今回は成熟した女性の3番目の元型、賢女について解説していく。この理論はロバート・ムーアとダグラス・ジレットの”King, Warrior, Magician, Lover”という書籍を基にしているが、これは入門編であり、各元型について深めるには”The King Within”、”The Warrior Within”、”The Magician Within”、”The Lover Within”を読む必要がある。
これまで女王と母の元型について話してきたが、女性は女王のように偉大にならなければならないし、母として命を生み出し、王国の継承者を育てる必要がある。賢女の元型は方向性が異なる。この元型が発達すると、女性は専門的なスキルを習得し、有用性は高まり、王国を脅かす殆どの脅威に立ち向かうことができる。この元型は女性社会ではそれほど見られないが、女性と少女を明確に区別するものである。
女性は本質的に互いに競争するが、男性は実際にはそうしない。女性は間違ったことに焦点を当て、そこで同性を出し抜こうと躍起になる。その結果、自分の有用性やスキルを高めることに集中できなくなる。女性は知恵や知識にあまり焦点を当てていないが、そうする必要がある。そうしないと、女性が女王や母になった時に、何が起こるか?男性はワインのように年を取るが、女性はミルクのように年を取る。女性の美しさ、愛らしさ、体形は衰えていく。女性は体脂肪率を減らし、肌を健康に柔らかく保ち、しわを減らすことはできるが、いずれ年齢に支配される。そこから逃れることはできない。
自分の意識を機械の体にアップロードするトランスヒューマニズムは、現在のところ実現不可能である。それはともかく、賢女の元型はなぜ重要なのか?これはリーダーシップ、知恵、専門性に由来する。男性は大きなことに集中するが、女性は小さなことに集中する。小さなことは非常に重要である。ダイヤモンドは小さなものだが、とても価値がある。
賢女は真実や理由、信念の源として機能する。彼女たちは知恵を育み、それが伝統に反映される。もっとも、伝統は知恵の死骸に過ぎない。このため、伝統は破壊され、完全に消滅され、新しいものに置き換える必要がある。特にSJはそれをやるべきである。賢女は社会が前向きに発展し、現在の範囲を超えた伝統を確立するために存在する。魔術師と同様に、賢女は多くの知識と知恵を持つ。賢女は他の女性のニーズにも応える。競争するのではなく、他の女性が女王や母になるのを助けるのである。女性が子育てや料理の参考にする本の著者は、賢女である。
魔術師が男性を王や戦士に育てるために存在するのと同様に、賢女は他の女性と競争することの無益さを認識することが重要である。代わりに才能を共有して、女性たちをより良い人間にする。これを行うには、自分の有用性を高める必要がある。賢女に知識や知恵がなく、ただの愚か者や魔女であれば、役に立たないだろう。これは賢女の影である。魔女のように狡猾な策略で王の権力を奪おうとしたり、噂を広めたり、利己的な欲望を満たすために自分の力を悪用したり、愚かなアプローチを取ったりする。
この例はマリー・アントワネットである。彼女はギロチンで首を落とされる瞬間まで愚か者だった。知識や知恵のない女性は、マリー・アントワネットのように現実から遊離し、王国に反乱を起こされる危険性がある。王が女王と離婚して、新しい女王を立てようとするのは、賢女の元型が役割を果たさず、愚か者だからである。彼女は常に王や王国と対立している。聖書の箴言には「男は喧嘩好きで無礼な女性と家にいるよりも、屋根の隅にいる方がマシだ」と書かれている。
賢女の実用性は重要である。女性は年を取ると共に若さを失い、王冠を手に入れた美と肉体的魅力はもうない。実用性とスキルがあれば、王国に貢献し続けることができる。子育てが終わり、子供たちが巣立ったら、新しいビジネスを始めてもいいだろう。創造的な活動に携わったり、夫のビジネスを手伝うこともできる。女性が中年の危機に陥るのは、母の元型が完成し、もう母親として誰かを世話する義務がなくなった時である。それが賢女の元型に切り替える時である。
賢女の有用性があれば、王国や臣民だけでなく、他国の王や女王も助けることができる。賢女の目的は、他の女性が女王や母に到達できるように支援することである。そして自分の有用性を高めることで、魔術師のように山を動かすことができるようになる。賢女は神託者や預言者、ヒーラーのような存在になり、仲間の女性たちを助ける。
賢女が成長するにつれて、王の威光も高まる。人々は賢女の賢さを称賛し、自分の女王の模範とするからである。誰もが賢女の祝福を受けたいと思う。彼女の言うことが真実だと知っているからである。賢女はロゴスの声、理性の声を伝えて、将来について警告する。賢女がいなければ、女性同士が常に競争し合う社会になり、女性の成熟度が低下し、女王に相応しい女性がいなくなる。そして特にSPとSJの関係で、「無料で乳を搾れるのに、なぜ牛を飼う必要があるのか」という考えが蔓延する。SPは間違った女性を望むことを恐れており、できるだけ多くの女性を試して、自分が欲しいものを正確に把握しようとする。
女性が成長するためには、賢女の元型が必要である。第一に、女性同士の競争をやめて、模範を示し、同性が女王や母になるのを助ける責任を認識しなければならない。まだ女王でも母でもないなら、賢女を見つけて、教えを乞うといい。難産になりそうなら、それを克服した女性の知恵が役に立つだろう。誰もが老化して美しさを失い、無価値で不幸だと感じることを恐れている。成熟を受け入れることが重要である。あなたは他人に与えることで、自分の有用性を高めることができるので、王はあなたに感謝して助言を求めるだろう。あなたが謙虚であれば、王国は子々孫々まで存続し続ける。そうでなければ、暇で不幸な主婦として一生を終えることになる。
加齢という変化に抗うことはできない。変化に抗うことができるのは、10代の若者くらいである。変化を受け入れるのが最善と言える。その波に乗り、もっと大きな存在になるのである。美しさを失うことを恐れている女性は多い。知識と知恵を集め、実用性を高めて、他の女性が女王や母になれるように手助けすれば、社会はより良い方向に変わるだろう。男性が子供を捨てたり、女性が競い合って父親不在のサイクルに加担することはない。賢女が復活すれば、女性たちは真実を語り、王や臣民、仲間の女王たちに理性を説くようになる。
イロコイ族がいつも教えているように、我々は子供たちのために7世代先まで考える必要があるが、実際には半世代先さえ考えていない。賢女の元型は非常に賢く知識が豊富なので、自分の人生だけでなく他人の人生でも山を動かすことができる。彼女の知恵をもってすれば、永遠に美しさを保つこともできる。終わりの日に、全ての人に私の霊を注ぐ。すると、あなたたちの息子は幻を見て、あなたたちの娘は予言をするが、老人たちは夢を見る。老人が夢を見るのは、知恵と知識があるからである。
魔術師と賢女は共に奇跡を起こし、より良い未来を提供することができる。この元型は先進国の社会で酷く不足しており、我々はこれを取り戻す必要がある。この元型がなければ、父親の不在を防ぎ、それを阻止するような方法で社会を変えることはできない。この元型を実現し、常に尊重されるようにすることが人々の責任である。
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