先日セッションにやって来たINFJに話したことだが、私にはかつてINFJの友人がいた。INFJが陥りやすい問題の例として参考になると思うので、ここで紹介したい。

彼女とは大学時代に知り合った。向こうから話しかけてきて、「自分と合いそうな人はわかる」と言っていたが、私はその場で一言も話していないのに何故そう思ったのか不思議だった。彼女の服装からは、親和性があるとは思えなかったからである。系統としてはゴスロリからロリ要素を抜いた感じに近く、黒・白・紫などの原色で髪も真っ黒だったので人目を引いた。

彼女は話しかけてきた時にデブを連れており、その流れで3人で会うようになった。ただ私はこのデブが好きではなかった。デブは仕切り屋で、店の段取りなどを自ら買って出るが、機嫌が悪いと「何もしてくれない」と当たってくる。しかしやったらやったで、粗探しをしてくるのである。INFJは「このメンバーだと何でも話せる」と満足そうだったが、そう思っていたのは彼女だけである。しかしTeトリックスターは私が考えていることなど知る由もなかった。

いよいよデブが嫌になってきたので、私はそれをINFJに言った。すると「私にもそういう言い方するよ」と返してきた。私の感じ方がおかしいと言いたかったのか、仲良しごっこを続けさせたかったのかは定かではないが、嫌いなものは嫌いなので、「もう3人では会わない」と通達しておいた。

その後も彼女は私を定期的に誘ってきた。INFJは協調型なので、誰かと馴れ合っていないと気が済まない。彼らは一人になりたくない。それはいいが、徐々に彼女はおかしくなっていった。大学卒業後も就職せず、鬱になって「手遅れになるまで気づかなかった」と言っていた。私は鬱病に詳しくないので、何がどう手遅れなのかはわからなかったが、偏差値的には上位数%相当の大学で容姿も良かったのだから、就職しようと思えばできたはずである。家庭にも問題はなく、小遣いを貰ったり甘やかされている印象だった。ちなみに、私の家の話をしてみたところ、「うちは普通の家だから」と言われて終わった。一体、彼らはどの口で「人の気持ちがわかりすぎる」とのたまうのか、図々しいにも程がある。

しばらくすると彼女は「そろそろ落ち着いた服装をしないと」とイメージチェンジを図り始めた。その服も似合ってはいたが、服自体は普通の服なので、インパクトに欠けていたことは否めない。「美人は年をとっても美人」と言うが、普通の美人は年を取ると普通に劣化する。それも相まって、彼女の話は退屈になっていった。話すことと言えば、自分が特別な扱いを受けた話(彼女は郵便局で働き始めた。別に郵便局員を馬鹿にするわけではないが、小さな支店で「頼りにされている」話を聞いて面白いと思う人間は限られるだろう)か、ゲームの話だけである。私は彼女の見た目に価値を見出していたのであり、それが衰えた今、会う理由は何もなかった。

なぜ彼女は病んだのか?INFJは劣等Seで目立ちたいと思っているが、パフォーマンスに不安を抱えている。そのため、外見を派手にすることで手っ取り早く目立とうとする。しかし奇抜な服装が許される環境は限られており、容姿も年齢と共に劣化する。外見に頼って目立ってきたINFJは、若さを失うと共に目立つ手段を失い、病むのである。

彼らは「INFJっぽくないと言われる」「人の気持ちがわかりすぎる」と無意識ENFPで自分を売り込もうとするが、実際はどこにでもいる普通のINFJであり、彼らが売り込もうとしているブランドと実態が釣り合っていない。そのため、思うような注目が集められず、「自分のモラルが理解されない」と騒ぐが、これは自分に注目しない周囲を恨んでいるだけである。「その他大勢の一人として皆と協調する」という環境だと、INFJは病む。潜在意識ESTPは群れの構成員から持ち上げられ、チヤホヤされたいというニーズがある。便宜的な方法で目立とうとするのではなく、意味のある方法で目立たなければならない。

その後、彼女はどうなったか?携帯が壊れたのを機に、私は彼女と縁を切った。彼女の残骸がどうなったのかはわからない。