今回はENTJと社会的互換性のあるタイプを紹介していく。社会的な適合性、言い換えると友情の関係とは、対面で肩と肩を組み合わせた関係を指す。このアルゴリズムを16種類に適用すると、特定の序列が生成される。ENTJはNP、SJ、SP、NJタイプと互換性がある。さらに細分化すると、NTP、SFJ、NFP、STJ、STP、NFJ、およびSFPの順になる。最下位は同じENTJである。

最も互換性が高いのは、INTPである。2番目はENTP。3位がISFJ、4位がESFJ、5位がINFP、6位がENFPと続く。そしてISTJ、ESTJ、ISTP、ESTPと中立的な領域に突入し、INFJ、ENFJ、ISFP、ESFP、INTJ、ENTJとネガティブな関係になっていく。SFPやNTJは社会的互換性を築く際に、「友人」と称されることもあるが、それは「知り合い」と同じような意味である。

親しい友人になれるのは、リストの上位にあるタイプである。このシリーズでは上位4タイプと下位4タイプにのみ触れている。繰り返しになるが、この関係においては互いの心理機能が同じスペクトル上にあることが重要である。互換性がどのように機能するか知りたい方は、「認知的シンクロニシティ」を読んで欲しい。要点は、二点間の最短距離が直線であること、外向機能が内向機能を消費しようとすることである。

ENTJとINTPの互換性に話を進めよう。ENTJは常に他の人々が何を考えているか気にしており、INTPは常に自分が何を考えているか明確に認識している。だからENTJはINTPのTiヒーローに「これについてどう思いますか?」と尋ねれば、他人の考えを知ることができる。そして、ENTJは自分が何を望んでいるか常に意識している。Niペアレントは自分の望みに対して責任感があるので、Niチャイルドのように衝動買いで散財することもない。バーゲンセールやスーパーの見切り品コーナーは、ENTJのためにある。彼らが欲しい物を購入する合理的な理由を与えてやるのである。INTPは他人が何を望んでいるか知っている。それをいつも叶えてやるわけではないが、この関係に矛盾はない。

そしてENTJはSeチャイルドで最高の体験を提供しようと尽力するか、自分が最高の経験を得ようとする。ENTJはINTPがやっていることをやりたがるか、INTPに良い経験を与えることを好む。INTPはそれがどんな経験か知っているので、ENTJが衝動的に実行することも驚くことなく受け止める。あるいは、ENTJがするべき経験について助言する。「しょうゆ味のアイスクリームを試してみるといいよ」といった具合である。するとENTJはその経験について他人の考えがわかるので、自分もやってみたくなる。

ENTJは自分の気持ちを知っているが、同時に恐れてもいる。ENTJは自分が悪人だと非難されることを恐れている。INTPは他人の気持ちに配慮できないと非難されることを恐れている。ENTJが「私は悪い人間かもしれない」と言うと、INTPは「私はENTJに配慮しないといけない」と反省する。すると二人とも、自分が悪い人間だとは感じなくなる。

五番目の機能は心配事である。ENTJは自分が愚かであることを心配している。アイデアが浮かんだけど、間違っていると困るから成功データを探す。あるいは自分が賢くないことを心配しているので、他の人々がどう思っているか確認してみる。そして他人が同意してくれると、自分が愚かなわけではないとわかるので、ENTJの気分は良くなる。そこにENTJが馬鹿ではないかと心配しているINTPがやってくる。

ENTJは自分が馬鹿なことを心配しており、INTPはENTJが馬鹿なことを心配しているので、両者に対立はない。両者の関心事は、ENTJを賢くすることで一致している。そしてSeチャイルドは忠誠心を必要とするが、Niペアレントのみならず、Neクリティックも子供を保護する。例えば、私にはSeトリックスターがあるので、他人の経験に共感することができない。つまり、私のSiチャイルドが義務を果たすためには、自分の望みを批判的に封じる必要がある。

このため、INTPは自分の望みに対して批判的である。Neペアレントは自分の望みに他人は応えてくれないだろうと思っている。ENTJは他人の願望に対して批判的なので、競合はない。さらにSiトリックスターには経験や所有物の好みがない。彼らは自分が経験する前に、他人が経験したことを知りたいのである。一方、INTPは他人が何をしているか知らないのがデフォルトである。ENTJは自分が良い人間であることを確認するのに忙しいので、他人がどのように感じているか、道徳的な人間であるかを気にしない。

INTPは自分が良い人間であるか気にしない。彼らが気にしているのは自分が真実を言っているかどうかであり、そこに道徳が介在する余地はない。私個人の話をすれば、私は十分に良い人間だと思っているが、いずれにせよENTJはINTPが道徳的かどうかを気にしない。これら八つのスペクトルの機能は互いに調整し合うことで、全ての人が認識できるように、統合された状態となる。ただし、これらの機能は競合する可能性もある。Teヒーローは自分の頭が悪いと思わされると気分が悪くなるので、他人の思考を「無駄」「非合理的」と貶める。Tiヒーローからすると、自分が餌をやっている犬に噛みつかれた気分である。

相性が良くても、人間関係には争いが起こる。衝突や対立が起こらない場合、ナイスガイ症候群であるかもしれない。男性が優しすぎると、女性は尊敬の念を失う。これは私の信念ではなく、ロバート・グローバー博士の”No More Mr.Nice Guy”という著書の話である。それはともかく、社会的適合性において重要なのは、自我が求めるものが全てもう一方の自我にあることである。

ENTJとENTPの関係は、INTPと同様に良好である。違いは、機能の位置の違いにより、関係に謙虚さが生まれることにある。もうひとつの違いは、ENTJは外向的で、INTPは内向的なところである。この関係では開始する側と応答する側で役割分担できるが、ENTJとENTPは同時に開始しようとするので、互いに謙虚になる必要がある。TiペアレントはTeヒーローを尊敬する。正確であれば、Teヒーローが何をしようと、ENTPに異存はない。不正確になると、「あなたの不正確さは他の人々に酷い経験を与えています。私にとっても酷い経験です。世界を救う時は正確さに気を付けてください」と警告する。ご存知のように、親は他人の子供の世話をするのである。

これは他の機能でも同様のことが言える。Niペアレントが「あなたがやろうとしていることは望まない」と言えば、Neヒーローは考慮する。あるいは、Seチャイルドが劣等Siを猫かわいがりする。お返しにFeチャイルドは、ENTJが悪人ではないと思わせてやる。ENTJはそう思ったことが間違いであることを心配するが、Teクリティックは他人の考えに批判的である。

するとENTPはNiネメシスで、自分がENTJに報復される未来を想像して心配する。今度はENTJがNeクリティックでその心配を批判する番である。ENTPが不誠実になるのは、自分の将来を不安に思うためなので、ENTJのSeチャイルドやNeクリティックが、その思い込みを正す必要がある。ENTPの美徳と悪徳、誠実と不誠実を思い出すといい。

ENTPのTeクリティックは、ENTJを正直に保ち、彼らを貪欲の暗い穴から引きずり出して利他的であらしめる。ENTJとINTPは説明責任を果たす上で、対立や殴り合いが発生する可能性がある。ENTPは自分がどう感じているか気にしておらず、ENTJはENTPがどう感じているか気にしていない。ENTPは他人にどんな経験を与えようとも、やりたいようにやる。Seデーモンは他人に良い経験を与えることに焦点を当てていない。

ENTJとISFJは、忠誠心の観点から見ると良い関係である。ENTJの周りの人々は、不誠実であることが多い。Siヒーローは最大限の忠誠心を捧げることができる。友情の関係で最高の相性ではないが、忠誠心を求めるENTJはISFJと結婚してしまうのである。この関係で機能は影に隠れることはなく、自我で必要なものは全てまかなえる。ヒーローは相手のチャイルドのロールモデルになることができる。ISFJはENTJが理解していない義務について教授し、トリックスターの開発を手助けする。また、FeペアレントはENTJが社会ルールを遵守することを妨害し、ENTJが悪人かのように思わせるので、ここに対立が発生する。その上、ISFJはENTJがやろうとしていることを恐れている。彼らはENTJの衝動性で酷い目に遭ったことを覚えているので、Siヒーローは不快になる。

このように対立の余地は大いにあるが、友情として互換性はあり、長期的な恋愛や結婚にも推奨できる。INTPやENTPもいいが、ISFJは何より安全である。ENTJはINTPのファッションセンスに苦しむが、これがINTPとENTJのカップルをあまり見かけない理由である。ENTJは外出しており、INTPは引きこもっているので、彼らが出会う機会は滅多にない。出会ったとしても、ファッションセンスのトレーニングを受けていないと、Seチャイルドの視界に入らない。年長のSJやSPは抽象的な話に理解を示すようになるが、結婚は若い頃に行われるので、ENTJは自分が結婚したい相手がいそうな場所に赴く必要がある。

ENTJとESFJの関係は、ISFJと似ている。この関係はヒーローと劣等機能が通信するので、早期に劣等機能が開発され、不安を克服する役に立つ。同時に矛盾する可能性もあり、片方が他方より成熟していると、怒りや嫉妬に繋がるだろう。互いが同程度に成熟してコミュニケーションを取る意志があれば、素晴らしい成果を挙げることができる。

次に互換性のないタイプであるが、ISFPのTiデーモンはTeヒーローに辿り着けない。この関係に費やす精神的エネルギーと干渉頻度は、冗談にも程がある。しかしソシオニクスによると、これは最も相性の良い双対関係である。これを真に受けると、人生を狂わせることになる。特に恋愛関係では推奨できない。

ENTJとINTJ、ENTJとESFPの関係も心理機能で渋滞が発生する。ESFPはTiトリックスターを持つスタータータイプなので、自分の思考を完成させることができない。ESFPは何も考えずに面白がるタイプであり、そんな彼らを見てENTJは「こんな奴と付き合ったら馬鹿になってしまう」と思う。そのような評価にESFPがどんな気持ちになるかなど、ENTJの知ったことではない。同じ価値観を持つNTJ同士は理解し合えそうだが、二人のENTJが揃うとステータス競争が始まる。ENTJとINTJの場合は、時間が経つにつれて、互いに対する敬意を失う。INTJはNiに集中することで成果を挙げようとするが、ENTJはINTJが間違ったことに集中していると思う。

彼らはお互いを批判し合うし、相手が自分より成果を挙げることも好まない。最悪なのはENTJ同士である。この関係では全ての機能が競い合い、対立が生まれる。全く同じ性質の人間と友達になっても、そこから精神的な利益を得ることはない。もしENTJ同士で仲良くやっている人がいたら、それは自分の役割に目覚めていないからだろう。同タイプとは浅い関係に留め、深入りしない方がいい。

鳥頭のENTJのために話を纏めると、相性が良いのはINTP、ENTP、ISFJ、ESFJ。相性が悪いのはISFP、ESFP、INTJ、ENTJである。最高の相手と関係を築き、最低の相手には近づかないのが合理的であろう。ただし、これらは全て1対1の関係の話である。3人以上、多くの人々が集まる外向的な状況では、同じENTJからでも多くの異なる情報を自我に収集することができる。ENTJは親しい人間など作らず、必要に応じて大勢が集まる場で情報収集するのが合理的な生き方と言える。それ以外の生き方を求めるENTJは、この記事を参考にして良い人間関係を作ってもらいたい。