今回からは、これまで何度も取り上げてきた自己親密さの4つの柱を深く掘り下げていく。キーワードは「隣人を自分のように愛せ」である。我々が自分自身を愛し、尊重する方法を知らなければ、他の人々と親密な関係を築くことはできない。男女を問わず、自分自身を尊重し、愛せていない人間が他人と関係を持つことは、双方にとって有害である。
自己親密さの最初の柱は、自分自身のニーズを満たすことに責任を持つことである。これはロバート・グラバー博士の「ナイスガイ症候群」という本に由来する。彼はこの本を書きあげるのに6年かかった。これは「ナイスガイ」、いわゆるいい人なのに幸せになれない男性諸君にお勧めする。女性でもこれを読めば、ナイスガイに対処する役に立つだろう。第一に、自分のニーズを最優先することが重要である。多くの人々はこれができていない。
女性の承認を得ることに集中するあまり、自分のニーズをおざなりにしている男性は大勢いる。女性もそうだが、ここでは男性に焦点を当てる。彼らは秘密の契約を結んでいる。ロバート・グラバー博士曰く、秘密の契約とは「私が○○したのだから、あなたも私にxxしてくれるだろう」という暗黙の約束事である。ナイスガイたちは、実際には非常に操作的である。劣等Feや劣等Te、TeチャイルドやFeチャイルドなどは、他人の認識やステータスによって自分自身に満足することが多い。
彼らのニーズは他人に依存している。それがこの柱のポイントになる。自分にはニーズがあること、ニーズを持っても構わないことを認識する必要がある。女性とセックスしたいという願望があるのは当然である。だから会いに行くのは構わないが、十分な気高さを持っていることは確認しておくべきである。自分にはニーズがあることを認識して、それを実行することである。「そんなことをしたら、他人に迷惑をかけてしまうのではないか」という思いは脇に置いておく。それを迷惑だと思うような人間と付き合っているのが、そもそも間違いである。
単に楽しいことをやるだけではなく、人々には経済的ニーズがある。誰かと馴れ合いたいという欲求もある。そのニーズを満たすには、信仰が役に立つだろう。誰もが何かを信じている。絶望的な状況でも、自分なら成功できると信じることで、それを乗り越えることができる。それができるという信念を持つことが、重要なポイントである。自分自身を信じることこそが何より難しい。
次に家族である。家族がいる人もいるし、いない人もいる。適切な人間と家族になり、彼らの世話をすることは必要である。これもニーズを満たすことになる。そして三食きちんと食べて、添加物や遺伝子組み換え食品を避ける。規則正しい生活を送ることは、健康上のニーズを満たす上で重要である。健康情報にもアンテナを張っておく必要がある。ピロリ菌のせいで多発性硬化症になりたくないだろう。
そして肥満体型だったら、ジムに行ってエクササイズをする。肥満と同様に、痩せすぎもよくない。アプリを使えば、どんな栄養素をどの程度摂取すればいいか計算できる。体調を整えなければ、継続的に活動することはできない。経済的ニーズもある。予算を適切に管理し、借金を負わないことは大切だが、貯め込み過ぎるのもよくない。「自分には欲しいものを手に入れる資格がない」と思い込むことに繋がるからである。ロバート・キヨサキは「まず自分に支払え」と言っているが、これは「娯楽に散財しろ」と言っているわけではなく、「投資用に貯金しろ」という意味である。つまり、投資になることなら使ってもいい。収入を増やすか、支出を減らすことで経済的ニーズを満たす。これが成熟した人間に求められる条件である。
そして男性は本物の男性と交流を持つ必要がある。困難な時にあなたを支えてくれて、迷っている時に背中を押してくれる男性である。女性も他の女性を必要とするが、彼女たちは互いの粗探しに陥る危険性がある。しかし、その競争によって美しさが研ぎ澄まされる面もある。細々とした情報を共有することで、魅力が高まるのである。これを神聖な女性性と呼ぶ。
ダイヤモンドの指輪のように、人生の些細なことが最も重要な場合もある。神聖な男らしさは大きなことに焦点を当てるので、大きなことを成し遂げるために友達が必要である。一人でも友達がいれば、ニーズは満たされる。自分のニーズに責任を持ち、他人がそれを満たしてくれることを期待してはならない。部屋が散らかっていたら、彼女がやってくれることを期待するのではなく、自分で掃除する。そうすれば、彼女はあなたに対する敬意を失わないだろう。
あなたが自分のニーズを満たすことに責任を持てば、人々はあなたを尊敬し始める。そうすることでより魅力的になり、群衆から際立った一人になる。それは成熟の印であり、成熟こそが男性と少年、女性と少女を分けるものだからである。自分のニーズを満たすことに責任を負えば、それが実現する。そうすれば自分だけでなく、他者のニーズも満たすことができる。
そうやって人間関係は成り立つのである。しかし人々は自分のニーズを満たすより先に、他人のニーズを満たそうとする。そしていつも不幸で、欲求不満を感じているが、自分で自分のニーズを満たせることを信じられないので、実際に行動に移すことはない。そして他人が自分のニーズを満たすことを非難する。自分自身のニーズを満たすこと、これが自己親密性の最初の柱である。これを実現することで、成熟とは何かを理解できる。次の投稿では境界線について説明する。
コメントを残す