引き続きリンダ・ベルン博士のインタラクション・スタイルを用いて、タイプグリッドを利用する方法を解説していく。これらのシリーズはLevel2の発展版なので、先にそちらの記事を読んで概要を頭に入れておいて欲しい。私のTeネメシスは、読者が今までの内容を理解できていないことを心配している。それはともかく、今回の主題は開始と応答の違いと、それが意味するものについてである。
インタラクション・スタイルの観点から見ると、タイプが開始しているか応答しているかを理解することが重要である。開始するならイン・チャージかスターター、応答するならフィニッシャーかバックグラウンドである。開始するタイプは外向、応答するタイプは内向とも言える。ベルン博士は異なる用語を用いているが、これは訴訟を防ぐ目的であろう。
開始と応答、つまり外向と内向の違いは何か?内向とは、精神的エネルギーを充足するために、孤独を必要とする人々である。外向とは、精神エネルギーを充電するために他人といる必要がある人々である。この他人は二人以上いるのが望ましい。これが外向と内向の大まかな定義である。ただし、この外向と内向は、ユングが造ったオリジナルの概念とは違うものである。ユングの「外向性」と「内向性」が指すものは、もっと幅が広い。
外向的なタイプはグループ環境で精神エネルギーを維持することで、生産性を高めることができる。彼らが活動するには、誰かの近くにいる必要がある。しかし例えばENTPは外向的なタイプの中でも、最も内向的なタイプである。彼らは潜在意識ISFJを持つので、時にはかなり裏方になることもある。誰かが彼らを快適にさせ、社会的状況を。その状況から精神エネルギーを得ているにもかかわらず、彼らは舞台裏にいる。これは奇妙なことである。
16のタイプと心理機能には、様々な二分法や宇宙が存在する。リンダ・ベルンの気質論もプラトン、カーシーを経て発表されたものである。しかし、ここで話しているのは気質ではなく、インタラクション・スタイルの開始と応答である。INTPは家族と出かけたら、一人でゲームをする時間が必要である。内向的な人々はグループ環境で燃え尽きてしまう。精神的なエネルギーを維持するには、孤独を必要とする。孤独は内向的な状況である。他の人間がもう一人いたとしても、厳密に言うとそれは内向的な状況になる。内向的な人間は1対1でもエネルギーを得ることができるが、三人以上になると疲労する。外向型の場合、1対1では十分なエネルギーを得ることができないので、手当たり次第に群れる必要がある。これは彼らの内向的な側面がどれだけ発達しているかにも依存する。
内向性と外向性を区別する最後の方法は、開始するか応答するかである。これがタイプグリッドを利用して自分や他人を判定する際に、使用する指標となる。開始するとは、あなたが誰かのところに赴き、会話を始めることである。彼らは何かの情報を知りたい時や、道に迷った時に人に、接触することを恐れない。道案内の看板に頼るのは邪道である。誰かに訊ねた方が早いし有益だろう。内向的な人々は標識があることを願っている。誰かに道を聞かなくてもいいように、看板があればいいのにと思う。外向的な人々は見知らぬ人から情報を入手しようとする。だから外向的な妻と内向的な夫が道に迷うと、妻は夫が道を聞かないことに苛々して責め立てる。
内向的な人々が赤の他人と会話を始める際は、彼らの自我ではなく無意識や潜在意識を利用して開始するため、心にストレスがかかる。では応答とは何だろうか。ここに内向的なINTJがいる。INTJに関する質問ばかりくるが、実のところ彼らはそれほど面白みのある性格ではない。しかし私の方針として、FJやNFの醜さを描き、INTJやISTPの可愛さを伝えたいと思っているので、INTJを例として挙げる。INTJは友人が物事について知らせてやらないと、傷ついたり動揺する。彼らは疎外感を感じるのが好きではない。INTJが自分にとって重要な存在であることを感じさせるためには、常に新しい展開や起こっている出来事を知らせ続ける必要がある。そうしないと、彼らはのけ者にされているように感じてしまう。
あなたがこれから得る経験について知る機会を逃したくないので、INTJは知っておくべきこと、理解するべきことを教えて欲しい。しかし通常は自分から訊ねに行くのではなく、黙っていても相手が教えに来てくれることを期待している。彼らは「自分からは誘えない」と言うが、これは必要な情報を得た時に反応する機会を逃したくないためである。放置期間が長くなると、どうでもいいことで話しかけてくることもある。しかし自分からは誘ってこない。だから彼らと関わる時は、私が無意識ENTJや潜在意識ESFJを使って、開始する必要がある。
もしENTJが何かを知りたいと思ったら、私のところにやって来て、率直に「これについて教えろ」と言うだろう。私は自動的に応答者の立場に置かれることになる。彼らは率先して行動することを恐れない。内向的な人々は自分から交流を始めることができず、反応することを好む。外向的な人々は相手に反応することができず、自分から開始することを好む。勿論、全くできないわけではないが、プライマリとセカンダリの話である。誰かを分類する場合、タイプグリッドを見る場合は、その人物の自我によって分類することになる。人が精神的に、主に話している場所が自我である。人が統合されるほどに、自我に囚われることは少なくなる。非常に統合された人物、成熟した人物、賢い人物は無意識や潜在意識、あるいは超自我でも快適であるだろうが、そうした人物は稀である。
INTJが何かのプロジェクトに取り組んでいる場合、何が起こっているか常に知らせて欲しいと思っている。彼らは他のメンバーが常に情報を提供してくれることを期待している。もしメンバーが自分を関与させずに意思決定を始めたら、彼らは怒るだろう。彼らはINTJが反応する機会を奪い、その存在を軽視したも同然である。そして、それが問題になる。ENTJであれば、それは問題ではない。彼らは他人が自分を巻き込んでくれることを期待するのではなく、自分が渦中にいることを自ら確認しに行く。
これが開始と応答の違いである。もし開始しようとするなら、あなたは外向的だろうし、応答しようとするなら内向的だろう。彼らが自分から開始しようとしているのか、応答しようとしているのか分からない場合、外向的か内向的か確認するといい。その逆も然りである。それで答えが得られるだろう。開始か応答を特定したら、タイプの半分が排除できる。扱うべきタイプは8つになる。前回の率直か情報提供を含めると、さらに4つのタイプを排除できる。そして自動的にインタラクション・スタイルが確定する。
もしイン・チャージであれば、ENTJ、ESTJ、ENFJ、ESTPのいずれかである。これに気質を組み合わせれば、4つのタイプのどれであるかが正確にわかる。繰り返すが、気質にしてもインタラクション・スタイルにしても、これは全て好みの問題である。100%開始できないことはないし、100%応答できないこともない。違いは自分がどうしたいかである。右利きであっても左手で作業することができるように、開始であっても標識は読めるし、応答であっても他人に道を尋ねることはできる。しかし、これは日替わりでインタラクション・スタイルが変わるわけではない。そのことをよく覚えておいて欲しい。
コメントを残す