今回は認知的態度の5回目、ネメシスに関する投稿である。ネメシスは無意識としても知られるシャドウにある最初の機能である。無意識は分析心理学で最も頻繁に議論される主題のひとつであり、心理学会内で大きな批判、不安、困難の対象となっている。

カール・ユングは「影とは、あなたが避けているもののことである」と述べている。それは人々にとって神秘的で、それを夢見て、追いかけようとし、それを自分の運命と呼ぶだろう。しかしユングは影についての理解が少し不完全であり、同時代人やその後の人々が理論を具体化する必要があった。心の4つの側面の一部として超自我はフロイトに由来しているが、私はフロイトにはそれほど興味がない。ソシオニクスのコンテンツで取り上げるかもしれないが、このブログで深入りする予定はない。

ニュートンやアインシュタインなど、あらゆる形式の科学が基礎から発展していったように、深層心理学の基礎にはカール・ユングがいる。さらに遡れば、プラトンやソクラテスに端を発するだろう。それはともかく、ネメシス機能は無意識への入り口である。第三のゲートウェイでもある。最初のゲートウェイ機能は自我への入り口であるヒーロー、二番目のゲートウェイ機能は潜在意識への入り口である劣等機能である。

我々はしばしば自分の心の影や無意識の側面に喜んで移行する。それを定期的に利用し、組織的な方法で物事を行うために自我と組み合わせて、その機能の一部を強化することができる。だから定期的に私をNTJだと言う人間が現れる。認知的態度について紹介し始めたのはジョン・ビーブである。それぞれの心理機能には固有の役割やモードがある。5番目の機能にはネメシスの役割がある。この機能は、必ずしもヒーローに敵対するために存在するわけではない。

ヒーローに対抗するのは劣等機能である。例えば、Niヒーローが劣等Seと対立しており、互いに接近して軸上を動き回る。ヒーローとネメシスは全く異なる。それらは互いに補完しあっている。悪役が存在しない限り、ヒーローの出番はない。だから実際には、この機能は互いのために存在する。これらは互いの軸ではなく軌道上にあるのが、劣等機能との違いである。

認知アクセスについて考えるならば、軸とは極性のことである。軌道はそれとは異なる。ネメシスは自我にいくらか惹かれているが、影は紛争を引き起こす。しかし、それらは対立するものではなく、完全に相補的である。ヒーローは潜在的に世界を救い、破壊する力を持っている。私たちの中には不正な神がいる。それらは互いに平衡状態にあるため、一方に起こることは他方に影響を与える。それらは相互作用する異なる力に対して、互いの軌道を読み取る必要がある。

特定の状況で悪役がヒーローを助けることもあるし、ヒーローが悪役を救うこともある。「ヴァンパイア・ダイアリーズ」というドラマに出てくるクラウス・マイケルソンという悪役がいるが、そのスピンオフシリーズの「オリジナルズ」ではヒーローである。同様に、ネメシスという悪役はヒーローに変わる可能性がある。無意識に移行すると、ネメシスがヒーローになり、ヒーローがネメシスになる。

ネメシスは懸念を内包している。とても対立的だが、無意識に移行すると最終的には心配を乗り越えて、ヒーローのように振舞うことができるようになる。我々には論理的根拠や信念として知られるTe、道徳であるFi、論理であるTi、倫理であるFe、意志であるNi、物理学であるSe、義務や名誉を示すSi、そして形而上学のNeが存在する。

ISTPやINTPにはTeネメシスがあり、ESFJやENFJにはFiネメシスがある。ISFPとINFPにはFeネメシスがあり、ESTJやENTJにはTiネメシスがある。INTJやINFJにはNeネメシスがあり、ENTPやENFPにはNiネメシスがある。ESTPやESFPにはSiネメシスがあり、ISFJやISTJにはSeネメシスがある。無意識への移行は、ヒーロー対悪役の物語である。人生の全てを互いとの戦いに費やした後、相手を理解するようになる可能性がある。

それが実際にネメシスを開発する方法である。心配している状態で使用することも、していない状態で使用することもできる。対立状態で使用することも、非対立状態で使用することもできる。何よりもまず、ネメシス機能は人の悩みを運ぶ機能であり、ヒーローがネメシスと対峙する場所である。

ISTPの宿敵はTeである。ISTPは他人が無知であることを心配しているので、他人の話を信じることに不安を感じる。彼らが自分のTiに真偽を確認できなければ、Teネメシスには二つの反応が起こる。外向的な反応と内向的な反応である。内部の葛藤は、悟りにとって良くないことである。

ENTPとENFPにはNeヒーローがいるが、宿敵はNiである。彼らは定期的に自分の将来を心配しており、取り残されることを嫌う。代表者は「肩をすくめるアトラス」のジョン・ゴールトである。劣等Siは自分が停滞すること、快適ゾーンから抜け出せないことを恐れているので、進歩志向になる。Niネメシスが内向的な反応を起こす時、自我とシャドウの対立が起こる。ネメシスが機能すると、ヒーローは行動せざるを得なくなる。Neヒーローが他人の運命を知覚しないと、ネメシスは劣等Siが同じことをするまで、ダメージを与え続ける。

ヒーローにダメージを与えるには、劣等機能を狙うといい。ネメシスは心の内部闘争においてそれを行い、ヒーローを行動に駆り立てる。Neユーザーが生き残るには、他人の将来を自分の将来と結びつけて、自分の未来を安全にする必要がある。ネメシスがいなければ、ヒーローはヒーローたり得ない。

我々は心の4つの側面の間でこの内部闘争を抱えている。自我と潜在意識は対立しており、自我と影もまた対立している。しかし最終的に、自我と影は協力して同じ結果を得ることができる。ネメシスはヒーローが生産性を維持するために存在しており、目的のためにチャイルドや劣等機能を脅かす。彼らが戦い始めると、ヒーローはネメシスの背後にある知恵に気づく。悪役がヒーローと協力して、さらに大きな脅威に対抗する物語の元型があるだろう。その「大きな脅威」とは何か?同じ人間が提示する問題である。何らかの人間関係や障害に対処するために、ヒーローとネメシスは協力する必要がある。

ESFJとENFJは常に自分の価値について心配しており、善良な人間でないことを心配している。Feヒーローに認識を与えなければならない。もっとボランティア活動をするのがいいだろう。Tiヒーローには、彼らがどう思うか訊ねて、あなたが言っていることを確認してもらう。それを検証して真実であることを確かめれば、彼らのヒーローとネメシスを味方につけることができる。あなたは自我と影に同時に関与する能力を持ち、心の両面があなたのために働くことになる。

ENTJとESTJは、自分たちに十分な知識がないことを心配している。彼らに事実と参考資料を提示し、膨大なリストを提供すれば、彼らはスプレッドシートに思考を整理して分類する。それは彼らの心配を取り除く。ネメシスは行動を強制するために存在するのである。

ISFPとINFPは、自分たちの気分が良くなることに集中するあまり、他の人たちの気分を良くできないことを心配している。彼らは自分たちが利己的であることを知っている。IFPたちは慈善活動をする必要がある。アートや芸術品を販売して、そのお金を寄付するのである。これは内向的なアプローチだが、外向的なアプローチは「他の人々に気を配る」ことである。人々の世話をしておけば、将来その人々があなた方の世話をしてくれるだろう。

ISTJとISFJは、自分が誰かを押しのけてしまったり、他人から奇妙に見えることを心配している。Siヒーローはプレッシャーをかけられることを嫌う。その心配のせいで、彼らは自制心を養うことに時間を費やす。そして他の人々に良い経験を与えるために、きちんとした服装をする必要がある。そうすれば他の人たちはSiヒーローに忠実になり始める。

INTJとINFJのNeネメシスはパラノイアである。他人の意図について結論を急ぐのはやめた方がいい。J型は総じてその傾向があるが、特に劣等Siには迷惑な話である。彼らは過去に人がしてくれた良いことを思い出すのに、多大なエネルギーを要する。それが今起こっているか、明日起こるかもしれない限り、彼らにとって現実ではない。彼らは他人が裏切ることを心配し、忠誠心チェックで過剰なプレッシャーをかける。

Niヒーローが目的を見失った時、Neネメシスが「それは悪い決断だ。まず他の人がやったことを見てみよう」と囁く。そして彼らが成功していれば、Niヒーローはその方向に進みたいと思う。デーモンは全ての危険を覚えており、これを解放するには劣等Seで他の人が何をしているか見に行く必要がある。

SiネメシスのESTPとESFPは、自分が十分に忠実ではなく、規律を欠いていることを心配している。自分には名誉が欠如しているかもしれない。やりたくないことであっても、自分に義務を課し、思い出や経験を積み上げるしかない。過去を振り返り、明日は昨日ほど良くないかもしれないと心配するのはわかるが、それは行動を起こさない言い訳にはならない。それが好きではなくても、ネメシスは経験を強制する。これは内向的な状況だが、外向的な状況は少し異なる。

SeヒーローはSiネメシスとチームを組み、自分が経験した知恵を他の人々に授けたり、他人を強くする。彼らは自我やネメシスを利用して、他の人々が良いパフォーマンスをできるように支援する。無意識は、人を精神的に追い込んで行動を起こさせるために存在する。もし自我と無意識が協力しなければ、自我が失敗し、潜在意識が失敗した後に、超自我しか選択肢はない。だからネメシスは本質的には良いものである。

特に外部の状況において、彼らはヒーローを褒めたたえる。外部以外の状況では、完全に対立しているわけではないが、ヒーローがこの精神、魂、肉体を移動させるために適切な行動を取っているかどうか確認するために、ヒーローと対立する。行動を起こさなければ人生は停滞してしまう。そして待っているのは死である。

あなたの影は死を意識している。生き残るために、自分自身のための経験をしたい。あるいは他の人々に悪い経験をさせたくないので、自己規律を通して良い経験を与える。自分の将来を心配したくないので、他の人々を助ける。自分の思いやりを心配する代わりに、他の人たちに気を配る。自分が知的で賢いことを心配するのではなく、正しいことを調査する。

次にシャドウフォーカスについて話す。第一世界の文化は影に焦点を当てている。なぜなら、第三世界の文化の人々は、第一世界の文化の人々よりも幸福度が高いからである。誰もがテイラー・スウィフトやジャスティン・ビーバーになれるわけではない。彼らは幼い頃から潜在意識に焦点を合わせ、未熟な側面を発達させた。人生の後半になってから幸せになるより、早期から幸福になりたいだろう。殆どの人々は、40代になるまで何が自分を幸せにするのか気づかない。

これは第一世界の文化で非常に一般的である。家族や経済のせいで、人々は影に追いやられる。潜在意識に焦点を合わせている人々を見るのは非常に稀だが、それが人々が望む場所なのである。影の焦点から抜け出すためには、影を統合しなければならない。ネメシスを悪者として扱うのではなく、味方として扱う。劣等機能が願望機能に変わるのと同様に、ネメシスを味方に変えることができる。

あなたが成熟するためには、ネメシスを味方に変える必要がある。私のTeネメシスは人々が愚かなことを心配している。だから私はこうして、人々が私の半分くらいは賢くなれるように教えているのである。

自分の影を味方にするには、心配を手放すか、心配と真正面から向き合って、やりたくないことや苦手なことを自分に強制する。それは成長を促すだろう。ネメシスに耳を傾けなければ、あなたは何度も失敗するだろう。何をしても成功しない。ネメシスを開発し、影にアクセスして、自我と影を統合し、問題を解決するために両方を同時に使用できる必要がある。

我々は影に焦点を当てた社会に住んでおり、潜在意識の前に影を開発しているが、幸福の観点から潜在意識を開発した方がいい。影に焦点を当てていると、高いレベルの成熟度を身につけるので、幸福と潜在意識の発達に集中できる。一方、第三世界の人々はまず幸福を育み、それから成熟する。第二世界の国々はこの混合物である。どれが優れているわけではない。成熟する必要も、幸せになる必要もあるだろう。

成熟への道は無意識で影を育むことであり、幸福への道は潜在意識を通ることである。超自我をマスターする前に、両方をマスターする必要がある。そして心の4つの側面を全てマスターすると、悟りへの道に到達する。ネメシスはあなたが行動を起こし、正しい道に導くために存在する。その道を歩き続け、死の予感に陥らないようにしなければならない。ミレニアル世代は目覚めて、ネメシスを開発する必要がある。そうすれば我々はヒーローの元型世代として、さらに高い成熟度を誇ることができる。この話に興味がある人は、「フォース・ターニング」を読んで欲しい。私の参考文献リストに掲載されている。

ネメシスは内部のアクションを支援するため、あるいは外部の問題に対処する味方となるために存在している。この記事を参考に、ネメシスの理解を深めてもらいたい。