「ENTPのシャドウは正反対のISFJなのか?」という質問が来たので、今回は心の4つの側面について深く掘り下げる。今後タイプを語る上で重要な設定だろう。この設定が必要なのは、そもそもMBTIテストの精度に問題があるためである。テストを受ける人間も、自分に対して正直でなかったり、他人がどう思うかを気にしたりするので、結果は不正確である。このテストに替わるタイピングの手段として、次のシリーズで気質とインタラクション・スタイルを導入する。

しかし、ここでの主旨はテストの精度について口うるさく非難することではない。問題は、誰かがテストを受けて「INFP」や「ESTJ」という結果を得た後に、その結果が彼らの心の中の25%に過ぎず、全てを表しているわけではないことにある。そして、「私はタイプという箱に閉じこめられている。私は内向型なのに、外向的になることもある。私は飲み会では皆の注目を集める主役になれることをテストは分かっていない」と疑念を抱く。このように人々は深層心理学、ユングやMBTIの有効性を疑うのである。

この疑念を打ち消すために、「テストは専門家が作った物だから」ともっともらしい理由を持ち出すこともある。資格とは、自分で情報を精査できない人間が、得た情報を額面通りに受け取るためのものである。しかし多くの人々は自分で図書館に行って、本を探し出し、読むのが面倒なので、テストの結果や専門家の話を鵜呑みにすることが推奨される。

我々の心には4つの側面がある。テスト結果はひとつの面、25%しか映し出さない。その結果は自我であり、潜在意識、影、超自我については説明しない。これら四つは独自のタイプを持つ。心の中には4つの人格があり、4人の人間がひとりの心を構成している。彼らの中には内向的な性格もあれば、外向的な性格もある。これは多重人格の話ではないし、「私はINTJだけど外向的に感じることもあるから、ENTJに近い」という類の話でもない。

そういうわけで、私はテスト結果の意味を説明するためにブログを書いている。ただし、結果が正しくても表しているのは25%に過ぎない。残りの部分を誰かが解説してやらねばならないだろう。

繰り返すが、人々がテスト結果に混乱するのは、心に4つの側面があるためである。まず「タイプ」と呼ばれる自我があり、自我の中には4つの心理機能が存在する。それがヒーロー、ペアレント、チャイルド、劣等機能である。そして無意識があり、そこにはネメシス、クリティック、トリックスター、デーモンが含まれる。自我と無意識を合わせて8つの心理機能がある。

これらの上下を反転させると、潜在意識と超自我になる。自我を反転させると潜在意識、影を反転させると超自我になる。つまり、人の心には合計16の心理機能が存在する。例えば、テスト結果でINTPを得たとする。自我はINTPだが、無意識はENTJである。潜在意識はESFJで、超自我はアーティストISFPとなる。このように異なる4つの人格が、INTPのテスト結果を構成している。INTPが外向的になる場合、それはENTPではなく、ENTJかESFJである。

正しくはこうである。INTPが社交的なイベントに参加した後、誰かの家で夕食を食べる。その後に思いやりを発揮して、ボランティアで皿洗いをする。潜在意識ESFJは自ら進んでそれを行う。あるいは、夕食の準備を手伝うかもしれない。または、家庭内で問題が起こった場合、彼らは無意識ENTJとして問題の責任を負う。それぞれのタイプは自我の外向的なペルソナとして機能する。

基本的に、テストではひとつの結果しか得られない。しかし、心には4つの側面があり、それぞれに心理機能が対応する。各側面の心理機能を見て、その態度や気分を把握するべきである。ヒーローは意識的な心、つまり自我の頂点である。ペアレントは非常に責任感があり、自分の内なる心にある子供、あるいは他人の子供を守るために存在する。ヒーローが世界を救うために被害を生み出した場合、ペアレントは攻撃を控えるようにヒーローを止めなければならない。

チャイルドは人間の魂の最も純粋な部分であり、無邪気さを発揮する。誰かがこの機能を攻撃するのは、児童虐待に等しい。ENFJやENTJに「彼らは人に良い経験を与えない。他人のことを気にしない」と言ったり、ENTPやESTPに「彼らは他人に無関心で利己的だ」と非難するのは児童虐待である。INTPやINFPを、地球上で最も不誠実だと責め立てるのも同様である。

4番目の機能は劣等機能であり、人の恐怖と不安が存在する場所である。人と会話したり交流する場合、この機能に気をつけないといけない。うっかりこの機能を傷つけると、彼らはあなたを嫌うだろう。自分の心の安全を守るために、憎しみが生まれるのは自然な成り行きである。安心を与えてやれば、不安を克服できる。ポジティブであってもネガティブであっても、これは潜在意識に押しこまれる。不安を抱えていても向上心があれば、潜在意識の側面を意のままに、生産的に活用することができる。

逆に不安でがんじがらめになると、非常に防衛的でネガティブになり、自分の意志とは裏腹に潜在意識は追い込まれる。そうなると自他ともに負の感情を味わうことになる。劣等機能は潜在意識の入り口である。ネメシスとして知られる5番目の機能は、無意識に繋がっている。心配を乗り越えると、この側面にアクセスできる。私のネメシスはTeなので、他人が愚かであることを心配している。これを乗り越えれば無意識に自由にアクセスできるが、他人の考えに従うことを強制されると、意志に反して無意識に追い込まれる。そして潜在意識と同様に、自他ともに不快な経験を生み出す。

次の機能はクリティックである。ここには人の批評が存在する。自分がINFJやISFJであると想像してみて欲しい。彼らは常に自尊心を批判しており、自分が無価値である斬新な理由を考え出す。彼らは心の奥底で自分の価値を信じていないので、他人のお世話をすることでこれを埋め合わせようとする。クリティックは知恵のある場所でもあり、年月が経つにつれて、この機能を賢明に使うことで、これを発展させて自分や他人に知恵を与えられるようになる。

トリックスター機能は人が気づいていない領域であり、盲目になる。私のトリックスターは外向的感覚、Seなので物理的環境の問題に疎い。オブジェクトが目に入らないのである。また、他人が快適かどうかも気にしていない。他人が私を快適にすることはあっても、その逆はない。

最も下位にあるのはデーモンである。ここには人の罪があり、心に巣食う寄生虫である。この機能から超自我にアクセスする。超自我が望むのは自我を引き倒し、その地位にとって代わって4つのペルソナの支配者となることである。バットマン第二作「ダークナイト」で、ヒース・レジャー演じるジョーカーが、超自我に囚われたENTPの見本である。私は「ダークナイト」を見ていないので、想像で書いている。ジョーカーは自分の自我、無意識、潜在意識で問題を解決しようとしたが、できなかったので残るひとつの超自我ESFPで破壊を実行し、混沌とした悪をもたらしたのである。世界が燃えるのを見たいだけの人間もいる。

超自我は究極の腐敗、究極の悪であるように思えるが、長期的には真実ではない。超自我には確かにポジティブな面がある。森全体を焼き払ったら、今ある生命は死に絶えるが、また新たな命が育つ。超自我を無視したり、触れないようにするのは大いなる損失である。悟りとは、心の4つの側面を完璧なバランスで使用できるようになることである。心配を乗り越え、不安を克服し、心の4つの側面をマスターし、8つの心理機能の全てと統合した自己意識と自己規律を持つことができるようになる。その統一性によって、あなたはバランスの取れた人間になる。それを悟りと呼ぶのである。

ただし、そのバランスは16タイプ中4タイプに過ぎないので、何も欠けていない完全な状態にはなれない。しかし、これは望み得る最高の自分であり、心理学の観点から見た悟りの定義と言えよう。

これが心の4つの側面であり、各側面で心理機能が果たしている役目である。テストを受けてタイプの4文字を取得しても、それは自我だけを表しているため、時間が経つとタイプが変わるように思われる。しかし、それは真実ではない。実際は「私はINTJだが、今日はENTJだ」という話よりも複雑である。正しい理解は、「私はテストでINTJだったが、潜在意識はESFPで、無意識はENTP、心の寄生虫はISFJだ」と考えればいい。日替わりENTJは忘れろ。そうすることで、物事が意味を持ち始める。

16の元型が持つ心理機能を全て利用するには、他の人間と関わるのが最善である。より多くの心理機能にアクセスできれば、より多くの問題を解決できる。人々は問題を解決するために人間関係を必要とする。これは恋愛関係、子育て、ビジネス、戦争、あらゆる種類の社会的交流だけではなく、あらゆるものに当てはまる。これは人間の存在と相互作用のあらゆる側面に浸透している。したがって、我々が自分自身を開発し、より良い人間になるために心の4つの側面を発達させて、接触する人間が各側面にアクセスできるようにすることが重要である。それを共有することで、究極の一体感が生み出される。

人間が力を合わせれば大きな偉業を成し遂げることができるため、団結し、同じ言語を話し、共通の目標を持っていれば、何でも達成することができる。彼らは人間の心にある認識を集合的に利用して、あらゆる任務を達成する。それはあらゆる病気を治し、人類に不死をもたらす可能性すらある。古代には多くの人々がこれを試みてきた。が、この話は別の機会に議論するとしよう。