先日セッションに来た方がISTPだったので、今回はISTPとINTPの違いである。これらのタイプはどちらも賢いが、異なるインタラクション・スタイル、異なる気質を持つ。それにもかかわらず、人々はINTPとISTPの間で混乱する。

ただし、INTPはよりシステム思考であり、ISTPは自分の興味に基づいている。INTPはフレームワークを操作するために、「それがどんなシステムであるか」を知りたがる。これを機能させるためのシステム、プロセス、ルールはあるか?ルールとは、社会的慣習や規則のことではない。INTPは非常にシステマティックで定型的である。ISTPは全く定型的ではない。彼らは自由を愛する職人であり、機械的スキルに長けている。どちらも何が機能し、何が正しいかに焦点を当てているが、ISTPは「現状」、INTPは「もしも」を重視する。

そしてISTPは、四六時中、他人が何をしているか監視している。しかし自分が監視されることは嫌う。どのタイプも偽善者であり、独自の偽善の形があるが、これがどのように表れどんな影響を与えるか、いずれ講義してやろう。

話を戻すと、INTPは抽象的で、未来の可能性に意識が向かう。ISTPは具体的に現実で何が起こっているかを意識する。STPは現実主義者である。心理機能について言えば、両者ともにTiヒーローを持つため、思考は得意である。巨大なCPUを搭載しているが、ISTPにはRAMがあり、INTPにはハードドライブがある。SeペアレントとSiクリティックが連携することで、感覚領域を熟知できる。一方、NeペアレントとNiクリティックは、形而上的領域を支配する。

INTPはエンジニアとして、形而上的ソリューションを設計する。彼らはシステムに沿って体系的なパズルを組み立てる。ISTPはクラフトマンの名に恥じぬ物作りをする。彼らは何かを構築すること、何かを作り上げることが好きである。しかしINTPが事前に完成品を予想してから作業を始めるのとは対照的に、ISTPは即座に着手する。一方が前向きに、一方が後ろ向きに作業するようなものである。

Tiヒーローは全てのタイプの中で最大の処理能力を持ち、優れた思考力を持っている。問題は、どちらが勝つかということである。形而上的な状況ならINTPが勝ち、現実に基づいた状況ならISTPが勝つだろう。そしてお互いの状況を入れ替えれば、両者を無力化することができる。生産性を高め、衝突を防ぐためにも、彼らは別々に隔離しておくことが望ましい。

ISTPにはSeペアレントがあるため、物理的環境に展開するパターンを把握し、Niチャイルドが望むように周囲の環境を歪曲することができる。そして銃の組み立て方、製造方法、ラインの動かし方などを指導する。ISTPの潜在意識はENFJである。彼らは意外と教えたがりなので、ツールの適切な指導方法についてアドバイスを求めるといいだろう。ただし、ツールを勝手に動かしてはならない。Siクリティックはハードドライブの容量が小さく、ツールがどこにあったか思い出すことができない。ISTPは激怒し、殴るか罵倒してくるだろう。見つけた場所と全く同じ場所に戻さないなら、ガソリンを被ってISTPにマッチを渡しているようなものである。

Seペアレントは物理的環境に責任を持ち、素晴らしい経験や感覚を作り出して、他の人々と共有することができる。彼らの身体は物理的な道具であり、物理学と機械を組み合わせた認識を利用して、やったことのないスポーツでも容易に習得するだろう。そして、それらの経験をフレームワークに落とし込み、プロジェクトを完成させる。ISTPをはじめ、SPたちが活字を読まないのは体験学習を重視しているためである。彼らは漫画、図鑑、画集など視覚情報があるものを好む。ISTPが暇そうにしていたら、何かいじくり回せるものを与えてみるといい。

INTPと異なり、ISTPのNiチャイルドは自分の望みに対して非常に無邪気である。地雷原を歩いていても、神の手が介入して地雷は爆発しない。物事が上手くいくことを彼らは信じている。INTPは形而上的な領域で思考実験を行い、創意工夫を凝らす。規模が大きくなると、アインシュタインのように相対性理論を生み出すことができる。この抽象的な概念の結果として、ワープドライブやタイムトラベル、潜在的な空間について話すことが可能になる。

Neペアレントは、他の人々の望みや意図をよく知っている。Seペアレントも、他の人々がしていること、望んでいる経験を知っている。彼らはある程度、人々の背後にある意図を把握しているものの、それは異なる種類のものである。ISTPは物欲しそうにしている人間に料理を作り、与えてやる。どちらのタイプも他人に求められたいと思っているが、ISTPは誰かに(官能的なものも含め)感覚を与えたり指導を行って喜びを得たい。INTPは他人の欲望を感じたい。ここにISTPとINTPの違いがある。

Niチャイルドの意志の力にも言及しなければならない。彼らは自分の力で何でも行い、問題解決の方法を見つけ出す。一生懸命に働けば、会社を成功させることもできるだろう。しかしISTPは自分の才能を信じていない。Fiデーモンは何を感じるかを認識できず、Teネメシスは他者の評価に疑念を抱いている。だから他人の評価に対して「自分を操作しようとしているのではないか」とTiチェックが入る。Neトリックスターは他人が悪意を抱いていても、検出できない。これがISTPの弱点である。私のようなSiユーザーは、他人の悪意や悪い未来について警告することで、ISTPを保護する役目を担う。「バスに轢かれるかもしれないから、道端で作業するのはやめろ」と言ってやるのである。

ENFPはいつもISTPを操作しようとしている。コミュニケーションや説明がないと、認識は現実になる。NeヒーローはNiチャイルドを、TeチャイルドはTiヒーローを操作しようとしている。主人公は子供と遊んでやるのが好きである。これが深刻な問題になる可能性がある。INTPはSiチャイルドを持つため、自分が快適であることが第一である。彼らは常に快適さを求め、自分がしたい経験に没入する。結果としてINTPは忠実であり、自分がやるべき義務を果たすが、ISTPは自分が望むことをする。

ISTPとINTPは同じコインの表裏であり、どちらも同じ場所に到達しようとするが、違う方法でそれに取り組む。INTPは概念と設計をベースにツールを開発し、ISTPはツールを弄っているうちに概念を創造する。同じようなことをしていても、ISTPの方が数が多いため、INTPは変人に見られがちである。変人なのではなく、INTPなだけということを理解して欲しい。人々は物事について間違った信念を抱くことがある。人間についての偏見もそのひとつであろう。Tiヒーローはこれを検証し、批判しなければならない。

論理によって人々の信念を検証し、間違った信念を非難する。それによって、周りの人々は離れていくかもしれない。しかし、批判に耐えられない人々など自分の人生に必要だろうか?職場では妥協せざるを得ないだろう。とはいえ、転職・独立などの手段もある。もし友人・家族が批判に耐えられないならば、彼らは最初からあなたに必要ない人間だった。人々の考えを検証することは、特にISTPにとって重要である。INTPは他人の意図を認識しているので、予想外の裏切りに遭う可能性は低い。ISTPが操作されたり、利用されることを防ぐためには、Tiヒーローで検証することが欠かせない。

INTPの潜在意識はESFJなので、彼らは玄関マットになってしまう恐れがある。自分が虐げられたり、利用されるパターンに気づいた場合、それをSiチャイルドに記憶し、自制心をもって行動を起こさなければならない。彼らはコンフォートゾーンに執着するあまり、それを面倒くさがる傾向がある。もし子供がいたら、それを言い訳にして動かないかもしれない。そして子供は成長した後も腐った人間関係を繰り返す。虐待的な配偶者と別れ、子供に自尊心を教えるのが親としての義務である。

劣等Feは他人がどう感じるかに不安を抱いている。彼らは人々に良い気分になってもらいたい。ISTPが与える経験、指導に感謝すると、彼らは慈悲深い指導者になる。彼らが他人にスキルを教え、人を育成し、有能で効果的な人間にしたという事実に満足する。INTPが恐怖を克服すれば、非常に忠実で愛情深い人間になる。この二タイプの人間性を非難してはならない。彼らが問題にしているのは、自分の気持ちではなく、相手の気持ちである。INTPは家族や友人に貢献することを自分の義務と思っている。ISTPは義務ではなく、それをやりたいという願望を抱いている。

どちらのタイプも社会的レッテルを心配しており、他人の知性を心配している。ISTPは周りの人々が愚かであることを懸念しているので、誰かがやっていることを見て、「これは間違っている。中断して、正しい方法でやり直さないと」と思うが、これは人が失敗して成長する機会を奪うことになる。失敗した時に、助けが必要か尋ねれば、首尾よく指導者になることができる。なお緊急事態は別の話である。一方、INTPは愚かな人間に対して無関心である。愚かな人間は「私の世界に存在しない人」である。場合によっては、大多数の人間が存在しないことになる。誰も好き好んで愚かに生まれてきたわけではないのだから、彼らの存在を許容する必要がある。忍耐強く接すれば、嬉しい驚きがあるかもしれない。いつまでも愚かでいなくてもいいように、彼らを助ける義務を認識しなければならない。

ISTPは過去を批判するが、実際は忘れっぽい。彼らは記憶を物理的装置に保存する。その装置は、これまでに使われた方法、持ち主との個人的な関係も全て覚えている。自分の車や銃に名前を付けるのはISTPである。彼らの記憶は物理的環境と結びつき、トーテムに保存されている。INTPはデフォルトで覚えている。ISTPのSiクリティックも何らかの義務を負うことはある。結婚や家族における役割について真剣に受け止め、伝統主義に異常な期待を抱くことがあるが、いざという時まで表には出さない。INTPのNiクリティックは、人々が望むことを妨げないように装備されている。彼らが本当に何かをしたい場合、あるいは誰かがやる気を出させようとする場合、それを操作だと見なすのである。

Seペアレントは自分に与えられる経験を非常に厳選している。誰かが何かを見せようとすると、「それはもう知っている。私のやっていることの方が優れていると証明してやろう」とTiヒーローが登場する。彼らは職人であり、常に見せるべき何かを持っているので、Tiヒーローが知っていることを証明するのは容易である。彼らは衣食住に拘りがあるが、他の人々は物理的環境に無責任である。

無責任な人々の例として、ISTJとESTJが挙げられる。彼らはピンチに陥ることを恐れているが、機械的技術で彼らを救ってくれるのがSTPである。タイヤがパンクすると、STJは交換しなくてはならないが、それを行う気分ではない。するとISTPの妻が手際よくタイヤを交換し、STJの気分は良くなる。助けてくれたことに感謝すれば、ISTPの気分も良くなる。

彼らの貢献を認めなければ、Fiデーモンが自分の気持ちを大事にしてしまう。超自我INFPは構築したもの全てを焼き払う。Seペアレントは絶対的な忠誠心を、劣等Feは貢献への認識を必要とする。そうでなければ、トーテムを焼き払い、あなたの未来を破壊するしかない。妻が浮気したら、殺人か自殺も選択肢に入るのが超自我INFPである。

INTPのFiデーモンはISTPと非常に似ている。INTPが忠実にやるべきことを全てやったのに、それに値する評価をされない。超自我ISFPは自分の感情のままに、物理的環境を全て破壊する。それは体系的で芸術的ですらあるが、超自我ISFPはいい加減なので幾つかのことをやり残してしまう。INTPには望むことを伝え、相応しい認識を与えることである。

ISTPもINTPも認識を求めているが、やり過ぎると不快になる。Tiチェックによって、それが真実でないことがわかるためである。やり過ぎは望ましくないが、少なすぎるのも好ましくない。そして、彼らの感情について問いただしてはならない。彼らは人間性に関する信念を抱くためではなく、その信念を検証するために存在するのである。

「魚を木登りの上手さで評価すれば、魚は一生自分を役立たずだと思うだろう」

アインシュタイン