今回は認知的態度の第4弾、劣等機能あるいは願望機能の話である。劣等機能は二番目のゲートウェイ機能である。これは自我の中で最も重要な機能と言える。これは非常に敏感であり、見守り世話をして、一貫して育てる必要があるが、無視されると悲惨な状況になる。二番目のゲートウェイ機能は四番目のゲートウェイ機能にリンクしているため、これら二つの機能はいくつかの方法で相互作用する。
この機能が適切に処理されない場合、外部や内部の関係者に深刻な問題を引き起こす可能性がある。したがって、劣等機能を処理する時は注意する必要がある。注意を怠ると、否定的な方法での超自我の活性化から生じる災害が勃発する。それには虐待も含まれている。
認知的態度はジョン・ビーブ博士の著作に由来する概念である。内向的感情は道徳や原則を司り、外向的思考は論理的根拠と信念として知られる。外向的感情は倫理であり、内向的思考は論理あるいは真偽の認識である。外向的感覚は物理学に関する知識や認識、他者に感覚を与えることで、内向的直観は意志の力や欲望である。忠誠心、義務、名誉、不動心、耐久力は内向的感覚の領分だが、形而上学や預言は外向的直観が担当する。
蛇足だが、Seユーザーには忍耐力が欠けている。彼らは信仰心を持つことにも苦労しており、持久力がない。信仰心を自給自足できないので、傍にSiユーザーを置いておく必要がある。だから彼らは瞬間的に怠け者になる。何かをしていたと思ったら、もうそこにはいない。これがSiユーザーがSeユーザーより長生きする理由である。
劣等機能とは何か?その認知的態度とはどのようなものか?それは人の不安が存在する場所であり、人生が始まったばかりの時、劣等機能は不安や恐れでいっぱいである。したがって、この機能への攻撃は最も痛みを伴う。劣等機能はデーモンとリンクしているため、即座に暴力的な反応となって現れる。劣等機能がヒーロー、ペアレント、チャイルドによって守られていない場合、これは悪魔の手に落ち、燃え上がることになる。
劣等機能を虐げたり、酷い仕打ちをすると、彼らの憎しみを買うだろう。人と対立した時、第四機能を攻めるのは最後の手段である。人は第四の機能において最も虚栄心が強く、虚栄心は不安と結びついている。劣等機能への打撃は、虚栄心を傷つける。例えば、ESTJとENTJは彼らの道徳原則が十分でないことを不安に感じている。ISFPとINFPは他人が自分をどう思うかを恐れており、彼らが自分を良い人間だと信じるためには、他の人々がそう信じてくれる必要がある。実際に善良かどうかは問題ではない。
ISTPとINTPは他人に嫌な思いをさせることを恐れており、罪悪感を抱きやすい。彼らの人間性を非難すると、次の日から無視されるだろう。劣等TiのESFJとENFJは自分たちが知的に劣っており、真偽を間違うことを恐れている。彼らは思考に時間を費やすので、愚かだと思われがちである。現代人には時間がないので、EFJたちが結論を出すのを待ってくれないのである。
そしてINTJとINFJは他人に嫌な経験をさせることを恐れている。彼らは見た目が悪かったり、悪臭を漂わせることに対して虚栄心が強い。さらに劣等Seはパフォーマンス不安を抱えており、たとえ数十人のパートナーがいたとしても、上手く性交渉できなくて相手の忠誠心を失うことを恐れている。だから彼らが良い経験を提供しているフィードバックを与えて、パフォーマンス不安を取り除いてやるといい。
劣等NiのESTPとESFPは自分が間違ったものを望むことを恐れ、他の人が何をしているか観察することに多くの時間を費やす。だから何回も転職したり、次から次へと恋人を変えたりする。何が欲しいかわからないので、全て試してみるしかない。ENTPとENFPは悪い経験をすることを恐れている。今までやったことのない経験をするのが怖い。彼らが前進するには打撃を受けることを学び、自制心を持たなければならない。
ISTJとISFJは「もしも」を恐れている。もし両親が私を殺そうとしたら?会社を解雇されたら?飛行機が家に墜落してきたら?間違った薬を飲んで病気になったら?彼らは「もしも」を恐れているため、何か具体的なものを所有しておく必要がある。こうしておけば、得体の知れない「もしも」に備えることができる。
これが恐怖の仕組みである。劣等機能はあらゆる方向への恐怖である。しかし恐怖を願望に変えることができれば、あるいは恐怖を手放すことができれば、人々と素晴らしい関係を築くことができるだろう。劣等機能、第二のゲートウェイ機能は人の幸福への入り口であり、潜在意識への入り口である。幸せになるには、潜在意識を開発する必要がある。そのためには、劣等機能の恐怖を手放し、願望に変えることである。
劣等Fiは願望を抱くと非常に利他的になる。ISFPやINFPが向上心を持つ時、彼らは最高のステータスを得る。ISTPやINTPが貢献心を持てば、彼らほどサポートしたり教えるのが上手なタイプはいない。ESFJやENFJが真実を熱望すれば、この上ない思考力を発揮する。INTJやINFJは最高のパフォーマンスを披露できるし、ENTPやENFPは何にでも耐えられる。そしてISTJやISFJほど予測力に優れた人間は存在しない。
野望を持てば、劣等機能はヒーローより強力な機能であり、ヒーローを上回るパフォーマンスを発揮する可能性がある。ただし、それは100%ではなく、特定のバーストのみである。ヒーローは安定して機能するが、劣等機能は不安と願望の間で揺れ動く。例えば、ENTPが恐怖から潜在意識に入る時、彼らは自分を守ろうとする。彼らは防衛的になり、人々と戦おうとして暴力的になる。これは恐怖からやっていることだが、復讐心が芽生えるため、問題が起こる。一方、熱望する時は光り輝く鎧を着て弱者を守る騎士となる。名誉の為に行動し、どんな災害にも耐えられる。
潜在意識を願望的に使用するには、多くの精神エネルギーを使用する。このため、ヒーロー機能より有能な潜在意識は短時間しか利用できない。それができる時、奇跡が起こる。奇跡を起こすチャイルドは、劣等機能の願望によって刺激される。
ESTPやESFPが自分の望みを熱望すれば、彼らはどんな障害でも乗り越える一本の道筋を見つけ出すだろう。ISTPやINTPは、無関心から非常に思いやりのある人々になる。潜在意識への移行は、恐怖からではなく願望から行われなければならない。私が恐怖から潜在意識に移行する場合、ただ玄関マットにされるだけである。潜在意識の経験はネガティブにもポジティブにもなる。
劣等機能への攻撃は、虚栄心への攻撃である。ISTPやINTPの無関心を非難したり、ISFPやINFPの人気の無さを指摘することがこれにあたる。ESTJやENTJに悪人だと言ったり、ESFJやENFJの愚かさを嘲笑することも同様である。ESTPやESFPの優柔不断を馬鹿にしたり、ENTPやENFPの不名誉を断罪すること、ISTJやISFJの臆病さを責めることも同罪であり、そのようなことをすれば彼らはあなたを憎み、それを決して忘れないだろう。
劣等機能に打撃を与えると、後悔することになるだろう。私の人生で私を不快にさせた人々は、私の「人間性」に疑問を呈してきた。彼らの都合のいい様に一方的に奉仕しないと、人間的に劣っていることになるらしい。私はそれを覚えておいて、機会があれば復讐する。それが劣等機能の仕組みである。
あるいはESTJやENTJが悪人だと責められて、利他的になることもないだろう。ISFPやINFPをモブとして扱えば、パーティーに招待されなくなる。ESFJやENFJを愚か者呼ばわりすれば、死の淵に追いやられていても助けは期待できないし、INTJやINFJが他人のためにパフォーマンスを提供したいと思うこともない。
人の劣等機能を責めるのは、本人が自分に自信を持っていないからである。劣等機能が不安定な場合、人はそれをプライドと虚栄心で隠すため、劣等機能はプライドの源となる。時にそのプライドは攻撃に値することもある。例えば、INFJが人々の周りでパフォーマンス不安を感じると、Tiチャイルドで人を批判する。それを指摘することは憎しみを生み出すが、そうしなければ劣等機能は憧れになり得ない。ただパフォーマンスが劣っていることを露呈するだけである。この場合、Siユーザーは彼らが上手く機能する方法を教えることができる。
あるいは、ENTPやENFPは自分でやったことがないのに、その分野の専門家のようなプライドを持つことがある。また劣等NeのISTJやISFJは、水晶玉で何でも予言できるような顔をする。彼らはそこにないものを恐れており、人々に警告を発する。
嫌われたくなければ、人の劣等機能を攻撃してはならない。ただし、若者や子供たちを指導するには必要なこともある。プライドの高い人間を見ると、その鼻っ柱を折ってやりたいと思うのは人の性である。謙虚な振りをしていれば、嫌われることもない。新しいことに挑戦する時、不安を感じていることを認め、何が起こるか恐れていることを認めることである。
自分の望みがわからないことを認め、他の人を不快にさせることを恐れていることを認め、全ての事実を知っているわけではないことを認め、それほど思いやりがないことを認め、理想ほど人気がないことを認め、常に良い人ではないことを認める。それを認めることで、周りの人々があなたを成長させて、その不安を最大の強みに変えてくれるだろう。
それらの願望の結果として、チャイルド機能が障害物を動かすことができる。潜在意識の願望的な側面に完全にアクセスできれば、劣等機能は不安、虚栄、仮面に代わってチャイルドの燃料になる。それを実現する唯一の方法は、恐怖を手放し、欠点を認めることである。そして成長することで野心的になる方法を学ぶことができる。勇気とは、恐れを知らぬことではない。恐れてもいいが、決断は下さなければならない。
統合された人間になりたいならば、悟りに到達したいならば、劣等機能をマスターし、潜在意識にアクセスしなければならない。そして、潜在意識を願望的に活用する必要がある。恐れることなく誇りをもって、意欲的にそれを使用する。それが世界を救う方法であり、成熟したものと未熟なものを分ける決定打である。恐怖、虚栄心、プライドを乗り越え、意欲的に取り組めば、他の人々があなたを支え、サポートしようとする。彼らはあなたを信頼し始め、依存し始めるだろう。あなたにアドバイスを求め、近くに居たいと思うようになる。
劣等機能はヒーロー機能を凌駕する機能であり、世界を再構築する機能である。言い換えると、基盤であり奇跡の燃料でもある。あなたが自分の人生に奇跡を起こしたいならば、周りの人々の人生に奇跡を望むなら、劣等機能を構築して、意欲的なものにする必要がある。人生を変えて、世界を変える。その後に何が起こる?あなたは悟りへの道を進み、幸せになるだろう。
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