前回に引き続き、自己親密性の4つの柱に関する投稿である。隣人を自分のように愛すること、自分のニーズを満たすことに責任を持つことについて話して来たが、今回は個人の基準を持つことの重要性について解説する。

まず自分のニーズを満たすことに責任を持たなければならない。家族、健康、経済、友人、信仰の基本的ニーズを理解し、対処したとする。生計を立て、予算を決めて貯蓄を管理し、ジムに通い、食事計画を立てて、サポートしてくれる友人がいるとする。あなたは自分自身に自信を持ち、家族の世話もしている。そして自分に忠実に生きるために、特定のニーズを認識して、これらを構築して満たしてきた。すると必然的に、自分のニーズを満たすために基準が必要となる。このルールは内的な基準だが、もうひとつの柱である境界は、外部に対するものである。

理想的には、女性の為に弾丸を引き受ける覚悟がないなら、女性と関係を持つべきではない。女性の側も、そのような男性と付き合っても時間の無駄である。無様に縋るなどもってのほかである。相手が変わるのを期待するより、捨てる方が早い。常に自分の基準を持ち、ニーズを満たすことが重要である。

健康的なニーズを満たす際には特に重要である。どんな食品を摂取して、どんなトレーニングを行い、どんな車種を運転するか。スバルかトヨタかホンダか、どのメーカーを信用するか基準が必要である。私は車を持っていないので、この手のニーズを満たす必要はないが、もしSPと結婚したら彼に基準を設定してもらうだろう。同じNPだったら考えるかもしれない。

どんな分野でも個人的な基準を持つことが重要である。特に交友関係では、おかしな人間を寄せ付けないように基準を持つべきだろう。自分の友人はニーズを満たすことを手伝ってくれるか、成熟していて、何かの依存症ではなく、盗みを働いたり、嘘を吐いたりしないか等の基準である。自分に忠実で、貢献してくれる友人を持つには、基準が必要である。

もし男性が女性と付き合っていて、彼女が美しくなかったとしたら、それは自分の基準を下げたせいなので、あなたの責任である。美しい女性と結婚したはずなのに、見る影もなく肥え太ってしまったとしたら、まず自分がジムに行って規範を示すべきである。そして筋肉を増やし、体重が減ってくると、彼女は不安になる。他の女性にあなたを奪われるかもしれない。あなたが自分自身の基準を上げることで、彼女にも美しさを高めるプレッシャーを与える。彼女があなたを失いたくないと思っていれば、あなたの基準に合わせるべく努力するだろう。逆の立場で、女性がジムに行くにはかなりの謙虚さが必要だが、もし男性が減量する必要性に気づかなければ、次のステップに進む時である。全ては個人の基準次第となる。

若い頃の過ちは、個人的な基準を持たずにだれかれ構わず付き合うことから生じる。成熟した人間は、自分のニーズを満たすことに責任を負う。他の誰か、家族や友人、社会やコミュニティがサポートしてくれることを期待したりはしない。結果的にそうなることはあるだろうが、自分以外に自分のニーズを満たすことに責任がある者はいないのである。個人的な基準を持たずにいると、男性は質の低い女性、女性は尊敬に値しない男性と付き合ってしまう。

自分のニーズを満たしていれば、自然と生きる基準を身につけることになる。それは何にでも適用される。付き合う異性、食べ物、教育の種類に関する信念体系は、個人的な基準に基づいている。自分自身を知り、基準を設けなければ、ニーズを満たすことはできない。個人的な基準は自分自身を守る盾となり、それによって自分のニーズを満たし続けることができる。それが成熟の要件である。自分が何者であるかを知ることは、自分自身を活性化させるだけでなく、他者と親密な関係を築くためには必要である。

前にも言ったように、自分を愛せていないのに、他人を愛することに意味はない。それは自分のニーズを満たし、個人的な基準を作成して遵守することからもたらされる。もし友人がいれば、その人物が自分に忠実であって欲しいと思うだろう。あるいは、あなたが誰かに忠誠を誓うなら、その人物が自分を大切に思っていて欲しいという基準を持っているだろう。自分の基準を持たなければ自分を知ることはできないし、自分を愛することもできない。誰とも関係を築くことはできない。

個人的な基準は、自分がどうなりたいかという漠然とした想像ではない。現実の状況で、どうすれば自分のニーズを満たすことができるか、そのためにどんな基準やルールを設定する必要があるか、という話である。子供の頃から集団思考に合わせることが当然な環境にいると、選択の余地がないような気がするが、そんなことはない。本来は両親が子供たちのニーズを特定し、個人的な基準を教えるべきだが、親も往々にして子供より社会適合が大事なので、50歳になっても自分のニーズを満たせない子供が大勢いる。

自分のニーズを満たすことができるように、個人的な基準を持つことで、成熟への道を進んで行く。高貴な男性になることもできるし、美しい女性になることもできる。図体はでかいが中身は子供のままの男性が氾濫しているので、女性は個人的な基準を持たなければならない。これは男女を逆にしても同様である。この記事を読んだら、自分のニーズを書き出して、優先順位をつけるといい。次に個人的に従うべき基準を作成する。自分や他人に対する何らかの期待があるだろう。不健康な女性は嫌だとか、衣食住に対する拘りについて基準を確立する必要がある。偉大な男性や偉大な女性は、個人的な基準を持っている。他人の基準ではなく、自分の基準に従わなければならない。