今回はタイプの比較、ISTPとISTJの違いについて解説する。人によっては「タイプがどれも当てはまる」問題は深刻である。このブログに掲載しているタイプの比較記事は、候補が絞り込めている人を対象としたものと考えて欲しい。

人々はMBTIテストを受けて「Jが20%、Pが80%」という結果を手に入れる。しかしこの結果には何の意味もない。そして心理機能テストを受けるが、これも似たようなものである。心理機能は明確に定義されていないので、どうにでも解釈できる。この問題を解決するのが気質とインタラクション・スタイルである。これを利用して、自分だけでなく他人もタイピングし、それに応じて会話を最適化することができる。これについてはLevel2、15で解説している。

ISTP対ISTJは本質的にJ対Pの議論である。なぜ人は「どちらにも当てはまる」と思うのか?両者とも内向的で、感覚型である。どちらも同じインタラクション・スタイルであり、物事を終わらせることに力を注ぐフィニッシャーである。ISTPとISTJは直接的で、人々が彼らのところに来て何かを始めることを望んでいる。彼らは孤独を通じて精神エネルギーを得るので、応答する立場を好む。

そして、どちらも行動を重視している。特定のタスクや目標を完了することは、必ずしも全体的な進歩に繋がるわけではない。進歩がなければ停滞してしまうだろう。しかし彼らの気質は異なる。ISTJは過去に基づいた義務を果たす保護者であり、ISTPは自由を求める職人である。これはカーシーの気質理論に似ているが、オリジナルはプラトンである。このグループ分けはプラトンの「共和国」を出展としている。

  NTは知識人だが、ISTJの教授やINFPの教授もいる。しかし学者であることと知識人であることはイコールではない。言葉の意味を変えることで、様々な影響を社会に及ぼすことができる。物事の定義を変えて、嘘に基づいて社会を構築すると、誰もが批判的思考を身につけるまで同じ状況が続くことになる。

ありがたいことに、我々にはISTPとISTJがいる。このペアは感覚型の批判的思考を担当する。彼らは真実をもたらす不動の物体のようになる。その目的の為に共同するのは素晴らしいが、互いが離れていると問題になる可能性がある。二人が協力すれば、Tiヒーローがアレクサンドリア図書館を利用できるようなものである。物事に対する取り組み方も似ている。だからISTPとISTJは似ているように見えるが、実際は全く異なる。

まずISTJだが、Siヒーローは全て自身の経験に関するものであり、義務や規律の感覚でもある。自己規律はNiの意志力ではなく、Siから生じる。内向的感覚は何をすべきか義務を自身に強制する。ISTJがやりたいことをやるのは、デーモンにアクセスする時である。彼らは詩的正義の達人であり、自身を裁判官、陪審員、死刑執行人に選出する。超自我INFJにとって詩的正義が全てである。

Niは「したい」でSiは「すべき」である。Siヒーローは非常識な長期記憶を持っていて、75歳になっても5歳の頃の話をすることができる。これがアレクサンドリア図書館たる所以である。Teペアレントは基準点を蓄積し、これらの膨大な知識をNeと結びつけて、大規模なパターン認識を提供する。その結果として、文字通り将来の出来事を予測することができる。これまでに起こったことは全て再び起こるという時間の第一法則である。

ISTJには道徳的羅針盤であるFiチャイルドがあるが、倫理が欠けているため、社会的なぎこちなさがある。例えばISTJの女の子が別の女の子に紹介されて、「仲良くしなさい」と言われたとする。するとISTJは「彼女は友達じゃないよ」と公言するのである。「友達」というラベルを、Tiクリティックが真偽の観点から批判したのである。Feトリックスターはそれを聞いた女の子がどんな気持ちになるか気づいていない。ISTJは他の人が経験していることや、他人が自分に忠実でなくなることを心配しているが、危機に陥るまで自分が快適であることを優先する。SiヒーローとFiチャイルドの組み合わせは、マンネリにはまりこみ、救いがたい怠け者になる可能性がある。

FiヒーローとSiチャイルドのINFPも同じ問題を抱えている。彼らが怠惰から抜け出すには、人生を不幸に追いやり、正常性バイアスを破壊する必要がある。それがISTPの仕事である。SeヒーローのESTPは経験を与えて現実性チェックを行うが、ISTPにもできなくはない。Seペアレントは悲観的な機能なので、彼らの現実性チェックは、ESTPより否定的な結果になる。彼らはそれを正確に実行し、人を不快にさせる。これが上手く機能すれば、ISTJをやる気にさせることができる。

 Siヒーローは罰を受けるために作られており、彼らが打撃を受けると不快になり、「もう一度快適になりたい」と思う。ISTJは快適さを取り戻したい、あるいは更なる快適さを獲得したい。このようにISTPはISTJを軌道に乗せる。逆にISTJは劣等NeでISTPを軌道に戻す。ISTPが仕事で行き詰ったり、人間関係で行き詰って自由を奪われると、劣等Neが「自分の選択肢を使え」と言ってくるかもしれない。

そしてISTPが選択できる様々な道筋を示し、これが安全な決定だと説明する。この人と別れても安全、今すぐ仕事を辞めても安全。この計画にISTPが従えば、彼らは成功する。特にSiヒーローが様々な経験をしていれば、「他の人たちがそれをやって成功しただけでなく、私もそれをやって成功した」と証言することで、ISTPもそれをやってみたくなる。Seペアレントは他の人が何をしており、過去に何をしていたか認識している。以前に誰もやったことがなく、成功事例がないことは、リスクを冒して実行するつもりはない。ISTJはリスクを冒す。Siヒーローはあらゆる経験をする意欲に満ちており、その経験が価値があるかどうか試したい。そしてアレクサンドリア図書館に経験を分類し、何かの機会に引用する。

デイトレードなどでリスクを取ることもできる。ISTPは自分たちが何を望んでいるのか既に知っており、決定において安心感を得ることができる。Niチャイルドは非常に楽観的であり、やりたいことを何でもやる自由が必要である。自由を奪うと、彼らはドアを破壊するだろう。ISTJは自由をそれほど必要としておらず、義務を課すことが可能である。そしてSeペアレントに義務付けられる運命である。

Tiヒーローは純粋な論理を用いて、戯言を打ち破る。彼らは真偽の世界に住んでおり、それが論理的でない場合、真実でもない。ISTPは常に自分の正しさを主張したり人々を正したりするため、トラブルに巻き込まれる。それによって有用さを証明し、間違いを正すのに役立つ人間であると信じているからである。ISTJにとってこれは素晴らしいことである。Teペアレントが知っていることを検証して、それを他の人たちに伝えてくれる。さらにISTJは家庭内の物理的環境を心配している。誰も室内を汚したり、家具を動かして欲しくない。Seペアレントは物理的環境の相互作用に責任があるので、ISTJは非常に快適な気分である。

ISTPは確かに混乱を引き起こすが、それは彼らの為に指定された領域に限られる。ISTJは通常ISTPのためにそのエリアを設定することを手伝う。この境界内なら何をしてもいいよ。そこにはいじくり回せるジャンク品が山積みになっている。それを修理して店で売るのはISTPの自由である。店はISTPのエリアで、残りは全てISTJのエリアとなる。

人間関係や結婚も同様に展開する。ISTJとISTPがどのように相互作用するかは興味深い。ISTPは瞬間をよく認識しており、機械的な知識を持っている。これは彼らを素晴らしい労働者、請負業者、建設業者にすることができる。彼らはスケートボードやジャンプも上手い。Xゲームに出場している選手の多くはISTPである。ISTPはクレイジーな技を発明して、ヘルメットを着用せずに披露する。

ISTJの潜在意識ENFPは、アレクサンドリア図書館が開発されると、信念を発展させ始める。彼らはその信念を人々に伝え、他者の考えをより良い思考やより良い知性へ導く手助けをする。それができれば、より理想主義的な世界を主張するようになる。ISTPも同じことをする。彼らはメンターであるENFJになりたい。彼らは他人が自分についてどう感じるか非常に不安なので、その恐怖を克服する必要がある。そのためには、人々の扱いに慣れなければならない。そうすれば期間限定でENFJになって、何かを見せたり、教育することができる。彼らは人々を指導するのが大好きである。

もしISTPとの関係が悪ければ、何かを指導してもらうといい。突然、彼らはあなたの大切な人になる。ただし忍耐力が必要である。ISTJのSiヒーローはISTPのどんな指導も受け入れる。彼らの互換性は二番目に高く、素晴らしい友達になれる。ISTPが心配する影は他人の考えである。彼らは人々は基本的に愚かであるか、知性が低いことを心配している。多くの場合、自分が室内で最も賢い人間だと思っており、それが問題に繋がる。彼らは他の人々を馬鹿ゾーンに配置する可能性があるが、ISTJは怠けなければTiクリティックで自分の信念を検証するので、ISTJを馬鹿にすることはそれほどない。

ISTPはISTJが愚かであることを心配しているが、ISTJは既に自分たちの知性が欠けていることを自覚しているので、それらを検証する努力をしている。つまり、ISTPが心配する必要は殆どない。そしてSeネメシスは他の人たちが自分ほど忠実ではないことを心配しているが、ISTPのSiクリティックは自分が忠誠心に欠けることを認識している。彼らは過去を覚えているつもりになっているが、実際にはそんなことはない。

ISTJはISTPが過去から逃れることを許さず、全てを記録する。ISTPの全ての発言がなされた日付と時刻を証明し、ISTPは愕然とする。これはESTPでも再現できる。Seペアレントは他の人々が自分の義務に関して無責任であることを知っており、ISTPは自分の近しい人間に対して最高レベルの忠誠心を期待する。それは彼らにとって最も重要なことである。だからISTPが不誠実であることに気づいたら、それを厳しく非難して彼らに思い出させなければならない。誰かに何かを教えるには、クリティックを攻撃して、否定的な状況を与えるべきである。

ISTPはNeトリックスターなので、理論や修辞、可能性が現実的なものであったとしても、理論的な会話ができなくなる。形而上学はISTPにとって現実ではない。それを視覚的に見ることができず、具体的ではないので、無形のものは彼らにとって何の意味もない。彼らは具体的でないものに気づかない。このため本質を偽ったり、ISTPに対して否定的な意図を持った人間を見抜けず、危険にさらされる可能性がある。

ISTPはENFPのお得意様である。ENFPはISTPのビジネスを乗っ取ったり、壺を買わせたりする。ENFPが見栄えのいいスーツを着れば、ISTPには公式に見える。ISTJは他人の意図に不安を感じているので、常にENFPの意図を問う。他人の意図に関しては、安全上の予防策が講じられる可能性があるが、ISTJがいない場合、ISTPは無力である。彼らが一緒に行動すれば、そこには安全がある。

超自我は心の4番目の側面である。人には意識として知られる自我があり、潜在意識がある。潜在意識は人々がなりたいと望んでいるタイプである。そして影として知られる無意識と、寄生虫として知られる超自我がある。寄生虫は魂を腐敗させ、自我の立場を置き換えようとする。超自我は人間の根源であり、あらゆる人の堕落の根源だが、それを良いことに利用することもできる。自分の命を焼き尽くして、新しい生命が成長する余地を与えることが、超自我の目的である。時には核ボタンを押して、別人に生まれ変わらなければならない。そうしなければ自尊心を失い、自分が何者であるかさえ分からなくなるだろう。

INFPとは大きく異なり、Fiデーモンは狂暴である。「私はあなたをサポートし、気分を良くしてもらうために全力を尽くしてきた。しかし、あなたはそれに報いようとしないので、あなたの未来を破壊し、終焉を計画するつもりだ」。超自我INFPがリセットボタンを押す時である。