を実行することがある。これは非常に操作的であるが、彼らに悪意はない。しかし、人間は意図ではなく行動で判断される。「地獄への道は善意で舗装されている」と言うように、行動は言葉よりも雄弁なので、自分の行動に責任を持たなければならない。気質の話に戻ると、ENFPは理想主義者、ENTPは知識人である。ENFPは自分のTeチャイルドをTiペアレントと誤解して、ENTPを名乗ることが多い。ENTPは真実を見つけるために議論するのに対し、ENFPは基準点を見つけるために出典の引用を求める。

ENFPにとっては、真実よりも親和性の方が重要である。ENTPは権威を嫌うので、権威者が定めた基準点に従うなど、とんでもない話である。ENFPは意思決定を行う権威者を探し出し、その人物と友人になろうとする。権威者が好意を寄せてくれれば、ENFPは良い気分になり、自分も彼あるいは彼女を好きになる。ENTPは実用的なので、自分がやりたいようにやる。彼らの判断基準はシステムにあり、体系的に物事を考えることが全てである。ENTPは自分が従うべきプロセスを探求するが、ENFPは興味ベースで動く。そのシステムが自分や他人にとって何の役に立つのか?といった視点である。ENTPとENFPはどちらも直観的なので、抽象的な話を好む。

ENFPが知識人と誤認するのは、彼らが非常にアカデミックになり得るためである。潜在意識ISTJが発達すると、学者的な話ができるようになる。ENFPはTiトリックスターを持つが、どういうわけかメンサの試験に合格してしまう。Teチャイルドは資格試験の勉強が得意である。テストに合格しさえすれば取れる資格なら、彼らは努力して取得する。ENTPはあまり勉強していない。多動系のENTPたちにはオーディオブックを推奨する。

心理機能に関して言えば、この二タイプはNeヒーローであり、パスファインダータイプとして知られる。彼らは村の村長ではなく、シャーマンである。シャーマンは村長と同様に尊敬されるが、いつでも次の村に移ることができる。彼らは村人の心理的健康や、精神的成長に責任を負う。彼らはこれを処理するのが上手い。そういうわけで、ENFPはカルトの運営をしていることが多い。ポリアモリーに興味を示すこともあるだろう。ENTPは心理的スキルを、人間関係を最適化するためのシステム構築に利用する。いずれにせよ、重要なのは時空の固定点である。劣等Siが時空の一点に存在するなら、以前に起こったことは全て再び起こるだろう。自分や誰かの歴史を知っていれば、未来を予測することによって、他人の運命を変えることができる。これは未来の操作、形而上学の操作である。

形而上学の定義?形而上学とは、もしもの未来、集合的なIf、集合的に可能なことの話である。世の中には誤って定義されている言葉が沢山ある。集合的な白髪頭の投票数で定義が決まるとしても、その白髪頭が定義を誤って理解していたら、何の意味もない。ENTPとENFPは、どちらも他人が何を望んでおり、何を意図しているのか知っている。彼らは実際に決断が下される前に、その結果を予測することができる。あなたは彼らにとって予測可能な人物である。彼らと親しくなって情報を開示すればするほど、ENxPたちに運命を変えられる可能性が高まる。彼らはあなたが望むものを持ってきて、喜んでそれを与えるだろう。人々の運命を変え、正しい軌道に戻すことが、より良い未来を与えることを手助けする。

両者のペアレントにも違いがある。ENTPは真偽に焦点を当てているが、ENFPは自分の気分に焦点を当てている。気分が悪いと、それをやるのは時間の無駄だと思う。ENTPはシステムが機能していれば仕事を続けるが、ENFPはシステムに問題がなくても気分が悪ければ作業を中断する。「気分が悪いのでサボります」とは言えないので、「このシステムは人々を傷つけている」と尤もらしい理由を捻り出す。ENTPにはFeチャイルドがあるので、見かけよりは思いやりがある。彼らは玄関マットになる可能性がある。劣等Siはあらゆる記憶を追跡し、自分に打撃を与えた人間を一人残らず覚えている。いつか彼らに正義の鉄槌を下す機会が訪れるかもしれない。その時が来れば、ENxPは喜んで義務を果たすだろう。

ENFPはTeチャイルドを最適化するためにリソースを貪るように読み、潜在意識ISTJを構築して歩くアレクサンドリア図書館となる。ENFPは学者になるが、ENTPは潜在意識ISFJの鎧を着た輝かしい戦士となる。彼らの哲学は水のようなものであり、内向的直観は火のようなものである。そして外向的感覚は風に、内向的感覚は大地に結びついている。これらの元素は心理機能と関連している。あなた方は魂に大地を宿しているのである。これは「人間が土から作られた」という聖書の原則とも一致している。そして、人体の殆どは水分である。さらに言うなら、神は風や炎を自身の使者として用いる。

Teチャイルドは他の人々が何を考えているかを基準とし、Feチャイルドは他の人々がどんな気分かを基準とする。ENTPは人々の気分を良くしようとするが、ENFPは自分の気分を良くしてもらうことを好む。ENFPは贈り物を受け取りたがり、ENTPは与えたがる。しかしENFPが感謝しなければ、ENTPはそれを覚えているだろう。劣等Siは忠誠心が強く、欠点に対しても忠実である。彼らは不当な相手に対しても忠実になる。

劣等Siは間違った相手に夢中になり、ストックホルム症候群のごとき熱情を捧げる。「サムソンとデリラ」は、間違った忠誠心を抱いたENFPの物語である。劣等Siのもうひとつのキーワードは、快適さである。この二タイプは快適であることが重要だが、外向的感覚に欠けているため、他人からどう見えるかを意識していない。ENFPにはTeチャイルドがあるので許容範囲内の外見を装うことができるが、ENTPはファッションに活用できるシステムを見つけなければならないだろう。自我における違いはこのくらいにして、次に無意識に移る。彼らはNiネメシスを持っているので、自分の未来を心配している。さらに劣等Siは、自分の不快感を病気と結びつけるので、Neヒーローたちは心気症の問題を抱えている。そして自分が不治の病だと思い込み、ERに駆け込む。彼らはスタータータイプなので、行動せずにはいられないのである。

コントロールタイプは、行動よりも結果重視である。したがって、達成したい結果ごとに個別のプロセスを見つけなければいけないので、時間がかかる。ENxPたちは全てに機能するマスタープロセスを持っており、物事を迅速に行うことができる。既に述べたように、ENTPは潜在意識ISFJの騎士であり、ENFPは潜在意識ISTJの学者である。つまり、より学者的な方がENFPとなる。義務と名誉志向ならばENTPである。ENTPの自我は泥棒か詐欺師と相場が決まっているが、彼らが成長するにつれて、泥棒は偉大な騎士になる。Niネメシスにより、ENxPは若くして死ぬことを心配している。だからこそ、Neヒーローは全員の運命を自分の運命と結びつけ、彼らが成功すれば自分も成功するように仕向けようとする。あるいは、自分が失敗した場合は、他の人々も道連れである。これは彼らを優れたCEOにする。スティーブ・ジョブズのように、革新的で皆が欲しいものを提供するCEOである。勿論、成功すれば、の話であるが。

彼らの観点からすれば、自分が人々の望みを叶えてやれば、他人も自分の望みを叶えてくれることになる。だから彼らは全員の合意を取り付ける必要がある。いわゆる互助会である。Fiの利己主義のため、ENFPはENTPよりも他人の望みを取りこぼしやすい。しかし劣等Siが忠実である限り、ENFPは人々が自分に素晴らしい体験を提供して快適にしてくれたことを覚えている。ENFPは彼らに対して忠実であり続け、誰も見捨てられないように努力する。

ENTPとENFPの違いは、彼らの批評家、彼らの知恵が存在する場所にもある。ENTPは統計、データ、出典に対して批判的であり、誰かから適切な意見を得ることが難しい。彼らがインプットするためには、ヒーローやペアレントがTeである人々に囲まれる必要がある。特に女性でこのタイプは見つけにくいが、どうにかして欲しい。ENxPは亀である。彼らが成功するには、試行錯誤して劣等Siに経験を蓄積しなければならない。これまでにやったことがないことは、必ず失敗する。それを何千回と繰り返すのである。この時間を短縮するには、Teのインプットが不可欠となる。ウサギと亀は競争するのではなく、川の上を泳ぐ亀の上にウサギが座って目的地に行けばよかったのである。エジソンを見てもわかるように、これらのタイプは天才ではない。しかし、努力すればそれに勝るとも劣らない成果を挙げることができるだろう。

Teクリティックがあるため、ENTPは他人の考えに批判的である。彼らは他人が愚かであると思い込み、他人の意見に耳を傾けて、批判を受け入れることに消極的であるが、成功者とは批判されるものである。成功者でもないのに批判されるENTPの方が多いだろうが、これは傲慢や自惚れを防ぐ効果がある。Feクリティックは、ENFPにとって罪悪感が潜む場所である。彼らは時間、お金、労力、贈り物などのリソースを与えたくない人間に割くことを嫌う。自分の気持ちや慈善活動のやり方を操作されたくない。また、他人の価値観に対しても批判的である。ENTPは他人の価値観に寛容だが、ENFPは自分の道徳に自信を持っており、不道徳な周囲の人々と一緒にされたくないと思っている。

ENTPも同様に傲慢である。Seデーモンにより、彼らは自分が最も賢いタイプではないことに、なかなか気づかない。謙虚に批判を受け入れるENTPは希少種である。トリックスター機能がENTPの道徳心を奪い去ったせいで、自分がどう感じているか認識できない。彼らは道徳的に行動するつもりはなく、このせいで社会的に厄介な存在となる。彼らは気づかぬうちに、人々を不快にさせる。一方、ENFPにはTiトリックスターがある。ENTPの観点から見ると、何でも良いことにも悪いことにもなるように、ENFPは何でも真実にも虚偽にも思える。論理的に言えば絶対的な真実は存在するし、絶対的な善が存在するという信念を抱くこともあるだろう。ENFPにとっては、自分の信念が全てである。

彼らのSeデーモンは非常に暴力的で、底意地が悪い。彼らは現実を嫌う。現実は全てくだらないものであり、リセットボタンを押して終わらせたいものである。そして心機一転し、新たな可能性を追いかける。ENTPとENFPは自分が信念を置ける何か、忠誠を尽くせる誰かを見つける必要がある。何だったら、私を信仰してもらってもいい。信仰が無ければ、Niネメシスが完全なる絶望を与えるだろう。しかし、自分が信じてきたことが偽りだったことが明らかになった時、信仰はやはり絶望に変わる。

だからこそ、自分が信じているものが機能しなくなったとしたら、それを別の何かと置き換えるために迅速な行動が求められる。彼らは常に何かを信頼しており、それが攻撃に繋がる可能性がある。この二タイプは信仰している対象に食い物にされるので、簡単にソーシャルエンジニアリングされる。劣等Siは人生で試行錯誤して、自分の間違いから多くを学ぶ。Seデーモンは「人のふり見て我がふり直せ」ができないので、他人が何を経験しているか知らないし、自分たちの何がおかしいかもわからない。Seデーモンは人を不快にさせるため、会話を始める時は注意が必要である。彼らは会話を開始するのではなく、応答した方がいい。特にNJの女性が主導権を握ってやれば、Neヒーローは本当に快適になるだろう。

ENxPたちのエネルギーは、男性的と言うよりも女性的である。これは男性的なエネルギーを持つNJの女性と相性が良い。ゴールデンペアの関係は自由度が高く、どちらの役割や責任も負うことができるので、その点を覚えておいて欲しい。超自我ESFPが現実を歪めようとする時、ENTPは世界が燃えるのを見たいだけである。超自我ESTPは醜い世界に嫌気が差し、自分の気分を良くするために破壊活動を行う。いずれにせよ、現実が壊れる時、そこには新たな世界が生まれる余地がある。新しい現実を創造することで、思いもよらなかった人生が可能になる。

全てが燃え尽きて灰になると、そこから不死鳥フェニックスが復活する。彼らはスタータータイプなので、次から次とへ何かを始めては、失敗してそれを焼き払い、次のことへ着手する。そのうちに焼却処分しなくてもいいものに行き当たる。なぜ上手くいったのか、なぜそれをやろうと思ったのか、彼らはわからないだろう。しかし、それでいいのである。ENTPとENFPは同じインタラクション・スタイルを持ち、同じ知覚機能を持つので、混乱を引き起こす。両者は同じ世界を見ているが、それに関する判断は異なる。そこがタイプを決める際の鍵となるだろう。詐欺師がENTP、カルト教祖がENFPである。くれぐれも彼らには気を付けてもらいたい。