今回はTwitterでリクエストを受けたENTJとINTJの違いを取り上げる。その時にも説明したが、私がやっているのはMBTIではない。MBTIにはタイプを判定する方法も関係論もないが、私の理論にはある。この点において、MBTIの上位互換だと思って欲しい。
ENTJは率直・開始・制御であるのに対し、INTJは率直・応答・行動である。彼らは知識人で、「もしも」の未来に基づいて合理的な思考をする。カーシーはNTを「合理主義者」と呼んだが、NTPはそれに該当しない。同じNTでも、合理的なのがENTJとINTJである。ENTJのインタラクション・スタイルはイン・チャージ、INTJはフィニッシャーである。
合理的とはどういうことか?部屋にいる10人のうち、6人がそれを真だと考えていれば、彼らにとってはそれが真となる。仮に残りの4人が正しくて、そのせいで失敗したとしても、NTJはそれをすぐに忘れるので問題ない。INTJは物欲が非常に強いので、確実に真であることを確かめるまで待っていられないのである。INTJはENTJよりも衝動的で、トリプル・ムーブメントとして迅速な決定を下す。ENTJはトリプル・コントロールなので、全てをコントロールしなければならない。
つまり、INTJは支配的ではないが、ENTJは支配的である。INTJは進歩するために混沌を恐れないが、ENTJは混乱を恐れる。INTJは内向的で、人々が自分を高く評価して、情報を持ってきてくれることを好む。だからINTJより重要なことに関与していて、情報提供が疎かになると彼らは立腹するが、ENTJは気にしない。ENTJは率先して情報源まで行って物事を制御する。
INTJは他の人々に良い経験を与えることに自信がない。彼らは見栄えに自信がなく、教官の前で無様な運転をすることを恐れて、運転免許を取得しないことがある。練習を積み、同乗者が快適であれば、自分の運転が適切なことがわかるので、事故や衝突を起こすこともなくなる。ENTJはやる気に満ちており、すぐに運転するので、そのような心配はない。Seチャイルドは他の人々に経験を与えることに専念しており、イベントや会議を主催することを好む。INTJは内向的で1対1の関係を望むが、ENTJは外向的なので、できるだけ大勢と関わりたい。
服装がダサい、醜いなどの言葉を浴びせると、ENTJは傷つくが、INTJは憎しみを抱く。これはSeチャイルドと劣等Seの違いである。ENTJは自分の望むものに責任があり、将来を見据えて計画を立てるが、INTJは計画に対して悲観的になることがあり、計画を立てたくなくなる場合がある。そしてENTJは自分の感じ方に自信がないが、INTJは自分の気持ちを常に知っている。しかし倫理意識がないので、他人に悪い感情を与えていても気づかない。悪感情を抱いた人々がINTJを非難したり疎外すると、Fiチャイルドは嫌な気分になる。彼らにとって、自分が検討しているアイデアについて、Fiチャイルドが良い信念を抱くことが重要である。彼らが「間違っている」と思う時、それは真偽に関するものではなく、信念に関するものである。そしてその信念をTiクリティックで批判し、真実と一致していれば満足する。ENTJはそんなことを思いつかない。彼らはただ自分が愚かなことを心配しているだけである。ENTJは他人の思考を管理しているので、自分で信念を検証しようとはしない。検証しなくても自分が愚かなことはバレないと楽観視している。
ENTJの美徳は利他主義で、彼らが良い気分である限り寛大である。悪徳の貪欲は問題を引き起こす可能性があるので、ENTJが良い人間である論理的根拠を提示して、不安を刺激しないようにする必要がある。INTJに必要なのは、彼らが良い経験を与えてくれたことを知らせてもらうことである。そうすれば彼らは成功できるだろう。INTJは自分が有能なことを知っているので、それについて話してもあまり意味がない。
ENTJはNeクリティックで人々の願望を批判する。彼らは潜在的に他の人々を裏切り者だと認識している。ENTJはリーダー、CEO、幹部などになるが、人の気持ちを気にしないので、適切な人材を集められない。彼らは浅い人間関係しか築くことができないので、従業員のパフォーマンスは低下して、彼らを解雇することになる。ENTJは委任が苦手である。ENTPやESTPは、ENTJよりも人あしらいが上手い。ENTJにはマネージャーが必要である。
その観点から言うと、NTPはENTJと互換性が高い。Neは他人の意図を読み取るが、ENTJは人々の願望を批判する。INTJはそんなことをしない。INTJは自分の望むものを絶対視しているので、Fiチャイルドが信念を抱いた相手を信頼する。彼らの美徳は信頼、悪徳はパラノイアである。Neネメシスは他人の意図を勘繰り、自分を裏切るという被害妄想を抱く。その結論に飛びついたが最後、相手が無実であっても自分に忠実ではないと思い込み、関係を断ち切ることも厭わない。
INTJにはムイシュキン公爵のようなところがある。彼らは騙されやすい。気に入った人間に対して信念を抱くのは彼らの良いところだが、誰かが裏切ったり騙したりしていないかどうか、自分の信念を検証する必要がある。ENTJはNeクリティックで裏切りについて懸念しており、人の意図について悲観的である。Seチャイルド、Tiネメシス、Teヒーローの連携によって「この人は信用できない」と判断する。
彼らは両方ともNTJだが、内向と外向、それに伴う機能の優先順位が違う。INTJが裏切りを認識すると、彼らは自分の信念を貫き、死刑執行人としてSiデーモンは被告人の首を切り落とす。彼らは過去にもそうしてきたのである。これを逃れられることもある。ENTPはSeデーモンでSiデーモンを打ち負かし、彼らが間違っていることをわからせる。ただし、全てのタイプがこれをできるわけではない。
ENTJは美しくありたいと思っているが、Siトリックスターのせいで物忘れが激しい。だから彼らは付箋、メモ帳、マインドマップなどの記憶ツールを持ち歩いている。そしてそれらに記録したスケジュールに従って生活する。NTJは記憶を外部の物理的媒体に保存し、それを手に取ると全ての記憶が蘇る。しかし、そのオブジェクトから離れると、記憶は消え去ってしまう。新しい情報が入って来て、古い情報は押し流されてしまうからである。彼らは今この瞬間に集中しているので、記憶するハードドライブを持っていない。彼らは短期記憶であるランダムアクセスメモリに集中している。結果として、長期記憶は抑圧されている。
彼らは全てを書き留めるだけでなく、思い出させるトーテムを部屋に置く。トーテムは写真、絵、歌などがあるが、これらの現実は記憶と結びついている。内向的感覚は自分の中に住み着いた記憶であり、人はそれを覚えている。INTJも忘れっぽいが、彼らは自分の過去を気にしない。だから彼らの過去について詮索したり、問いたださない方がいい。Neネメシスで明後日の方向から電波をキャッチされるのは困るだろう。Fiチャイルドがあなたに対して信念を抱いていれば、聞かなくてもぺらぺら喋り出す。INTJ女性と親しくなりたいなら、彼女の過去の経験について聞いてはならない。
ENTJは何かを覚えようとしているが、どうしてもできない。INTJは既に覚える気すらなく、トーテムと共に生きる人生を受け入れている。ENTJは後で思い出せると思っているが、実際には思い出せず、愕然とする。ENTJの潜在意識ISFPは、年齢を重ねるにつれて芸術性を追求するようになる。情報技術や起業家精神以上の何かを求めるようになるのである。人生を楽しみ、芸術を楽しみ、自分のやっていることを楽しめるように、感性を高めるスキルを磨く。これは舞台裏でこっそり行われる。自分の素晴らしい体験を最高傑作として他の人々に届けることを、ENTJは夢見ている。そのためには、自分が悪い人間であるという恐怖からぬけ出し、自分が善良な人間であることをTeの信念で信じなければならない。その信念を通じてISFPにアクセスして、芸術活動に従事する。
INTJは自分の信念に自信を持ち、他の人々に良い経験を与えることが自分にとって良いことだと信じる必要がある。そうすれば潜在意識ESFPとして、史上最高のコメディアンになることも夢ではない。ESFPは多くの人々に向けた究極の体験だが、ENTJが目指すのはただ一人に向けた究極の体験である。内向と外向の違いが潜在意識では逆転する。ENTJの超自我はESFJであり、ISFJと似ている。ENTJが誰かに裏切られたり、評判を傷つけられたと感じると、自分が悪人のように感じる。するとESFJのように内心を隠し、いかにも相手と友人であるかのように振る舞い、油断したところで報復するのである。
あるいは食事に毒を盛るかもしれない。今まで食べた中で最高の食事だったが、その後に命を失うことになる。これが超自我ESFJのやり方である。だから劣等Fiが常に気分よくあること、劣等Seが常に良い経験を与えていることを確認しなければならない。INTJが誰かに悪い経験をさせていたら、すぐに改善させる。INTJはフィードバックを求め、SeをTiで批判することができる。あまり深刻になりすぎないように、ユーモアを提供するといい。彼らが何も良い経験を提供しようとしない場合は、別のINTJを見つけた方がいいだろう。
これでタイプ同士の比較は四分の一まで完了した。指標に共通点がないタイプを比較してもいいかもしれない。互換性シリーズが完了したら、関係性同士の比較もできるだろう。人間は比較するのが好きである。
コメントを残す