今回はサポーターとして知られるESFJである。ESFJはスタータータイプのひとつであり、N型の読者が大嫌いなSJ気質でもある。ESTJと似ているが、内実は非常に異なる。彼らは非常に多くのことをやりたがるものの、完了することができない。物事を開始することにエネルギーを注ぎ、終わらせるためのエネルギー配分を考えていないからである。

ESFJは自己犠牲的なタイプである。INFJやENFJが「人の為には犠牲も辞さない私」という設定を占有しているが、ESFJも負けていない。そうすることが自分の義務だと信じているからである。彼らには自分がやりたいこと、望んでいることをするという概念がない。彼らは自分が望んでいることに基づいて意思決定するのではなく、相手がどうして欲しいかを知り、それを基にしてどうするべきか決断する。だからESFJは「私はこれをやりたい」とは言わない。

自我にあるFeヒーローは強い正義感を持っている。ESFJは「私が良い人間であれば、良いことが起こるだろう」と無意識に信じている。しかし、ここに問題がある。第一に、人生は不公平なものである。善人が必ずしも報われるわけではない。第二に、ESFJが良い人間であるためには、悪人が存在する必要がある。このため、ESFJは間違った人々に関わったり、自分が信じている原則について無責任になったりする。

ESFJは集団的な倫理に従う。集団が人種差別は良いことだと思えば、ESFJもそれを良いことだと思う。そこでFiユーザーが「それは良くないと思う」と言えば、考えるかもしれない。しかし声を上げるFiユーザーがいない場合、ESFJは集団の価値観を自分のものとして受け入れるだろう。大衆の意見に逆らい続けることは、容易なことではない。

成熟したSiペアレントは、自分の人生に受け入れる人に対して非常に慎重である。NiペアレントであるENFJとは異なり、彼らは全てを覚えている。利用されたこと、苦しみを受けたこと、悪人による過去の仕打ちを微に入り細に入り、ESFJは延々と語ることができる。このため、戦争被害の語り手として最適なタイプである。

SFJたちは多くのことに苦しむことが定めである。誰かに虐げられたり、罰を受けたり、苦しめられることで彼らのSiは鍛えられる。そのような逆境がないと、彼らは「これは普通ではない」と感じ始める。実際には苦しむ必要がない状況でも、彼らは苦しみを作り出す。ESFJにはルーチンが必要である。そして他の人々にも自分のルーチンに従うことを強要する。例えば、皿洗いを手伝ったとしても、ESFJのルーチンに完璧に従っていなければ、手酷い批判を受けることになるだろう。

ESFJは快適に感じることが必要で、快適に感じられなければサポートをやめてしまう。しかし残念ながら、義務とは快適なものではない。ESFJは他の人々が何を望んでいるか認識したいと思っており、「あなたの気分を良くするにはどうすればいいですか?」「今日は何を食べたいですか?」と必ず聞いてくる。この問いには気をつけなければならない。確かに彼らは献身的だが、それに対する見返りを望んでいる。問題は、具体的に何を望んでいるか口に出さないことである。多くの場合、それは不満が募った時に「○○するのが普通」と相手に義務を押しつける形で発露するが、それだけでは済まなくなっている。ESFJのサポートを受ける際には、この点に注意しなければならない。

ENFJと同様に、彼らの劣等Tiが繰り出す話には耳を傾けなければならない。たとえそれが間違いだらけで、どんなに馬鹿馬鹿しく、くだらない話であったとしても、彼らの話を無視することは許されない。ESFJの話を尊重しなければ、超自我ENTJの悪魔によって報いを受けることになる。

超自我ENTJはあなたの仕事を破壊する。彼らは可能な限り合法的に、敵対者の「今」を破壊することを厭わない。怒りに支配された彼らは、有無を言わせぬ口調で相手をコントロールしようとする。遠回しに厭味を言ってくる間はまだ会話が成立するが、この状態に陥ると理性は崩壊していると思っていい。しかし不思議なことに、この状態の方が頭は回る。彼らはだれかれ構わずあなたに関する愚痴を他の人々に言い触らし、社会的評判を傷つけるだろう。

これを避けるためには、ESFJの話に耳を傾け、彼らを快適な気分にしてやる必要がある。話を聞いてもらえると、ESFJは自分が大切にされていると感じる。Feヒーローにとって感謝や認識は重要だが、相手があらゆる意味で自分を望んでいることも必要である。これは社会的な意味でも、性的な意味でも同様である。ESFJは自分が欲望の対象となり、寝室で与えられる感覚を受け取りたいと思っている。彼らのSiは刺激的な感覚を求めている。どんな形でも、相手に望まれることは良い経験なのである。

彼らの無意識はISFPである。ESFJは自分の価値について不安を抱いているので、彼らの貢献がいかに役立っており、そのおかげで自分の気分がどれほど良くなったか、何度も何度も感謝の意を表明する必要がある。Neチャイルドは相手の望みを敏感に察知する。自分が相手に望まれていないと感じると、ESFJのSiペアレントは忠誠を尽くすことをやめてしまう。「SJならどんな仕打ちをしても我慢するだろう」と考えるのは、とんでもない思い違いである。実際のところ、ESFJのメンテナンスにかかる感謝の量は莫大なものである。彼らと相性の良いタイプなら問題ない。彼らの心が消費するものを生産して与えられるタイプならいいが、そうでなければ対応に負担を強いられるだろう。

Seクリティックは他人の外見に対して敏感である。誰かの衣服が汚れていたり、靴紐がほどけているのを見た瞬間、ESFJはそれを指摘して正さなければ気が済まない。予告なく人のシャツから犬の毛をはたき落としたり、靴下の裏が擦り切れていないか注視している人間がいたら、それはESFJである。さらに規則正しい生活を送り、定期的に運動しなければ、彼らには人間扱いしてもらえない。残念ながら、ESFJは服装を清潔にしていない人間に敬意を持てない。それは相手が良い経験をしていない証だからである。ESFJ自身も自分の服装がTPOを守っているか、細心の注意を払っている。彼らは他の人々がSeクリティックと同程度の基準を持っていると思っており、良い第一印象を与えられるように努めている。そして、この基準を満たさない人間は劣等種の烙印を押されることを免れない。

Niトリックスターは自分が何を望んでいるかわからない。だから彼らに「義務なんて果たさなくていいから、自分がやりたいことをやったら?」と言っても意味がない。ESFJは義務によって動機づけられている。Seクリティックは相手に悪い経験をさせたくないし、「どうして欲しい?」と聞かれてもNiトリックスターは答えられず、罪悪感が募るばかりである。だから相手の望みを聞かなければ、身動きが取れないのである。

ESFJたちには率直に自分の望みを伝えなければならない。彼らはそれを一種の基準や規範、ホームベースのように使っている。ただし、言ったとしてもSeクリティックがそれを批判してくる恐れがある。自分の望みは言わないのに、デートに連れて行くとあれこれ批評する彼女がいるだろう。あれはSeクリティックが発動したESFJである。ESTJにも同じ欠点があるが、彼らは店の内装、店員の服装をチェックしてダメ出ししないと気が済まない。そうであっても、超自我ENTJよりはマシである。

ESFJは自分が愚かであること、知的でないことを恐れている。馬鹿にされても、表面上は平静を装うだろう。しかし内心では屈辱に震えている。そして超自我ENTJは何としても、自分に屈辱を与えた相手のステータスを破壊しようとする。ESFJの話に付き合って彼らが間違っていないことを確認すること、彼らが正しい決断を下せるように時間を割くことが重要である。そうでなければESFJはあなたが自分の愚かさにうんざりしていることを感じ取り、忠誠心を失うことになる。

彼らが劣等Tiの不安を乗り越えられれば、潜在意識INTPになることができる。私の母はESFJだが、彼女の卒業論文が東大の教授に引用されたことを誇らしそうに語っていたことがある。私の記憶にある限り、彼女が自分の知性について何かを誇っていたのはそれ一度だけである。ESFJは内心では物理学や知的な分野に興味を持っているが、それを積極的に喋ることは稀である。彼らは何か間違ったことを言って、愚かだと思われることを恐れている。相手がESFJの話に興味を持ち、自分の思考に自信を持てれば知的な側面を披露できるが、なかなかその機会は訪れない。もしも彼らが「愚か者」のレッテルを貼られない心理的安全性を確保できれば、ESFJは素晴らしいアイデアを出すことができる。

彼らは罪悪感を武器として利用することもあるし、自分が罪悪感に駆り立てられて動くこともある。彼らの行動は義務に基づいており、他の人の望みを知りたいと思っているので、ESFJには自分の望みを明確に告げる必要がある。彼らは自分の価値について心配しているので、常に支援してくれることに感謝を忘れてはならない。Seクリティックに注意して、外見には気を配ることである。そうすればESFJは忠実に、思いやり深い支援者として、あなたを助けてくれるだろう。ただし「タダより高いものはない」と言うように、彼らの支援は計画的に利用しなければ、後でツケを払わされることになるだろう。